ESFP-TDという性格タイプをご存知ですか？
この性格の人は、パーティーの主役のように、いつも周りを明るく盛り上げる存在です。
でも、その陽気な表面の下には、意外にも不安や衝動性が隠れているんです。
ESFP-TDは、「エンターテイナー」とも呼ばれる性格タイプの一種です。
彼らは人を楽しませるのが得意で、新しい体験を常に求めています。
一緒にいると退屈知らずで、毎日がワクワクするかもしれません。
でも、計画性に欠けたり、自己中心的になりがちなところもあります。
この記事では、そんなESFP-TDの特徴や長所・短所、恋愛や仕事での傾向などを詳しく紹介していきます。
自分や周りの人の性格をより深く理解するヒントになるはずです。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
※MBTIより科学的な性格診断はこちらのHEXACO-JP性格診断！（短縮版、24問2-3分）
※より精度の高い60問版のHEXACO-JPはアカウント作成が必要になります（こちらから）。
目次
HEXACOの概要
HEXACOとは何か
比較的新しい性格モデルが「HEXACO（ヘキサコ）」です。
６つの要素で人の性格を表します。
H・E・X・A・C・Oの６文字が由来です。
各文字は性格の特徴を表しています。
具体的には以下の要素があります：
- H：正直・謙虚さ（Honesty-Humility）
- E：情動性（Emotionality）
- X：外向性（eXtraversion）
- A：協調性（Agreeableness）
- C：誠実性（Conscientiousness）
- O：開放性（Openness）
このモデルは人の性格を詳しく分析できます。
従来のビッグファイブモデルより優れています。
正直・謙虚さという新しい要素が加わりました。
これにより、より細かい性格分析が可能です。
HEXACOによる64分類
6つの要素それぞれの高い・低いで64タイプに分類します。具体的には以下です。
- H：正直・謙虚さ（Honesty-Humility）
- 高い→ライト（L：Light）
- 低い→ダーク（D：Dark）
- E：情動性（Emotionality）
- 高い→不安型（T：Turbulence）
- 低い→自信型（A：Assertiveness）
- X：外向性（eXtraversion）
- 高い→外向型（E：Extrovert）
- 低い→内向型（I：Introvert）
- A：協調性（Agreeableness）
- 高い→感情型（F：Feeling）
- 低い→思考型（T：Thinking）
- C：誠実性（Conscientiousness）
- 高い→（J：Judging）
- 低い→（P：Prospecting）
- O：開放性（Openness）
- 高い→直感型（N：iNtuitive）
- 低い→感覚型（S：Sensor）
これらを16personalitiesのように繋げてタイプを表現します。それでは各種タイプを紹介していきます！
ESFP-T(エンターテイナー・慎重型)とは？
ESFP-Tは、ビッグファイブの高い外向性(E)、低い開放性(S)、高い協調性(F)、低い誠実性(P)、高い神経症傾向(T)を持つタイプです。特徴：
- 高い社交性と感受性
- 自己懐疑と承認欲求
- 他者への深い共感
- 社会的評価への敏感さ
- 内的な葛藤と自己探求
彼らは現在の瞬間を楽しみ、周囲の人々と交流することに喜びを感じますが、自分の行動や決定に不安を抱くことも。
実践的な経験を通じて学びますが、失敗への恐れから自己表現を躊躇することがあります。対人関係では、温かさと思いやりを持って接しますが、他者からの批判や拒絶に敏感です。
変化や新しい経験に対してオープンですが、不確実性にストレスを感じやすいです。この内的葛藤が、継続的な自己理解と成長の原動力となります。
ESFP-TDの特徴
特徴①「楽観的で社交的だが、内面に不安を抱えている」
ESFP-TDは、表面的には明るく社交的ですが、内面に不安を抱えています。
彼らは人々の注目を集めることが得意で、場を盛り上げる才能があります。
しかし、その陽気な態度の裏には、深い不安が隠れていることがあります。
この不安は、以下のような形で表れることがあります：
- 常に他人の承認を求める
- 批判に対して過敏に反応する
- 将来のことを考えると落ち着かなくなる
それでも、ESFP-TDは自分の不安を周りに悟られないよう努めます。
彼らは、自分の不安を隠すために、より一層明るく振る舞うことがあります。
この特徴は、ESFP-TDの複雑な内面世界を示しています。
表面的な明るさと内なる不安のバランスを取ることが、彼らの課題となります。
特徴②「刺激を求め、衝動的な行動をとりやすい」
ESFP-TDは、常に新しい刺激を求める傾向があります。
彼らは、退屈を極端に嫌い、常に何か面白いことを探しています。
この性質は、彼らを魅力的で活気のある人物にする一方で、問題も引き起こします。
ESFP-TDの刺激追求は、以下のような行動として現れることがあります：
- 計画性のない突発的な旅行
- 衝動買い
- リスクの高い活動への参加
このような行動は、時として周囲の人々を困惑させることがあります。
また、ESFP-TD自身にとっても、長期的な不利益をもたらす可能性があります。
彼らは、自分の衝動を抑える練習をする必要があるかもしれません。
刺激を求める性質と責任ある行動のバランスを取ることが重要です。
特徴③「自己中心的な傾向があり、倫理観が低い」
ESFP-TDは、自己中心的な傾向があり、倫理観が比較的低いことがあります。
彼らは、自分の欲求や感情を最優先する傾向があります。
この特徴は、以下のような行動として現れることがあります：
- 他人の感情を考慮せずに行動する
- 規則や約束を軽視する
- 自分の利益のために嘘をつく
ESFP-TDは、自分の行動が他人にどのような影響を与えるか、あまり考えません。
彼らは、「今」を生きることに集中するあまり、長期的な結果を無視しがちです。
この傾向は、人間関係や社会生活において問題を引き起こす可能性があります。
このタイプは、自己中心的な傾向を認識し、他者への配慮を学ぶ必要があります。
ESFP-TDの長所と短所
ESFP-TDの長所
最大の長所は、その人を惹きつける魅力と社交性です。
彼らは、どんな場面でも人々を楽しませる才能を持っています。
この能力は、パーティーや社交の場で特に際立ちます。
ESFP-TDの長所には、以下のようなものがあります：
- 優れたコミュニケーション能力
- 柔軟性と適応力の高さ
- 創造性と芸術的センス
また、ESFP-TDは、その場の雰囲気を読み取る力に優れています。
彼らは、周囲の人々の感情を敏感に察知し、適切に反応できます。
この能力は、人間関係を円滑にする上で大きな利点となります。
ESFP-TDの長所は、社会生活を豊かにし、周囲に活力を与えます。
ESFP-TDの短所
短所は、計画性の欠如と衝動的な行動傾向です。
彼らは、長期的な目標を立てることや、それを実行することが苦手です。
この特徴は、以下のような問題を引き起こす可能性があります：
- 金銭管理の困難
- キャリアプランの不安定さ
- 重要な約束や締め切りの忘却
また、ESFP-TDは、批判に対して敏感で、簡単に感情的になることがあります。
この傾向は、建設的なフィードバックを受け入れることを難しくします。
さらに、彼らの倫理観の低さは、信頼関係の構築を妨げる可能性があります。
これらの短所を認識し、改善に取り組むことが、ESFP-TDの課題となります。
ESFP-TDの恋愛関係の傾向と改善策
ESFP-TDの恋愛の傾向
情熱的で刺激的ですが、長続きしにくい傾向があります。
彼らは、恋愛関係の初期段階で特に魅力的に振る舞います。
相手を楽しませ、驚かせることに長けており、デートはいつも新鮮です。
ESFP-TDの恋愛の特徴には、以下のようなものがあります：
- spontaneous（自発的）で予測不可能な行動
- 身体的な愛情表現を好む
- 感情の起伏が激しい
しかし、関係が安定期に入ると、彼らは退屈を感じやすくなります。
新しい刺激を求めて、浮気や突然の別れを選択することもあります。
また、彼らの自己中心的な傾向は、パートナーとの衝突を招くことがあります。
ESFP-TDの恋愛は、情熱的だが不安定という特徴を持っています。
恋愛で問題になる時と改善策
ESFP-TDの恋愛で最も問題になるのは、コミットメントの欠如です。
彼らは、長期的な関係を維持することに困難を感じることがあります。
この問題は、以下のような状況で顕著になります：
- パートナーが将来の計画を立てたがる時
- 日常的な責任を分担する必要がある時
- 関係が安定期に入り、刺激が減った時
改善策として、ESFP-TDは以下のことを心がける必要があります：
- 自己認識を高め、自分の行動パターンを理解する
- パートナーの感情や意見を積極的に聞く努力をする
- 長期的な目標を設定し、それに向けて努力する
また、定期的に新しい体験を計画することで、関係の新鮮さを保つことができます。
コミュニケーションを大切にし、互いの期待を明確にすることも重要です。
これらの努力により、ESFP-TDも安定した恋愛関係を築くことができます。
ESFP-TDの友人関係の傾向と改善策
友人関係の傾向
ESFP-TDは、広く浅い友人関係を築く傾向があります。
彼らは、社交的で人当たりが良いため、多くの人々と知り合いになります。
パーティーや集まりでは、常に注目の的となり、場を盛り上げます。
ESFP-TDの友人関係の特徴には、以下のようなものがあります：
- 楽しい時間を共有することを重視する
- 即興的な集まりや活動を好む
- 感情的なサポートを提供することが得意
しかし、彼らの友情は表面的なものになりがちです。
深い心の繋がりを築くことよりも、その場の楽しさを優先します。
また、自己中心的な傾向があるため、友人の問題に深く関わることを避けます。
ESFP-TDの友人関係は、楽しいが深みに欠けるという特徴があります。
友人関係で問題になる時と改善策
ESFP-TDの友人関係で最も問題になるのは、信頼関係の構築です。
彼らの不安定な性格と倫理観の低さは、長期的な友情の維持を難しくします。
この問題は、以下のような状況で顕著になります：
- 友人が深刻な悩みを相談したい時
- 長期的なプロジェクトや計画を一緒に進める時
- 友人が一貫性のある行動や態度を求める時
改善策として、ESFP-TDは以下のことを心がける必要があります：
- 友人の話をより深く聞く練習をする
- 約束を守り、信頼性を高める
- 自分の行動が友人に与える影響を考える
また、特定の友人との関係を深めることに焦点を当てるのも良いでしょう。
質の高い時間を過ごし、互いの価値観や目標を理解し合うことが大切です。
これらの努力により、ESFP-TDもより深い友情を築くことができます。
ESFP-TDの子育ての傾向と改善策
子育ての傾向
ESFP-TDの親は、子供と一緒に楽しむことを重視します。
彼らは、子育てを遊びのように捉え、常に新しい体験を提供しようとします。
子供の好奇心を刺激し、創造性を育むことに長けています。
ESFP-TDの子育ての特徴には、以下のようなものがあります：
- 子供と一緒に冒険や新しい活動を楽しむ
- 感情表現を大切にし、子供の感情を受け止める
- 柔軟な態度で子供の個性を尊重する
しかし、彼らの子育ては一貫性に欠けることがあります。
規律や日課を維持することが苦手で、子供に安定感を与えにくいです。
また、長期的な教育計画を立てることも不得意です。
ESFP-TDの子育ては、楽しいが構造化されていない傾向があります。
子育てで問題になる時と改善策
ESFP-TDの子育てで最も問題になるのは、規律の欠如です。
彼らの衝動的な性格と計画性の乏しさは、子供の健全な成長を妨げる可能性があります。
この問題は、以下のような状況で顕著になります：
- 子供が規則正しい生活リズムを必要とする時
- 学業や課外活動で継続的な努力が求められる時
- 子供が明確な指針や一貫した態度を求める時
改善策として、ESFP-TDの親は以下のことを心がける必要があります：
- 日課や規則を設定し、それを守る努力をする
- 子供の長期的な目標達成を支援する方法を学ぶ
- 自己管理のスキルを磨き、子供の良いモデルとなる
また、パートナーや他の家族members（メンバー）と協力して、
バランスの取れた子育て環境を作ることも重要です。
これらの努力により、ESFP-TDも責任ある親になることができます。
ESFP-TDのキャリアの傾向と改善策
キャリアの傾向
ESFP-TDは、人との交流が多い職業で活躍する傾向があります。
彼らの社交性と適応力の高さは、顧客サービスや販売の分野で強みとなります。
また、創造性を発揮できる仕事にも向いています。
ESFP-TDに適したキャリアには、以下のようなものがあります：
- イベントプランナーやツアーガイド
- 営業職や広報担当
- エンターテイナーやパフォーマー
彼らは、即興的な対応が求められる環境で力を発揮します。
変化の多い仕事や、人々を楽しませる仕事に魅力を感じます。
しかし、長期的なキャリアプランを立てることは苦手です。
ESFP-TDのキャリアは、楽しさと刺激を重視する傾向があります。
キャリアで問題になる時と改善策
ESFP-TDのキャリアで最も問題になるのは、一貫性と忍耐力の欠如です。
彼らは新しいことに熱中しやすいですが、長続きしないことがあります。
この問題は、以下のような状況で顕著になります：
- 長期的なプロジェクトに取り組む必要がある時
- 詳細な計画や分析が求められる仕事
- 定型的な業務や事務作業が多い職場
改善策として、ESFP-TDは以下のことを心がける必要があります：
- タイムマネジメントスキルを向上させる
- 長期的な目標設定と進捗管理の方法を学ぶ
- 自己規律を高め、退屈な作業にも耐える力をつける
また、自分の強みを活かせる職場環境を選ぶことも重要です。 例えば、チーム作業が多い職場や、創造性を発揮できる仕事を選ぶと良いでしょう。 これらの努力により、ESFP-TDもより安定したキャリアを築くことができます。
ESFP-TDの仕事の傾向と改善策
仕事の傾向
ESFP-TDは、活気のある職場環境で最高の力を発揮します。 彼らは、柔軟性があり、変化に富んだ仕事を好みます。 人々と直接関わる機会が多い仕事に魅力を感じます。 ESFP-TDの仕事の特徴には、以下のようなものがあります：
- チームワークを重視し、協力的な態度を示す
- 問題解決に創造的なアプローチをとる
- 緊急時や予期せぬ状況に柔軟に対応する
彼らは、職場の雰囲気を明るくし、同僚のモチベーションを高めます。 しかし、細かい規則や手順を守ることは苦手です。 また、長時間集中して一つの作業に取り組むことも難しいです。 ESFP-TDの仕事スタイルは、活動的で社交的な傾向があります。
仕事で問題になる時と改善策
ESFP-TDの仕事で最も問題になるのは、注意力散漫と計画性の欠如です。 彼らは、目の前の楽しいことに気を取られ、重要な仕事を後回しにしがちです。 この問題は、以下のような状況で顕著になります：
- 締め切りが迫っているプロジェクトがある時
- 正確さや細部への注意が求められる作業
- 独立して長時間作業を進める必要がある時
改善策として、ESFP-TDは以下のことを心がける必要があります：
- タスク管理ツールを活用し、優先順位をつける
- 定期的に短い休憩を取り、集中力を維持する
- 同僚や上司からのフィードバックを積極的に求める
また、自分の長所を活かせる役割を見つけることも大切です。 例えば、クリエイティブな提案を行う係や、チームのムードメーカーとしての役割など、 自分の特性を生かせる場面を作ることで、仕事の満足度を高められます。
ESFP-TDの相性のいいタイプ
相性がいいタイプ、Sが含まれている人
ESFP-TDは、Sタイプ（感覚型）の人々と特に相性が良いです。 Sタイプは現実的で実践的な性格を持ち、ESFP-TDの衝動性を抑える効果があります。
両者は、「今」を大切にする点で共通しています。 ESFP-TDとSタイプの相性の良さは、以下のような点に表れます：
- 具体的な体験を共有することで絆が深まる
- 互いの現実感覚が、バランスの取れた関係を作る
- 日常生活の小さな喜びを一緒に楽しめる
Sタイプは、ESFP-TDに安定感をもたらします。 彼らは、ESFP-TDの創造性を支持しつつ、現実的な助言を提供します。
この組み合わせは、仕事や恋愛などさまざまな場面で効果的です。 ESFP-TDとSタイプの関係は、楽しさと安定のバランスが取れています。
相性がいいタイプ、Dが含まれている人
ESFP-TDは、意外にもDタイプ（支配型）の人々とも相性が良いです。 Dタイプの目標志向性は、ESFP-TDに方向性と構造をもたらします。
両者は、活動的で挑戦を好む点で共通しています。 ESFP-TDとDタイプの相性の良さは、以下のような点に表れます：
- DタイプのリーダーシップがESFP-TDに安定感を与える
- ESFP-TDの創造性がDタイプの計画に柔軟性をもたらす
- 互いの長所を補い合い、効果的なチームを形成できる
Dタイプは、ESFP-TDに明確な目標と期待を示します。 これは、ESFP-TDが自己管理スキルを向上させるのに役立ちます。
ただし、Dタイプの強い性格がESFP-TDを圧倒しないよう注意が必要です。 ESFP-TDとDタイプの関係は、互いの成長を促進する可能性があります。
ESFP-TDのまとめ
楽観的で社交的な性格ですが、内面に不安を抱えています。 彼らは、人々を楽しませる才能があり、場を盛り上げるのが得意です。
しかし、衝動的で計画性に欠ける面もあり、長期的な目標達成が難しいです。 ESFP-TDの特徴は以下のようにまとめられます：
- 社交性が高く、人々を惹きつける魅力がある
- 新しい体験や刺激を常に求める
- 現在の楽しさを重視し、将来の計画を立てるのが苦手
彼らは、人との関わりが多い職業や創造性を発揮できる仕事に向いています。 しかし、規律や一貫性を保つことが課題となります。
ESFP-TDが成長するためには、自己管理能力を高め、長期的な視点を持つことが重要です。 適切なサポートと自己認識があれば、ESFP-TDは魅力的で生産的な人物になれます。
FAQや注意点
HAXACOの結果と、16personalities（通称MBTI診断）やMBTI（本家）と結果が変わる
- 性格は遺伝と環境の影響を受けるため、環境が変われば回答も変わります（例、疲れてると情動性が変化するなど）。遺伝について詳しくはこちら。
- 年齢次第で回答のブレがあります。詳しくはこちら。
- タイプ分類は各数値が3以上、3未満で行っているため、3に近い値だと、質問の聞き方やその時の環境次第で結果が変わりやすくなります。タイプよりも数値を見てください。
- MBTI（本家）や16personalities（通称MBTI診断）は質問設計の段階でどの程度統計的な処理をしているか論文が見当たらないため不明確です。一方で、ビッグファイブやHEXACOはそういった論文が簡単に見つかりますし、今回のHEXACO-JP診断は論文ベースです。
- MBTIや16personalitiesは普段の行動（学力・年収など）や、脳・遺伝などとの比較した研究論文があまり多くない一方で、ビッグファイブやHEXACOは数多く存在します。
- そもそもHEXACOはビッグファイブの要素の変形なので似て非なるものです。HEXACOの正直・謙虚さは、ビッグファイブの協調性と神経症傾向から抽出されています。下記「補足」参考。
その他にもご質問があれば運営者のトキワ（@etokiwa999）までご連絡ください。
性格診断の結果はあくまで人生の「ヒント」まで
先にも書きましたが、性格は遺伝と環境の影響を受けます。遺伝の影響で、ブレ幅は一定ですが、環境次第である程度答えがブレます。
またビッグファイブやHEXACOの研究論文では学力や年収などと相関分析をしていますが、自然科学の実験ほど大きな相関係数ではありません。相関係数は最小-1、最大1ですが、だいたい-0.4～0.4ほどが多いです。もちろん高いものもあります。0.8や0.9ではなく、それに比べたら低いです。
ただそれでも様々な研究はありますので、「占い以上、自然科学未満」と思ってください。心理学や占いを100％否定しているわけではありません。
補足
16personalities（通称MBTI診断）の概要
16personalities（16タイプ性格診断）は、MBTI（Myers-Briggs Type Indicator）とビッグファイブをベースにして作られています。
厳密には16personalitiesとMBTIは別物なのです。
MBTIは、ユングの心理学的類型論を基に開発された性格診断ツールです。
16personalitiesはMBTIの4つの指標（E外向-I内向、S感覚-N直観、T思考-F感情、J判断-P知覚）を採用しつつ、アイデンティティ（AとT）という指標の追加、独自の質問項目・評価基準を設けています。
この性格診断の良いところとしては、韓国アイドルが広めたり、恋愛マッチングアプリでも使われたりするなど、とても有名で、回答数がとても多いことにあります。それを利用して分析して論文として公開すれば信頼性は高いかもしれません。
ただし、悪いところとしては、科学的な裏付けが弱いところがあります。査読付き論文の数が少ない、統計処理の方法が不明確、性格と学力・収入・脳機能・遺伝的要因などとの関連性について十分な根拠が提示されていない、などが理由です。
MBTI（本家）の概要
MBTIは性格を16タイプに分類する心理学の理論です。
そもそもMBTIとは、マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インジケーター（Myers-Briggs Type Indicator）の略称です。
MBTIでは、以下の4つの指標を組み合わせて性格を16タイプに分類します。
- 外向性（Extraversion）か内向性（Introversion）
- 感覚（Sensing）か直観（iNtuition）
- 思考（Thinking）か感情（Feeling）
- 判断（Judging）か知覚（Perceiving）
つまり、MBTIでは自分の性格傾向を「ISTJ」や「ENFP」などの4文字で表現するのです。
16personalitiesよりは論文は存在しますが、ビッグファイブやHEXACOほど頑健な研究結果が出ているわけではありません。
ビッグファイブの概要
性格心理学において最も有力な特性理論の一つが「ビッグファイブ（Big Five）」です。
ビッグファイブは、開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向の5つの特性を測定します。
また、16personalitiesやMBTIはタイプ分類（例、外向的か内向的かのどちらか）を用いるのに対して、ビッグファイブが特性を連続的な数値で評価する（例、外向性3.5）点も大きな違いです。
さらに、古くから研究されており、論文数も多く、学力や所得、脳や遺伝など、他の分野でも多くの研究が行われています。ビッグファイブの方が比較的、科学的な裏付けが強いと言えます。
MBTI・ビッグファイブ・HEXACOの相関関係
MBTIの4指標とビッグファイブの5因子には相関関係があります。
この相関を示した代表的な研究に、「The relationship between the revised NEO-Personality Inventory and the Myers-Briggs Type Indicator」という論文があります。
また、MBTI（本家）とビッグファイブを参考にして作られた16personalities（通称MBTI診断）では、ビッグファイブの神経症傾向が「アイデンティティ」と呼ばれており、自信（Assertive）か、慎重（Turbulent）かで分類されています。
これらの関係をまとめたのが以下の図です。
一番右には、比較的新しい性格診断である「HEXACO（ヘキサコ）」があります。ビッグファイブに1つ指標「正直・謙虚さ」を加えて改良され、ダーク特性（倫理観）が分かるようになりました。
今回のHEXACO-JP性格診断では16personalitiesの5文字に加えて、ダークD/ライトLを付けてより詳細に分析できるようにしています。
最後に、組織のCXOや管理職、後継者などのハイクラス人材の採用におけるハラスメント傾向のある人を検知するためのサービス「ハラスメント検査」の事前登録も開始しました！興味のある方はこちらよりご登録ください。
ライター 兼 編集長：トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因（仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など）を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。
