社会関係資本という言葉を聞いたことはありますか?
ちょっとむずかしく聞こえるかもしれませんが、かんたんに言うと「人とのつながり」が持つ力のことです。
たとえば、友達や先輩との関係、先生や地域の人との交流もそのひとつです。
じつはこの社会関係資本が、将来の収入や仕事のチャンス、さらには進学や心の安定にも影響しているとわかってきました。
とくに注目されたのが、世界的な論文「Social capital I: measurement and associations with economic mobility」です。
この研究では、たくさんのデータを使って「どんな人と関わっているか」がどれほど未来に関係するかを調べました。
(この論文は前編となっており、後編は「社会階層は友達・住む場所・趣味によって変わる!論文解説」の記事で紹介しています。)
この記事では、むずかしい言葉はできるだけ使わず、社会関係資本の意味や大切さ、身近な例をわかりやすく紹介していきます。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
※以下のHEXACO-JP診断は個人向けになります。サンブレイズテストは法人向けになります。


社会関係資本とは何か?
社会関係資本の意味をやさしく説明
この社会関係資本とは、人とのつながりが持つ力のことです。
たとえば友達や家族、地域の人との関係がそれにあたります。
こうしたつながりがあると、助けてもらったり情報をもらえたりします。
また、つながりが強いと安心感や信頼も得られます。
その結果、学びや仕事の機会も広がることがあります。
社会関係資本には次のような種類があります。
- 異なる立場の人とのつながり(橋渡し型)
- 似た人同士のつながり(仲間型)
- 地域活動やボランティアへの参加(市民活動型)
このように、人とのつながりは目に見えなくても大切な財産です。
たくさんの人と信頼関係を築くことが、自分の未来を広げてくれます。
社会関係資本にはどんな種類があるの?
社会関係資本は主に三つの種類に分けられます。
それぞれ役割が異なりますが、どれも重要です。
まず、「経済的な接続性」は異なる立場の人とのつながりです。
たとえば、低収入の人が高収入の人と友達になることです。
次に、「ネットワークのまとまり」は仲の良いグループの強さです。
これは友達同士がみんな友達であるような関係をさします。
最後に、「市民的な参加」は地域での活動への参加を意味します。
具体的には以下のようになります。
- 経済的な接続性(Economic Connectedness:EC):社会的立場の異なる人との友情
- ネットワークのまとまり(Cohesiveness):仲間内での強いつながり
- 市民的な参加(Civic Engagement):ボランティアや地域の活動への関与
このように、社会関係資本にはいろいろなかたちがあります。
どのタイプも社会の中で支え合ううえで大切な役割を持っています。
社会関係資本には目的に応じた多様なかたちがあります。
社会関係資本が注目される理由
最近、社会関係資本は格差やチャンスの問題と深く関係しているとわかってきました。
これまでの研究では、家の収入や教育が将来に影響すると考えられてきました。
しかし、友達や地域のつながりも大きな力を持っていることが明らかになっています。
たとえば、友達に高収入の人が多いと、自分の将来の収入も上がりやすくなります。
これは情報やチャンスをもらえる可能性が高くなるからです。
逆に、周りに似たような人しかいないと、広がりが生まれません。
注目される理由は以下の通りです。
- 収入や教育よりもつながりの影響が大きい場合がある
- 地域差が大きく、政策の手がかりになる
- データから客観的に測れるようになった
とくに注目されているのは「経済的な接続性(EC)」です。
これは将来の所得に強く影響することがわかっています。
社会関係資本はチャンスの広がりに関わる重要な要素です。
昔と今でつながりの価値はどう変わった?
昔と比べて、社会関係資本の形は大きく変わっています。
以前は近所の人や親せきとの関係が中心でした。
しかし今は、学校や仕事、ネットなどさまざまな場所でつながりが生まれます。
とくに通信の発達で遠くの人ともつながれるようになりました。
一方で、直接会って話す機会は少なくなってきています。
そのため、信頼をどう築くかが大事になっています。
変化したポイントをまとめると以下の通りです。
- 昔:家族や近所中心のつながり
- 今:学校、仕事、ネットを通じた多様なつながり
- 信頼関係の築き方がより大切になった
また、つながりの質が将来に影響することもわかってきました。
ただ友達が多いだけでなく、どんな人と関わるかがカギです。
社会関係資本の価値は変わらず、形が多様化してきています。
社会関係資本とお金の関係って?
人とのつながりが収入や働き方に影響することがあります。
たとえば、収入が高い人と友達になれば、仕事の情報を得やすくなります。
また、目標を持った人と話すことで、自分の考えも前向きになります。
研究では、経済的に豊かな人と多く関わる人は将来の所得が高い傾向にあります。
逆に、つながりが同じような立場の人に限られるとチャンスは広がりません。
これは、情報や紹介が限られるからです。
影響の例を挙げると次の通りです。
- 仕事の紹介や相談がしやすくなる
- 前向きな考え方を学べる
- 将来の選択肢が増える
ある研究では、経済的接続性が0.5高い地域に住むと、子どもの所得が平均8.2パーセンタイル上がるという結果が出ています。
社会関係資本は見えないけれど、収入や機会にも影響する大事な力です。
社会関係資本が人生に与える影響
友達のタイプで収入が変わる?
どんな友達がいるかで将来の収入が変わることがあります。
研究では、低所得の人でも高所得の友達が多いと将来の収入が上がるとわかっています。
たとえば、ミネアポリスではその割合が49%で、所得順位も高くなっています。
一方で、インディアナポリスでは32%で、子どもの所得順位が低くなります。
つまり、周りにいる人がどんな人かがとても重要です。
これは情報や考え方のちがいが影響するからです。
友達のタイプによる違いは以下の通りです。
- 高所得の友達:情報やチャンスが多い
- 目標を持つ友達:自分もやる気になる
- 多様な友達:広い視野を持てるようになる
反対に、似たような友達ばかりだと変化が少ないです。
そのため、いろいろな人と関わることが大切です。
友達の種類は、将来の可能性に大きく関係しています。
親の収入よりも友達の影響が大きい?
実は親の収入よりも、友達との関係が将来に強く影響することがあります。
親の収入が低くても、社会関係資本が豊かなら子どもは成功しやすくなります。
とくに「経済的な接続性」が高いと、将来の収入も高くなる傾向があります。
これは、子どものうちから多様な人と関わることで視野が広がるためです。
また、目標や考え方に影響を受けることも多いです。
このことは、多くの地域データからも確認されています。
たとえば次のような例があります。
- 子ども時代に高所得の家庭と接点がある
- 高校でいろいろな家庭の友達がいる
- 地域にいる人の職業が多様
親の収入はもちろん大切ですが、それだけでは決まりません。
周囲の環境や関係も大きな役割を果たします。
友達とのつながりは、家庭の環境を超える力を持っています。
社会関係資本と進学率の関係
社会関係資本が多いと、進学する人の割合も高くなります。
これは、まわりに大学へ進む人が多いと、自分も行きたいと思いやすくなるからです。
また、進学に関する情報や勉強法も得られます。
特に異なる経済背景を持つ人と関わることで、選択肢が広がります。
逆に、進学が当たり前でない環境では、夢を持ちにくいです。
そのため、つながりが進路にも関係してくるのです。
進学に影響する社会関係資本の例は以下の通りです。
- 進学した友達から大学の話を聞ける
- 親以外の大人からアドバイスをもらえる
- 学校外の活動で刺激を受ける
とくに第一世代(親が大学に行っていない人)にとっては、この影響が大きいです。
情報や意識の違いが進学のきっかけになります。
社会関係資本が情動性に与える影響
社会関係資本は、人の情動性にも影響します。
情動性とは、気持ちのゆれやストレスへの感じやすさのことです。
周りに信頼できる人がいると、不安やストレスが減ります。
また、つらいときに相談できる関係があると、安心感が得られます。
逆に、つながりが少ないと孤独を感じやすくなります。
とくに若い世代では、この影響が大きいです。
社会関係資本が感情に与えるよい効果は次のとおりです。
- 話を聞いてくれる人がいる
- 自分をわかってくれる仲間がいる
- 励ましてくれる友達がいる
こうした関係があると、気持ちが安定しやすくなります。
心の健康にとっても、人とのつながりは大切な要素です。
社会関係資本は、こころの安定にもつながる大きな力です。
誠実性の高い人は社会関係資本を築きやすい?
誠実性が高い人は、人との信頼関係をつくりやすいです。
この誠実性とは、まじめで約束を守る性格のことを言います。
このような人は、まわりから信頼されやすくなります。
信頼があると、関係が長く続きやすくなります。
また、相手の話をよく聞くことで、関係が深まります。
その結果、広くて質の高いつながりを持つことができます。
具体的な特徴は以下のとおりです。
- 相手のことを思いやって行動できる
- 小さな約束も大切にする
- 困っているときに自然と手を貸せる
このような行動の積み重ねが信頼を生みます。
信頼は、社会関係資本の土台になります。
誠実な行動は、強いつながりを育てる第一歩になります。
社会関係資本と地域の違い
都会と田舎でつながりに差はある?
都会と田舎では、社会関係資本の形が大きく違います。
まず都会では、たくさんの人と出会えますが、つながりは浅くなりがちです。
一方、田舎では関係は深いものの、新しい人との出会いは少ないです。
つまり、広さと深さに違いがあります。
また、都会ではいろいろな職業の人と接する機会があります。
これが経済的な接続性を高めることにつながります。
それぞれの特徴をまとめると以下のとおりです。
- 都会:多様な人と関われるが関係が浅くなりやすい
- 田舎:信頼関係は深いが、広がりにくい
- 都会の方が経済的なつながりは作りやすい
このように、どこに住むかによって関係の持ち方が変わってきます。
しかし、どちらにも良さと課題があります。
地域によって社会関係資本の性質は大きく異なります。
同じ町でも地域で差がある理由
一つの町の中でも、地域によって社会関係資本に違いがあります。
たとえばロサンゼルスでは、ZIPコードごとに経済的接続性に差が見られました。
ある地域では経済的接続性(EC)が1.25と高いのに対し、別の地域では0.45と低くなっています。
これは、住んでいる人の収入や職業のばらつきが関係しています。
また、学校や仕事の場が分かれていると、交わる機会が少なくなります。
そのため、地域内での分断が生まれるのです。
違いが出る理由は以下のようなものがあります。
- 住民の経済状況のちがい
- 地理的な境界や通学区の区切り
- 公共施設や交通のアクセス差
見た目は同じ町でも、つながりの質には大きな差があります。
だからこそ、地域ごとの取り組みが必要になります。
同じ町でも場所によって、つながりやすさが大きく変わります。
貧しい地域ほどつながりが狭い?
貧しい地域では、社会関係資本が少なくなりやすいです。
その理由は、周りに同じような経済状態の人が多いからです。
たとえば、低所得の地域では高所得の人と知り合う機会が少ないです。
そのため、情報やチャンスが限られてしまいます。
これは、経済的な接続性が低くなる原因になります。
しかも、移動手段やネットワークも限られていることが多いです。
貧しい地域で起きやすい課題を挙げると以下のとおりです。
- 高所得者と接する機会が少ない
- 学校や地域の活動が限られている
- 外の世界とのつながりが作りにくい
もちろん、深いつながりを持つことはできます。
しかし、広がりを持たせるには支援や仕組みが必要です。
貧困地域では社会関係資本が狭まりやすく、対策が重要です。
高収入の人が多い町はチャンスが増える?
高収入の人が多い地域は、社会関係資本が豊かになりやすいです。
なぜなら、高収入の人たちは友達も多く、広いネットワークを持っているからです。
また、地域にある学校や施設の質も高い傾向にあります。
そのため、低収入の家庭の子どもも良い影響を受けやすいです。
ただし、同じ地域にいても交流がなければ意味がありません。
大切なのは、実際に関わることです。
チャンスが増える理由を挙げると次のとおりです。
- よい学校や活動の機会が多い
- 情報を持つ人と出会いやすい
- 友達から影響を受けやすい環境
しかし、つながりが生まれなければ効果は出ません。
そのため、交流を生む工夫が求められています。
高収入の人が多い地域でも、関係の質がカギになります。
社会関係資本と差別や格差の関係
社会関係資本は、差別や格差とも深く関係しています。
たとえば、人種や言葉の違いによって、つながりが分かれてしまうことがあります。
これにより、ある集団だけが情報やチャンスを得やすくなります。
逆に、他の集団は閉ざされたままになりやすいです。
このような状態は「分断」と呼ばれ、格差の原因になります。
特に、大きな都市ではこの傾向が見られます。
関係している点をまとめると以下のとおりです。
- 言語や文化の違いが交流をさまたげる
- 人種や経済の差がつながりを制限する
- 分かれたままの関係は不公平を生む
社会関係資本を広げるためには、偏見のない交流が必要です。
異なる人と関わることで、新しい視点も生まれます。
格差をなくすには、広いつながりと理解が大切になります。
社会関係資本とSNSの関係
SNS上の友達でも意味はある?
SNSでつながった友達も社会関係資本になります。
とくに今の時代、友達の多くがネット上にいます。
SNSでは、遠くの人とも気軽にやりとりができます。
また、リアルでは出会えない人とも知り合えるチャンスがあります。
たとえば、自分とは違う職業の人や他の国の人とも話せます。
このような出会いは、考え方や知識を広げてくれます。
SNSで得られる社会関係資本の例は以下の通りです。
- 高校や大学以外の友達との交流
- 興味のあることを通じたグループ参加
- 仕事や進学に役立つ情報の共有
ただし、SNSの関係が深まるかどうかは使い方しだいです。
信頼できる関係を築くためには、自分の態度も大切になります。
SNSの友達も、広くて多様な社会関係資本の一部になります。
Facebookの研究から見えたつながりの力
SNS上のつながりが、未来の収入や進路に影響を与えることが分かっています。
ある研究では、フェイスブックの7千万人以上の友達データを分析しました。
その結果、低所得の人が高所得の友達を持つ地域ほど、子どもの将来の収入が高い傾向がありました。
このような関係を「経済的な接続性(EC)」と呼びます。
つまり、SNS上でのつながりが将来の選択肢を広げているのです。
とくに、子どものころの友達関係が大きく影響することも分かりました。
研究のポイントをまとめると以下のとおりです。
- 高所得の友達が多いと将来の収入が上がりやすい
- 地域ごとのSNSつながりで差がある
- つながりの質が未来に関係する
SNSでの交流が社会の不平等を減らす手がかりになるかもしれません。
だからこそ、誰とどう関わるかが大切になります。
SNSの研究から、友達とのつながりが未来を変える力を持つことが明らかになりました。
オンラインのつながりとリアルの違い
オンラインのつながりと現実のつながりには違いがあります。
ネットでは多くの人と気軽につながれます。
しかし、信頼を深めるのは少しむずかしい面もあります。
たとえば、顔を合わせる機会が少なかったり、表情が分かりにくかったりします。
一方、リアルなつながりは、助け合いや本音での会話がしやすいです。
つまり、どちらもメリットとデメリットがあります。
ちがいを簡単に整理すると以下のとおりです。
- オンライン:広くて早くつながれるが浅くなりがち
- リアル:関係が深まりやすいが数は限られる
- 両方をうまく使うことが大切
どちらか一方だけではなく、両方を大切にするとバランスがとれます。
それぞれの特徴を活かして、良いつながりを育てていきましょう。
オンラインとリアルのつながりを組み合わせることで、社会関係資本はより豊かになります。
どういう友達を作ると未来が変わる?
自分と違う世界を知っている友達との出会いが未来を広げます。
同じ考えや環境の人だけでなく、ちがう経験を持つ人との関係が大切です。
たとえば、自分より年上の人や、別の学校の人などです。
こうした友達から、新しい価値観や情報を得ることができます。
また、考え方が広がり、自分の可能性も広がります。
ときには、自分の進路を考えるきっかけにもなります。
未来を広げる友達の特徴は次のとおりです。
- 自分とはちがう考え方を持っている
- 新しいことに挑戦している
- ポジティブで前向きな行動をしている
最初は少し勇気がいるかもしれませんが、一歩踏み出すことが大切です。
その一歩が大きな変化につながります。
未来を変える友達とは、自分の知らない世界を見せてくれる人です。
SNSで広げる社会関係資本のコツ
SNSを上手に使うことで、社会関係資本を広げることができます。
ただ友達の数を増やすだけでは意味がありません。
大切なのは、関係をどう育てるかです。
たとえば、自分からあいさつをしたり、コメントを返したりすることです。
また、グループやイベントに積極的に参加するのもよい方法です。
相手のことをよく知ることも大事です。
広げるためのコツを整理すると以下のようになります。
- 自分から声をかける
- 興味のあるグループに参加する
- 話題を共有して会話を続ける
- ありがとうや応援の言葉を伝える
こうした行動を積み重ねることで、信頼が生まれます。
そして、つながりは自然と広がっていきます。
SNSでも、思いやりと行動が社会関係資本を育てるポイントです。
社会関係資本を増やすためにできること
学校でできる社会関係資本の育て方
学校は社会関係資本を育てる大切な場所です。
友達と話す時間やグループ活動を通して、信頼や協力を学べます。
とくに異なる意見を持つ人と話すことは、考え方を広げるきっかけになります。
また、学年をこえた活動もよいつながりになります。
先生や先輩との関係も社会関係資本にふくまれます。
つまり、学校生活そのものが練習の場になります。
学校での工夫をまとめると以下のとおりです。
- クラスの活動で協力しあう
- 異なるグループと関わる機会をつくる
- 先生や先輩と積極的に話す
- 発表やディスカッションを大切にする
こうした行動をとおして、おたがいを理解する力が育ちます。
それが、将来に役立つ人とのつながりにつながります。
学校は安心してつながりを育てられる練習の場です。
趣味やサークルが未来に影響する理由
好きなことを通じて生まれたつながりは、未来のチャンスを広げます。
趣味や部活動では、共通の話題で仲よくなれます。
また、ちがう学校や年齢の人と出会えることもあります。
こうした関係は自然と深まりやすいのが特長です。
さらに、そこで得た経験が将来の仕事や活動にもつながることがあります。
たとえば、音楽やスポーツを通じて新しい出会いがあることも。
趣味やサークルのメリットをまとめると以下のとおりです。
- 共通の関心で話がはずみやすい
- 楽しみながら信頼関係ができる
- ちがう世代との出会いがある
- 経験が将来の進路にいきる
好きなことを続けることで、自分も成長でき、人とのつながりも広がります。
それが社会関係資本を豊かにする土台になります。
趣味や活動は、自分らしくつながりを広げる大切な手段です。
ボランティアで広がるつながり
ボランティア活動は、新しいつながりを生む大きなチャンスです。
困っている人を助けることで、人との信頼が生まれます。
また、自分とはちがう立場の人とも関わることができます。
たとえば、地域の清掃活動や子ども支援など、いろいろな場があります。
活動をとおして、知らなかった問題や社会の仕組みに気づくこともあります。
さらに、自分の行動が社会に役立つ実感も得られます。
ボランティアで得られることをまとめると以下のとおりです。
- 人のために動く力が育つ
- 多くの人と出会える
- 社会のことを知るきっかけになる
- 信頼される経験がふえる
こうした経験は、将来の仕事や活動にも活きてきます。
自信と人とのつながりを同時に育てられる機会です。
ボランティアは、行動することで広がる社会関係資本の実践の場です。
いろんな人と話してみることの大切さ
ちがう考えを持つ人と話すことが、つながりを深める第一歩です。
話したことのない人に声をかけるのは勇気がいります。
でも、知らない世界を知るためにはとても大切なことです。
まずはあいさつやちょっとした会話から始めてみましょう。
相手の話をよく聞くことも、信頼関係をつくるコツです。
話すことで、おたがいのことを少しずつ理解できます。
大切なポイントは以下のとおりです。
- あいさつや声かけをおそれない
- 違いを知ることをおもしろがる
- 話を聞く姿勢を大切にする
- ゆっくりと関係を深めていく
いろんな人と関わることで、自分の視野が広がります。
それが社会関係資本を豊かにする力になります。
一歩ふみだすことで、思いがけない出会いや学びが生まれます。
自分らしくつながる方法とは?
無理をせず、自分らしい方法でつながることが大切です。
たくさん友達がいなくても、心から信頼できる人がいれば十分です。
自分の得意なことや好きな話題から関係を作るのもよい方法です。
たとえば、絵を描くのが好きなら作品を見せて話すきっかけにできます。
また、人と話すのが苦手でも、聞き役として関わることもできます。
どんなかたちでも、自分らしく関わることが大切です。
自分らしいつながり方の工夫は以下のとおりです。
- 好きなことを通じて話す
- 得意なことをいかして関係を作る
- 自分のペースで無理をしない
- 一人ひとりとの関係を大切にする
つながりに正解はありません。
自分に合った方法で信頼を育てていきましょう。
自分らしく関わることが、心地よいつながりを生むカギです。
最後に
この記事では、社会関係資本というテーマについて、身近な言葉で説明してきました。
社会関係資本とは、人とのつながりが自分の未来にどんな影響をあたえるかという考え方です。
友達や先生、地域の人との関係は、ただの人間関係ではなく、将来の仕事、収入、心の安定にもつながる大切なものです。
とくに「ちがう立場の人」との関わりが、自分の考え方やチャンスを広げてくれると研究でも示されています。
だからこそ、いろんな人と話してみたり、自分から関係をつくったりすることが、これからの人生にとってすごく大事になります。
自分らしいかたちでつながりを大切にしながら、社会の中で新しい出会いや経験をふやしていきましょう。
その一歩が、思いがけないチャンスや成長につながるかもしれません。

ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。