みなさんは、「チームの性格診断」について考えたことはありますか?
社交的な人、真面目な人、創造的な人、慎重な人など、様々な性格のメンバーがチームを構成しています。こうした性格の多様性は、チームのパフォーマンスにどのような影響を与えるのでしょうか。
実は、チームメンバーの性格特性とチームパフォーマンスの関係について、興味深い研究結果が報告されているのです。
例えば、あるメタ分析の研究では、ビッグファイブという性格診断に基づいて、チーム内の性格特性の平均値とばらつきがパフォーマンスに与える影響を調べました。
その結果、協調性と誠実性の平均値が高く、ばらつきが小さいチームほど、高いパフォーマンスを示すことが明らかになりました。
また、別の研究では、外向性の多様性(外向的な人と内向的な人)が高いと、プレゼンテーションに成果が出やすいことを見出しています。一方で、協調性と神経症傾向の多様性は、反対に出にくいことが分かっています。
一方、別の研究では、外向的なメンバーの割合とパフォーマンスの間に逆U字型の関係があることを報告しています。
本記事では、これまでの研究知見を整理しながら、チームパフォーマンスを高めるための最適なチーム構成について探っていきたいと思います。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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ビッグファイブでチームの性格診断!
ビッグファイブとは性格診断の一つで、性格を5つの要素で分析します。まず5つの要素について解説します。
外向性
外向性の高い人は、社交的で活発、積極的な傾向があります。一方、外向性の低い人は内向的で控えめな印象を与えるでしょう。外向性の特徴は以下の通りです。
- 人と話すことが好き
- パーティーや集まりを楽しむ
- 自己主張が得意
- 注目を集めることに抵抗がない
他方、外向性が高すぎると、話し過ぎてしまったり、周囲の意見を聞かなかったりするかもしれません。適度な外向性が、チームワークには大切だと言えるでしょう。バランスが鍵となります。
協調性
協調性の高い人は、思いやりがあり、親切で、協力的です。
対人関係を円滑に保つことを重視し、他者と調和することを大切にします。協調性の特徴は次の通りです。
- 人の気持ちを考えて行動する
- 争いを避け、協力を優先する
- 謙虚で控えめな態度を取る
- 人の良い面を見出す
ただし、協調性が高すぎると、自分の意見を言えなかったり、主張が弱くなったりする可能性もあります。自己主張と協調性のバランスが重要だと言えるでしょう。
誠実性
誠実性の高い人は、規律正しく、責任感が強い傾向にあります。目標に向かって着実に取り組む姿勢が特徴的です。誠実性の高い人は以下のような面を持っています。
- 計画を立てて実行する
- ルールや締め切りを守る
- 仕事に真剣に取り組む
- 言行に一貫性がある
しかし、誠実性が高すぎると、融通が利かなくなったり、完璧主義に陥ったりするリスクもあります。状況に応じて柔軟に対応することも必要不可欠です。
神経症傾向
神経症傾向が高い人は、不安やストレスを感じやすく、情緒的に不安定になりがちです。些細なことも、彼らにとっては大きな悩みの種になりうるのです。神経症傾向の特徴は以下の通りです。
- 過度に心配する
- 不安や抑うつに陥りやすい
- 気分の変動が激しい
- 批判に敏感である
反対に、適度な神経症傾向は、リスク対策によって危険を回避することにつながります。大切なのは、ストレスや不安に適切に対処し、情緒的なバランスを保つことです。
開放性
開放性の高い人は、好奇心が旺盛で、新しいアイデアに興味を示します。
想像力が豊かで、創造的な傾向があるのも特徴です。開放性の高い人は次のような面を持ちます。
- 新しい経験を求める
- 抽象的な考えを好む
- 既存の価値観にとらわれない
- 美的感覚が優れている
ただし、開放性が極端に高いと、現実的な判断が難しくなったり、集中力が続かなかったりするかもしれません。バランスの取れた開放性が、チームの発想力を高めることにつながるでしょう。
チームの性格診断:多様性の効果
外向性の多様性とパフォーマンス
外向性の多様性とチームパフォーマンスの関係は複雑だと言えます。
外向的なメンバーが多いと、コミュニケーションが活発になる一方、主導権争いが起こるリスクもあるためです。実際、「Team effectiveness: beyond skills and cognitive ability」という研究では次のような結果が示されています。
- 外向的メンバーが少ないと、コミュニケーション不足に
- 外向的メンバーが多すぎると、方向性が定まらない
- 外向的メンバーが半数程度の時に、パフォーマンスが最大に
つまり、外向性の多様性とパフォーマンスの間には、Uカーブ(逆U字型)の関係があると考えられます。バランスの取れたチーム構成が、高いパフォーマンスを生み出すのです。
情緒安定性の多様性の影響
安定した人と不安定な人の多様性は、チームパフォーマンスにプラスの影響を与える可能性があります。情緒的に安定したメンバーが多いと、以下のような効果が期待できるためです。
- ストレスへの耐性が高まる
- 冷静な判断力を発揮できる
- 感情的な対立を避けられる
- 安定した雰囲気を作り出せる
ただし、神経症傾向が高い(情緒が不安定な)メンバーも、一定数必要だと考えられています。彼らの慎重さや繊細さが、チームの意思決定の質を高めることがあるからです。
適度な多様性が、チームの安定性を保つカギとなるでしょう。
協調性の多様性はマイナスに?
多様な協調性の値のメンバーは、チームパフォーマンスにマイナスの影響を与える可能性が指摘されています。協調性の低いメンバーがいると、以下のような問題が生じやすいためです。
- 対立や衝突が起こりやすくなる
- 意見の不一致が解消されにくい
- 自己中心的な行動が目立つ
- チームワークが損なわれる
したがって、協調性の高いメンバーを中心に構成することが、円滑なチームワークには不可欠だと言えます。
ただし、協調性が高すぎると、グループシンク(集団思考、多用な意見がでなくなること)に陥るリスクもあるので注意が必要です。
誠実性の多様性と生産性の関係
多様な誠実性の値のメンバーは、チームの生産性に影響を及ぼす可能性があります。誠実性の高いメンバーが多いチームは、以下のような特徴を持つと考えられるためです。
- 目標達成に向けて真剣に取り組む
- 手抜きや怠慢が少ない
- 高い品質の成果を追求する
- 期限を守って仕事を進める
一方、誠実性の低いメンバーが多いと、生産性が低下するリスクがあります。個人の怠惰や不真面目な態度が、チーム全体の足を引っ張る可能性があるからです。
適度に誠実性の高いメンバーを揃えることが、生産性向上のポイントだと言えるでしょう。
開放性の多様性について
開放性の多様性は、チームの創造性を高める効果が期待できます。多様な視点や発想を持つメンバーがいることで、以下のようなメリットがあるためです。
- 新しいアイデアが生まれやすい
- 固定観念にとらわれない発想ができる
- 問題解決の選択肢が広がる
- 変化への適応力が高まる
ただし、開放性が高すぎるメンバーだけでは、現実的な判断が難しくなるかもしれません。開放性の低いメンバーも一定数必要だと考えられています。
彼らの現実的な視点が、アイデアを具体化する上で重要な役割を果たすからです。
チームの性格診断:最適な人数バランス
チームの性格診断:外向的メンバーは半数程度で
外向的なメンバーの割合は、半数程度が理想的だと考えられています。
外向性の多様性とパフォーマンスの関係を調べた研究で、次のような結果が示されているためです。
- 外向的メンバーが少なすぎると、コミュニケーション不足に
- 外向的メンバーが多すぎると、主導権争いが起きやすい
- 外向的メンバーが半数程度の時に、パフォーマンスが最大に
つまり、内向的なメンバーと外向的なメンバーのバランスを取ることが、チームワークを円滑にするカギだと言えます。
互いの長所を生かし、短所を補い合える関係性が理想的でしょう。
チームの性格診断:協調性の高いメンバーを揃える
協調性の高いメンバーを中心に構成することが、チームワークに不可欠です。
低い協調性は、ダークトライアドの可能性があるため、パフォーマンスにマイナスの影響を与える可能性が指摘されているためです。
協調性の高いメンバーがいることで、以下のようなメリットが期待できます。
- 対立や衝突が起こりにくい
- 意見の不一致が解消されやすい
- 他者への配慮や助け合いが生まれる
- チームの結束力が高まる
ただし、協調性が高すぎるメンバーだけでは、グループシンク(集団思考)に陥るリスクもあります。
適度に自己主張ができるメンバーも必要だと言えるでしょう。バランスの取れたチーム構成が理想的です。
チームの性格診断:神経症傾向は少なめに
神経症傾向の高いメンバーは、少なめに抑えることが望ましいと考えられています。
彼らの不安やストレスが、チームの雰囲気を悪化させる可能性があるためです。神経症傾向が高いメンバーが多いと、以下のようなデメリットが生じるかもしれません。
- ネガティブな感情が蔓延する
- 些細なことで対立が起こる
- ストレスに弱くなる
- 意思決定が遅れがちになる
ただし、神経症傾向が適度にあるメンバーも必要だと言えます。彼らの慎重さや繊細さが、チームの意思決定の質を高めることがあるからです。
よくある質問
チームの性格診断にはどのくらいの時間がかかりますか?
一般的なビッグファイブの性格診断は一人当たり約15~30分で完了します。チーム全体の診断と結果分析を含めても、数時間から1日程度で実施可能です。
性格診断の結果はどの程度正確なのでしょうか?
ビッグファイブは科学的根拠に基づいた信頼性の高い診断方法です。ただし、性格は状況により変化することもあるため、定期的な再診断が効果的でしょう。
チーム全員が内向的な場合、どう対処すべきですか?
内向的なメンバー中心のチームでは、少人数でのミーティングや書面での意見交換を活用しましょう。外向的な要素を持つリーダーの配置も効果的です。
性格の相性が悪いメンバー同士はどうすればよいですか?
相性の問題は具体的な役割分担や仲介者の配置で解決できることが多いです。お互いの強みを理解し、補完的な関係を築くことが重要となります。
小規模チーム(3~5人)での理想的な性格構成はありますか?
小規模チームでは、協調性と誠実性の高いメンバーを基盤とし、外向性と開放性のバランスを取ることが効果的です。役割に応じた配置を心がけましょう。
チームの性格診断結果は人事評価に影響しますか?
性格診断の結果は個人の能力や業績とは別物です。チーム構成の最適化や役割分担の参考として活用し、評価には直接反映しないことが大切です。








