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仕事ができる人の性格とは?55万人以上の大規模調査を解説

    稼げる性格、仕事ができる

    「仕事ができる人」と聞いて、どんな性格の人を思い浮かべるでしょうか。真面目で几帳面な人?それとも、明るくて人当たりの良い人?

    実は、性格と仕事の成果の関係は、古くから心理学者たちが注目してきたテーマです。

    そして今回、「Big five personality traits and performance: A quantitative synthesis of 50+ meta‐analyses.」という大規模な研究のレビューが発表されました。

    この研究は、これまでに行われた大量の研究データを分析し直すことで、性格と仕事の成果の関係を包括的に明らかにしようとしたものです。

    一体どんな性格の人が、仕事で高い成果を上げやすいのでしょうか?

    気になる研究の詳細を、以下でご紹介していきます。

    目次

    性格特性と仕事ができるかどうかの関係

    性格の5因子モデル(ビッグファイブ)とは

    ビッグファイブは、人の性格を5つの特性に分類する理論です。

    この5つの特性とは、次のようなものです。

    • 外向性:社交的で活発な性格
    • 協調性:優しくて思いやりのある性格
    • 誠実性:規律正しく責任感のある性格
    • 神経症傾向:不安になりやすく情緒不安定な性格
    • 開放性:好奇心が強く想像力豊かな性格

    これらの性格特性が組み合わさって、一人一人の個性が形作られていると考えられています。
    ビッグファイブは性格心理学の分野で最も有力な理論の一つとされ、様々な研究に用いられてきました。
    性格特性と仕事ぶりの関係を調べる研究でも、このビッグファイブがよく使われています。

    54のメタ分析から550,000人以上のデータを統合

    今回の研究では、性格特性と仕事の成果の関係を調べた54のメタ分析のデータを統合しました。

    メタ分析とは、複数の研究結果を統計的に統合する手法のことです。
    この54のメタ分析には、合わせて2028もの研究が含まれていました。
    そこから、のべ550,000人以上の働く人のデータが集められたのです。

    研究チームは、それぞれのメタ分析から性格特性と仕事の成果の関連の強さを示す数値を集めました。
    そして、その数値を平均することで、全体としての関連の強さを算出したのです。
    こうした大規模なデータの統合により、性格が仕事ぶりに与える影響を、より確かなものとして示すことができました。

    5つの性格特性はすべて仕事の成果と関連があった

    ビッグファイブの5つの性格特性は、どれも仕事の成果と統計的に有意な関連がありました。

    有意な関連があったということは、偶然ではなく、本当に性格と仕事ぶりの間に関係があるということを意味します。

    ただし、関連の強さは性格特性によって違いがありました。
    最も強い関連を示したのは誠実性で、相関係数は0.19でした。
    相関係数は、-1から1の間の値をとり、1に近いほど関連が強いことを示します。

    それ以外の性格特性では、次のような結果となりました。

    • 外向性:0.10
    • 協調性:0.10
    • 開放性:0.13
    • 神経症傾向:-0.12(マイナスは仕事の成果と逆の関係があることを意味する)

    これらの結果から、性格特性はどれも仕事の成果に関わっているものの、特に誠実性が仕事ぶりと最も深い関わりがあることがわかります。

    仕事ができる人に最も強く関連していたのは誠実性

    仕事ができる人に最も強く結びついていたのは、誠実性という性格特性でした。

    誠実性は、勤勉で几帳面、自制心や粘り強さがある性格を表します。
    今回の研究では、誠実性の高さが仕事の成果と最も強い相関を示し、相関係数は0.19でした。

    なぜ誠実性が仕事ぶりと最も関係が深いのでしょうか。
    その理由として、次のようなことが考えられます。

    • 誠実な人は、仕事に真面目に取り組む
    • 計画を立てて着実に実行できる
    • 困難な状況でも粘り強く取り組み続けられる
    • 自分の行動を律し、ミスを減らせる

    これらの特徴は、どんな職種でも仕事をする上で役立つものばかりです。
    自分に厳しく仕事に打ち込める誠実性の高さは、仕事の成果に直結するのでしょう。
    他の性格特性に比べて、誠実性が群を抜いて仕事ぶりと結びついていたのは、うなずける結果と言えます。

    外向性、協調性、開放性は同程度の関連の強さ

    外向性、協調性、開放性は、仕事の成果との関連の強さがほぼ同じでした。

    外向性の相関係数は0.10、協調性は0.10、開放性は0.13と、似たような値を示しました。

    これらの性格特性は、次のような特徴を持っています。

    • 外向性:人と交流するのが得意で、活発に行動できる
    • 協調性:人に親切で思いやりがあり、協力的である
    • 開放性:新しいことに興味を持ち、柔軟に対応できる

    これらの特性は、対人関係が重要な仕事や、創造性が求められる仕事などで、特に役立つと考えられます。
    つまり、職種によってはこれらの性格特性がより重要になるのでしょう。
    ただ、職種を問わず全体で見ると、外向性、協調性、開放性の仕事の成果との関連は、誠実性ほど強くはないようです。
    その分、誠実性に比べると職種による違いが出やすいのかもしれません。

    神経症傾向は仕事の成果とマイナスの関係

    神経症傾向は、仕事の成果と負の相関がありました。

    この特性の高さは、仕事ぶりの良さと逆の関係にあったのです。
    相関係数は-0.12で、マイナスの値でした。

    神経症傾向は、次のような特徴を表します。

    • ストレスに弱く、不安になりやすい
    • 感情の起伏が激しく、気分に左右されやすい
    • 自信がなく、悲観的になりがち

    これらの特性は、仕事のパフォーマンスを下げる方向に働くと考えられます。
    ストレス対処がうまくできなかったり、不安から本来の力を発揮できなかったりするのでしょう。
    その結果、神経症傾向が高いと、仕事の成果が下がる傾向があるのだと解釈できます。
    ただし、相関係数の絶対値は0.12と、それほど大きくはありませんでした。
    神経症傾向は仕事ぶりと関係はあるものの、そこまで決定的な影響力はないのかもしれません。

    仕事の成果と学業の成績では性格特性の影響が異なる

    誠実性は学業成績とより強い関連

    誠実性は、仕事の成果よりも学業成績との関連がより強いことがわかりました。

    仕事の成果との相関係数が0.20だったのに対し、学業成績とは0.28の相関がありました。

    なぜ誠実性は学業成績とより強く結びついているのでしょうか。
    その理由として、次のようなことが考えられます。

    • 学業では自分で計画を立てて勉強を進める必要がある
    • 勉強ではコツコツと努力を重ねることが大切
    • 授業や課題、テスト勉強など、自制心を持って取り組まなくてはならない

    つまり、自分を律して計画的に物事に取り組む誠実性の特徴が、学業で特に生きるのだと解釈できます。
    一方、仕事では、誠実性が重要なことに変わりはありませんが、組織の中で働くため、自分だけでなく周囲の支援もあります。
    そのため、誠実性の影響が、学業ほど強く出ないのかもしれません。
    いずれにせよ、誠実性の高さは仕事と学業のどちらでも成果に結びつく重要な性格特性だと言えそうです。

    外向性と神経症傾向は仕事の成果との関連が強い

    外向性と神経症傾向は、学業成績よりも仕事の成果との関連が強いことがわかりました。

    まず外向性は、学業成績とはほとんど関係がなく、相関係数はわずか-0.01でした。
    それに対し、仕事の成果とは0.14の相関がありました。

    一方、神経症傾向は、学業成績とは-0.03の弱い負の相関しかありませんでしたが、仕事の成果とは-0.15のより強い負の相関がありました。

    この結果から、外向性と神経症傾向は、仕事の文脈でより大きな影響を持つ性格特性だと考えられます。
    外向性の高さは、対人関係が重要な仕事でプラスに働くのでしょう。
    逆に、神経症傾向の高さは、ストレスの多い仕事でマイナスの影響を及ぼすのかもしれません。
    それに対し、学業では、一人で勉強に取り組むことが多いため、外向性や神経症傾向の影響が出にくいのだと推測されます。

    開放性と協調性は仕事と学業で同程度の関連

    開放性と協調性は、仕事の成果と学業成績で、ほぼ同じ程度の関連の強さを示しました。

    協調性の相関係数は、仕事で0.11、学業で0.07でした。
    開放性は、仕事で0.11、学業で0.14と、ほぼ同じ値でした。

    この結果から、協調性と開放性は、仕事でも学業でも同じように役立つ性格特性だと言えそうです。

    • 協調性の高さは、仲間と協力して作業を進める上で重要
    • 開放性の高さは、新しい知識を柔軟に吸収する上で重要

    こうした特徴は、仕事でも学業でも、ある程度一貫して成果に結びつくのだと考えられます。
    ただ、協調性と開放性の影響力は、外向性や神経症傾向ほど、仕事と学業で差が出にくいのかもしれません。
    仕事でも学業でも、人とうまく協調したり、新しいことを学んだりする力が一定の効果を発揮するのでしょう。

    独立した研究の間で結果は一貫していた

    大学の成績と性格特性の関係は研究間でほぼ一致

    大学の成績と性格特性の関係を調べた5つの独立したメタ分析の結果は、よく一致していました。

    それぞれ違う研究チームが行ったメタ分析にもかかわらず、はっきりとした一貫性が見られたのです。

    5つのメタ分析すべてにおいて、大学の成績に最も強く関連していたのは誠実性でした。

    • 平均の相関係数は0.25と、かなり高い値
    • 誠実性以外の性格特性の相関係数は、せいぜい0.09程度
    • 誠実性の重要性が際立つ結果に

    ほかの性格特性でも、研究間の結果の一致度は高く、相関係数の標準偏差は0.01から0.03の範囲に収まっていました。
    このことから、大学の成績と性格特性の関係は、どの研究で調べても同じような結果が得られる、とても頑健な関係だと言えそうです。
    特に、誠実性の重要性は疑う余地のない確かなものと考えられます。

    仕事の総合的な成果についても研究結果は似ていた

    仕事の総合的な成果と性格特性の関係を調べた4つのメタ分析でも、結果のパターンは似通っていました。

    4つのメタ分析はそれぞれ独立に行われたものですが、次のような一貫した傾向が見られました。

    • 誠実性が最も強い正の相関を示す(平均0.23)
    • 外向性(0.13)と協調性(0.10)が中程度の正の相関を示す
    • 開放性が最も弱い正の相関を示す(0.05)
    • 神経症傾向は一貫して負の相関を示す(-0.11)

    4つの研究の間でも、各性格特性の相関係数の標準偏差は0.02から0.04の範囲に収まっていて、ばらつきは小さめでした。
    つまり、仕事全体の成果を対象にしたメタ分析では、使われた研究の違いを超えて、性格特性の影響に一定の傾向があったことになります。
    特に誠実性の影響力の大きさは、どの研究でも変わらず確認されています。

    感情知性と性格の関連も研究間で再現された

    性格特性と感情知性の関係についても、4つのメタ分析の結果はよく一致していました。

    感情知性とは、自分や他者の感情を理解し、感情をコントロールする能力のことを指します。

    この感情知性の高さと最も強く結びついていたのは、協調性という性格特性でした。

    4つのメタ分析すべてで、協調性が感情知性と最も強い正の相関を示しました。

    • 相関係数の平均値は0.21
    • 外向性、誠実性、開放性は、これより弱い正の相関
    • 神経症傾向は弱い負の相関

    相関係数の大きさには研究間で多少のばらつきが見られましたが、全体的なパターンは一貫していました。 標準偏差は0.02から0.04の範囲に収まっており、ばらつきはあまり大きくありません。

    つまり、協調性が感情知性と最も深く関わる性格特性だということは、研究が違っても共通して言えることのようです。

    感情への理解と感情コントロールには、人に親和的で協力的な性格が役立つのかもしれません。

    研究に含まれていたサンプルの特徴

    主に職業上の成果についての研究が多かった

    今回の研究に含まれていたメタ分析の多くは、職業上の成果に関するものでした。

    54のメタ分析のうち、32は仕事のパフォーマンスを扱っていました。 具体的には次のようなものです。

    • 全体的な仕事ぶり
    • 仕事の訓練での成績
    • 面接での評価
    • 営業成績
    • リーダーシップの有効性

    このように、職種を問わず、仕事の様々な側面から性格特性との関連が調べられていたのです。

    多くの研究が職場での成果に注目していたことから、性格特性と仕事の成果の関係は、特に関心が高いテーマだと言えそうです。

    ビジネスの現場で「仕事ができる人材」を見極めることの重要性の高さが伺えます。

    学業成績に関する研究は7つあった

    性格特性と学業成績の関係に焦点を当てたメタ分析は、7つありました。

    学業成績を対象とした研究の内訳は、次の通りです。

    • 大学の成績に関するもの:5つ
    • 小学校から高校までの成績に関するもの:1つ
    • 小学校から大学までの成績全般に関するもの:1つ

    大学生を対象とした研究が多かったことから、高等教育における成績と性格の関係に、関心が集まっていることがわかります。

    一方で、初等・中等教育の成績を扱った研究は比較的少なく、この分野での研究の蓄積はあまり進んでいないようです。

    ただ、小学校から大学までの成績を総合的に扱ったメタ分析もあったので、学業成績全般と性格の関係を探る試みも行われてはいます。

    教育の各段階で、性格特性のどのような側面が成績に影響するのかを詳しく調べることが、今後の課題と言えそうです。

    創造性や交渉スキルなど他の能力も15の研究で扱われた

    職業上の成果や学業成績以外にも、創造性や交渉スキルなど、様々な能力と性格特性の関係を調べたメタ分析が15ありました。

    これらの研究で扱われた能力は、次のようなものです。

    • 創造性
    • 交渉スキル
    • 感情知性
    • 知能
    • プログラミングスキル
    • 対人感受性

    こうした多様な能力と性格の関係に注目が集まっていることから、性格特性の影響は仕事や学業だけでなく、より広い範囲に及ぶことがわかります。

    例えば、創造性は芸術的な職業で、交渉スキルはビジネスの場で、感情知性は対人サービスの仕事で、それぞれ重要な能力と考えられます。

    つまり、仕事の成果を決める要因として、職種に応じて多様な能力が関わっており、性格特性はそれらすべてに何らかの影響を及ぼしていると考えられるのです。

    職業上のパフォーマンスを多角的に理解するために、こうした幅広い能力と性格の関係を調べる研究は意義深いと言えるでしょう。

    ほとんどの研究は成人を対象に自己評価で性格を測定

    研究の対象となったサンプルは、ほとんどが成人でした。

    54のメタ分析のうち、49が成人を対象としていました。 一方、子どもを対象とした研究は非常に少なかったのです。

    また、性格特性の測定方法としては、以下のような傾向が見られました。

    • 51のメタ分析が自己評価の尺度を用いていた
    • 他者評価を用いたメタ分析は少数
    • 性格検査は、ビッグファイブに基づく様々な尺度が使用されていた

    つまり、ほとんどの研究では、成人に自分の性格を自己評価してもらい、それと仕事や学業の成果との関連を調べていたことになります。

    確かに成人は仕事や学業の主な担い手であり、性格との関連を調べるには適したサンプルと言えます。

    ただ、子どもの性格と学業の関係や、他者から見た性格の影響などについては、十分な研究がなされていないようです。

    性格と成果の関係をより本質的に理解するには、対象や測定法の多様化が求められるかもしれません。

    北米とヨーロッパの研究が中心だが、他の地域も含まれる

    研究の多くは、北米とヨーロッパのサンプルを対象としていました。

    ただし、一部のメタ分析では、他の地域のサンプルも含まれていました。

    • アジア:5つのメタ分析
    • オーストラリア:4つのメタ分析
    • アフリカ:3つのメタ分析

    ただし、含まれていたとは言っても、これらの地域のサンプルの割合は北米やヨーロッパに比べるとかなり小さいようです。

    研究全体としては、欧米の文化圏に偏りがあると言わざるを得ません。 確かに、性格心理学の研究は欧米で盛んに行われてきた経緯があります。

    ビッグファイブの理論自体も、もともとは欧米の文化的背景の中で生まれてきたものです。 ただ、性格と成果の関係が文化や地域によって異なる可能性は十分に考えられます。

    より幅広い地域でのデータを集めることで、人間の性格の普遍性と多様性の両面を探ることができるはずです。

    今後は、アジアやアフリカなどでの研究の拡充が望まれます。

    今後の研究課題

    サンプルの基本的情報があまり報告されていない

    本研究で集めたメタ分析の多くは、サンプルの基本的な情報があまり報告されていないことがわかりました。

    具体的には、以下のような情報が不足しているメタ分析が多くありました。

    • 対象者の年齢
    • 性別の内訳
    • 人種・民族の内訳
    • サンプルの出身国

    こうした基本的な情報は、性格と成果の関係を深く理解する上で重要です。 例えば、年齢によって、性格特性の影響力が変わる可能性があります。

    また、性別や文化的背景の違いによって、性格の表れ方や成果への結びつき方が異なるかもしれません。 しかし、そうした可能性を探るためには、サンプルの詳細な情報が必要不可欠です。

    今回の研究では、メタ分析レベルでの検討に限界があったと言わざるを得ません。

    今後のメタ分析では、サンプルの基本情報をきちんと報告することが強く求められます。

    相関関係からは因果関係まではわからない

    性格特性と成果の関係は、相関関係を見たものであって、因果関係を示すものではありません。

    つまり、次のようなことが言えるのです。

    • 性格特性は成果と関連している
    • しかし、性格特性が成果を決めている、とまでは言えない
    • 逆に、成果が性格を変える可能性もある
    • 性格と成果の両方に影響する別の要因が隠れている可能性もある

    こうした可能性を検証するには、相関研究だけでは不十分です。 例えば、性格特性を実験的に操作して、成果への影響を見る研究が求められます。

    また、時間を追った長期的な調査により、性格と成果の因果の方向性を探ることも重要でしょう。 さらに、性格と成果の両方に影響する要因を統制した上での分析も必要です。

    相関研究の知見をベースに、より高度な研究デザインを用いて、因果関係に迫ることが今後の課題と言えます。

    多様な集団での検討がさらに必要

    本研究のメタ分析の多くは、成人の欧米サンプルを対象としたものでした。

    しかし、性格と成果の関係を本当に理解するには、より多様な集団を対象とした研究が必要です。 例えば、次のような集団での検討が求められます。

    • 子どもや青年
    • アジアやアフリカなどの非欧米圏の文化
    • 職業や学問分野による違い
    • 社会経済的地位による違い

    こうした多様な集団での研究を重ねることで、性格と成果の関係の普遍性と多様性が明らかになるはずです。 現時点では、特定の集団に偏ったデータに基づく知見しか得られていません。

    その知見がどこまで一般化できるのかは、慎重に吟味する必要があります。

    人間の性格と行動の理解を深めるには、できるだけ幅広い集団を対象とした研究の積み重ねが欠かせません。

    多様性を考慮した研究アプローチが、今後ますます重要になるでしょう。

    性格特性を変化させる介入研究なども求められる

    性格特性が変化可能なものだとすれば、それを意図的に変容させる介入研究も重要な意味を持ちます。

    つまり、次のようなアプローチが考えられるのです。

    • 特定の性格特性を高めるトレーニングを行う
    • そのトレーニングによって、本当に性格特性が変化するかを調べる
    • 性格特性の変化に伴って、成果にも変化が見られるかを検証する

    このような介入研究によって、性格特性と成果の因果関係が直接的に確かめられるかもしれません。

    もし、性格特性のトレーニングによって成果が向上するなら、性格が成果を規定している可能性が高まります。

    そのような結果が得られれば、性格を育てることが、仕事や学業の成功につながると言えるでしょう。

    また、介入研究は、望ましい性格特性を身につけるための教育的示唆も与えてくれるはずです。

    性格心理学の知見を実践に活かすためにも、介入研究は欠かせません。 性格特性の変容可能性を探ることが、今後の重要な研究テーマの一つになりそうです。

    ※介入研究の多くは以下でまとめて紹介しています。

    最後に仕事ができる人のまとめ

    今回ご紹介した研究は、性格と仕事の成果の関係について、大量のデータを分析することで、いくつかの重要なポイントを明らかにしました。

    中でも、誠実性の高さが仕事の成果と最も強く結びついていたことは注目に値します。

    真面目で几帳面、粘り強く自制心があるという性格は、仕事で結果を出すために特に大切なようです。

    また、外向性や協調性、開放性も、状況に応じて仕事の成果を後押しすることがわかりました。

    一方で、研究にはまだ課題も残されています。

    それでも、この研究は、性格のどのような側面が仕事の成功に役立つのかを考えるための、重要な手がかりを与えてくれました。

    私たち一人一人が、自分の性格を知り、その強みを活かしながら、苦手な部分は克服する努力を重ねることが、仕事や勉強での成果につながっていくのかもしれません。

    ※この記事は以下の本に掲載された論文を参考に執筆しています。

    tokiwa eisuke

    ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
    株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。