自己肯定感が低いのは、あなたの性格タイプや育ちの環境が大きく影響しています。
自己肯定感とは、「自分には価値がある」と感じられる感覚のことです。
研究では、ビッグファイブ性格特性の「情動性」が高い人ほど自己肯定感が低くなりやすい傾向があることが分かっています。
この記事では、自己肯定感が低くなる3つの原因と、性格タイプ別の高め方を具体的に紹介します。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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目次
自己肯定感が低いとはどういう状態か
自己肯定感が低い状態とは、自分の存在や能力を「価値が低い」と感じやすい状態のことです。
単に自信がないこととは少し違います。
自己肯定感が低い人は、成功しても「たまたまうまくいっただけ」と感じたり、失敗すると「やっぱり自分はダメだ」と必要以上に落ち込んだりする傾向があります。
代表的な5つのサインを確認してみましょう。
- 他人の評価が気になって行動できない
- 褒められても素直に喜べない
- 失敗を長く引きずってしまう
- 「自分だけ劣っている」と感じやすい
- 断ることが苦手で、無理をしてしまう
自己肯定感が低い状態は、日常のさまざまな場面で生きづらさを生み出します。
ただし、これは「性格の欠点」ではなく、環境・経験・性格特性が重なった結果です。
原因を知ることが、改善への第一歩になります。
自己肯定感が低くなる3つの原因
自己肯定感が低くなる主な原因は、「幼少期の経験」「性格特性」「比較の習慣」の3つに整理できます。
それぞれ詳しく見てみましょう。
原因1:幼少期の環境
幼い頃に「あなたはダメだ」「もっとできるはずなのに」と繰り返し言われると、その言葉が自己評価の基準になってしまう傾向があります。
とくに、条件つきの愛情(「いい子にしていたら好き」など)は、自分を条件なしに肯定する力を育てにくくします。
また、失敗を厳しく叱られ続けた経験も、「失敗=自分の価値が下がる」という思い込みを作りやすいです。
原因2:情動性の高さ(性格特性)
ビッグファイブ性格理論において、「情動性」とはネガティブな感情を感じやすい傾向のことです。
情動性が高い人は、不安・落ち込み・自己批判を強く感じやすく、自己肯定感が低くなりやすい傾向が研究で示されています。
一方で、この傾向は遺伝的な影響も約40〜50%あると言われており、「意志が弱いから」ではないことが分かっています。
原因3:他者との比較の習慣
SNSが普及した現代では、常に「他の人より劣っている」という感覚にさらされやすくなっています。
他者と比べる習慣が強いと、どんな成功も「まだ足りない」に変わってしまいます。
とくに、MBTIでいうINFJやINFPなど内向型・感情型のタイプは、他者の評価を深く受け取りやすい傾向があります。
原因は1つとは限りません。
複数の要因が重なって自己肯定感が低くなることが多いため、どれが自分に当てはまるかを把握することが大切です。
性格タイプ別|低い自己肯定感の特徴
自己肯定感の低さは、性格タイプによって「どんな場面で出やすいか」が異なります。
MBTIとビッグファイブの知見をもとに整理しました。
| 性格の傾向 | 自己肯定感が低いときの出やすいパターン |
|---|---|
| 内向型(I) | 一人で抱え込み、自己批判が深くなりやすい |
| 感情型(F) | 他者の言葉を傷として受け取りやすい |
| 情動性が高い | 些細な失敗でも「全部自分のせい」と感じやすい |
| 誠実性が高い | 完璧主義になりやすく、達成しても満足しにくい |
| 協調性が高い | 断れず、自分の気持ちより他者を優先してしまう |
たとえば、INFJタイプは深く考える反面、自己批判が強くなりやすい傾向があります。
さらに、誠実性が高い人は「もっと頑張れたはず」という思考に陥りやすいため、達成感を感じにくいです。
自分のタイプを知ることで、どのアプローチが効果的かが見えてきます。
自己肯定感を高める科学的な方法
自己肯定感を高めるには、「認知の書き換え」「小さな成功体験の積み重ね」「自己開示の練習」の3つが科学的な根拠をもとに有効とされています。
方法1:認知の書き換え
認知行動療法(CBT)の研究では、ネガティブな自己評価のパターンに気づき、より現実的な見方に置き換える訓練が自己肯定感の改善に効果的であることが示されています。
具体的には、「失敗した→自分はダメだ」という思考を「失敗した→この方法が合わなかっただけだ」と書き換える練習です。
- 日記に「今日うまくいったこと」を毎日1つ書く
- 「自分はダメだ」と思ったら「具体的に何がダメだったか」に変換する
- 自分に優しい言葉をかける練習(セルフコンパッション)をする
方法2:小さな成功体験を積む
自己肯定感は、大きな成功よりも「小さな達成を積み重ねること」で育ちやすいです。
研究では、達成可能な目標を細かく設定し、1つずつクリアしていくことが自己効力感(自分ならできるという感覚)を高めると報告されています。
たとえば、「毎日5分だけ本を読む」「週に1回人に感謝を伝える」など、ハードルを低くすることがポイントです。
方法3:自己開示の練習
信頼できる人に「自分の気持ちや考え」を少しずつ話すことで、「自分の感情や意見には価値がある」という感覚が育ちます。
とくに、内向型や感情型のタイプは自己開示が苦手な傾向がありますが、無理のない範囲から始めることが重要です。
一方で、SNSでの自己開示は比較を生みやすいため、信頼できる1対1の関係から練習するのが効果的です。
自己肯定感は一夜にして変わるものではありません。
しかし、毎日の小さな積み重ねが、確実に変化をもたらします。
性格タイプ別|おすすめの高め方
自己肯定感の高め方は、性格タイプによって向いているアプローチが異なります。
自分の傾向に合った方法を選ぶことで、より効果が出やすくなります。
| 性格の傾向 | おすすめのアプローチ |
|---|---|
| 内向型(I) | 一人でできる日記・瞑想・読書で自己理解を深める |
| 感情型(F) | 自分の感情を否定せず、まず「そう感じていい」と認める |
| 情動性が高い | マインドフルネスで「今ここ」に意識を向ける練習をする |
| 誠実性が高い | 「完璧でなくても十分」というルールを意識的に設定する |
| 外向型(E) | 友人との交流で肯定的なフィードバックを積極的に受け取る |
つまり、「みんなに同じ方法が効く」わけではありません。
ビッグファイブやMBTIで自分の性格傾向を把握してから、合ったアプローチを選ぶことが近道です。
性格特性を知ることは、自己肯定感を高める上で非常に有効なツールになります。
今日からできる3つの習慣
自己肯定感を高めるためには、知識だけでなく毎日の習慣が重要です。
特別な道具も費用も必要のない、今日からすぐ始められる3つの習慣を紹介します。
- 「できたことノート」を書く:1日1つ、どんな小さなことでも「今日できたこと」を書き留めます。続けることで、自分の努力に気づく力が育ちます。
- 批判的な自己評価に「でも」をつける:「自分はダメだ。でも、今日は〇〇を頑張った」という形にします。完全に否定するのでなく、別の見方を加える練習です。
- 体を動かす:運動は情動性を下げる効果があることが複数の研究で示されています。1日10〜20分のウォーキングでも、気分や自己評価に良い影響を与える傾向があります。
実際に、これらの習慣を2〜4週間続けると、自己批判の頻度が減ったと感じる人が多いとされています。
すべてを完璧にやろうとせず、1つだけでも試してみることから始めてみてください。
よくある質問
自己肯定感が低い人に多い性格の特徴は何ですか?
ビッグファイブ性格特性において「情動性」が高い人は、ネガティブな感情を感じやすく、自己肯定感が低くなりやすい傾向があります。また、協調性が高く断ることが苦手な人や、誠実性が高く完璧主義になりやすい人にも自己肯定感が低いパターンが見られます。
自己肯定感が低いのは生まれつきですか?
情動性など自己肯定感に影響する性格特性には、約40〜50%の遺伝的な影響があるとされています。ただし、残りの部分は環境・経験・習慣によって変わる余地があります。生まれつきの要素はありますが、努力で改善できる部分も十分にあります。
自己肯定感を高めるのにどのくらいかかりますか?
個人差がありますが、認知の書き換えや小さな成功体験の積み重ねを2〜4週間続けることで、自己批判の頻度が減り始めるという報告があります。大きな変化には数ヶ月かかることも多いため、焦らず継続することが大切です。
MBTIと自己肯定感は関係がありますか?
MBTIのタイプと自己肯定感には間接的な関連があります。内向型(I)や感情型(F)のタイプは他者の評価を深く受け取りやすい傾向があり、自己肯定感が揺れやすいことがあります。ただし、MBTIのタイプが直接「低い・高い」を決めるわけではありません。
自己肯定感と自己効力感の違いは何ですか?
自己肯定感は「自分には価値がある」という存在への評価です。一方、自己効力感は「自分にはこの課題ができる」という能力への信頼感です。自己肯定感が低くても自己効力感は高いこともあり、2つは異なる概念として区別されています。
他人と比べてしまうのをやめるにはどうすればよいですか?
比較の対象を「過去の自分」に切り替えることが効果的です。「昨日よりできたこと」を意識する習慣をつけると、他者との比較から自己成長への視点に移りやすくなります。また、SNSの使用時間を意識的に減らすことも、比較の習慣を弱めるのに役立つ傾向があります。
自己肯定感が低いと仕事や人間関係にどんな影響がありますか?
自己肯定感が低いと、仕事では「失敗が怖くて新しいことに挑戦できない」「成功しても自分の実力だと思えない」といった状態になりやすいです。人間関係では、断れずに疲弊したり、相手の言動を過度に気にして消耗したりする傾向が出やすくなります。

ライター兼監修者:トキワエイスケ
性格心理学研究者 / 株式会社SUNBLAZE 代表
子どもの頃、貧困・虐待家庭・いじめ・不登校・中退など社会問題の当事者として育つ。社会問題を10年間研究し、自由国民社より『悪者図鑑』を出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究し、査読付きジャーナル論文2本掲載(Frontiers in Psychology、IEEE Access)。社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。
専門:性格心理学 / ビッグファイブ / HEXACO / MBTI / 社会問題の予測
研究者プロフィール: ORCID / Google Scholar / ResearchGate
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