価値観とは、人生で何を大切にするかを表す概念です。
人によって、お金や地位を重視する人もいれば、人間関係や健康を何より大切にする人もいるでしょう。
でも、自分の価値観ってどうやって決まるのでしょうか?
実は、性格との関係が深いことが分かってきたのです。
最近の心理学の研究で、性格特性と価値観の関連が明らかになってきました。
「Personality and Social Psychology Review」に掲載された論文では、60以上の研究を分析した結果、性格特性と価値観の間には一定の関係があることが示されたのです。
性格心理学と価値観研究の最先端を知ることで、自分らしさについての理解が深まるかもしれません。
さあ、性格と価値観の不思議な関係を一緒に探っていきましょう!
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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目次
価値観とは?人の行動を方向づける重要な心の働き
価値観の定義 – 人生の目標や行動の指針
価値観とは、人生で大切にするものや目指すべき目標のことです。
また、物事の良し悪しを判断する基準になります。
私たちの行動は、この価値観に基づいて方向づけられていると言えるでしょう。
例えば、健康を重視する人は、食生活や運動習慣に気を遣うはずです。
一方、効率を優先する人は、無駄を省く行動を取ると考えられます。
このように、価値観は私たちの生き方に大きな影響を与えています。
価値観は、人生の目標や行動の指針となる、心の中核をなす概念だと言えるでしょう。
人生の羅針盤として、価値観は非常に重要な役割を果たしているのです。
価値観の例 – 成功、安全、刺激など
価値観には様々なものがあります。
主な例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 成功: 社会的地位や名声、財産などを手に入れること
- 安全: リスクを避け、平穏な生活を送ること
- 刺激: 新しい経験や興奮を求めること
- 自由: 自分の意思で行動し、束縛されないこと
- 博愛: 他者への思いやりや寛容さを大切にすること
これらは一例ですが、価値観は多岐にわたります。
価値観は、私たちの個性を形作る重要な要素の一つと言えるでしょう。
人によって重視する価値観は異なり、その組み合わせも千差万別です。
価値観は人によって異なる
価値観は十人十色です。
つまり、人によって大切にするものは様々だということです。
ある人にとって最優先事項であっても、他の人にとってはそれほど重要ではないかもしれません。
この多様性は、育った環境や経験、性格などが影響していると考えられます。
例えば、厳しい家庭で育った人は、規律や勤勉さを重んじるかもしれません。
対照的に、自由な家庭で育った人は、自主性や創造性を大切にするかもしれません。
価値観の違いを理解することは、他者を理解する上で欠かせません。
自分とは異なる価値観を持つ人がいること、それが当然であることを認識することが大切です。
価値観と性格特性の関係を探る心理学研究
価値観と性格特性は別々に研究されてきた
性格特性と価値観は、どちらも人の個性を表す重要な概念です。
性格特性は、行動や感情の一貫した傾向を指します。
一方、価値観は、人生の目標や優先事項を表します。
これまで、両者は心理学において別々に研究されてきました。
性格特性は性格論として、価値観は社会心理学の分野で主に扱われてきたのです。
そのため、両者の関係性については、十分に明らかにされてこなかったと言えます。
しかし近年、性格特性と価値観を統合的に理解しようとする動きが出てきました。
両者の関連を探ることで、人間理解がより深まると期待されているのです。
価値観と性格特性の関係を明らかにすることの重要性
価値観と性格特性の関係を明らかにすることは、理論面でも実践面でも重要な意義があります。
まず、人間の心理をより統合的に理解することができます。
性格と価値観がどのように関連し、互いにどう影響し合っているのかを知ることで、より立体的な人間像を描くことができるでしょう。
また、理解が深まることで、適切な支援につなげることもできます。
例えば、教育や職業の場面で、個人の特性に合わせたアプローチを取ることが可能になります。
価値観と性格特性の関連を探ることは、基礎研究から応用研究まで、心理学のさまざまな分野に示唆を与えると考えられます。
人間理解の新たな地平を切り開く重要なテーマだと言えるでしょう。
5因子モデルとシュワルツの価値観理論
価値観と性格特性の関連を探る上で、代表的な理論が2つあります。
1つは、性格特性を5つの次元でとらえる5因子モデルです。
もう1つは、シュワルツの価値理論で、10の普遍的な価値を提唱しています。
5因子モデルでは、性格特性を以下の5つの特性で説明します。
- 開放性: 知的好奇心や想像力の豊かさ
- 誠実性: 勤勉さや慎重さ、規律正しさ
- 外向性: 社交性や積極性、活発さ
- 協調性: 思いやりや優しさ、協力的な態度
- 神経症傾向: 不安や憂うつ、情緒不安定さ
一方、シュワルツの価値理論では、以下の10の価値を仮定しています。
- 自立(自己決定): 自由や創造性、好奇心
- 刺激: 変化や興奮、挑戦
- 快楽: 人生を楽しむこと
- 達成: 野心や影響力、能力の発揮
- 権力: 社会的地位や支配、統制
- 安全: 調和や安定、清潔さ
- 調和(従順・適合): 従順や礼儀、自己規制
- 伝統: 慎ましさや敬虔さ、伝統の受容
- 博愛(慈悲): 寛容や社会的正義、平等
- 普遍: 自然や美への感謝、英知
これらの理論を土台として、性格特性と価値観の関係が実証的に検討されています。
両者の関連を包括的に理解するために、これらの理論は欠かせない基盤となっています。
60の研究から分かった性格特性と価値観の関係
価値観と性格特性には一定の関連があるが完全に一致はしない
60以上の研究を統合したメタ分析の結果、性格特性と価値観の間には一定の関連が見出されました。
両者は重なる部分もありますが、それぞれ独自の概念として区別する必要があると考えられます。
性格特性と価値観の関係は、完全に一致するわけではありません。
むしろ、部分的に重なりながらも、それぞれ固有の領域を持つと理解するのが適切でしょう。
以下、5因子モデルと価値観の相関関係の表です。
| 価値観 (Value) | 開放性 | 協調性 | 外向性 | 誠実性 | 神経症傾向 |
| 権力 (Power) | -0.06 | -0.42 | 0.31 | 0.05 | 0.03 |
| 達成 (Achievement) | 0.11 | -0.24 | 0.31 | 0.17 | -0.01 |
| 快楽 (Hedonism) | 0.09 | -0.11 | 0.2 | -0.19 | 0.01 |
| 刺激 (Stimulation) | 0.36 | -0.05 | 0.36 | -0.16 | 0.02 |
| 自立 (Self-Direction) | 0.52 | -0.07 | 0.17 | 0.1 | -0.01 |
| 普遍 (Universalism) | 0.33 | 0.39 | -0.05 | -0.02 | -0.03 |
| 博愛 (Benevolence) | 0.13 | 0.61 | -0.05 | 0.07 | -0.01 |
| 調和 (Conformity) | -0.27 | 0.26 | -0.17 | 0.27 | -0.05 |
| 伝統 (Tradition) | -0.31 | 0.22 | -0.25 | 0.1 | -0.03 |
| 安全 (Security) | -0.24 | 0 | -0.05 | 0.37 | -0.03 |
価値観と強く関連するのは認知的な特性
メタ分析の結果、性格特性の中でも、認知的な側面が強いものほど価値観と強く関連することが分かりました。
認知的な特性とは、思考や情報処理に関わる特性のことです。
具体的には、開放性や誠実性などが該当します。
これらの特性は、物事への興味関心や考え方、判断基準などと密接に関わっています。
そのため、価値観という認知的な概念と結びつきやすいのだと考えられます。
逆に、感情的な特性は価値観との関連が弱いことも示されました。
これについては、次の項目で詳しく説明します。
認知的な特性と価値観の結びつきは、両者が共に思考や信念に根ざしているためだと推察されます。
人間の心理を理解する上で、認知的な側面に着目することの重要性が示唆されたと言えるでしょう。
価値観とあまり関連しないは感情的な特性
上述の通り、感情的な特性は価値観と関連が弱いことが示されました。
特に、神経症傾向は価値観との相関がほとんど見られませんでした。
神経症傾向は、不安やストレスへの脆弱性を表す特性です。
感情の起伏が激しく、気分に左右されやすい傾向があります。
一方、価値観は感情ではなく、認知的な信念に基づくものです。
そのため、感情的な特性とは結びつきにくいのだと考えられます。
ただし、感情と価値観が完全に無関係というわけではありません。
価値観に沿った行動ができないと、ネガティブな感情が生じることはあります。
しかし、感情そのものが価値観を規定するわけではないのです。
感情的な特性と価値観の結びつきが弱いことは、両者の性質の違いを反映していると言えます。
感情と認知の違いを理解することは、人間理解の上で重要な示唆を与えてくれます。
価値観の特徴:開放性の高い人
新しいアイデアや経験を好む
開放性の高い人は、新しいアイデアや経験に対してオープンです。
未知のものに興味を持ち、積極的に探求しようとします。
彼らは、既存の枠組みにとらわれず、柔軟な発想を持っています。
従来の常識にとらわれることなく、新たな可能性を追求します。
また、抽象的な概念や理論的な思考を好む傾向もあります。
彼らは、知的好奇心が旺盛で、学ぶことに喜びを感じるのです。
このように、開放性の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 新奇性への関心が高い
- 創造的で独創的である
- 想像力が豊かである
- 知的探求心が強い
開放性の高さは、新しいアイデアや経験に対する積極的な姿勢と結びついています。
それは、彼らの価値観にも反映されていると考えられます。
自己決定と刺激の価値観を重視
開放性の高い人は、自己決定と刺激の価値を重視する傾向があります。
自己決定の価値は、自分の意思で行動することの重要性を表しています。
自分の人生は自分で決めたいという独立心の表れだと言えます。
また、刺激の価値は、変化や興奮を求める心理的欲求を反映しています。
新しい経験や挑戦を通じて、人生を豊かにしようとするのです。
これらの価値観は、開放性の高い人の特徴と合致しています。
彼らは、自由な発想と行動を大切にし、固定観念に縛られることを嫌います。
また、未知の領域に飛び込むことで、自己を高めようとします。
開放性の高さは、自己決定と刺激の価値観と密接に結びついていると言えるでしょう。
これらの価値観は、彼らの生き方に大きな影響を与えていると考えられます。
伝統や安全よりも変化を求める価値観
開放性の高い人は、伝統や安全よりも変化を求める傾向があります。
彼らは、既存の価値観や社会規範にとらわれることを好みません。
むしろ、新しい価値観や生き方を探求することに価値を置くのです。
伝統的な考え方や慣習には懐疑的で、それらを盲目的に受け入れることはしません。
また、安全や安定よりも、変化や冒険を選ぶ傾向もあります。
リスクを恐れずに、新たな挑戦に立ち向かうのです。
このように、開放性の高い人は、以下のような特徴を持っています。
- 伝統や権威への盲従を嫌う
- 既存の価値観に疑問を持つ
よくある質問(FAQ)
価値観と性格特性の違いは何ですか?
価値観は人生の目標や理想を表し、性格特性は行動や感情の一貫したパターンを示します。価値観は「何を重視するか」、性格特性は「どのように行動するか」の違いです。
自分の価値観はどのように調べることができますか?
価値観テストやワークシートを活用したり、人生で重要だと感じる出来事や選択を振り返ることで発見できます。また、尊敬する人や理想の生き方から価値観を探ることも有効です。
価値観は年齢とともに変化しますか?
価値観は比較的安定していますが、人生経験や環境の変化により徐々に変化することがあります。特に若年期から成人期にかけて大きく変化し、中年期以降は安定する傾向があります。
協調性の高い人はどのような価値観を持ちやすいですか?
協調性の高い人は博愛や普遍主義の価値観を重視し、他者への思いやりや社会全体の福祉を大切にします。一方で、権力や達成といった競争的な価値観は低い傾向があります。
誠実性と関連の強い価値観はありますか?
誠実性の高い人は安全性や調和(適合)の価値観を重視し、規則を守り安定した環境を好みます。反対に快楽主義的な価値観は低く、責任感を重んじる傾向があります。
価値観の違いは人間関係にどう影響しますか?
価値観の違いは誤解や対立の原因となることがありますが、お互いの価値観を理解し尊重することで、より深い関係を築くことができます。違いを認め合うことが重要です。



