INTPの恋愛傾向は、一見冷静で距離を取るように見えても、内面では深く考え抜く愛情を持っています
INTPは理論的で探求心が強く、恋愛にも「なぜ好きなのか」を考えるタイプです。
感情表現は控えめですが、相手を理解しようと努力します。
本記事では、心理学の研究をもとにINTPの恋愛スタイルと、より良い関係を築くためのヒントを解説します。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
※以下のHEXACO-JP診断は個人向けになります。サンブレイズテストは法人向けになります。


目次
INTP(論理学者)の特徴や傾向
INTPは論理的で探究心に満ちたタイプです。
理論を組み立てることに喜びを感じます。
抽象的な概念や複雑な課題に強い関心を示します。
自由な発想で枠にとらわれずに考える傾向があります。
INTPの特徴や行動は以下のように整理できます。
- アイデアを深く掘り下げ、理論化します。
- 興味のある分野に強い集中力を発揮します。
- 柔軟に発想を変え、新しい解決策を生み出します。
- 社交よりも思索を優先する傾向があります。
- 正解よりも探究過程を楽しむことが多いです。
一方で、行動より考えることを優先しがちです。
計画が具体化せずに終わることもあります。
感情表現が少なく、人間関係で距離を置かれやすいです。
そのため実行力を意識することが重要です。
INTPは独創性と知的好奇心を武器にできます。
学問や技術の分野で強みを発揮しやすいです。
柔軟な頭脳で新しい視点を提供します。
考えを形にすれば大きな成果につながります。
INTPの恋愛傾向:理想の恋人になりやすい?
INTPは理想の恋人になりにくいタイプですが、深く理解すれば心強い存在になります。
その理由は、感情よりも思考を優先する傾向が強いからです。
しかし、相手を尊重する意識は高く、誠実な関係を望みます。
INTPの恋愛傾向を整理すると、次のような特徴があります。
- 感情表現が少なく、誤解されやすい
- 一人の時間を大切にし、依存を嫌う
- 理屈で考えすぎて、素直な愛情表現が苦手
- 自立した相手に惹かれやすい
また、過剰に論理的になると、相手が「冷たい」と感じることもあります。
ただし、心を許した相手には長く誠実に向き合う傾向があります。
感情と論理のバランスを取ることが、愛を育てる鍵です。
つまり、INTPは頭で恋するタイプです。
理性の奥にある優しさを伝えることで、信頼される恋人になれるでしょう。
INTPの恋愛傾向:根拠となる論文の紹介
INTPの恋愛傾向を理解するには、性格と恋愛満足度の研究が重要です。
心理学では「ビッグファイブ理論」という性格モデルが使われます。
これは、人の性格を誠実性・協調性・外向性・開放性・情緒安定性の5つで説明する考え方です。
研究によると、恋愛満足度が高いのは以下のような人です。
- 協調性が高く、思いやりのある人
- 誠実性が高く、自制心のある人
この結果は、MBTIタイプでいうと「F(感情型)」や「J(計画型)」に近い傾向を示します。
この内容を裏づける研究として、次の論文があります。
Malouff, J. M. ら(2010)『The Five-Factor Model of personality and relationship satisfaction of intimate partners: A meta-analysis』
この研究は、誠実性と協調性が高い人ほど恋愛満足度が高いことを示しました。
つまり、INTPも自分の理性的な強みを活かしながら、感情面を育てることでより良い恋愛ができるのです。
ちゃんとした性格診断「HEXACO-JP」を受けてみよう!
MBTIや16personalitiesは「自分を知る入口」として人気がありますが、本格的に自分の強みやリスクを理解するには、科学的に裏付けられた性格診断を体験するのが一番です。
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HEXACO-JPは、正直・謙虚さ、情動性、外向性、協調性、誠実性、開放性という6つの因子をもとに、あなたの性格傾向を数値で可視化します。
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「自分はどんなタイプなのか?」と気になる方は、まずはHEXACO-JPを受けて、科学的な視点から自分を見直してみてください。
16タイプの科学的な背景
MBTIの概要
MBTIは性格を16タイプに分類する心理学の理論です。
そもそもMBTIとは、マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インジケーター(Myers-Briggs Type Indicator)の略称です。
MBTIでは、以下の4つの指標を組み合わせて性格を16タイプに分類します。
- 外向性(Extraversion)か内向性(Introversion)
- 感覚(Sensing)か直観(iNtuition)
- 思考(Thinking)か感情(Feeling)
- 判断(Judging)か知覚(Perceiving)
つまり、MBTIでは自分の性格傾向を「ISTJ」や「ENFP」などの4文字で表現するのです。似ているものとしてとても有名な16personalitiesがありますが、これはMBTIとビッグファイブを合わせて作られています。
ビッグファイブの概要
性格心理学において最も有力な特性理論の一つが「ビッグファイブ(Big Five)」です。
ビッグファイブは、開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向の5つの特性を測定します。
また、16personalitiesやMBTIはタイプ分類(例、外向的か内向的かのどちらか)を用いるのに対して、ビッグファイブが特性を連続的な数値で評価する(例、外向性3.5)点も大きな違いです。
さらに、古くから研究されており、論文数も多く、学力や所得、脳や遺伝など、他の分野でも多くの研究が行われています。ビッグファイブの方が比較的、科学的な裏付けが強いと言えます。
MBTI・ビッグファイブ・HEXACOの相関関係
MBTIの4指標とビッグファイブの5因子には相関関係があります。
この相関を示した代表的な研究に、「The relationship between the revised NEO-Personality Inventory and the Myers-Briggs Type Indicator」という論文があります。
この論文によると、MBTIとビッグファイブの相関は以下の通りです。

また、MBTIとビッグファイブを参考にして作られた16personalitiesでは、ビッグファイブの神経症傾向が「アイデンティティ」と呼ばれており、自信(Assertive)か、慎重(Turbulent)かで分類されています。
一番右には比較的新しい性格診断である「HEXACO(ヘキサコ)」があります。ビッグファイブに1つ指標「正直・謙虚さ」を加えて改良されています。いじめやハラスメントの加害者はHEXACOでの研究が盛んです。
16personalitiesやMBTIは科学的根拠が弱いため、本記事ではビッグファイブやHEXACOとの相関関係を根拠にして、16personalitiesの性格タイプを詳細に解説しています。

FAQや注意点
HAXACOの結果と、16personalities(通称MBTI診断)やMBTI(本家)と結果が変わる
- 性格は遺伝と環境の影響を受けるため、環境が変われば回答も変わります(例、疲れてると情動性が変化するなど)。遺伝について詳しくはこちら。
- 年齢次第で回答のブレがあります。詳しくはこちら。
- タイプ分類は各数値が3以上、3未満で行っているため、3に近い値だと、質問の聞き方やその時の環境次第で結果が変わりやすくなります。タイプよりも数値を見てください。
- MBTI(本家)や16personalities(通称MBTI診断)は質問設計の段階でどの程度統計的な処理をしているか論文が見当たらないため不明確です。一方で、ビッグファイブやHEXACOはそういった論文が簡単に見つかりますし、今回のHEXACO-JP診断は論文ベースです。
- MBTIや16personalitiesは普段の行動(学力・年収など)や、脳・遺伝などとの比較した研究論文があまり多くない一方で、ビッグファイブやHEXACOは数多く存在します。
- HEXACOは、ビッグファイブの要素の変形なので似て非なるものです。HEXACOの正直・謙虚さは、ビッグファイブの協調性と神経症傾向から抽出されています。
その他にもご質問がございましたらお問い合わせからご連絡ください。
性格診断の結果はあくまで人生の「ヒント」まで
先にも書きましたが、性格は遺伝と環境の影響を受けます。遺伝の影響で、ブレ幅は一定ですが、環境次第である程度答えがブレます。
またビッグファイブやHEXACOの研究論文では学力や年収などと相関分析をしていますが、自然科学の実験ほど大きな相関係数ではありません。相関係数は最小-1、最大1ですが、だいたい-0.4~0.4ほどが多いです。もちろん高いものもあります。0.8や0.9ではなく、それに比べたら低いです。
ただそれでも様々な研究はありますので、「占い以上、自然科学未満」と思ってください。心理学や占いを100%否定しているわけではありません。

ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究し、論文4本執筆(うち1本ジャーナル掲載)。社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。