ESFP-Aタイプって知っていますか？
これは性格を表す指標の一つで、私たちの行動や考え方に大きな影響を与えています。
この記事では、ESFP-Aの人がどんな特徴を持っているのか、健康面や仕事、人間関係などについて詳しく解説します。
自分や周りの人の性格をよく知ることで、より良いコミュニケーションや自己理解につながるかもしれません。
ぜひ、自分や友達の性格と比べながら読んでみてください。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
※MBTI診断よりも科学的で、ビッグファイブに新しく1つの指標を追加した性格診断は、こちらのHEXACO（ヘキサコ）診断！性格のダークさがわかります。
ESFP-A(エンターテイナー・自信型)の科学的な背景
MBTIの概要
MBTIは性格を16タイプに分類する心理学の理論です。
そもそもMBTIとは、マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インジケーター（Myers-Briggs Type Indicator）の略称です。
MBTIでは、以下の4つの指標を組み合わせて性格を16タイプに分類します。
- 外向性（Extraversion）か内向性（Introversion）
- 感覚（Sensing）か直観（iNtuition）
- 思考（Thinking）か感情（Feeling）
- 判断（Judging）か知覚（Perceiving）
つまり、MBTIでは自分の性格傾向を「ISTJ」や「ENFP」などの4文字で表現するのです。似ているものとしてとても有名な16personalitiesがありますが、これはMBTIとは違います。
ビッグファイブの概要
性格心理学において最も有力な特性理論の一つが「ビッグファイブ（Big Five）」です。
ビッグファイブは、開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向の5つの特性を測定します。
また、16personalitiesやMBTIはタイプ分類（例、外向的か内向的かのどちらか）を用いるのに対して、ビッグファイブが特性を連続的な数値で評価する（例、外向性3.5）点も大きな違いです。
さらに、古くから研究されており、論文数も多く、学力や所得、脳や遺伝など、他の分野でも多くの研究が行われています。ビッグファイブの方が比較的、科学的な裏付けが強いと言えます。
MBTI・ビッグファイブ・HEXACOの相関関係
MBTIの4指標とビッグファイブの5因子には相関関係があります。
この相関を示した代表的な研究に、「The relationship between the revised NEO-Personality Inventory and the Myers-Briggs Type Indicator」という論文があります。
この論文によると、MBTIとビッグファイブの相関は以下の通りです。
また、MBTIとビッグファイブを参考にして作られた16personalitiesでは、ビッグファイブの神経症傾向が「アイデンティティ」と呼ばれており、自信（Assertive）か、慎重（Turbulent）かで分類されています。
一番右には比較的新しい性格診断である「HEXACO（ヘキサコ）」があります。ビッグファイブに1つ指標「正直・謙虚さ」を加えて改良されています。
本記事ではこの相関関係に基づいて、16personalitiesの性格タイプを詳細に解説していきます。
元々はビッグファイブやHEXACOの研究なので、MBTIや16personalitiesよりも科学的に性格を知りたい場合は、こちらのHEXACO性格診断を受けてみてください。
ESFP-A(エンターテイナー・自信型)とは？
ESFP-Aは、ビッグファイブの高い外向性(E)、低い開放性(S)、高い協調性(F)、低い誠実性(P)、低い神経症傾向(A)を持つタイプです。
- 高い社交性と楽観性
- 現在志向の柔軟性
- 他者への深い共感
- 自信に満ちた自己表現
- 冒険心と生命力
彼らは現在の瞬間を最大限に楽しみ、周囲の人々を巻き込んでポジティブな雰囲気を作り出します。実践的な経験を通じて学び、自然な形で自己表現します。
対人関係では、温かさと思いやりを持って接し、他者の感情に敏感です。変化や新しい経験に対してオープンで、ストレス耐性が高いため、困難な状況でも前向きな姿勢を保ちます。自己効力感が強く、自分の魅力と能力を信じています。
ESFP-A(エンターテイナー・自信型)を科学的に解説
幸せを感じやすい
ESFP-Aタイプの人は、幸せを感じやすい傾向があります。外向性(E)が高く、人との交流を楽しみ、感情的(F)で周囲の雰囲気に敏感です。また、神経症傾向が低い(-A)ため、ストレスにも強いです。
これらの特徴が相まって、日々の生活で喜びを見つけやすく、ポジティブな感情を体験しやすいのです。人間関係や新しい体験から幸福感を得ることが多く、楽観的な性格も幸せにつながります。
ビッグファイブでいう外向性、協調性が高く、神経症傾向が低いことが、幸福度の高さに関連しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
SとFの両方がある人と仲良くなりやすい
ESFP-Aタイプの人は、感覚的(S)で現実的な思考を持ちながら、感情的(F)で人間関係を重視する傾向があります。そのため、同じくSとFの特性を持つ人と相性が良く、仲良くなりやすいです。
現実的な話題で会話を楽しみつつ、お互いの感情にも配慮できるため、バランスの取れた関係を築きやすいのです。具体的な経験や感覚を共有し、感情面でも理解し合えることが、親密な関係につながります。
ビッグファイブでいう開放性が低めで協調性が高いことが、この傾向に関連しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
新しい友達を作る
ESFP-Aタイプの人は、外向的(E)な性格から、新しい友達を作ることが得意です。人との交流を楽しみ、積極的にコミュニケーションを取る傾向があります。
社交的で明るい性格が、周囲の人を引き付け、新しい出会いを生みやすいのです。また、好奇心旺盛で冒険心があるため、様々な場面で人と知り合うチャンスを逃しません。
初対面の人とも自然に会話を楽しめ、相手の心を開かせるのが上手です。ビッグファイブでいう外向性の高さが、この特徴に大きく関わっています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
SNSの友人が多い
ESFP-Aタイプの人は、外向的(E)な性格からSNSでも活発に活動し、多くの友人を持つ傾向があります。現実世界での社交性がオンラインにも反映され、SNS上で幅広いネットワークを築きやすいのです。
新しい出会いに積極的で、オンライン上でも気軽にコミュニケーションを取ります。また、感覚的(S)な特性から、視覚的な投稿や即時性のあるコンテンツを好む傾向があり、SNSの特性とも相性が良いです。
ビッグファイブでいう外向性の高さが、SNSでの活発な交流に関連しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
SNSをやる場合、でいいねや励ましのコメントなどでコミュニケーションをする
ESFP-Aタイプの人は、外向的(E)で感情的(F)な特性から、SNSでポジティブなコミュニケーションを取る傾向があります。「いいね」をたくさんつけたり、励ましのコメントを書いたりすることが多いでしょう。
他者の投稿に共感し、素直に反応することで、オンライン上でも温かい人間関係を築きます。感情表現が豊かで、相手の気持ちを考えながらコミュニケーションを取るのが得意です。
ビッグファイブでいう外向性と協調性の高さが、このようなSNSでの行動に関連しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ボランティアなど利他的な活動を行う
ESFP-Aタイプの人は、外向的(E)で感情的(F)な特性から、ボランティアなどの利他的な活動に参加する傾向があります。人との交流を楽しみながら、他者を助けることに喜びを感じます。
感情豊かで共感性が高いため、困っている人の気持ちに寄り添いやすく、自然と手を差し伸べたくなります。また、実践的(S)な面もあるので、具体的な行動を通じて社会に貢献することを好みます。
ビッグファイブでいう外向性と協調性の高さが、こうした利他的な活動への参加に関連しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ソーシャルキャピタルの質がいい
ESFP-Aタイプの人は、外向的(E)で感情的(F)、そして神経症傾向が低い(-A)特性から、質の高いソーシャルキャピタル（人間関係の資本）を持つ傾向があります。
幅広い人脈を築き、深い信頼関係を形成することが得意です。社交的で温かい性格が、長続きする良好な人間関係につながります。また、ストレス耐性が高いため、人間関係のトラブルにも柔軟に対応できます。
こうした質の高い人間関係は、個人の幸福度や社会的成功にも良い影響を与えます。ビッグファイブでいう外向性、協調性の高さと神経症傾向の低さが、このような特徴に関連しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
キャリア成功しやすい
ESFP-Aタイプの人は、外向的(E)で神経症傾向が低い(-A)特性から、キャリアで成功しやすい傾向があります。社交性が高く、人とのコミュニケーションが得意なため、ネットワーキングやチームワークを活かした仕事で力を発揮します。
また、ストレス耐性が高いため、困難な状況にも前向きに対応できます。感情的(F)な面は、顧客サービスやチーム内の人間関係構築に役立ちます。
柔軟性と適応力があり、変化の激しい環境でも活躍できるのが強みです。ビッグファイブでいう外向性の高さと神経症傾向の低さが、キャリアの成功に関連しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ファストフード、アイス、チョコ、ココアを好む、肉類を避ける
ESFP-Aタイプの人は、外向的(E)で神経症傾向が低い(-A)特性から、ファストフードやスイーツを好む傾向があります。社交的な場面で気軽に楽しめる食事を好み、アイスやチョコ、ココアなどの甘いものに惹かれやすいでしょう。
これは、即時的な満足感を求める性格と関連しているかもしれません。一方で、肉類を避ける傾向もあります。これは感情的(F)な面から、動物への共感や健康への配慮が影響している可能性があります。
ただし、食の好みは個人差が大きいため、一概には言えません。ビッグファイブでいう外向性の高さと神経症傾向の低さが、こうした食の傾向に関連している可能性があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
右翼権威主義RWAの思想を持ちやすい
ESFP-Aタイプの人は、感覚的(S)な特性から、右翼権威主義（RWA）の思想を持ちやすい傾向があります。現実的で具体的な思考を好むため、既存の秩序や伝統的な価値観を重視しやすいのです。
しかし、これは絶対的なものではありません。外向的(E)で感情的(F)な面は、多様な人々との交流や共感を促し、柔軟な思考をもたらす可能性もあります。
個人の価値観は複雑で、様々な要因に影響されます。ビッグファイブでいう開放性の低さが、この傾向に関連している可能性がありますが、他の要因も考慮する必要があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
自己決定理論の自律性・関係性の欲求が満たされやすい
ESFP-Aタイプの人は、外向的(E)で感情的(F)、そして神経症傾向が低い(-A)特性から、自己決定理論における自律性と関係性の欲求が満たされやすい傾向があります。
社交的で人間関係を重視する性格は、関係性の欲求を満たすのに役立ちます。また、自信を持って行動し、自分の意思で選択を行う傾向があるため、自律性の欲求も満たされやすいでしょう。
ストレス耐性が高く、周囲の期待に振り回されにくいことも、自律性の維持に貢献します。
ビッグファイブでいう外向性、協調性の高さと神経症傾向の低さが、これらの欲求の充足に関連しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
日本の沖縄に多い
ESFP-Aタイプの人は、外向的(E)で感情的(F)な特性を持ち、日本の沖縄県に多く見られる傾向があります。沖縄の文化的特性と、このパーソナリティタイプの特徴が合致する部分があるためです。
沖縄の温暖な気候や、人々の温かさ、コミュニティの絆の強さは、社交的で感情表現豊かなESFP-Aタイプの人々と相性が良いでしょう。
また、沖縄の「イチャリバチョーデー」（出会えば兄弟）という精神は、このタイプの人々の開放的な性格と合致します。
ビッグファイブでいう外向性と協調性の高さが、この地域的な傾向に関連している可能性があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
シュワルツの価値観：快楽、博愛
ESFP-Aタイプの人は、外向的(E)で感情的(F)、そして知覚的(P)な特性から、シュワルツの価値観理論における「快楽」と「博愛」を重視する傾向があります。
「快楽」の価値観は、人生を楽しみ、感覚的な喜びを求める傾向と関連しています。ESFP-Aタイプの人は、現在の瞬間を楽しむことを大切にし、ポジティブな経験を積極的に求めます。
「博愛」の価値観は、他者への思いやりや理解を重視する傾向を示します。感情的(F)な特性から、他者の幸福に関心を持ち、手助けすることに喜びを感じます。
これらの価値観は、ESFP-Aタイプの人の行動や決定に影響を与えます。ビッグファイブでいう外向性、協調性の高さが、これらの価値観の重視に関連しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
最後に
ESFP-Aタイプの人は、とても社交的で明るい性格の持ち主です。新しい友達を作るのが得意で、SNSでも活発に交流します。
人との関わりを大切にし、周りの人を励ましたり、ボランティア活動に参加したりすることが多いでしょう。
また、この性格の人は幸せを感じやすく、ストレスにも強い傾向があります。そのため、人間関係も良好で、仕事でも成功しやすいという特徴があります。
食べ物の好みでは、ファストフードやスイーツを好む傾向がありますが、個人差もあります。価値観としては、人生を楽しむことや他人を思いやることを大切にします。
日本では沖縄に多く見られるそうですが、これも統計的な傾向で、個人差があることを覚えておきましょう。
紹介した傾向は、元々ビッグファイブやHEXACOの研究なので、MBTIや16personalitiesよりも科学的に性格を知りたい場合は、こちらのHEXACO性格診断を受けてみてください。
ライター 兼 編集長：トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因（仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など）を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。
