リーダーの性格は、リーダーシップにどのように影響するのでしょうか?
みなさんは、優れたリーダーにはどのような性格が必要だと思いますか?
実は、心理学の研究でも、リーダーシップと性格の関係は古くから注目されてきました。
しかし、過去の研究結果は混乱していて、一貫した見解が得られていませんでした。
そんな中、ある研究者たちが「ビッグファイブ」という性格モデルを使ってメタ分析を行い、リーダーシップと性格の関係を明らかにしようと試みました。
彼らの研究結果は「Personality and Leadership: A Qualitative and Quantitative Review」というメタ分析の論文で発表されました。
この論文では、過去の研究で使われた性格検査の結果を、「ビッグファイブ」という枠組みを使って再分析しています。
本記事では、この論文の内容を詳しく解説していきます。みなさんもぜひ、自分の性格を知ることで、リーダーシップを発揮するためのヒントを見つけてみてください。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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目次
リーダーシップと性格の関係を探る
リーダーシップとは何か
目標達成に向けて他者に影響を与え、導く能力のことをリーダーシップといいます。
優れたリーダーは、以下のような特徴を持っています。
- ビジョンを持ち、目標を明確に示す
- メンバーをやる気にさせ、チームワークを促進する
- 状況に応じて適切な意思決定を行う
- コミュニケーション能力が高く、信頼関係を築く
つまり、リーダーシップは単なる権力や地位ではなく、人々を巻き込み、組織を導くための重要なスキルの組み合わせと言えます。
また、リーダーシップのスタイルは一つではなく、状況や組織文化によって異なる場合があります。
優れたリーダーは、自身の強みを生かしつつ、環境に適したリーダーシップを発揮することが求められます。
性格を表すビッグファイブとは
ビッグファイブとは、性格を5つの主要な特性に分類した理論モデルです。
具体的には、以下の5つの特性で構成されています。
- 外向性:社交的、積極的、活動的
- 誠実性:責任感が強い、計画的、勤勉
- 開放性:好奇心が強い、想像力豊か、柔軟
- 協調性:思いやりがある、協力的、温和
- 神経症傾向:不安になりやすい、感情的、ストレスに弱い
これらの特性は、遺伝と環境の両方の影響を受けて形成されると考えられています。また、各特性は連続体をなしており、個人差が存在します。
ビッグファイブは、シンプルでわかりやすい性格の分類法として広く用いられており、リーダーシップ研究においても重要な役割を果たしています。
性格とリーダーシップの関係を探る上で、ビッグファイブは有用な枠組みと言えるでしょう。
ビッグファイブによるリーダーの性格分析
リーダーの性格を探る意義
リーダーの性格を理解することは、効果的なリーダーシップを発揮する上で重要な意味を持ちます。
以下のような点で、リーダーの性格を探ることは意義深いのです。
- 適材適所:個人の性格特性を把握し、それに合ったリーダーシップの役割を割り当てることができる。
- リーダーシップ開発:自己理解を深め、強みを伸ばし、弱点を補うことでリーダーシップ能力の向上につながる。
- チームパフォーマンスの向上:メンバーの性格を理解し、それぞれの特性に合わせたアプローチを取ることで、チームのパフォーマンスを最大化できる。
つまり、リーダーの性格を知ることは、個人と組織の両方にとって利益をもたらすのです。
最適なリーダーシップのあり方を模索する上で、性格という要素を無視することはできません。
性格とリーダーシップの関係を明らかにすることは、リーダーシップ研究における重要なテーマの一つと言えるでしょう。
外向性:リーダーシップと最も強く関連する性格特性
冒頭で紹介した研究によると、外向性はリーダーシップと最も強い正の相関を持つ性格特性であることが明らかになりました。
外向的な人は、以下のような特徴を持つ傾向にあります。
- 社交的で、人前に出ることを楽しむ
- 自己主張が強く、意見を積極的に述べる
- エネルギッシュで、活動的である
これらの特性は、リーダーシップに求められる資質と重なる部分が多いと言えます。
例えば、外向的なリーダーはメンバーとのコミュニケーションを活発に行い、チームを牽引していく力を発揮しやすいでしょう。
また、外向的な人は、「リーダー」として周りから扱われやすい(発現)傾向にあることも分かりました。
外向性は、リーダーシップを支える重要な性格特性の一つと言えるでしょう。
誠実性:リーダーシップと深く関わる性格特性
誠実性は、外向性の次にリーダーシップと強い正の相関を持つことが示された性格特性です。
誠実な人は、以下のような特徴を持つ傾向にあります。
- 責任感が強く、約束を守る
- 計画的で、目標達成に向けて着実に行動する
- 勤勉で、粘り強く取り組む
これらの特性は、「リーダーの効果性」を高める上で重要な役割を果たすと考えられます。
「リーダーの効果性」とは、例えば、誠実なリーダーは部下からの信頼を得やすく、組織の目標達成に向けて一丸となって取り組むことができるでしょう。リーダーとして部下に対して「効果」があります。
つまり、誠実性は、リーダーとしての実力を高める上で特に重要な性格特性と言えます。
リーダーシップを支える土台として、誠実性の重要性が改めて示されたと言えるでしょう。
開放性:リーダーシップと一定の関連がある性格特性
開放性は、リーダーシップと中程度の正の相関を持つことが明らかになりました。外向性、誠実性の次となります。
開放性の高い人は、以下のような特徴を持つ傾向にあります。
- 新しいアイデアや経験に対して好奇心を持つ
- 創造的で、既存の枠にとらわれない発想ができる
- 変化を受け入れ、柔軟に対応できる
これらの特性は、特に変化の激しい環境下でのリーダーシップに役立つと考えられます。
例えば、開放性の高いリーダーは、新しい課題に対して積極的に取り組み、革新的な解決策を見出すことができるでしょう。
また、分析の結果、開放性はリーダーの発現と効果性の両方と関連することが示されました。
つまり、開放性は、リーダーとして認識されやすさと、実際のリーダーとしての効果性の両方に影響を与える性格特性と言えます。
変化の時代に求められるリーダーシップにおいて、開放性の重要性は高まっていくと考えられます。
神経症傾向:リーダーシップとネガティブな関連がある性格特性
高い神経症傾向は、リーダーシップと負の相関を持つことが示された性格特性です。
神経症傾向の高い人は、以下のような特徴を持つ傾向にあります。
- 不安や緊張を感じやすい
- ストレスに弱く、感情的になりやすい
- 自信が持ちにくく、否定的な見方をしがち
これらの特性は、リーダーシップの効果性を低下させる可能性があると考えられます。
例えば、神経症傾向の高いリーダーは、ストレス下での意思決定が困難になったり、部下に不安を与えてしまったりする可能性があります。
また、分析の結果、神経症傾向はリーダーの効果性との関連が特に強いことが明らかになりました。
つまり、神経症傾向は、リーダーとしての実力に直接的な影響を与える性格特性と言えます。
リーダーシップを発揮する上で、神経症傾向をコントロールすることが重要になると考えられます。
協調性:リーダーシップとの関連が弱い性格特性
他の性格特性に比べて、協調性は、リーダーシップとの関連が弱いことが示されました。
協調性の高い人は、以下のような特徴を持つ傾向にあります。
- 他者に対して思いやりを持ち、協力的である
- 人間関係を重視し、調和を大切にする
- 控えめで、自己主張が弱い傾向にある
これらの特性は、リーダーシップに必ずしも直結しないと考えられます。
例えば、協調性が高すぎるリーダーは、メンバーの意見を尊重するあまり、意思決定が遅れてしまう可能性があります。
また、分析の結果、協調性はリーダーの発現との関連がほとんど見られませんでした。
つまり、協調性の高いリーダーと、低いリーダーがいる可能性を表しています。優しいリーダーと厳しいリーダーです。協調性が低いとダークトライアドの傾向が強まります。
リーダーシップを支える性格特性として、協調性の位置づけについてはさらなる研究が必要と言えます。
リーダーの性格とリーダーシップの側面の関係
リーダーの発現と外向性・誠実性の関係
外向性・誠実性とリーダーとして扱われること(発現)には、強い正の相関があることが明らかになりました。
- 外向性が高い人は、社交的でアクティブな特徴を持つため、リーダーとして認識されやすい傾向にあります。
- 誠実性が高い人は、責任感が強く信頼されやすいため、リーダーとして選ばれやすいと考えられます。
つまり、外向性と誠実性は、リーダーとしての発現を促進する性格特性と言えるでしょう。リーダーとして認識されるためには、これらの特性を持つことが有利に働くと考えられます。
一方で、リーダーの効果性との関連は、外向性よりも誠実性の方が強いことも示されました。
このことから、リーダーの発現と効果性では、求められる性格特性が若干異なる可能性が示唆されます。
リーダーシップにおける外向性と誠実性の役割について、さらなる研究が期待されます。
リーダーの発現を支える性格特性として、外向性と誠実性の重要性が改めて示されたと言えるでしょう。
リーダーの効果性と神経症傾向の関係
高い神経症傾向とリーダーの効果性には、負の相関があることが明らかになりました。
- 神経症傾向が高い人は、不安やストレスに弱い特徴を持つため、リーダーとしての効果性が低下する可能性があります。
- 特に、ストレス下での意思決定や部下へのネガティブな影響が懸念されます。
つまり、神経症傾向は、リーダーの効果性を阻害する性格特性と言えるでしょう。リーダーとしての実力を発揮するためには、神経症傾向をコントロールすることが重要になると考えられます。
一方で、神経症傾向とリーダーの発現との関連は、効果性ほど強くないことも示されました。
このことから、神経症傾向は、リーダーとして認識されるかどうかよりも、実際のリーダーシップの効果により大きな影響を与える可能性が示唆されます。
リーダーシップにおける神経症傾向の影響について、さらなる研究が期待されます。リーダーの効果性を高めるためには、神経症傾向のマネジメントが重要な課題になると言えるでしょう。
リーダーシップの側面によって異なる性格特性の影響
リーダーシップの側面(発現と効果性)によって、性格特性の影響が異なることが明らかになりました。
- 外向性は、リーダーの発現との関連が特に強い一方で、効果性との関連はやや弱くなる傾向が見られました。
- 誠実性は、リーダーの効果性との関連が強い一方で、発現との関連は外向性ほど強くありませんでした。
- 神経症傾向は、リーダーの効果性とのネガティブな関連が強い一方で、発現との関連は相対的に弱いことが示されました。
これらの結果から、リーダーシップの側面によって、求められる性格特性が異なる可能性が示唆されます。
リーダーの発現には外向性が、効果性には誠実性と神経症傾向(の低さ)がより重要な役割を果たすと考えられます。
リーダーシップ研究においては、発現と効果性を区別して検討することが重要と言えるでしょう。
また、リーダーシップ開発においても、それぞれの側面に応じた性格特性の強化が求められると考えられます。
リーダーシップの多面性を踏まえた、性格特性の影響の理解が重要と言えます。
リーダーの性格と対象集団の関係
ビジネス集団におけるリーダーの性格とリーダーシップ
ビジネス集団におけるリーダーシップでは、外向性と開放性が特に重要な性格特性であることが示されました。
- ビジネス環境では、社交性やアクティブさが求められるため、外向性の高さがリーダーシップと強く関連すると考えられます。
- 同時に、変化への適応力や創造性も重要視されるため、開放性もリーダーシップと関連が深いと言えます。
一方で、ビジネス集団では、誠実性や神経症傾向とリーダーシップの関連は、他の集団ほど強くないことも明らかになりました。
このことから、ビジネス環境では、外向性と開放性がリーダーシップの鍵を握る性格特性と言えるでしょう。
ただし、状況によっては他の性格特性も重要な役割を果たす可能性があります。ビジネス集団におけるリーダーシップと性格特性の関係について、さらなる研究が期待されます。
ビジネスリーダーの選抜や育成においては、外向性と開放性に特に注目することが有効と考えられます。
同時に、状況に応じて他の性格特性も考慮に入れる柔軟性が求められるでしょう。
政府・軍隊集団におけるリーダーの性格とリーダーシップ
政府・軍隊集団では、外向性とリーダーシップの関連が特に強いことが示されました。
- 政府・軍隊組織では、リーダーとしての存在感や影響力が重要視されるため、外向性が高いことがリーダーシップと強く結びつくと考えられます。
- 一方で、他の性格特性とリーダーシップの関連は、外向性ほど強くないことも明らかになりました。
このことから、政府・軍隊集団では、外向性がリーダーシップを左右する最も重要な性格特性と言えるでしょう。
ただし、状況によっては他の性格特性も一定の役割を果たす可能性があります。
例えば、誠実性は部下からの信頼を得る上で重要な特性と考えられます。
政府・軍隊集団におけるリーダーシップと性格特性の関係について、さらなる研究が期待されます。
政府・軍隊組織でのリーダー選抜や育成においては、外向性を重視することが有効と考えられます。
同時に、状況に応じて他の性格特性のバランスにも配慮することが求められるでしょう。
学生集団におけるリーダーの性格とリーダーシップ
学生集団では、全てのビッグファイブの性格特性がリーダーシップと関連することが明らかになりました。
- 外向性、誠実性、開放性は、リーダーシップと正の相関を示しました。
- 神経症傾向は、リーダーシップとネガティブな関連が見られました。
- 協調性も、他の集団と比べると、リーダーシップとの関連が相対的に強いことが示されました。
これらの結果から、学生集団では、性格特性全般がリーダーシップに影響を与えると考えられます。特に、外向性、誠実性、開放性の重要性が高いと言えるでしょう。
学生時代は、性格特性がリーダーシップに与える影響が最も顕著に表れる時期と考えられます。
学生リーダーの選出や育成においては、バランスの取れた性格特性の発達を支援することが重要と言えます。
また、学生時代のリーダーシップ経験は、将来のリーダーシップ能力の土台となる可能性があります。
学生集団におけるリーダーシップと性格特性の関係について、さらなる研究が期待されます。
外向性の影響力の一貫性
外向性は、全ての集団においてリーダーシップと最も強く関連する性格特性であることが示されました。
- ビジネス集団、政府・軍隊集団、学生集団のいずれにおいても、外向性はリーダーシップと正の相関を示しました。
- 特に、政府・軍隊集団では、外向性の影響力が他の性格特性と比べて際立っていました。
これらの結果から、外向性はリーダーシップを支える最も重要な性格特性の一つと言えるでしょう。
集団の種類を問わず、外向性の高さがリーダーシップと結びつく傾向が明らかになりました。
外向的な人は、社交性やアクティブさを通じて、リーダーとしての存在感を発揮しやすいと考えられます。リーダーシップ研究においては、外向性の役割を重視することが重要と言えます。
また、リーダーシップ開発においても、外向性を伸ばすアプローチが有効である可能性があります。
外向性とリーダーシップの関係について、さらなる研究が期待されます。
外向性は、リーダーシップを支える普遍的な性格特性と言えるでしょう。
他の性格特性の影響力の集団差
外向性以外の性格特性とリーダーシップの関連は、集団によって異なる傾向が見られました。
- ビジネス集団では、開放性がリーダーシップと強く関連していましたが、誠実性や神経症傾向との関連は相対的に弱いことが示されました。
- 政府・軍隊集団では、外向性以外の性格特性とリーダーシップの関連は全体的に弱い傾向が見られました。
- 学生集団では、外向性に次いで、誠実性と開放性がリーダーシップと関連することが明らかになりました。
これらの結果から、外向性以外の性格特性がリーダーシップに与える影響は、集団の特性によって異なると考えられます。
それぞれの集団が求めるリーダー像や、置かれた状況によって、重要となる性格特性が変化する可能性があります。
リーダーシップ研究においては、集団の特性を考慮に入れた検討が重要と言えるでしょう。
また、リーダーシップ開発においても、集団の特性に応じて、重点的に伸ばすべき性格特性を見極めることが求められます。
集団差を踏まえた、性格特性とリーダーシップの関係の理解が重要と言えます。
ビッグファイブ全体でのリーダーの性格とリーダーシップの関連
重回帰分析で明らかになったリーダーシップとの重相関係数
ビッグファイブの5つの性格特性を用いた重回帰分析の結果、リーダーシップとの重相関係数は0.48と比較的強い関連が示されました。
- この結果は、ビッグファイブの性格特性全体でリーダーシップをある程度説明できることを意味しています。
- つまり、性格特性はリーダーシップに関わる重要な要因の一つと言えるでしょう。
一方で、完全な関連ではないことも明らかになりました。
このことから、性格特性以外の要因もリーダーシップに影響を与えていると考えられます。
例えば、知識やスキル、経験などが挙げられます。リーダーシップを総合的に理解するためには、性格特性と他の要因を組み合わせて検討することが重要と言えるでしょう。
また、重相関係数の値は、リーダーシップの側面(発現と効果性)によっても異なる可能性があります。
リーダーシップと性格特性の関係について、多角的な研究が期待されます。
性格特性はリーダーシップに関わる重要な要因の一つですが、他の要因も考慮に入れた総合的な理解が求められます。
リーダーシップに対する誠実性の影響力の大きさ
ビッグファイブの性格特性の中では、誠実性がリーダーシップに最も強い影響力を持つことが示されました。
- 重回帰分析の結果、誠実性の標準偏回帰係数が最も高い値を示しました(β=.29)。
- このことから、誠実性はリーダーシップを予測する上で、最も重要な性格特性の一つと言えます。
誠実性の高い人は、責任感が強く、勤勉で、計画性を持つ傾向にあります。
これらの特徴は、リーダーとしての効果性を高める上で重要な役割を果たすと考えられます。
部下からの信頼を得ることができ、組織の目標達成に向けて着実に行動することができるでしょう。
リーダーシップ研究においては、誠実性の役割を重視することが重要と言えます。
また、リーダーシップ開発においても、誠実性を伸ばすアプローチが有効である可能性があります。
誠実性とリーダーシップの関係について、さらなる研究が期待されます。
誠実性は、リーダーシップを支える中核的な性格特性の一つと言えるでしょう。
外向性と開放性のリーダーシップへの影響力
この2つの特性は、誠実性に次いで、リーダーシップに強い影響力を持つことが明らかになりました。
- 重回帰分析の結果、外向性と開放性の標準偏回帰係数は、それぞれβ=.27とβ=.21でした。
- このことから、外向性と開放性は、リーダーシップを予測する上で、誠実性に次ぐ重要な性格特性と言えます。
外向性の高い人は、社交的で、活動的な特徴を持ちます。
また、開放性の高い人は、新しいアイデアに対して好奇心を持ち、創造的な傾向にあります。これらの特性は、リーダーシップの発揮に役立つと考えられます。
外向性と開放性を兼ね備えたリーダーは、チームをまとめ、革新的な解決策を生み出すことができるでしょう。
リーダーシップ研究においては、外向性と開放性の相互作用にも注目することが重要と言えます。
また、リーダーシップ開発では、外向性と開放性のバランスを取ることが求められるでしょう。
外向性と開放性は、誠実性とともに、リーダーシップを支える重要な性格特性と言えます。
最後に
みなさん、ここまで、リーダーシップと性格の関係について、今回の研究を通して、以下のようなことが明らかになりました。
- 外向性、誠実性、開放性が高く、神経症傾向が低いことが、効果的なリーダーシップと結びつく傾向にあります。
- リーダーシップの側面(リーダーの発現と効果性)によって、求められる性格特性が異なる可能性があります。
- 集団の特性(ビジネス、政府・軍隊、学生)によって、リーダーシップと性格の関係が異なる場合があります。
これらの知見は、みなさんがリーダーシップを発揮する上で、重要な示唆を与えてくれます。
自分の性格特性を理解し、強みを生かしながら、弱点を補うことが大切です。また、状況に応じて、求められるリーダーシップのスタイルを変えることも必要でしょう。
ただし、性格はリーダーシップに影響する要因の一つに過ぎません。知識やスキル、経験なども重要な役割を果たします。
リーダーシップを磨くためには、性格だけでなく、様々な面で自分を高めていくことが大切です。
今回の研究は、性格心理学とリーダーシップ研究の架け橋となる重要な一歩でした。今後も、性格とリーダーシップの関係について、さらなる研究の広がりが期待されます。
みなさんも、自分の性格を知ることで、リーダーシップを発揮するためのヒントを見つけてみてください。そして、様々な経験を積む中で、自分なりのリーダーシップスタイルを確立していってください。
リーダーシップは、特別な人だけが発揮できる能力ではありません。みなさん一人ひとりが、自分の個性を生かしながら、リーダーシップを発揮できる可能性を持っているのです。
今回の研究から得られた知見を活用し、自分らしいリーダーシップを追求していってください。
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ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。