友達の作り方は人それぞれですが、実は性格特性が大きく影響しているのをご存知でしたか?
性格心理学では、性格特性を外向性、協調性、神経症傾向、誠実性、開放性の5つに分類しています。
この5つの性格特性は「ビッグファイブ」と呼ばれ、私たちの行動や考え方に影響を与えると考えられています。
アメリカの心理学者たちが行った研究「On friendship development and the Big Five personality traits」では、ビッグファイブと友人関係の関連性について詳しく調べられています。
この記事では、その研究内容をもとに、性格特性が友達の作り方にどのように影響するのかを探ってみましょう。
自分の性格を知ることで、友人関係をより良いものにするヒントが見つかるかもしれません。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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外向性と友達の作り方
外向性が高い人の友達の作り方
この外向性の高い人は、新しい友達を作ることが得意です。
外向的な人は、積極的に他者と交流し、自分から話しかけることが多いでしょう。
また、外向性の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 社交的で、パーティーや集まりを楽しむ
- 自己表現が豊かで、感情を表に出しやすい
- 人と一緒にいることを好む
このように、外向性の高い人は、自然と友達を作る機会に恵まれています。
外向的な人は、初対面の人とも打ち解けやすく、友達の輪を広げていくことができるのです。
外向性が友人関係の形成に及ぼす影響
外向性は、友人関係の形成に大きな影響を与えます。
外向的な人は、以下のような行動をとる傾向にあります。
- 見知らぬ人とも積極的に交流する
- 多くの友達を作ろうとする
- 良い第一印象を与えられることがある
つまり、外向性の高い人は、友人関係を形成する機会が多くなるのです。
また、外向性の程度が同じくらいの人同士は、友達になりやすいと言われています。
外向性は、友達を作る上で重要な性格特性の一つと考えられます。
外向性が友人関係の維持に及ぼす影響
この外向性は、友人関係の維持にも影響を及ぼします。
外向的な人は、以下のような特徴を持っています。
- 友人関係の質が高い
- 交友関係が広い
- 建設的に問題を解決しようとする
しかし、外向性が高いからといって、友人関係の質が必ず高いわけではありません。
外向性は、友人関係の維持に直接的な影響を与えないこともあるのです。
つまり、外向性は友達を作ることには影響しますが、友人関係の維持には、外向性以外の要因も関わってくると考えられます。
協調性と友達の作り方
協調性が高い人の友達の作り方
この特性が高い人は、友達から好かれやすい傾向にあります。
協調性が高い人は、他者を思いやり、調和を大切にする性格です。
また、協調性の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 他者の感情に敏感で、優しい
- 協力的で、助け合いの精神がある
- 争いごとを避け、平和を好む
このように、協調性の高い人は、周りの人から好感を持たれやすいのです。
その結果、協調性の高い人は、友達を作りやすい傾向にあると言えます。
協調性が友人関係の形成に及ぼす影響
この特性は、友人関係の形成に大きな影響を与えます。
協調性の高い人は、以下のような行動をとる傾向にあります。
- 初対面の人に好意的な印象を抱く
- 人から好かれ、友達に選ばれやすい
- 協調性の高い人同士で良い関係を築きやすい
つまり、協調性の高さは、友人関係の形成に直接的に影響するのです。
協調性は、友達を作る上で最も重要な性格特性の一つと考えられています。
人付き合いを円滑にするためには、協調性を高めることが大切だと言えるでしょう。
協調性が友人関係の維持に及ぼす影響
この特性は、友人関係の維持にも大きな影響を及ぼします。
協調性の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 友人関係の質が高い
- 問題が起きた時に、建設的に解決しようとする
また、友人の協調性の高さも、関係の維持に影響することがあります。
協調性の高い友人は、良好な関係を保ちやすいと言えるでしょう。
つまり、協調性は友人関係の形成だけでなく、維持においても重要な役割を果たしているのです。
神経症傾向と友達の作り方
神経症傾向が高い人の友達の作り方
この特性が高い人は、友達を作るのが苦手な場合があります。
神経症傾向が高い人は、不安やストレスを感じやすい性格です。
また、神経症傾向の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 心配性で、ネガティブな思考になりやすい
- 自信がなく、人見知りをする傾向がある
- 対人関係に敏感で、疑り深くなることがある
このように、神経症傾向の高い人は、友達を作る際に困難を感じやすいのです。
しかし、神経症傾向が高いからといって、友達ができないわけではありません。
自分に合った付き合い方を見つけることが大切だと言えます。
神経症傾向が友人関係の形成に及ぼす影響
この特性は、友人関係の形成にあまり影響しないことが分かっています。
神経症傾向の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 他者を好んだり、友達になろうとしたりする効果は小さい
- 拒否される不安を抱えているが、友達に選ばれないわけではない
つまり、神経症傾向の高さは、友人関係の形成に直接的な影響を与えないのです。
ただし、神経症傾向と友人関係の関連については、まだ十分な研究がなされていません。
今後、さらなる調査が必要とされている分野だと言えるでしょう。
神経症傾向が友人関係の維持に及ぼす影響
この特性は、友人関係の維持に悪影響を及ぼす可能性があります。
神経症傾向の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 友人関係の質が低くなりがち
- 対人関係上の問題を抱えやすい
- 建設的な問題解決が苦手な傾向がある
また、神経症傾向の高い人と付き合うと、友人関係の質が低くなることもあります。
神経症傾向の高さは、友人関係の維持において、マイナスの影響を与える可能性が示唆されています。
ただし、個人差も大きいため、一概に神経症傾向が高いから友人関係がうまくいかないとは言えません。
誠実性と友達の作り方
誠実性が高い人の友達の作り方
この特性の高い人は、友達を作る上で有利とは言えません。
誠実性が高い人は、真面目で責任感が強い性格です。
また、誠実性の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 計画的で、物事を着実に進める
- 時間を守り、約束を大切にする
- 正直で、嘘をつくことを嫌う
このように、誠実性の高い人は、信頼される存在ではあります。
しかし、誠実性の高さは、友達を作ることに直接的な影響を与えないと考えられています。
つまり、誠実性は友人関係の形成には関係が薄いのです。
誠実性が友人関係の形成に及ぼす影響
この特性は、友人関係の形成にあまり影響しません。
誠実性の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 他者を好んだり、友達になろうとしたりする効果は小さい
- 他者から好かれたり、友達に選ばれたりする効果も小さい
つまり、誠実性の高さは、友人関係の形成に直接的な影響を与えないのです。
ただし、誠実性と友人関係の関連については、まだ十分な研究がなされていません。
今後、さらなる調査が必要とされている分野だと言えるでしょう。
誠実性が友人関係の維持に及ぼす影響
この誠実性は、友人関係の維持に良い影響を与える可能性があります。
誠実性の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 友人関係の質が高くなる傾向がある
- 問題が起きた時に、建設的に解決しようとする
ただし、友人の誠実性の高さは、関係の維持にあまり影響しないようです。
つまり、誠実性は友人関係の形成よりも、維持に影響を及ぼす可能性が示唆されています。
誠実な人と付き合うことで、安定した友人関係を築けるかもしれません。
開放性と友達の作り方
開放性が高い人の友達の作り方
この開放性の高い人は、友達を作る上で有利とは言えません。
開放性が高い人は、好奇心が旺盛で、新しいことに挑戦するのが好きな性格です。
また、開放性の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 創造的で、想像力が豊か
- 感受性が強く、美的センスがある
- 従来の価値観にとらわれない
このように、開放性の高い人は、個性的な存在ではあります。
しかし、開放性の高さは、友達を作ることに直接的な影響を与えないと考えられています。
つまり、開放性は友人関係の形成には関係が薄いのです。
開放性が友人関係の形成に及ぼす影響
この特性は、友人関係の形成にあまり影響しません。
開放性の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 他者を好んだり、友達になろうとしたりする効果は小さい
- 他者から好かれたり、友達に選ばれたりする効果も小さい
ただし、開放性の程度が同じくらいの人同士は、友達になりやすいと言われています。
つまり、開放性の高い人は、同じように開放性の高い人と友人関係を形成する傾向があるのです。
開放性は、友人関係の形成に間接的な影響を与える可能性があります。
開放性が友人関係の維持に及ぼす影響
この特性は、友人関係の維持にあまり影響しないと考えられています。
開放性の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 同じように開放性の高い人と友人関係を形成する
- 友人関係の質に与える影響は小さい
つまり、開放性の高さは、友人関係の維持に直接的な影響を与えないのです。
開放性は、友人関係の形成と維持のどちらにおいても、重要な役割を果たしていないと言えるでしょう。
ただし、開放性と友人関係の関連については、まだ十分な研究がなされていません。
以下の記事では開放性と正直・謙虚さが価値観に影響し、価値観の似たもの同士で友達になりやすいことを解説しています。
友達の作り方のまとめ
表でまとめ
特性 | 効果 | 友人関係形成期 | 友人関係維持期 |
外向性 | 主体効果 | 見知らぬ他者といることを好む・多くの友人を作る | 高い質の関係性・広い交友関係の維持・建設的な葛藤対処方略 |
外向性 | 客体効果 | (時に)よい第一印象を与える | 関係の質に対する効果はない、もしくは小さい |
外向性 | 相互効果 | 同じ程度の外向性をもつ人と友人になる | 関係の質に対する効果はない、もしくは小さい |
協調性 | 主体効果 | 見知らぬ他者を肯定的に知覚する | 高い質の関係性・建設的な葛藤対処方略 |
協調性 | 客体効果 | 人に好かれる・友人として選ばれやすい | (時に)高い質の関係性・建設的な葛藤対処方略 |
協調性 | 相互効果 | いずれかの協調性・調和性が高いとよい相互作用につながる | (時に)高い質の関係性・建設的な葛藤対処方略 |
神経症傾向 | 主体効果 | 他者を好む効果や友人になる効果はない、もしくは小さい | 低い質の関係性・葛藤の抱きやすさ・問題ある葛藤対処方略 |
神経症傾向 | 客体効果 | 拒否される予感、しかし好意を抱かれた友人に選ばれないわけではない | 低い質の関係性・多くの葛藤 |
神経症傾向 | 相互効果 | 明確な知見なし | 低い質の関係性・多くの葛藤 |
誠実性 | 主体効果 | 他者を好む効果や友人になる効果はない、もしくは小さい | 高い質の関係性・建設的な葛藤対処方略 |
誠実性 | 客体効果 | 他者からの好まれる効果や友人として選ばれる効果は小さい | 関係の質に対する効果はない、もしくは小さい |
誠実性 | 相互効果 | 明確な知見なし | 関係の質に対する効果はない、もしくは小さい |
開放性 | 主体効果 | 他者を好む効果や友人になる効果はない、もしくは小さい | 同じ程度の開放性をもつ人と友人になる |
開放性 | 客体効果 | 他者からの好まれる効果や友人として選ばれる効果は小さい | 関係の質に対する効果はない、もしくは小さい |
開放性 | 相互効果 | 同じ程度の開放性をもつ人と友人になる | 関係の質に対する効果はない、もしくは小さい |
友人関係の形成に最も影響する性格特性
友人関係の形成に最も影響する性格特性は、協調性だと考えられています。
協調性の高い人は、他者に好意的な印象を与え、友達に選ばれやすい傾向にあります。
また、外向性も友人関係の形成に影響を与える重要な性格特性の一つです。
外向的な人は、積極的に他者と交流し、友達を作る機会が多くなります。
一方、神経症傾向や誠実性、開放性は、友人関係の形成にあまり影響しないようです。
友達を作るためには、協調性と外向性を高めることが効果的だと言えるでしょう。
友人関係の維持に最も影響する性格特性
友人関係の維持に最も影響する性格特性は、協調性だと考えられています。
協調性の高い人は、良好な友人関係を築きやすく、問題解決能力にも長けています。
また、誠実性も友人関係の維持に良い影響を与える可能性があります。
誠実な人と付き合うことで、安定した友人関係を築けるかもしれません。
一方、神経症傾向は友人関係の維持に悪影響を及ぼす可能性が示唆されています。
外向性と開放性は、友人関係の維持にあまり影響しないと考えられています。
友人関係を長続きさせるには、協調性と誠実性を大切にすることが重要だと言えます。
性格特性の組み合わせが友達の作り方に与える影響
性格特性の組み合わせによって、友人関係の形成と維持に与える影響は異なります。
例えば、外向性と協調性がともに高い人は、友達を作りやすく、良好な関係を維持しやすいと考えられます。
一方、神経症傾向が高く、協調性が低い人は、友人関係を築くのが難しいかもしれません。
また、誠実性と協調性がともに高い人は、安定した友人関係を築ける可能性があります。
しかし、性格特性の組み合わせが友人関係に与える影響については、まだ研究の蓄積が少ないのが現状です。
性格特性は友人関係に影響を与える重要な要因ですが、それだけではありません。 環境や状況、個人の価値観なども、友人関係に影響を及ぼします。
性格特性を理解することは大切ですが、それを絶対視する必要はないでしょう。 自分らしさを大切にしながら、柔軟に友人関係を築いていくことが何より重要だと言えます。
最後に
性格特性が友達の作り方に与える影響について見てきましたが、いかがでしたか?
協調性の高さは、友人関係の形成と維持に最も重要な役割を果たしていることが分かりました。外向性も、友達を作る上で有利に働くようです。
一方、神経症傾向が高いと、友人関係がうまくいかない可能性があります。
誠実性と開放性は、友人関係にあまり直接的な影響を与えないようですが、誠実性の高さは友人関係の維持に良い効果をもたらすかもしれません。
ただし、性格特性はあくまで一つの要因に過ぎません。
環境や状況、価値観など、他の要素も友人関係に影響します。自分の性格を理解することは大切ですが、それにとらわれ過ぎる必要はありません。
自分らしさを大切にしながら、柔軟に友達と向き合っていくことが何より重要だと言えるでしょう。
※この記事は以下の本に掲載された論文を参考に執筆しています。
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ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。