協調性と年収の関係について、あなたは考えたことがありますか?
実は、アメリカの大規模な調査から、協調性の高さが年収に与える影響は男女で大きく異なることが分かったのです。
ある研究チームは、アメリカで行われた大規模な調査データを分析し、性格特性の一つである協調性と年収の関係を調べました。調査には、合わせて約4,000人の男女が参加しています。
その結果、男性の場合は協調性が低いほど年収が高くなる傾向が見られた一方で、女性の場合は協調性の高さによる年収への影響はあまり見られませんでした。
この結果は、アメリカ社会における性別役割の期待を反映しているのかもしれません。
男性には自己主張が強く、競争心があることが求められる一方で、女性には思いやりがあり、協調的であることが求められるからです。
この研究は、私たちの性格と経済的な成功の関係について、示唆に富む洞察を与えてくれます。
では詳細な内容を見ていきましょう!
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
※HEXACO-JP性格診断を開発しました!MBTIより科学的根拠があります。詳細は以下タップしてください。

目次
協調性と年収の関係を探る4つの研究
協調性と年収、研究1:若者の場合
全米青少年縦断調査のデータを使い、560人を対象に分析しました。
その結果、以下のことが明らかになりました。
・女性は男性よりも平均4,787ドル少ない年収
・これは平均年収の14%に相当
・協調性が1標準偏差上がると、男性の年収は6,958ドル減少
・一方、女性の年収減少は1,100ドルにとどまる
つまり、協調性の高さが年収に与える影響は、男女で大きく異なることが示されたのです。
特に男性の場合、協調性が高いと年収が大幅に下がる傾向が見られました。
この研究は、アメリカの若者を対象とした大規模な調査データを用いており、結果の信頼性は高いと言えるでしょう。
協調性と年収の関係に、明確な男女差があることが実証的に示された研究です。
協調性と年収、研究2:中年の場合
全米中年発達調査のデータを用い、1,681人を対象に分析しました。
その結果、次のようなことが分かりました。
・女性は男性よりも平均9,297ドル少ない年収
・協調性が1標準偏差上がると、男性の年収は10,326ドル減少
・一方、女性の年収減少は3,213ドル
また、この研究では他の性格特性もコントロールされていました。
それでも協調性の影響に男女差が見られたことから、協調性が年収に与える影響の男女差は、他の性格特性とは独立した現象である可能性が示唆されます。
アメリカの中年層を対象とした大規模調査のデータからも、協調性と年収の関係に男女差があることが裏付けられました。
協調性の高さが年収に及ぼすマイナスの影響は、男性の方が女性よりもかなり大きいようです。
協調性と年収、研究3:ウィスコンシン縦断調査
ウィスコンシン縦断調査のデータを使い、1,691人を対象に分析しました。
職務の責任レベルや職業的地位をコントロールしても、以下の結果が得られました。
・女性は男性よりも平均19,427ドル少ない年収
・協調性が1標準偏差上がると、男性の年収は12,032ドル減少
・対して女性の年収減少は1,174ドルにとどまる
さらに、この研究では性格の5因子モデルの他の4因子もコントロールされていました。
それでも協調性の影響に男女差が見られたことから、協調性が年収に与える影響の男女差は、他の性格特性の影響とは独立した現象だと考えられます。
アメリカ中西部のデータを用いた この大規模な縦断調査からも、協調性と年収の関係に男女差があることが明らかになりました。
協調性の高さは男性の年収を大きく下げる一方、女性の年収にはあまり影響しないようです。
協調性と年収、研究4:大学生の場合
大学生460人を対象に実験を行いました。
架空の求職者の協調性の高さと性別を操作し、管理職への昇進の推薦を行うよう参加者に求めたところ、以下の結果が得られま
・協調的な求職者は昇進の推薦を得にくい
・特に男性の場合、協調的だと昇進の推薦を得にくい
この実験結果から、協調的な人物は管理職に向いていないと評価されがちであること、特にそのバイアスが男性に対して強く働くことが示唆されます。
実際の企業での昇進や昇給の判断にも、このようなバイアスが影響している可能性があるでしょう。
この実験は、協調性の高さが年収に与える影響の男女差について、1つの説明を提供するものです。
男性は協調的だと管理職に向いていないと評価され、その結果、年収が低くなりやすいのかもしれません。
男女で大きく異なる協調性と年収の関係
協調性と年収:男性は非協調的なほど年収が高い
男性の場合、非協調的であるほど年収が高くなる傾向があります。
データを詳しく見ていくと、以下のことが分かります。
協調性が(1標準偏差)下がると、男性の年収は、、、
・研究1では、6,958ドル上昇
・研究2では、10,326ドル上昇
・研究3では、12,032ドル上昇
つまり、男性の場合、協調性が1標準偏差下がるごとに、年収が約7,000~12,000ドル上昇するのです。
これは、非協調的な男性ほど高い年収を得ているということを意味しています。
言い換えれば、男性にとって非協調的であることは、経済的成功につながる可能性が高いと言えるでしょう。
この傾向は3つの大規模調査のいずれにおいても一貫して見られたことから、「男性は非協調的なほど年収が高い」という命題は確からしいと考えられます。
協調性が低いとダークトライアドという性格特性になりやすいですが、そのうちの一つ「ナルシシズム」が月収と関連があるそうです。
協調性と年収:女性は協調性の影響が少ない
女性の場合、協調性の高さは年収にあまり影響しないようです。
データを見ると、以下のことが分かります。
協調性が(1標準偏差)下がると、女性の年収は、、、
・研究1:1,100ドル減少
・研究2:3,213ドル減少
・研究3:1,174ドル減少
つまり、女性の場合、協調性が1標準偏差変化しても、年収の変化は1,000~3,000ドル程度にとどまるのです。
これは男性の場合と比べるとかなり小さな影響だと言えます。
特に研究1と3では、女性の協調性の影響は統計的に有意ではありませんでした。
このことから、女性の年収は協調性の高さにあまり左右されない可能性が示唆されます。
女性の年収を決める要因は他にあり、少なくともアメリカ社会では、協調性の高さはあまり関係がないのかもしれません。
協調性と年収:非協調性の年収プレミアムは男性の方が3倍以上
非協調的であることの経済的メリットは、男性の方が女性より3倍以上大きいことが分かりました。
研究1~3のデータを総合的に分析すると、以下のことが明らかになります。
・非協調的な男性は協調的な男性より平均18.31%(9,772ドル)多い年収
・非協調的な女性の年収上昇は5.47%(1,828ドル)にとどまる
つまり、非協調的であることによる年収の上昇幅は、男性の方が女性よりも3倍以上大きいのです。
言い換えれば、男性は非協調的であることで大きな経済的利益を得られるのに対し、女性にはそれほどのメリットはないと考えられます。
男女でこれほど大きな差があることは興味深い発見だと言えるでしょう。
協調性の高さが年収に及ぼす影響の男女差は、3つの大規模調査のいずれにおいても一貫して見られた現象です。
アメリカ社会において、非協調的な性格は男性の経済的成功に大きな影響を及ぼしている可能性が示唆されました。
非協調的な人々が高年収を得る理由
協調性と年収:年代や職種に関わらず一貫した傾向
協調性と年収の関係の男女差は、年代や職種に関係なく一貫して見られました。
研究1は若年層、研究2は中年層、研究3は全年齢層を対象としていますが、いずれの研究でも同様の傾向が見られました。
具体的には以下の通りです。
・研究1(若年層):非協調的な男性は協調的な男性より年収が高い
・研究2(中年層):非協調的な男性は協調的な男性より年収が高い
・研究3(全年齢層):非協調的な男性は協調的な男性より年収が高い
また、研究3では職種もコントロールされていましたが、やはり協調性の影響に男女差が見られました。
このことから、協調性と年収の関係の男女差は、年代や職種によらず存在する可能性が高いと考えられます。
アメリカ社会における普遍的な現象なのかもしれません。
ただし、他の文化圏でも同じ傾向が見られるかは分かりません。
今後の研究で、文化差の観点からも検討がなされることが期待されます。
協調性と年収:雇用者が非協調的な人々を有能だと認識
非協調的な人が高年収を得やすい理由の1つとして、雇用者が非協調的な人を有能だと評価する傾向があることが考えられます。
つまり、非協調的な人は有能そうに見えるために、高年収を得やすいのかもしれません。
この解釈を支持する証拠としては、以下のようなものがあります。
・批判的なコメントをする人は有能だと評価される傾向がある
・怒りを露わにする人は、能力が高いと評価される傾向がある
非協調的な人は、このような批判的・攻撃的なコミュニケーションを取りがちだと考えられます。
その結果、周囲からは有能に見られ、高い評価を受けやすいのかもしれません。
ただし、非協調的な人が実際に有能かどうかは別問題です。
非協調的な人が単に有能そうに見えるだけで、実際の能力は関係ないという可能性も十分にあります。
非協調的な人が高年収を得やすいのは、実力よりもイメージの問題なのかもしれません。
協調性と年収:非協調的な人々は金銭的動機が高い
非協調的な人々は金銭的動機が高く、経済的成功を重視する傾向があることが示唆されています。
研究3の補足分析によると、以下のような結果が得られました。
・非協調的な男性は金銭的動機が高い
・非協調的な男性は、コミュニティよりも経済的成功を重視する
つまり、非協調的な人々、特に男性は、金銭的な成功を強く望む傾向があると考えられます。
このような金銭的動機の高さが、彼らの経済的成功につながっている可能性があります。
例えば、非協調的な人々は、金銭的な見返りのために長時間働いたり、収入の高い職業を選んだりしがちなのかもしれません。
一方、協調的な人々は、人間関係や社会貢献などの価値を重視するあまり、金銭的な成功を追求しない傾向があるのかもしれません。
ただし、これらは可能性の指摘にとどまります。
非協調的な人々の金銭的動機の高さと経済的成功の関連については、さらなる研究が必要だと思われます。
協調性と年収:非協調的な人々は自己の利益を主張しやすい
非協調的な人々は、自己の利益を強く主張する傾向があることが分かっています。
具体的には、以下のような特徴が見られます。
・自己の利益を優先し、他者の利益をないがしろにしがち
・他者を出し抜くことを厭わない
・交渉において自己に有利な結果を勝ち取ろうとする
このような特徴は、非協調的な人々の経済的成功につながっている可能性があります。
例えば、給与交渉において自己の利益を強く主張することで、高い給与を勝ち取れるのかもしれません。
また、出世競争において他者を出し抜くことで、昇進を勝ち取れるのかもしれません。
一方、協調的な人々は、他者との関係を重視するあまり、自己の利益を主張することを躊躇しがちだと考えられます。
その結果、経済的に不利な立場に置かれやすいのかもしれません。
非協調的な人々が自己の利益を主張しやすい傾向は、彼らの経済的成功を説明する1つの要因となっている可能性があります。
ちなみにビッグファイブの協調性が低いと「ダークトライアド」と呼ばれる性格に関連しやすいことも分かっています。
協調性と年収:女性は非協調的だと年収が上がりにくい
非協調的な行動は社会的期待から逸脱
女性の非協調的な行動は、社会的な期待から逸脱していると見なされがちです。
アメリカ社会には、以下のようなジェンダーステレオタイプが存在します。
・女性は協調的であるべき
・女性は他者の調和を乱すべきではない
・女性は謙虚であるべき
これらのステレオタイプに反する行動、つまり非協調的な行動を取る女性は、社会的な期待から逸脱していると見なされがちなのです。
その結果、非協調的な女性は、周囲から嫌悪や拒絶などのネガティブな反応を受けやすいと考えられます。
組織の中でも、非協調的な女性は、「扱いづらい人物」とみなされ、不利な扱いを受ける可能性があります。
男性の非協調的な行動は許容される一方、女性の非協調的な行動は許容されにくいというダブルスタンダードが、女性の経済的不利益につながっているのかもしれません。
アメリカ社会の「女性は協調的であるべき」というジェンダーステレオタイプが、女性の経済的成功を阻む一因となっている可能性が指摘できます。
ジェンダーステレオタイプが昇進などの判断に影響
ジェンダーステレオタイプが、昇進や昇給などの人事的な判断に影響を及ぼしている可能性があります。
研究4の実験では、以下のような結果が得られました。
・協調的な男性は、管理職への昇進を推薦されにくい
・非協調的な女性も、管理職への昇進を推薦されにくい
この結果は、ジェンダーステレオタイプが、昇進の判断に影響していることを示唆しています。
男性は非協調的であるべきというステレオタイプから、協調的な男性は管理職に向かないと判断されやすいのかもしれません。
一方、女性は協調的であるべきというステレオタイプから、非協調的な女性は管理職に向かないと判断されやすいのかもしれません。
このようなジェンダーステレオタイプに基づく判断が、男女の昇進格差を生み出している可能性があります。
さらには、昇給や報酬の決定にも、同様のバイアスが影響している可能性が考えられます。
ジェンダーステレオタイプが、組織内での評価や処遇の男女差を生み出す一因となっているのかもしれません。
家庭の事情などの制約が女性の昇進や昇給に影響
女性の昇進や昇給は、家庭の事情などの制約を受けやすいことが指摘されています。
具体的には、以下のような制約があります。
・出産・育児による長期の離職
・家族のケアによる時間的制約
・家族の転勤による地理的制約
これらの制約により、女性は昇進や昇給の機会を逸しやすいと考えられます。
例えば、出産・育児で長期間離職すると、キャリアの中断により昇進が遅れる可能性があります。
また、家族のケアによる時間的制約から、長時間労働が難しく、昇進に必要な実績を積みにくいのかもしれません。
さらに、家族の転勤による地理的制約から、昇進や昇給に有利な転勤ができない可能性もあります。
このような家庭の事情などによる制約は、男性よりも女性に大きな影響を及ぼすと考えられます。
その結果、女性の昇進や昇給の機会が限られ、男女の経済的格差が生じているのかもしれません。
女性のキャリアの選択肢が家庭の事情に左右されやすいことが、女性の経済的不利益につながっている可能性があります。
協調性の高い人々の利点
人生満足度が高い
協調的な人々は、人生満足度が高い傾向にあることが分かりました。
研究3の補足分析では、以下のような結果が得られています。
・協調性は人生満足度と正の相関
よくある質問(FAQ)
協調性を下げて年収を上げるとは、具体的にどのような行動を指しますか?
自分の利益を優先し、給与交渉で強気に臨む、他者よりも自分の意見を押し通す、競争心を発揮するなどの行動を指します。ただし社会的な関係を完全に無視するのではなく、バランスが重要です。
女性は協調性を下げても年収に効果がないのはなぜですか?
社会的なジェンダーステレオタイプにより、非協調的な女性は「扱いにくい人物」と評価されがちです。また昇進判断でもバイアスが働くため、男性ほど経済的なメリットが得られないと考えられています。
協調性と年収の関係は日本でも同じ傾向がありますか?
この研究はアメリカで行われたもので、日本での検証は不十分です。日本の集団主義的な文化では協調性がより重視される傾向があるため、アメリカとは異なる結果になる可能性があります。
非協調的な人が有能に見えるのはなぜですか?
批判的な発言や自己主張の強さが、リーダーシップや決断力があるように見えるためです。また競争的な行動が成果への意欲として評価されることもありますが、実際の能力とは別の話です。
協調性が高い人は年収以外でどのようなメリットがありますか?
人生満足度が高く、良好な人間関係を築きやすく、チームワークが要求される場面で力を発揮します。また職場でのストレスが少なく、長期的なキャリアの安定性も期待できると考えられています。
男性が協調性を下げすぎると何かデメリットはありますか?
人間関係の悪化、チームワークの低下、長期的な信頼失失などのリスクがあります。また極端に非協調的になると、ダークトライアドと呼ばれる問題のある性格特性につながる可能性もあります。








