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協調性を下げて年収を上げよう!男女で比較した研究を解説!

    年収

    協調性と年収の関係について、あなたは考えたことがありますか?

    実は、アメリカの大規模な調査から、協調性の高さが年収に与える影響は男女で大きく異なることが分かったのです。

    ある研究チームは、アメリカで行われた大規模な調査データを分析し、性格特性の一つである協調性と年収の関係を調べました。調査には、合わせて約4,000人の男女が参加しています。

    その結果、男性の場合は協調性が低いほど年収が高くなる傾向が見られた一方で、女性の場合は協調性の高さによる年収への影響はあまり見られませんでした。

    この結果は、アメリカ社会における性別役割の期待を反映しているのかもしれません。

    男性には自己主張が強く、競争心があることが求められる一方で、女性には思いやりがあり、協調的であることが求められるからです。

    この研究は、私たちの性格と経済的な成功の関係について、示唆に富む洞察を与えてくれます。

    では詳細な内容を見ていきましょう!

    今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。

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    目次

    協調性と年収の関係を探る4つの研究

    協調性と年収、研究1:若者の場合

    全米青少年縦断調査のデータを使い、560人を対象に分析しました。
    その結果、以下のことが明らかになりました。

    ・女性は男性よりも平均4,787ドル少ない年収
    ・これは平均年収の14%に相当
    ・協調性が1標準偏差上がると、男性の年収は6,958ドル減少
    ・一方、女性の年収減少は1,100ドルにとどまる

    つまり、協調性の高さが年収に与える影響は、男女で大きく異なることが示されたのです。
    特に男性の場合、協調性が高いと年収が大幅に下がる傾向が見られました。
    この研究は、アメリカの若者を対象とした大規模な調査データを用いており、結果の信頼性は高いと言えるでしょう。
    協調性と年収の関係に、明確な男女差があることが実証的に示された研究です。

    協調性と年収、研究2:中年の場合

    全米中年発達調査のデータを用い、1,681人を対象に分析しました。
    その結果、次のようなことが分かりました。

    ・女性は男性よりも平均9,297ドル少ない年収
    ・協調性が1標準偏差上がると、男性の年収は10,326ドル減少
    ・一方、女性の年収減少は3,213ドル

    また、この研究では他の性格特性もコントロールされていました。
    それでも協調性の影響に男女差が見られたことから、協調性が年収に与える影響の男女差は、他の性格特性とは独立した現象である可能性が示唆されます。
    アメリカの中年層を対象とした大規模調査のデータからも、協調性と年収の関係に男女差があることが裏付けられました。
    協調性の高さが年収に及ぼすマイナスの影響は、男性の方が女性よりもかなり大きいようです。

    協調性と年収、研究3:ウィスコンシン縦断調査

    ウィスコンシン縦断調査のデータを使い、1,691人を対象に分析しました。
    職務の責任レベルや職業的地位をコントロールしても、以下の結果が得られました。

    ・女性は男性よりも平均19,427ドル少ない年収
    ・協調性が1標準偏差上がると、男性の年収は12,032ドル減少
    ・対して女性の年収減少は1,174ドルにとどまる

    さらに、この研究では性格の5因子モデルの他の4因子もコントロールされていました。
    それでも協調性の影響に男女差が見られたことから、協調性が年収に与える影響の男女差は、他の性格特性の影響とは独立した現象だと考えられます。
    アメリカ中西部のデータを用いた この大規模な縦断調査からも、協調性と年収の関係に男女差があることが明らかになりました。
    協調性の高さは男性の年収を大きく下げる一方、女性の年収にはあまり影響しないようです。

    協調性と年収、研究4:大学生の場合

    大学生460人を対象に実験を行いました。
    架空の求職者の協調性の高さと性別を操作し、管理職への昇進の推薦を行うよう参加者に求めたところ、以下の結果が得られま

    ・協調的な求職者は昇進の推薦を得にくい
    ・特に男性の場合、協調的だと昇進の推薦を得にくい

    この実験結果から、協調的な人物は管理職に向いていないと評価されがちであること、特にそのバイアスが男性に対して強く働くことが示唆されます。
    実際の企業での昇進や昇給の判断にも、このようなバイアスが影響している可能性があるでしょう。
    この実験は、協調性の高さが年収に与える影響の男女差について、1つの説明を提供するものです。
    男性は協調的だと管理職に向いていないと評価され、その結果、年収が低くなりやすいのかもしれません。

    男女で大きく異なる協調性と年収の関係

    協調性と年収:男性は非協調的なほど年収が高い

    男性の場合、非協調的であるほど年収が高くなる傾向があります。
    データを詳しく見ていくと、以下のことが分かります。

    協調性が(1標準偏差)下がると、男性の年収は、、、

    ・研究1では、6,958ドル上昇
    ・研究2では、10,326ドル上昇
    ・研究3では、12,032ドル上昇

    つまり、男性の場合、協調性が1標準偏差下がるごとに、年収が約7,000~12,000ドル上昇するのです。
    これは、非協調的な男性ほど高い年収を得ているということを意味しています。
    言い換えれば、男性にとって非協調的であることは、経済的成功につながる可能性が高いと言えるでしょう。
    この傾向は3つの大規模調査のいずれにおいても一貫して見られたことから、「男性は非協調的なほど年収が高い」という命題は確からしいと考えられます。

    協調性が低いとダークトライアドという性格特性になりやすいですが、そのうちの一つ「ナルシシズム」が月収と関連があるそうです。

    協調性と年収:女性は協調性の影響が少ない

    女性の場合、協調性の高さは年収にあまり影響しないようです。
    データを見ると、以下のことが分かります。

    協調性が(1標準偏差)下がると、女性の年収は、、、

    ・研究1:1,100ドル減少
    ・研究2:3,213ドル減少
    ・研究3:1,174ドル減少

    つまり、女性の場合、協調性が1標準偏差変化しても、年収の変化は1,000~3,000ドル程度にとどまるのです。
    これは男性の場合と比べるとかなり小さな影響だと言えます。
    特に研究1と3では、女性の協調性の影響は統計的に有意ではありませんでした。
    このことから、女性の年収は協調性の高さにあまり左右されない可能性が示唆されます。
    女性の年収を決める要因は他にあり、少なくともアメリカ社会では、協調性の高さはあまり関係がないのかもしれません。

    協調性と年収:非協調性の年収プレミアムは男性の方が3倍以上

    非協調的であることの経済的メリットは、男性の方が女性より3倍以上大きいことが分かりました。
    研究1~3のデータを総合的に分析すると、以下のことが明らかになります。

    ・非協調的な男性は協調的な男性より平均18.31%(9,772ドル)多い年収
    ・非協調的な女性の年収上昇は5.47%(1,828ドル)にとどまる

    つまり、非協調的であることによる年収の上昇幅は、男性の方が女性よりも3倍以上大きいのです。
    言い換えれば、男性は非協調的であることで大きな経済的利益を得られるのに対し、女性にはそれほどのメリットはないと考えられます。
    男女でこれほど大きな差があることは興味深い発見だと言えるでしょう。
    協調性の高さが年収に及ぼす影響の男女差は、3つの大規模調査のいずれにおいても一貫して見られた現象です。
    アメリカ社会において、非協調的な性格は男性の経済的成功に大きな影響を及ぼしている可能性が示唆されました。

    非協調的な人々が高年収を得る理由

    協調性と年収:年代や職種に関わらず一貫した傾向

    協調性と年収の関係の男女差は、年代や職種に関係なく一貫して見られました。
    研究1は若年層、研究2は中年層、研究3は全年齢層を対象としていますが、いずれの研究でも同様の傾向が見られました。
    具体的には以下の通りです。

    ・研究1(若年層):非協調的な男性は協調的な男性より年収が高い
    ・研究2(中年層):非協調的な男性は協調的な男性より年収が高い
    ・研究3(全年齢層):非協調的な男性は協調的な男性より年収が高い

    また、研究3では職種もコントロールされていましたが、やはり協調性の影響に男女差が見られました。
    このことから、協調性と年収の関係の男女差は、年代や職種によらず存在する可能性が高いと考えられます。
    アメリカ社会における普遍的な現象なのかもしれません。
    ただし、他の文化圏でも同じ傾向が見られるかは分かりません。
    今後の研究で、文化差の観点からも検討がなされることが期待されます。

    協調性と年収:雇用者が非協調的な人々を有能だと認識

    非協調的な人が高年収を得やすい理由の1つとして、雇用者が非協調的な人を有能だと評価する傾向があることが考えられます。
    つまり、非協調的な人は有能そうに見えるために、高年収を得やすいのかもしれません。
    この解釈を支持する証拠としては、以下のようなものがあります。

    ・批判的なコメントをする人は有能だと評価される傾向がある
    ・怒りを露わにする人は、能力が高いと評価される傾向がある

    非協調的な人は、このような批判的・攻撃的なコミュニケーションを取りがちだと考えられます。
    その結果、周囲からは有能に見られ、高い評価を受けやすいのかもしれません。
    ただし、非協調的な人が実際に有能かどうかは別問題です。
    非協調的な人が単に有能そうに見えるだけで、実際の能力は関係ないという可能性も十分にあります。
    非協調的な人が高年収を得やすいのは、実力よりもイメージの問題なのかもしれません。

    協調性と年収:非協調的な人々は金銭的動機が高い

    非協調的な人々は金銭的動機が高く、経済的成功を重視する傾向があることが示唆されています。
    研究3の補足分析によると、以下のような結果が得られました。

    ・非協調的な男性は金銭的動機が高い
    ・非協調的な男性は、コミュニティよりも経済的成功を重視する

    つまり、非協調的な人々、特に男性は、金銭的な成功を強く望む傾向があると考えられます。
    このような金銭的動機の高さが、彼らの経済的成功につながっている可能性があります。
    例えば、非協調的な人々は、金銭的な見返りのために長時間働いたり、収入の高い職業を選んだりしがちなのかもしれません。
    一方、協調的な人々は、人間関係や社会貢献などの価値を重視するあまり、金銭的な成功を追求しない傾向があるのかもしれません。
    ただし、これらは可能性の指摘にとどまります。
    非協調的な人々の金銭的動機の高さと経済的成功の関連については、さらなる研究が必要だと思われます。

    協調性と年収:非協調的な人々は自己の利益を主張しやすい

    非協調的な人々は、自己の利益を強く主張する傾向があることが分かっています。
    具体的には、以下のような特徴が見られます。

    ・自己の利益を優先し、他者の利益をないがしろにしがち
    ・他者を出し抜くことを厭わない
    ・交渉において自己に有利な結果を勝ち取ろうとする

    このような特徴は、非協調的な人々の経済的成功につながっている可能性があります。
    例えば、給与交渉において自己の利益を強く主張することで、高い給与を勝ち取れるのかもしれません。
    また、出世競争において他者を出し抜くことで、昇進を勝ち取れるのかもしれません。
    一方、協調的な人々は、他者との関係を重視するあまり、自己の利益を主張することを躊躇しがちだと考えられます。
    その結果、経済的に不利な立場に置かれやすいのかもしれません。
    非協調的な人々が自己の利益を主張しやすい傾向は、彼らの経済的成功を説明する1つの要因となっている可能性があります。

    ちなみにビッグファイブの協調性が低いと「ダークトライアド」と呼ばれる性格に関連しやすいことも分かっています。

    協調性と年収:女性は非協調的だと年収が上がりにくい

    非協調的な行動は社会的期待から逸脱

    女性の非協調的な行動は、社会的な期待から逸脱していると見なされがちです。
    アメリカ社会には、以下のようなジェンダーステレオタイプが存在します。

    ・女性は協調的であるべき
    ・女性は他者の調和を乱すべきではない
    ・女性は謙虚であるべき

    これらのステレオタイプに反する行動、つまり非協調的な行動を取る女性は、社会的な期待から逸脱していると見なされがちなのです。
    その結果、非協調的な女性は、周囲から嫌悪や拒絶などのネガティブな反応を受けやすいと考えられます。
    組織の中でも、非協調的な女性は、「扱いづらい人物」とみなされ、不利な扱いを受ける可能性があります。
    男性の非協調的な行動は許容される一方、女性の非協調的な行動は許容されにくいというダブルスタンダードが、女性の経済的不利益につながっているのかもしれません。
    アメリカ社会の「女性は協調的であるべき」というジェンダーステレオタイプが、女性の経済的成功を阻む一因となっている可能性が指摘できます。

    ジェンダーステレオタイプが昇進などの判断に影響

    ジェンダーステレオタイプが、昇進や昇給などの人事的な判断に影響を及ぼしている可能性があります。
    研究4の実験では、以下のような結果が得られました。

    ・協調的な男性は、管理職への昇進を推薦されにくい
    ・非協調的な女性も、管理職への昇進を推薦されにくい

    この結果は、ジェンダーステレオタイプが、昇進の判断に影響していることを示唆しています。
    男性は非協調的であるべきというステレオタイプから、協調的な男性は管理職に向かないと判断されやすいのかもしれません。
    一方、女性は協調的であるべきというステレオタイプから、非協調的な女性は管理職に向かないと判断されやすいのかもしれません。

    このようなジェンダーステレオタイプに基づく判断が、男女の昇進格差を生み出している可能性があります。
    さらには、昇給や報酬の決定にも、同様のバイアスが影響している可能性が考えられます。
    ジェンダーステレオタイプが、組織内での評価や処遇の男女差を生み出す一因となっているのかもしれません。

    家庭の事情などの制約が女性の昇進や昇給に影響

    女性の昇進や昇給は、家庭の事情などの制約を受けやすいことが指摘されています。
    具体的には、以下のような制約があります。

    ・出産・育児による長期の離職
    ・家族のケアによる時間的制約
    ・家族の転勤による地理的制約

    これらの制約により、女性は昇進や昇給の機会を逸しやすいと考えられます。
    例えば、出産・育児で長期間離職すると、キャリアの中断により昇進が遅れる可能性があります。
    また、家族のケアによる時間的制約から、長時間労働が難しく、昇進に必要な実績を積みにくいのかもしれません。
    さらに、家族の転勤による地理的制約から、昇進や昇給に有利な転勤ができない可能性もあります。
    このような家庭の事情などによる制約は、男性よりも女性に大きな影響を及ぼすと考えられます。
    その結果、女性の昇進や昇給の機会が限られ、男女の経済的格差が生じているのかもしれません。
    女性のキャリアの選択肢が家庭の事情に左右されやすいことが、女性の経済的不利益につながっている可能性があります。

    協調性の高い人々の利点

    人生満足度が高い

    協調的な人々は、人生満足度が高い傾向にあることが分かりました。
    研究3の補足分析では、以下のような結果が得られています。

    ・協調性は人生満足度と正の相関がある
    ・協調的な人々は人生満足度が高い

    つまり、協調的であるほど、自分の人生に満足している傾向があるのです。
    この結果は、以下のような理由から説明できるかもしれません。

    ・協調的な人々は良好な人間関係を築きやすい
    ・協調的な人々は社会的なサポートを受けやすい
    ・協調的な人々は助け合いの精神を持つことで、生きがいを感じやすい

    協調的な人々は、周囲との良好な関係性の中で、充実した人生を送っている可能性が高いと考えられます。
    経済的には恵まれなくとも、人間関係の豊かさによって人生に満足を感じられるのかもしれません。
    ただし、この結果は相関関係を示すものであり、因果関係を示すものではありません。
    協調性が高いから人生満足度が高いのか、人生満足度が高いから協調的でいられるのかは、今後さらなる研究が必要な課題だと言えます。

    ストレスが低い

    協調的な人々は、ストレスが低い傾向にあることが示されました。
    研究3の補足分析によると、以下のような結果が得られています。

    ・協調性はストレスと負の相関がある
    ・協調的な人々はストレスが低い

    つまり、協調的であるほど、ストレスを感じにくいということです。
    この結果は、以下のような理由から説明できるかもしれません。

    ・協調的な人々は対人葛藤を経験しにくい
    ・協調的な人々は良好な人間関係がストレス緩和につながる
    ・協調的な人々は他者からのサポートを受けやすい

    協調的な人々は、周囲との衝突や対立を避ける傾向にあります。
    その結果、ストレスの原因となるような対人葛藤を経験しにくいのかもしれません。
    また、協調的な人々は周囲と良好な関係を築きやすく、そのような良好な人間関係がストレス緩和につながっている可能性があります。
    さらに、協調的な人々は他者からの支援や助力を得やすく、それがストレスの軽減につながっているのかもしれません。
    このように、協調性の高さは、直接的・間接的にストレスを低減する効果を持っていると考えられます。
    ただし、これらは可能性の指摘であり、因果関係を実証するためには、さらなる研究が求められます。

    コミュニティ活動への参加が多い

    協調的な人々は、コミュニティ活動への参加が多い傾向にあることが分かりました。
    研究3の補足分析では、以下のような結果が得られています。

    ・協調性はコミュニティ活動への参加と正の相関がある
    ・協調的な人々はコミュニティ活動への参加が多い

    つまり、協調的な人ほど、地域社会での活動に積極的に関わっているのです。
    この結果は、協調的な人々の特性を考えると、納得がいくものです。
    例えば、以下のような特性が影響していると考えられます。

    ・協調的な人々は他者との協力を好む
    ・協調的な人々は社会的な貢献を重視する
    ・協調的な人々は人との交流を楽しむ

    協調的な人々は、他者との協調を重んじる傾向にあります。
    そのため、地域社会での協力的な活動に参加しやすいのかもしれません。
    また、協調的な人々は社会的な貢献を重視する傾向があると考えられます。
    コミュニティ活動への参加は、まさに社会貢献の一環と言えます。
    さらに、協調的な人々は人との交流を楽しむ傾向があります。
    コミュニティ活動は、地域の人々との交流の機会を提供してくれます。
    このように、協調的な人々の特性は、コミュニティ活動への参加を促進していると考えられます。
    協調性の高さが、社会参加の活発さにつながっているのかもしれません。

    友人関係が豊か

    協調的な人々は、友人関係が豊かである傾向が見られました。
    研究3の補足分析では、以下のような結果が示されています。

    ・協調性は友人関係の豊かさと正の相関がある
    ・協調的な人々は友人関係が豊かである

    つまり、協調的であるほど、友人が多く、親密な友人関係を築いているようです。
    この結果は、協調的な人々の行動特性を反映していると考えられます。
    協調的な人々は、以下のような行動を取る傾向があります。

    ・他者に親切に接する
    ・他者の意見を尊重する
    ・他者と協力することを好む

    このような協調的な行動は、友人関係の形成・維持に寄与すると考えられます。
    例えば、他者に親切に接することで、好感を持たれやすくなるでしょう。
    また、他者の意見を尊重することで、信頼関係が築きやすくなると思われます。
    他者と協力することを好む傾向も、友人関係の強化につながるはずです。
    このように、協調的な人々の行動特性は、友人関係の豊かさを促進していると言えそうです。
    対人関係のスキルの高さが、協調的な人々の友人関係の豊かさを支えているのかもしれません。
    ただし、友人関係の豊かさが協調性を高めている可能性も否定できません。
    因果関係の解明は、今後の研究の課題だと言えます。

    協調性と年収:組織と社会への実装

    協調的な男性が損をしているのは不公平

    協調的な男性が経済的に不利な立場に置かれているのは、不公平だと言えます。
    この研究では、以下のような結果が示されました。

    ・協調的な男性は非協調的な男性よりも年収が低い
    ・その年収差は平均18.31%(9,772ドル)にも及ぶ

    つまり、男性の場合、協調的であることが経済的な不利益につながっているのです。
    しかし、これは非常に不公平な状況だと言わざるを得ません。
    協調的な人々は、以下のような点で組織に貢献しています。

    ・チームワークを促進する
    ・対人関係を円滑にする
    ・顧客満足度を高める

    これらの貢献は、組織の生産性や業績に直結するはずです。
    にもかかわらず、協調的な男性が経済的に報われないのは、彼らの貢献が正当に評価されていないことを意味します。
    男性に対して「非協調的であるべき」という役割期待が存在し、それが協調的な男性の評価を歪めている可能性があります。
    性別に関わらず、協調的な人々の貢献が正当に評価され、報酬に反映されるべきだと考えられます。
    協調的な男性が損をしている現状は、組織における評価の歪みを示唆していると言えるでしょう。

    非協調的な女性でも協調的な男性ほど稼げていない

    非協調的な女性は、協調的な男性と同程度の収入を得られていないことが分かりました。
    この研究では、以下のような結果が示されています。

    ・協調的な男性の年収は、非協調的な女性よりも高い
    ・協調的な男性と非協調的な女性の年収差は、男女間の年収差と同程度

    つまり、非協調的であることが経済的利益につながるのは、どちらかと言えば男性に限定された話のようです。
    女性の場合、非協調的になったからと言って、協調的な男性と同じだけの経済的見返りを得られないということです。
    この結果は、職場における評価に、ジェンダーバイアスが存在する可能性を示唆しています。
    非協調的な行動は、男性にはプラスに働く一方で、女性にはそれほどプラスに働かないのかもしれません。
    「男性は非協調的であるべき」という固定観念が、非協調的な男性を高く評価する一方で、非協調的な女性の評価を低めている可能性があります。

    その結果、非協調的な女性は、協調的な男性ほどの経済的報酬を得られないのかもしれません。
    この問題は、ジェンダーによる役割期待の違いに根ざしていると考えられます。
    組織は、男女に異なる行動基準を求めるのではなく、性別に関わらず、個人の能力と貢献に基づいて評価することが求められます。

    女性の非協調的行動の増加はプラスにもマイナスにも働く可能性

    女性の非協調的行動の増加は、組織にとってプラスにもマイナスにも働く可能性があります。
    近年、女性の社会進出が進む中で、女性の非協調的行動が増加傾向にあるようです。
    これは、以下のようなプラスの効果を持つかもしれません。

    ・女性の意見が組織に反映されやすくなる
    ・多様な行動特性を持つ人材が増える
    ・女性の能力が十分に発揮される

    非協調的な女性が増えることで、女性の意見が組織の意思決定に反映されやすくなるかもしれません。
    また、協調的な人と非協調的な人のバランスが取れることで、組織の行動特性の多様性が高まる可能性があります。
    さらに、非協調的な行動を取ることで、女性の能力が十分に発揮される場面が増えるかもしれません。
    その一方で、女性の非協調的行動の増加は、以下のようなマイナスの効果を持つ可能性もあります。

    ・組織の人間関係が悪化する
    ・女性に対する偏見が強まる
    ・組織の一体感が損なわれる

    非協調的な女性が増えることで、組織内の人間関係が悪化するかもしれません。
    また、「女性は非協調的になった」という偏見が強まり、女性全体の評価が下がる可能性もあります。
    さらに、組織内のコミュニケーションが減ることで、組織の一体感が損なわれるかもしれません。
    このように、女性の非協調的行動の増加は、組織にとってプラスとマイナス、両方の効果を持ち得ます。
    組織は、非協調的な女性を排除するのではなく、彼女たちの能力を活かす方法を模索する必要があるでしょう。

    協調的な人々へのアドバイス

    状況に応じて協調性の発揮の仕方を調整

    協調的な人々は、状況に応じて協調性の発揮の仕方を調整することが大切だと言えます。
    協調性は、対人関係を円滑にするのに役立つ特性ですが、時と場合によっては、マイナスに働くこともあります。
    例えば、以下のような場面では、協調性の発揮を控える必要があるかもしれません。

    ・自己の利益を主張する必要がある場面
    ・他者の不当な要求を拒否する必要がある場面
    ・リーダーシップを発揮する必要がある場面

    このような場面で協調性を発揮してしまうと、自己の利益を損ねたり、他者に押し切られたりしてしまうかもしれません。
    また、リーダーとしての役割を十分に果たせなくなる可能性もあります。
    協調的な人々は、状況に応じて協調性の発揮を控え、自己主張を行うことも必要だと考えられます。
    一方で、以下のような場面では、協調性を存分に発揮することが求められるでしょう。

    ・チームで協力して仕事を進める場面
    ・対人関係の調整が必要な場面
    ・顧客との関係を構築する場面

    このような場面では、協調性の発揮が、仕事の円滑な遂行や良好な関係の構築に寄与すると考えられます。
    協調的な人々は、状況に応じて協調性を発揮し、対人関係を円滑にすることが期待されます。
    つまり、協調的な人々は、状況に合わせて協調性の発揮を使い分けることが大切なのです。
    画一的に協調性を発揮するのではなく、柔軟に協調性の発揮の仕方を調整する力が求められていると言えるでしょう。

    必要に応じて自己主張を行う

    協調的な人々は、必要に応じて自己主張を行うことが大切だと考えられます。
    この研究では、協調的な人々、特に男性は、非協調的な人々よりも収入が低い傾向にあることが示されました。
    この結果は、協調的な人々が自己主張を十分に行えていない可能性を示唆しています。
    例えば、以下のような場面では、自己主張が求められると言えます。

    ・昇進や昇給の交渉の場面
    ・プロジェクトの方針を決める場面
    ・自分の意見を述べる必要がある場面

    これらの場面で自己主張を控えてしまうと、自分の能力や貢献が正当に評価されない恐れがあります。
    その結果、昇進や昇給のチャンスを逃してしまうかもしれません。
    また、自分の意見を述べないことで、組織の意思決定に自分の考えが反映されなくなってしまう可能性もあります。
    協調的な人々は、このような場面では、自己主張を行う必要があると考えられます。
    ただし、自己主張の方法には注意が必要です。
    協調性を損なわない形での自己主張が求められます。
    例えば、以下のような方法が考えられます。

    ・他者の意見も尊重しつつ、自分の意見を述べる
    ・自分の貢献を客観的な事実に基づいて主張する
    ・強圧的にならずに、粘り強く交渉する

    このように、協調性を維持しつつ、適切な形で自己主張を行うスキルが必要だと言えます。
    協調的な人々は、自己主張のスキルを身につけることで、自分の能力を正当に評価してもらい、経済的な不利益を回避できるようになるでしょう。
    協調性と自己主張のバランスを取ることが、協調的な人々の課題だと言えそうです。

    協調性と年収:最後に

    この研究から、私たちは性格と経済的成功の関係について、重要な教訓を学ぶことができます。

    第一に、性格特性はそれぞれ長所と短所を持っており、状況に応じて適切に発揮することが大切だということです。

    協調性の高さは、対人関係を円滑にし、チームワークを促進するのに役立ちます。

    しかし、自己主張が必要な場面では、協調性の発揮を控え、自分の意見を明確に述べることも必要でしょう。

    第二に、社会には性別による役割期待が存在しており、それが個人の評価や経済的成功に影響を及ぼしている可能性があるということです。

    男性には自己主張の強さが、女性には協調性の高さが求められる傾向があります。

    しかし、このような固定観念に縛られず、個人の能力と貢献に基づいて公平な評価が行われることが望ましいのです。

    第三に、私たちは自分の性格を理解し、それを活かす方法を考えることが大切だということです。

    協調的な人は、自己主張のスキルを身につけることで、自分の能力を正当に評価してもらえるようになるかもしれません。

    非協調的な人は、対人関係のスキルを磨くことで、よりよい人間関係を築けるようになるでしょう。

    性格と経済的成功の関係は複雑で、一概に結論を出すことはできません。

    しかし、この研究は、私たちに自分自身と向き合い、性格の長所を活かしつつ、短所を補うスキルを身につけることの大切さを教えてくれます。

    性別に関わらず、一人一人が自分らしさを発揮し、能力を十分に発揮できる社会を作っていくことが重要なのではないでしょうか。

    皆さんには、自分の性格と向き合い、それを活かす方法を考えてみてほしいと思います。

    そして、性別による固定観念に縛られることなく、自分の可能性を信じて挑戦し続けてほしいと思います。皆さんの個性が、社会を豊かにしていくのです。

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    tokiwa eisuke

    ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
    株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。