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所得の要因:親・IQ・外見・性格・面接など論文を解説

    所得の要因

    所得の要因って、なんだと思いますか?

    「学歴が高いと収入も高くなる」「頭が良ければお金持ちになれる」そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。たしかにそれも一理ありますが、それだけでは説明できないことがたくさんあるのです。

    実は、性格や親の影響、見た目や育った環境なども収入に深く関係していることが、研究で明らかになっています。

    今回紹介するのは、『The Determinants of Earnings: Skills, Preferences, and Schooling』という論文にまとめられた内容です。

    この記事では、その論文の内容をもとに、難しい言葉は使わず、できるだけわかりやすく整理しました。

    将来のために知っておいてほしい「お金と働き方」のリアルな関係を紹介していきます。

    今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
    ※以下のHEXACO-JP診断は個人向けになります。サンブレイズテストは法人向けになります。

    HEXACO性格診断
    サンブレイズテスト

    目次

    所得の要因とは?学歴やスキル以外にも影響するものがある

    親の収入は子どもの将来の所得に影響する

    親の収入は子どもの将来の収入にも影響します。
    学歴や頭の良さを考慮しても、その影響は残ります。
    たとえば、親の収入の影響は約半分も続きます。
    つまり、子どもの学歴だけでは説明しきれません。
    その理由は、親の経済力が教育以外にも関係するからです。

    たとえば次のような影響があります。

    • より良い学びの機会が得られる
    • 安心して将来を考えられる
    • 良い人間関係を築く力が育つ

    さらに、親から受ける安心感や生活習慣も重要です。
    こうした家庭の環境が、社会での成功につながります。
    このように、親の収入は長く子どもに影響を与えるのです。

    まとめると、学歴だけでなく親の収入という背景も、所得にとって大切な要因になります。

    親の学歴や職業も見逃せない要因になる

    親の学歴や仕事も、子どもの所得に関係します。
    これは学力や学校の成績とは別の話です。
    研究では、親の学歴や職業は独立して影響しています。
    つまり、頭の良さや成績を超えて残る効果があります。

    具体的には以下のようなことが影響します。

    • 家庭の考え方や価値観
    • 仕事についての理解の深さ
    • 将来の目標の立て方

    親が高学歴や安定した仕事を持っていると、
    子どもも自然と似た道を選ぶ可能性が高まります。
    また、学歴の価値や仕事への意識も受け継がれます。

    まとめると、親の学歴や職業は子どもの将来の働き方や収入にも大きく関係するのです。

    親の経済力の影響は学歴やIQでは説明しきれない

    親の経済力が子どもの収入に与える影響は大きいです。
    ですが、それは学歴や知能指数(IQ)だけでは説明できません。
    知能指数とは、考える力や学ぶ力を数値で表したものです。
    研究では、約40%もの影響がそれ以外の要素で残ります。

    つまり、IQや学歴で説明しきれない力が働いているのです。
    たとえば以下のような力が関係しています。

    • 自信ややる気
    • 親から学ぶ生活習慣
    • 将来に向けた考え方

    このような環境は、家庭の経済的な余裕から生まれます。
    そのため、同じ学力でも親の経済力で差が出るのです。

    まとめると、親の収入はIQや学歴に加えて、目に見えない力で子どもの収入に影響を与えています。

    遺伝よりも家庭環境の方が影響が大きい

    知能や性格の遺伝よりも家庭の環境が重要です。
    研究では、遺伝だけで説明できる影響はわずか1割でした。
    一方、親の収入や教育の影響はもっと大きいです。

    たとえば以下のような環境の違いがあります。

    • 安定した暮らしができるかどうか
    • 学ぶための道具や教材があるか
    • 親の言葉づかいや話し合う力

    これらの違いは、子どもの考え方や行動に表れます。
    そして、それが仕事に対する姿勢にも影響します。
    つまり、環境が育てる力のほうが遺伝よりも強いのです。

    まとめると、子どもの収入は親からの遺伝よりも、日々の生活や家庭の雰囲気の影響が大きいです。

    ※ただし以下の双子の研究では家庭環境は20代中盤まで影響し、その後は遺伝と家庭環境以外の環境(非共有環境)の影響が強いことが分かっている。もちろん家庭環境と他の環境は相互作用である。

    お金をもらってない子どもでも親の力は大きい

    子どもが親からお金を受け取らなくても、影響はあります。
    親の収入が高いと、それだけで子どもの将来に差が出ます。
    実際に、親からの金銭的な援助がない場合でも、影響は残ります。

    なぜなら、親の経済力は暮らし全体に関係するからです。
    たとえば以下のような場面で影響があります。

    • 安心して勉強に集中できる
    • 進学や進路の選択が広がる
    • 将来の選択に迷いが少ない

    このような環境は、子どもの行動や目標に影響します。
    援助がなくても、育った背景が力になるのです。

    まとめると、親から直接お金をもらわなくても、育った家庭の豊かさが将来の収入に関係します。

    所得の要因にパーソナリティが関係している

    誠実性が高い人は努力できるので評価されやすい

    誠実性が高い人は仕事でも信頼されやすいです。
    この特性は、コツコツとまじめに努力する性格のことです。
    こうした人は、職場でもしっかり成果を出す傾向があります。

    具体的には以下のような行動が見られます。

    • 約束を守る
    • 時間を守る
    • ていねいに作業する

    このような態度は上司から高く評価されやすいです。
    結果として、給料や昇進にもつながることがあります。
    また、誠実な人はミスが少なく、仕事の質も安定します。

    まとめると、まじめに働く姿勢が、長い目で見て所得アップにつながります。

    未来を見すえる力が強いと仕事で得をしやすい

    将来のことを考えて行動する力はとても大切です。
    このような人は、すぐの楽しさよりも将来の成果を大切にします。
    たとえば、今は大変でも勉強や訓練に取り組むことができます。

    この力には次のような良い点があります。

    • 長く働ける職場を選びやすい
    • スキルを計画的に身につけられる
    • 無駄づかいをせず、お金を大事にできる

    このような考え方は、将来の収入の安定にもつながります。
    また、企業側も先を見て行動できる人を求めています。

    まとめると、未来をしっかり見つめられる力は、所得を上げるための強みになります。

    自分の行動に責任を持つタイプは所得が上がる

    自分の行動に責任を持つ人は収入が高くなりやすいです。
    これは「効力感」とも呼ばれる性格の一つです。
    効力感が高い人は「自分の努力で結果が変わる」と信じています。

    たとえば以下のような行動が特徴です。

    • 失敗しても他人のせいにしない
    • 自分で解決しようとする
    • 困っても前向きに取り組む

    企業では、こうした姿勢のある人が好まれます。
    また、自分を信じる気持ちが学びや成長につながります。

    まとめると、「自分がやればできる」と信じる気持ちが、収入にもつながる力になります。

    他人の目を気にする人は行動が安定しやすい

    人からどう見られているかを意識する人は安定した行動をとります。
    これは「社会的意識が高い」ともいえます。
    こうした人は、礼儀やルールを守る傾向があります。

    たとえば次のような特徴があります。

    • 相手に失礼な態度をとらない
    • 周りの空気を読んで動ける
    • 失敗をしないように注意する

    このような行動は、職場でも信頼されやすいです。
    その結果、責任ある仕事を任されたり、評価が高まります。

    まとめると、他人の目を気にして行動できる人は、安定して収入を得る力を持っています。

    怒りっぽい人は人間関係で損をしやすい

    怒りやすい人は仕事で人間関係をこじらせやすいです。
    こうした性格は「情動性が高い」と言われます。
    情動性とは、感情が激しく、変わりやすいことを意味します。

    この性格には以下のような注意点があります。

    • 上司や同僚とトラブルが起きやすい
    • ストレスをうまくコントロールできない
    • 冷静な判断がしにくくなる

    職場では協力や信頼がとても大切です。
    そのため、感情的になりやすい人は仕事を任されにくくなります。

    まとめると、感情の安定が欠けていると、働くうえで不利になり、結果的に所得も伸びにくくなります。

    見た目や行動も所得の要因になることがある

    見た目が良い男性は時給が約14%高い

    まず見た目が良い男性は、そうでない人より時給が高いです。
    研究では、その差はおよそ14%にもなります。
    これは学歴や仕事の内容を考えても残る差です。

    なぜ見た目で収入が変わるのでしょうか。
    その理由には以下のような点があります。

    • 第一印象で好かれやすい
    • 自信がありそうに見える
    • 接客や営業に向いていると判断される

    もちろん仕事の実力も大切ですが、
    見た目が評価に影響することは避けられません。

    まとめると、見た目の良さは、職場での扱いや報酬にも影響を与えることがあります。

    見た目が良い女性も時給が約9%高い

    女性でも見た目の良さは時給に差を生みます。
    見た目が良い女性は、そうでない人よりも約9%高い時給です。
    これは、実際の仕事ぶりに関係なく出る差だと示されています。

    この差の理由としては以下のようなものがあります。

    • 周囲から親しみやすく思われる
    • 丁寧に扱ってもらいやすい
    • 顧客対応に向いていると判断される

    これは見た目で能力が判断されるという問題も含んでいます。
    しかし現実には、美しさが収入に影響しているのです。

    まとめると、女性も見た目の印象が収入に結びつくことがあり、それは数字としても表れています。

    家の清潔さが収入に影響することがある

    家が清潔であることも、将来の収入と関係しています。
    研究によると、家がきれいな子どもは高い収入を得る傾向があります。
    これは、学歴が高い人と同じくらいの効果があります。

    なぜ家の清潔さが関係するのでしょうか。
    その理由は次のようなものです。

    • 整った生活習慣が身につく
    • 自分の行動を整理しやすい
    • まじめで落ち着いた印象を与える

    生活環境はその人の性格や考え方にも影響します。
    家庭の状態が、大人になってからの行動にもつながるのです。

    まとめると、身のまわりをきれいに保つ力が、長い目で見て収入にも関係してきます。

    肥満だった経験が将来の所得に関係する

    若いときに肥満だった人は、将来の収入に差が出やすいです。
    特に16歳の時点で太っていた女性は、大人になっても収入が低くなる傾向があります。
    これは、見た目による印象や社会の反応が関係していると考えられています。

    具体的な理由としては以下が挙げられます。

    • 自信を持ちにくくなる
    • 人前で話すのを避けがちになる
    • 周囲の偏見を受けやすい

    こうした経験が、仕事の選び方や行動に影響します。
    つまり、体型も社会の中での評価に関わってくるということです。

    まとめると、体型に関する経験が将来の働き方や収入にまで影響する場合があるのです。

    背が高い男性は好印象で得をすることがある

    背の高さも、男性の収入に関係することがあります。
    研究では、背が高い男性ほど時給が高い傾向にあるとされています。
    これは、能力とは別の「印象」が影響している可能性があります。

    その理由として次のようなことが考えられます。

    • 自信があるように見える
    • リーダーらしく見られることがある
    • 職場で目立ちやすい

    もちろんすべての人が当てはまるわけではありません。
    しかし、外見による評価が収入に影響する例のひとつです。

    まとめると、背の高さなどの身体的特徴が、思わぬかたちで所得に関係していることがあります。

    所得の要因としての学歴と認知スキル

    学歴が高い人は平均して収入も高くなる

    学歴が高い人ほど、平均すると収入が多いです。
    これは長年の研究でも一貫して示されています。
    つまり、大学や専門学校を卒業した人の方が、
    中学や高校で終わった人よりも稼げる傾向があります。

    その理由としては以下のようなことがあります。

    • 難しい仕事を任されやすい
    • 資格やスキルを身につけている
    • 仕事の選択肢が多くなる

    また、企業も学歴をひとつの判断材料にしています。
    ただし、学歴だけで収入が決まるわけではありません。

    まとめると、学歴は所得に大きな影響を持ちますが、それだけが全てではないのです。

    学歴とIQは一部関係するが完全ではない

    学歴と知能指数(IQ)は少し関係しています。
    でも、それは一部だけで、完全には一致しません。
    IQとは、考える力や学ぶ力を数値で表したものです。

    学歴が高い人は、たしかにIQも高いことが多いです。
    けれども、IQが高くても学歴が低い人もいます。

    次のような理由が考えられます。

    • 家庭の事情で進学できない
    • 学ぶ意欲が続かない
    • 性格的な違いがある

    つまり、学歴はIQだけで決まるものではないのです。

    まとめると、学歴とIQは重なる部分もありますが、別々の要素として考える必要があります。

    学歴が収入に与える影響の8割以上は非IQ要因

    学歴が収入に与える影響のほとんどは、IQ以外の要素です。
    実際、研究では約82%がIQと関係ないとされています。
    このことから、頭の良さだけでは収入は決まらないとわかります。

    影響しているのは以下のようなことです。

    • 誠実に学ぶ姿勢
    • 親や先生との関係
    • 進学に向けた支援の有無

    学ぶ環境や心の持ち方が、学歴を左右しています。
    そのため、学歴と収入の関係には心の力も関係しているのです。

    まとめると、学歴が収入に影響する理由の多くは、性格や環境といったIQ以外の要因です。

    IQだけで収入の差はあまり説明できない

    IQだけで収入の差を説明することは難しいです。
    研究では、IQを加えても収入の差はわずか1%しか減りません。
    つまり、頭の良さがすべてではないということです。

    それには以下のような理由があります。

    • 実際の仕事では性格や態度も評価される
    • チームで働く力が求められる
    • 目の前の問題に対応する力が大切になる

    IQはたしかに大事な力ですが、
    働く場ではそれ以上に人間性が問われます。

    まとめると、知能の高さだけでは、収入のちがいを十分に説明できません。

    IQが高くても収入に直結しないケースがある

    IQが高い人でも、かならずしも収入が高いとは限りません。
    これは、実際に働く中で必要とされる力が別にあるからです。

    たとえば次のような力が求められます。

    • 問題を自分で解決する力
    • 周囲と協力する力
    • 時間を守るなど基本的な行動

    また、ある研究では、問題解決力が高い人ほど収入も高くなるとされました。
    これはIQでは測れない力です。

    まとめると、高いIQよりも、実際の仕事に必要な力の方が、収入に関係することが多いです。

    企業が評価している所得の要因

    採用で最も重視されるのは「態度」

    企業がもっとも重視しているのは仕事への態度です。
    これは、面接や採用の場で特に強く見られています。
    実際の調査では、5点満点中4.6と最高レベルの評価でした。

    では、「態度」とはどんなことを指すのでしょうか。
    たとえば以下のような行動です。

    • 真面目に仕事に取り組む
    • 積極的に話を聞く
    • 周囲と協力する気持ちがある

    こうした姿勢が、仕事で信頼される理由になります。
    その結果、収入にもつながる可能性が高くなるのです。

    まとめると、企業は知識よりも、働くときの態度を重視しているという結果が出ています。

    次に重視されるのは「コミュニケーション力」

    態度の次に重視されるのが、話す力や伝える力です。
    これを「コミュニケーション力」といいます。
    調査では、5点中4.2と非常に高い評価でした。

    この力は、仕事の中でさまざまな場面で使われます。
    たとえばこんなときに役立ちます。

    • 上司や同僚と考えを共有するとき
    • お客さんの話を聞いて対応するとき
    • チームで問題を解決するとき

    話し方や聞き方が上手な人は、信頼されやすいです。
    そのため、評価も上がり、給料にも影響するのです。

    まとめると、話す力や人とのやり取りの力は、収入を左右する大きな要素になっています。

    学歴や資格はそこまで重要視されていない

    学歴や資格は重視されると思われがちですが、意外と低い評価です。
    調査では、学歴は5点中2.9、資格は3.2という結果でした。
    これは、他の要素と比べて低いスコアです。

    なぜこのような結果になるのでしょうか。
    その理由には次のようなことがあります。

    • 資格があっても使いこなせない人がいる
    • 学歴よりも実際の行動が大切
    • 人と協力できるかどうかの方が重要

    もちろん、学歴や資格も役に立つ場面はあります。
    でも、それだけでは評価されにくい時代になっています。

    まとめると、企業は学歴や資格よりも、その人の行動や性格を重視しています。

    企業は「人柄」を見ていることが多い

    企業は履歴書の数字よりも、その人の人柄を見ています。
    人柄とは、ふだんの考え方や態度、周囲との接し方です。

    たとえば以下のような点がチェックされます。

    • 礼儀正しいかどうか
    • まじめに話を聞いているか
    • 他人の意見を受け入れられるか

    これらは、仕事をするうえでとても重要です。
    どんなに頭が良くても、人柄に問題があると仕事が続きません。
    結果として、評価も収入も伸びにくくなります。

    まとめると、企業は「どんな人か」をしっかり見ており、それが収入の差にもつながっています。

    誠実さや協調性が報酬に結びついている

    誠実さや協調性のある人は、報酬が高くなりやすいです。

    企業は以下のような行動を重視しています。

    • 時間を守る
    • みんなで助け合う
    • 自分勝手にふるまわない

    このような行動は、職場の中でとても大切です。
    結果として、昇給や昇進などに影響することがあります。

    まとめると、まじめさや周囲との関係を大事にできる人は、働く場で高く評価され、収入にも結びつきやすいのです。

    最後に

    この記事では、「所得の要因」について、さまざまな視点から紹介してきました。学歴や頭の良さだけが収入を決めるわけではなく、親の影響や性格、見た目、育った環境など、たくさんのことが関係していると分かりました。

    特に、誠実に行動することや、人と協力できる力はとても大切です。企業も、そうした人柄をしっかり見ています。

    また、自分の努力が結果につながると信じる気持ちや、将来を見すえる力も収入に関係しています。

    これから社会に出るみなさんにとって、学ぶことやスキルだけでなく、どんな人でいるかも大きな意味を持ちます。自分らしく、でもまわりと協力しながら前に進むことが、将来のチャンスや収入につながっていくはずです。

    tokiwa eisuke

    ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
    株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。