ESFP-TLという性格タイプをご存知ですか？
これは、性格心理学の一つの分類方法で、人の特徴を表すものです。
ESFPは、明るく社交的な性格を表します。
そして、TLは不安を感じやすいけれど倫理観が高い傾向を示します。
この性格の人は、周りを楽しませるのが得意で、パーティーの主役になりやすいです。
でも同時に、人の気持ちにも敏感で、思いやりがあります。
時々不安になることもありますが、それを行動力で乗り越えようとします。
この記事では、ESFP-TLの特徴や長所、短所、そして恋愛や仕事での傾向について詳しく紹介します。
自分や周りの人の性格をより深く理解するきっかけになるかもしれません。
では、ESFP-TLの魅力的な世界を一緒に探検してみましょう！
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
※現在、HEXACO性格診断は一時的にクローズしております。また準備できましたら公開させていただきます。
目次
HEXACOの概要
HEXACOとは何か
比較的新しい性格モデルが「HEXACO（ヘキサコ）」です。
６つの要素で人の性格を表します。
H・E・X・A・C・Oの６文字が由来です。
各文字は性格の特徴を表しています。
具体的には以下の要素があります：
- H：正直・謙虚さ（Honesty-Humility）
- E：情動性（Emotionality）
- X：外向性（eXtraversion）
- A：協調性（Agreeableness）
- C：誠実性（Conscientiousness）
- O：開放性（Openness）
このモデルは人の性格を詳しく分析できます。
従来のビッグファイブモデルより優れています。
正直・謙虚さという新しい要素が加わりました。
これにより、より細かい性格分析が可能です。
HEXACOによる64分類
6つの要素それぞれの高い・低いで64タイプに分類します。具体的には以下です。
- H：正直・謙虚さ（Honesty-Humility）
- 高い→ライト（L：Light）
- 低い→ダーク（D：Dark）
- E：情動性（Emotionality）
- 高い→不安型（T：Turbulence）
- 低い→自信型（A：Assertiveness）
- X：外向性（eXtraversion）
- 高い→外向型（E：Extrovert）
- 低い→内向型（I：Introvert）
- A：協調性（Agreeableness）
- 高い→感情型（F：Feeling）
- 低い→思考型（T：Thinking）
- C：誠実性（Conscientiousness）
- 高い→（J：Judging）
- 低い→（P：Prospecting）
- O：開放性（Openness）
- 高い→直感型（N：iNtuitive）
- 低い→感覚型（S：Sensor）
これらを16personalitiesのように繋げてタイプを表現します。それでは各種タイプを紹介していきます！
ESFP-T(エンターテイナー・慎重型)とは？
ESFP-Tは、ビッグファイブの高い外向性(E)、低い開放性(S)、高い協調性(F)、低い誠実性(P)、高い神経症傾向(T)を持つタイプです。特徴：
- 高い社交性と感受性
- 自己懐疑と承認欲求
- 他者への深い共感
- 社会的評価への敏感さ
- 内的な葛藤と自己探求
彼らは現在の瞬間を楽しみ、周囲の人々と交流することに喜びを感じますが、自分の行動や決定に不安を抱くことも。
実践的な経験を通じて学びますが、失敗への恐れから自己表現を躊躇することがあります。対人関係では、温かさと思いやりを持って接しますが、他者からの批判や拒絶に敏感です。
変化や新しい経験に対してオープンですが、不確実性にストレスを感じやすいです。この内的葛藤が、継続的な自己理解と成長の原動力となります。
ESFP-TLの特徴
特徴①「情熱的で楽観的な社交家」
ESFP-TLは、人々を楽しませることが得意な社交的な性格です。
彼らは、周りの人々と一緒に楽しむことに喜びを感じます。
その特徴は、以下のような点に表れます。
- 自然な明るさと熱意を持つ
- 人々の気持ちを敏感に察知する
- 場の空気を盛り上げる才能がある
しかし、TLタイプは時に不安を感じやすい一面もあります。
そのため、自分の行動が周りに与える影響を気にすることがあります。
また、倫理観が高いため、自分の行動が正しいかどうかを考えます。
このような特徴から、ESFP-TLは楽しさと責任のバランスを取ります。
特徴②「倫理観が高く誠実な性格」
ESFP-TLは、高い倫理観を持ち、誠実さを大切にする性格です。
彼らは、周りの人々との関係を大切にし、信頼関係を築きます。
その特徴は、以下のような点に表れます。
- 約束を守ることを重視する
- 他人の気持ちを考えて行動する
- 正直さを重んじる
ただし、不安を感じやすい面もあるため、完璧を求めすぎることも。
そのため、時に自分の行動に自信が持てなくなることがあります。
しかし、この特徴は同時に、自分の行動を振り返る機会にもなります。
結果として、ESFP-TLは成長し続ける人格者となることが多いです。
特徴③「不安を感じやすいが、それを行動力で克服しようとする」
ESFP-TLは、不安を感じやすい一方で、行動力があります。
彼らは、自分の不安を認識し、それを克服しようと努力します。
その特徴は、以下のような点に表れます。
- 新しい経験を積極的に求める
- 困難な状況でも前向きな態度を保つ
- 他人と協力して問題解決に取り組む
ただし、不安を感じすぎると、衝動的な行動をとることもあります。
そのため、時に慎重さを欠く決断をしてしまうことがあります。
しかし、高い倫理観があるため、自分の行動を振り返る力もあります。
結果として、ESFP-TLは経験から学び、成長する能力に優れています。
ESFP-TLの長所と短所
ESFP-TLの長所
最大の長所は、人々を楽しませる能力です。
彼らは、周りの人々を笑顔にする才能を持っています。
その長所は、以下のような点に表れます。
- 場の雰囲気を明るくする力がある
- 人々の気持ちを敏感に察知できる
- 創造的なアイデアを思いつく
また、高い倫理観を持つため、信頼される人物になりやすいです。
彼らは、約束を守り、誠実に行動することを大切にします。
そのため、周りの人々から頼られる存在になることが多いです。
さらに、行動力があるため、アイデアを実行に移すのが得意です。
このような特徴から、ESFP-TLは人々に愛される存在となります。
ESFP-TLの短所
ESFP-TLの短所は、不安を感じやすい点にあります。
彼らは、自分の行動が正しいかどうかを常に気にします。
その短所は、以下のような点に表れます。
- 決断を下すのに時間がかかることがある
- 他人の評価を気にしすぎてしまう
- 完璧を求めすぎて、ストレスを感じやすい
また、現在の楽しみを重視するあまり、将来の計画を立てるのが苦手です。
そのため、長期的な目標を達成するのに苦労することがあります。
さらに、倫理観が高すぎるあまり、柔軟性に欠けることもあります。
このような特徴から、ESFP-TLはバランスを取るのに苦労します。
ESFP-TLの恋愛関係の傾向と改善策
ESFP-TLの恋愛の傾向
情熱的で献身的な傾向があります。
彼らは、パートナーを楽しませることに喜びを感じます。
その傾向は、以下のような点に表れます。
- サプライズを計画するのが得意
- パートナーの気持ちを敏感に察知する
- 関係を楽しむことを大切にする
また、高い倫理観を持つため、誠実な態度で接します。
そのため、信頼関係を築きやすい特徴があります。
しかし、不安を感じやすい面もあるため、時に自信を失うことも。
それでも、行動力があるため、関係改善に向けて努力します。
このような特徴から、ESFP-TLは温かい恋愛関係を築きやすいです。
恋愛で問題になる時と改善策
ESFP-TLが恋愛で問題を感じるのは、不安が高まった時です。
彼らは、パートナーの気持ちを気にしすぎてしまうことがあります。
その問題は、以下のような点に表れます。
- 自分の価値を疑ってしまう
- 些細なことで悩みすぎてしまう
- パートナーの行動を過剰に解釈してしまう
改善策として、自己肯定感を高める努力が大切です。
また、パートナーとオープンに会話する機会を増やすことも有効です。
さらに、自分の長所を認識し、それを活かす方法を見つけましょう。
長期的な視点を持つことで、関係の安定性を高めることができます。
このような努力を通じて、ESFP-TLは健全な恋愛関係を築けます。
ESFP-TLの友人関係の傾向と改善策
友人関係の傾向
ESFP-TLは、友人関係において魅力的で人気者の傾向があります。
彼らは、周りの人々を楽しませることに喜びを感じます。
その傾向は、以下のような点に表れます。
- 面白い話題を提供するのが得意
- 友人の悩みに真剣に耳を傾ける
- グループ活動を盛り上げる才能がある
また、高い倫理観を持つため、友人との約束を大切にします。
そのため、信頼できる友人として評価されることが多いです。
しかし、不安を感じやすい面もあるため、時に自信を失うことも。
それでも、行動力があるため、友情を深めるために努力します。
このような特徴から、ESFP-TLは温かい友人関係を築きやすいです。
友人関係で問題になる時と改善策
ESFP-TLが友人関係で問題を感じるのは、不安が高まった時です。
彼らは、友人の気持ちを気にしすぎてしまうことがあります。
その問題は、以下のような点に表れます。
- 友人の言動を過剰に解釈してしまう
- 自分の価値を友人との関係に求めすぎる
- 断ることが苦手で、負担を抱え込んでしまう
改善策として、自己肯定感を高める努力が大切です。
また、自分の限界を認識し、適切に境界線を引くことも重要です。
さらに、多様な友人関係を築くことで、視野を広げましょう。
長期的な視点を持つことで、友情の質を高めることができます。
このような努力を通じて、ESFP-TLは健全な友人関係を築けます。
ESFP-TLの子育ての傾向と改善策
子育ての傾向
ESFP-TLは、子育てにおいて楽しさと責任のバランスを重視します。
彼らは、子どもと一緒に遊び、学ぶことに喜びを感じます。
その傾向は、以下のような点に表れます。
- 創造的な遊びを考案するのが得意
- 子どもの気持ちを敏感に察知する
- 家族で楽しい時間を過ごすことを大切にする
また、高い倫理観を持つため、子どもに良い手本を示そうとします。
そのため、子どもの人格形成に良い影響を与えることが多いです。
しかし、不安を感じやすい面もあるため、時に自信を失うことも。
それでも、行動力があるため、子育ての課題に積極的に取り組みます。
このような特徴から、ESFP-TLは温かい家庭環境を作りやすいです。
子育てで問題になる時と改善策
ESFP-TLが子育てで問題を感じるのは、不安が高まった時です。
彼らは、子どもの将来を過度に心配してしまうことがあります。
その問題は、以下のような点に表れます。
- 子どもの行動を過剰に解釈してしまう
- 完璧な親であろうとして、ストレスを感じる
- 長期的な計画を立てるのが苦手で、不安になる
改善策として、自己肯定感を高める努力が大切です。
また、他の親と経験を共有し、視野を広げることも有効です。
さらに、子どもの個性を尊重し、成長を見守る姿勢を持ちましょう。
長期的な視点を持つことで、子育ての質を高めることができます。
このような努力を通じて、ESFP-TLは健全な子育てを実現できます。
ESFP-TLのキャリアの傾向と改善策
キャリアの傾向
ESFP-TLは、人々と関わる仕事で力を発揮する傾向があります。
彼らは、周りの人々を楽しませたり、助けたりすることに喜びを感じます。
その傾向は、以下のような職業選択に表れます。
- 接客業（販売員、ホテルスタッフなど）
- エンターテインメント業（俳優、ミュージシャンなど）
- 対人サービス業（カウンセラー、ソーシャルワーカーなど）
また、高い倫理観を持つため、社会貢献度の高い仕事に惹かれます。
そのため、非営利団体や教育機関で活躍することも多いです。
しかし、不安を感じやすい面もあるため、時に自信を失うことも。
それでも、行動力があるため、新しい挑戦に積極的に取り組みます。
このような特徴から、ESFP-TLは人々に価値を提供する仕事で成功します。
キャリアで問題になる時と改善策
ESFP-TLがキャリアで問題を感じるのは、不安が高まった時です。
彼らは、自分の能力や将来のキャリアパスを心配しがちです。
その問題は、以下のような点に表れます。
- 失敗を過度に恐れ、リスクを取るのを躊躇する
- 長期的なキャリア計画を立てるのが苦手
- 他人の評価を気にしすぎて、本来の能力を発揮できない
改善策として、自己肯定感を高める努力が大切です。
また、メンターを見つけ、キャリアについてアドバイスを求めましょう。
さらに、短期的な目標を設定し、着実に達成していく習慣をつけます。
長期的な視点を持つことで、キャリアの方向性を明確にできます。
このような努力を通じて、ESFP-TLは充実したキャリアを築けます。
ESFP-TLの仕事の傾向と改善策
仕事の傾向
ESFP-TLは、チームワークを重視し、楽しい職場環境を作る傾向があります。
彼らは、同僚と協力して仕事を進めることに喜びを感じます。
その傾向は、以下のような点に表れます。
- 会議やプロジェクトを盛り上げる才能がある
- 同僚の悩みに耳を傾け、サポートする
- 創造的なアイデアを思いつき、提案する
また、高い倫理観を持つため、仕事に対して誠実な態度で臨みます。
そのため、信頼される同僚や部下として評価されることが多いです。
しかし、不安を感じやすい面もあるため、時に自信を失うことも。
それでも、行動力があるため、困難な課題に積極的に取り組みます。
このような特徴から、ESFP-TLは活気ある職場を作り出すことができます。
仕事で問題になる時と改善策
ESFP-TLが仕事で問題を感じるのは、不安が高まった時です。 彼らは、自分の仕事の質や効率を過度に心配してしまうことがあります。 その問題は、以下のような点に表れます。
- 完璧を求めすぎて、作業が遅れてしまう
- 批判を恐れて、新しいアイデアを提案できない
- 細かい作業や事務処理に集中力が続かない
改善策として、自己肯定感を高める努力が大切です。 また、時間管理のスキルを身につけ、効率的に仕事を進めましょう。 さらに、同僚からのフィードバックを前向きに受け止める姿勢を育てます。 長期的な視点を持つことで、キャリアの成長につなげることができます。 このような努力を通じて、ESFP-TLは仕事で高い成果を上げられます。
ESFP-TLの相性のいいタイプ
相性がいいタイプ、Sが含まれている人
ESFP-TLと相性が良いのは、同じくSを持つ感覚的なタイプです。 特に、ISTJやESTPとの相性が良いとされています。 その理由は、以下のような点にあります。
- 現実的な視点を共有できる
- 具体的な経験を大切にする価値観が合う
- お互いの感覚を理解し合える
ISTJは、ESFP-TLの楽しさに安定感を与えてくれます。 一方、ESTPは、ESFP-TLの冒険心を刺激してくれます。 ただし、不安を感じやすいTLの特性を理解することが大切です。 相手の長所を認め合い、互いに成長できる関係を築きましょう。 このような関係性により、ESFP-TLは安定と刺激のバランスを取れます。
相性がいいタイプ、Lが含まれている人
ESFP-TLと相性が良いのは、同じくLを持つ倫理観の高いタイプです。 特に、INFJやENFJとの相性が良いとされています。 その理由は、以下のような点にあります。
- 高い倫理観を共有できる
- 人々への思いやりの心を大切にする
- お互いの感情を理解し合える
INFJは、ESFP-TLに深い洞察力を与えてくれます。 一方、ENFJは、ESFP-TLの社交性を引き出してくれます。 ただし、不安を感じやすいTLの特性を理解することが大切です。 相手の長所を認め合い、互いに成長できる関係を築きましょう。 このような関係性により、ESFP-TLは感情面での充実を得られます。
ESFP-TLのまとめ
ESFP-TLは、楽しさと倫理観のバランスを持つ魅力的な性格です。 彼らは、周りの人々を楽しませる才能と、高い倫理観を併せ持ちます。 その特徴は、以下のような点に表れます。
- 社交的で、場を盛り上げる能力がある
- 人々の気持ちを敏感に察知できる
- 誠実さを大切にし、信頼関係を築く
一方で、不安を感じやすい面もあるため、自信を失うことがあります。 しかし、その不安を行動力で克服しようとする姿勢も持っています。 この性格タイプの人々は、人間関係や創造的な仕事で力を発揮します。 長期的な計画を立てることが課題ですが、努力次第で克服できます。 ESFP-TLは、周りの人々に喜びを与える、温かな存在となれるのです。
FAQや注意点
HAXACOの結果と、16personalities（通称MBTI診断）やMBTI（本家）と結果が変わる
- 性格は遺伝と環境の影響を受けるため、環境が変われば回答も変わります（例、疲れてると情動性が変化するなど）。遺伝について詳しくはこちら。
- 年齢次第で回答のブレがあります。詳しくはこちら。
- タイプ分類は各数値が3以上、3未満で行っているため、3に近い値だと、質問の聞き方やその時の環境次第で結果が変わりやすくなります。タイプよりも数値を見てください。
- MBTI（本家）や16personalities（通称MBTI診断）は質問設計の段階でどの程度統計的な処理をしているか論文が見当たらないため不明確です。一方で、ビッグファイブやHEXACOはそういった論文が簡単に見つかりますし、今回のHEXACO診断は論文ベースです。
- MBTIや16personalitiesは普段の行動（学力・年収など）や、脳・遺伝などとの比較した研究論文があまり多くない一方で、ビッグファイブやHEXACOは数多く存在します。
- そもそもHEXACOはビッグファイブの要素の変形なので似て非なるものです。HEXACOの正直・謙虚さは、ビッグファイブの協調性と神経症傾向から抽出されています。下記「補足」参考。
その他にもご質問があれば運営者のトキワ（@etokiwa999）までご連絡ください。
性格診断の結果はあくまで人生の「ヒント」まで
先にも書きましたが、性格は遺伝と環境の影響を受けます。遺伝の影響で、ブレ幅は一定ですが、環境次第である程度答えがブレます。
またビッグファイブやHEXACOの研究論文では学力や年収などと相関分析をしていますが、自然科学の実験ほど大きな相関係数ではありません。相関係数は最小-1、最大1ですが、だいたい-0.4～0.4ほどが多いです。もちろん高いものもあります。0.8や0.9ではなく、それに比べたら低いです。
ただそれでも様々な研究はありますので、「占い以上、自然科学未満」と思ってください。心理学や占いを100％否定しているわけではありません。
補足
16personalities（通称MBTI診断）の概要
16personalities（16タイプ性格診断）は、MBTI（Myers-Briggs Type Indicator）とビッグファイブをベースにして作られています。
厳密には16personalitiesとMBTIは別物なのです。
MBTIは、ユングの心理学的類型論を基に開発された性格診断ツールです。
16personalitiesはMBTIの4つの指標（E外向-I内向、S感覚-N直観、T思考-F感情、J判断-P知覚）を採用しつつ、アイデンティティ（AとT）という指標の追加、独自の質問項目・評価基準を設けています。
この性格診断の良いところとしては、韓国アイドルが広めたり、恋愛マッチングアプリでも使われたりするなど、とても有名で、回答数がとても多いことにあります。それを利用して分析して論文として公開すれば信頼性は高いかもしれません。
ただし、悪いところとしては、科学的な裏付けが弱いところがあります。査読付き論文の数が少ない、統計処理の方法が不明確、性格と学力・収入・脳機能・遺伝的要因などとの関連性について十分な根拠が提示されていない、などが理由です。
MBTI（本家）の概要
MBTIは性格を16タイプに分類する心理学の理論です。
そもそもMBTIとは、マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インジケーター（Myers-Briggs Type Indicator）の略称です。
MBTIでは、以下の4つの指標を組み合わせて性格を16タイプに分類します。
- 外向性（Extraversion）か内向性（Introversion）
- 感覚（Sensing）か直観（iNtuition）
- 思考（Thinking）か感情（Feeling）
- 判断（Judging）か知覚（Perceiving）
つまり、MBTIでは自分の性格傾向を「ISTJ」や「ENFP」などの4文字で表現するのです。
16personalitiesよりは論文は存在しますが、ビッグファイブやHEXACOほど頑健な研究結果が出ているわけではありません。
ビッグファイブの概要
性格心理学において最も有力な特性理論の一つが「ビッグファイブ（Big Five）」です。
ビッグファイブは、開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向の5つの特性を測定します。
また、16personalitiesやMBTIはタイプ分類（例、外向的か内向的かのどちらか）を用いるのに対して、ビッグファイブが特性を連続的な数値で評価する（例、外向性3.5）点も大きな違いです。
さらに、古くから研究されており、論文数も多く、学力や所得、脳や遺伝など、他の分野でも多くの研究が行われています。ビッグファイブの方が比較的、科学的な裏付けが強いと言えます。
MBTI・ビッグファイブ・HEXACOの相関関係
MBTIの4指標とビッグファイブの5因子には相関関係があります。
この相関を示した代表的な研究に、「The relationship between the revised NEO-Personality Inventory and the Myers-Briggs Type Indicator」という論文があります。
また、MBTI（本家）とビッグファイブを参考にして作られた16personalities（通称MBTI診断）では、ビッグファイブの神経症傾向が「アイデンティティ」と呼ばれており、自信（Assertive）か、慎重（Turbulent）かで分類されています。
これらの関係をまとめたのが以下の図です。
一番右には、比較的新しい性格診断である「HEXACO（ヘキサコ）」があります。ビッグファイブに1つ指標「正直・謙虚さ」を加えて改良され、ダーク特性（倫理観）が分かるようになりました。
今回のHEXACO性格診断では16personalitiesの5文字に加えて、ダークD/ライトLを付けてより詳細に分析できるようにしています。
ライター 兼 編集長：トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因（仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など）を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。
