ダークトライアドの改善は、やさしさを育てる行動から始められます。
研究では、思いやりを高める行動を続けることで、マキャヴェリズム・ナルシシズム・サイコパシーといった有害な性格特性が弱まる傾向が示されました。
詳しくは「Lighten the darkness: Personality interventions targeting agreeableness also reduce participants’ levels of the dark triad」をご覧ください。
「冷たく見られがちな自分を変えたい」と感じている人にとって、この記事はその第一歩になります。
実際の研究にそって、どんな行動が性格を変えるのかをわかりやすく紹介します。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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目次
ダークトライアドの改善と研究の目的
性格は後から変えられる
研究では、85%以上の人が自分の性格を良くしたいと考えていました。
とくに外向性・協調性・誠実性を高めたい人が多い傾向があります。
これらの性格は、人との関わりや仕事に良い影響を与えます。
研究では、目標を持って行動した人に変化が見られました。
- 自分の性格をより良くしたい人は多い
- 行動によって少しずつ性格も変化する傾向がある
- 意識的な努力が大切
性格は生まれつきだけでなく、自分の努力で成長できる可能性があります。
ダークトライアドとは何か
ダークトライアドとは、3つの有害な性格特性のことです。
この3つは次のような特徴を持っています。
- マキャヴェリズム:人をだましても得しようとする考え方
- ナルシシズム:自分が特別だと強く思いすぎる性格
- サイコパシー:他人の気持ちを無視して、感情に鈍いこと
これらはどれも、人との関係を悪くしたり、問題を起こしやすくします。
研究では、ダークトライアドがある人は犯罪や暴力に関わることが多いとされています。
- 他人をうまく利用しようとする
- 自分のことを一番大切に思いすぎる
- 他人の痛みを感じにくい
この3つは生活や人間関係に悪い影響を与えることがあるため、改善が大切です。
改善を望まない人が多い現実
研究では、ほとんどの人がダークトライアドを変えたくないと答えました。
参加者に「自分の性格をどう変えたいか」を聞いたところ、協調性は「増やしたい」という人が多かったです。
一方、ダークトライアドについては結果が異なりました。
多くの人はナルシシズムやサイコパシーをもっと高めたいと答えた傾向があります。
マキャヴェリズムだけは、一部の人が「減らしたい」と感じていました。
- ナルシシズム:もっと自信を持ちたいと思う人が多い
- サイコパシー:危険を恐れずに行動したいと感じる人がいる
- マキャヴェリズム:一部の人が良くないと感じている
このように、人は有害な性格を変えたいとは必ずしも思っていない傾向があります。
改善が必要な3つの理由
ダークトライアドがあると、生活にさまざまな問題が起こります。
これらの性格が強いと、次のような行動をとることがあります。
- ルールを破る
- 他人をだます
- パートナーに対して乱暴になる
さらに、ダークトライアドがある人は仕事や人間関係でもトラブルが多くなる傾向があります。
加えて、自分の感情をうまくコントロールできず、周りともぶつかりやすくなります。
- 職場での人間関係が悪くなる
- 恋人や家族との関係が不安定になる
- 自分の心の健康にも悪い影響がある
だからこそ、ダークトライアドの改善はとても大切なのです。
協調性との関係に注目した理由
協調性は、ダークトライアドと反対の性格です。
協調性が高い人は、他人にやさしく、争いを避ける性格の傾向があります。
一方、ダークトライアドはその反対で、他人をコントロールしようとします。
研究では、協調性を高めることでダークな性格も弱まるのではないかと考えられました。
実際に、過去の研究でもこの2つの関係が強いことが分かっています。
- 協調性が上がると、人にやさしくなれる
- ダークな性格が下がると、トラブルも減る傾向がある
- 相手の立場を考える力が育つ
協調性のトレーニングは、ダークトライアドの改善につながる可能性があります。
ダークトライアドの改善と実験の流れ
参加者は大学生467人
この研究には大学生467人が参加しました。
参加者はアメリカの2つの大学に通う学生たちです。
年齢は平均で20歳ほどで、7割近くが女性でした。
この研究は、学校の授業の一環として行われました。
協力することで、授業の成績にプラスされる仕組みでした。
- 男性よりも女性のほうが多く参加
- 自分の性格について毎週答える形式
- 16週間続けてデータを集めた
日常生活の中で行われた調査だからこそ、リアルな変化が見られました。
16週間にわたる調査を実施
調査は大学の1学期にわたる16週間で行われました。
毎週1回、自分の性格を評価するアンケートに答えました。
参加者は「自分の性格を変えたいか」も最初に答えました。
その後は毎週、行動チャレンジにも取り組みました。
この積み重ねで、性格がどのように変わっていくのかを調べました。
- 長期間にわたり変化を見守った
- アンケートは5日に1回まで回答可能
- 継続参加をうながすリマインド機能も活用
毎週の行動と気持ちの変化を合わせて見ることで、より正確な分析ができました。
週ごとに性格を自己評価
毎週、自分の性格について質問に答えました。
アンケートでは「私は人にやさしい」といった文章にどれだけ当てはまるかを答えます。
点数は「まったくちがう」から「とても当てはまる」まで5段階です。
それぞれの性格特性ごとに6問ずつ出されました。
ダークトライアドについても同じように9問ずつ聞かれました。
- 協調性や誠実性など5つの性格特性を評価
- ダークトライアドもマキャヴェリズムなどに分けて質問
- 合計30問+27問の内容に答える形式
このように、自分の気づかなかった部分にも目を向ける機会となりました。
協調性を伸ばす行動に挑戦
希望者は協調性などを高める行動課題に取り組みました。
最初にどの性格を変えたいかを選びました。
その後、毎週その性格を高めるための行動を自分で選びます。
たとえば、協調性を高めたい人には「友達に感謝を伝える」などの課題が出ました。
1週間に1〜4個まで選び、次の週に実行したかを報告します。
- 自分の目標に合った行動が用意されていた
- 課題は全部で50個以上
- 成功・失敗に応じて次の課題を提案される仕組み
自分に合ったペースで、やさしさや思いやりを実際の行動で身につけていきました。
課題は自分のペースで選べる
行動課題は自分で自由に選ぶことができました。
毎週、その週に挑戦する行動を1〜4つ決めます。
システムは過去の達成度をもとにおすすめも出してくれました。
たとえば「誰かに親切にする」「言い争いを避ける」などの内容です。
参加者は自分のやりやすいものを選んで進めました。
- 難しい課題を無理にやる必要はない
- 少しずつ自信がつく工夫がされている
- やった回数も記録して自己評価につながる
自分の意思で選ぶことで、行動の責任を自分で持つ力も育っていきました。
ダークトライアドの改善と性格特性の変化
協調性を高めたい人が選んだ課題
協調性を高めたい人はやさしい行動を選びました。



