破壊型リーダーシップについて、あなたは知っていますか?
これは、部下や組織に悪影響を与えるリーダーの行動パターンのことです。
近年、このような問題のあるリーダーが増えていると言われています。
「ジャーナル・オブ・ビジネス・リサーチ」に掲載された最新の研究によると、破壊型リーダーの影響は想像以上に深刻だということがわかりました。
たとえば、部下の仕事の満足度が大きく下がったり、メンタルヘルスに悪影響が出たりします。
さらに、組織全体の業績も低下してしまいます。
しかし、このような事態は防ぐことができます。
リーダーの特徴を知り、適切な対策を取ることで、健全な職場環境を作ることができるのです。
この記事では、破壊型リーダーシップの特徴や影響、そして具体的な対処法について、わかりやすく解説していきます。
新社会人の方や、これから社会に出る学生の皆さんにとって、重要な情報になるはずです。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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破壊型リーダーシップの基本知識
リーダーシップとは何か
リーダーシップは組織や集団を導く力のことです。
具体的には以下の要素で構成されています:
- 目標達成に向けた方向性の提示
- メンバーへの動機づけ
- 適切な判断と意思決定
- チームワークの促進
- 問題解決力の発揮
そもそもリーダーには大きな責任があります。組織の成果を左右する存在だからです。
良いリーダーシップは組織を成長させます。一方で、悪いリーダーシップは組織を衰退させます。
現代では、リーダーシップのスタイルは多様化しています。
状況に応じて柔軟に対応することが求められます。ただし、基本となる要素は変わりません。
それは「人を動かす力」です。
リーダーシップとは、組織の目標達成のために人々を導き、成果を生み出す影響力といえます。
破壊型リーダーシップの定義
破壊型リーダーシップとは、組織や部下に害を与える行動パターンです。
具体的な特徴として:
- 威圧的な態度や言動
- 過度な叱責や批判
- 一方的な指示や命令
- 部下の意見を無視
- 感情的な態度
このようなリーダーは組織に悪影響を及ぼします。部下のやる気を奪ってしまいます。
チームの雰囲気も悪くなります。生産性も低下してしまいます。
さらに優秀な人材が離職する原因にもなります。このような行動は意図的な場合もあります。
無意識の場合もあります。いずれにせよ結果は同じです。
破壊型リーダーシップは、組織の健全な発展を妨げる有害な影響力を持つ行動様式なのです。
よくある破壊型リーダーの特徴
破壊型リーダーには共通する特徴があります。
主な特徴は以下の通りです:
- 自己中心的な考え方
- 他者への共感性の欠如
- 短期的な成果への執着
- 感情のコントロールが苦手
- 権力の乱用
こうしたリーダーは部下を道具のように扱います。自分の成果だけを重視します。
チームの意見に耳を傾けません。感情的な言動が目立ちます。
過度なプレッシャーをかけることもあります。また、自分の非を認めることができません。
失敗を部下のせいにします。パワーハラスメントにつながることも多いです。
破壊型リーダーの特徴を知ることで、早期発見と対策が可能になります。
組織への影響とリスク
破壊型リーダーシップは組織全体に深刻な影響を及ぼします。
主なリスクには以下があります:
- 生産性の低下
- 職場環境の悪化
- 優秀な人材の流出
- メンタルヘルスの問題
- 組織の評判低下
まず、社員のモチベーションが下がります。仕事の質も低下します。
職場の雰囲気も悪くなります。コミュニケーションも減少します。
結果として業績が悪化します。また、メンタル不調者が増加します。
離職率も上昇します。採用コストも増大します。
組織全体の活力が失われ、長期的な成長が阻害される深刻な問題となります。
なぜ破壊型リーダーが生まれるのか
破壊型リーダーの出現には様々な要因があります。
主な原因として:
- 過度なプレッシャー
- 未熟な育成体制
- 古い組織文化
- 評価制度の歪み
- 適切な研修の不足
組織からの過剰な期待も影響します。成果主義も一因となります。
人材育成が不十分な場合もあります。リーダーシップ教育が不足しています。
ストレス管理も重要です。また、前任者の影響も大きいです。
組織文化も関係します。評価制度の見直しも必要です。
破壊型リーダーの出現を防ぐには、組織全体での取り組みが不可欠です。
破壊型リーダーシップと部下への影響
仕事の満足度が下がる
破壊型リーダーのもとでは、部下の仕事の満足度が大きく低下します。
その理由として以下が挙げられます:
- 自由な発言ができない
- アイデアが却下される
- 過度な監視を受ける
- 不当な評価を受ける
- やりがいが失われる
毎日の仕事が苦痛になります。出社が憂鬱になります。成長の機会も減ります。
新しい挑戦も難しくなります。創造性も失われます。心理的な安全性も低下します。
意欲も衰えていきます。仕事への楽しみも消えます。
職場での満足度低下は、個人の成長と組織の発展の両方を妨げる深刻な問題です。
メンタルヘルスへの影響
破壊型リーダーは部下の精神的健康に重大な影響を与えます。
主な影響として:
- 不安感の増大
- ストレスの蓄積
- 自尊心の低下
- うつ症状の出現
- 睡眠障害の発生
毎日緊張状態が続きます。自信を失っていきます。疲労感が蓄積します。
体調も崩れやすくなります。休養が取れなくなります。集中力も低下します。
判断力も鈍ります。生活リズムも乱れます。
メンタルヘルスの悪化は、個人の生活全体に深刻な影響を及ぼす重要な問題です。
職場での人間関係の悪化
破壊型リーダーは職場の人間関係を著しく損なわせます。
具体的な影響には:
- 同僚との対立
- 信頼関係の崩壊
- 協力体制の崩れ
- 情報共有の減少
- チームワークの低下
競争意識が過度に高まります。助け合いの精神が失われます。相談できる相手も減ります。
孤立感が強まります。職場の雰囲気も悪くなります。コミュニケーションも減ります。
連携も取れなくなります。一体感も失われます。
職場の人間関係の悪化は、組織の生産性と活力を低下させる重大な要因となります。
パフォーマンスの低下
破壊型リーダーの下では、部下の仕事の質が著しく低下します。
主な症状として:
- ミスの増加
- 判断力の低下
- 創造性の減少
- 効率の悪化
- 意欲の減退
集中力が続きません。新しい提案も減ります。改善活動も停滞します。
目標達成も困難になります。時間管理も乱れます。成果も上がりません。
品質も低下します。生産性も落ちます。
パフォーマンスの低下は、個人と組織の成長を阻害する深刻な問題です。
離職率の上昇
破壊型リーダーシップは、優秀な人材の流出を招きます。
主な離職理由:
- 将来性への不安
- 成長機会の喪失
- 待遇への不満
- 職場環境の悪化
- 健康面の懸念
最初は我慢する人も多いです。しかし限界がきます。転職を考え始めます。
良い人材から辞めていきます。残された人の負担も増えます。
組織の活力も失われます。知識やスキルも流出します。採用コストも上昇します。
人材の流出は組織の競争力を低下させる重大な問題です。
破壊型リーダーシップとリーダーの性格特性
性格特性と破壊型の関係
性格特性は破壊型リーダーの発生に大きく関わっています。
特に以下の特徴が影響します:
- 共感性の低さ
- 自己中心的な考え方
- 感情的な反応
- 権力志向の強さ
- 完璧主義的な傾向
自分の考えを押し付けます。他人の気持ちを理解できません。感情的になりやすいです。
権力を振りかざします。細かいことを気にします。厳しい要求をします。
失敗を許しません。柔軟性に欠けます。
リーダーの性格特性を理解することで、適切な対応と予防が可能になります。
誠実性が低いリーダーの特徴
誠実性の低さは破壊型リーダーの重要な特徴です。
以下のような傾向が見られます:
- 約束を守らない
- 責任転嫁が多い
- 計画性に欠ける
- 一貫性がない
- ルールを軽視する
言行が一致しません。自分の非を認めません。計画的な行動ができません。
場当たり的な判断をします。規則を無視します。部下の信頼を失います。
組織の秩序を乱します。混乱を引き起こします。
誠実性の低さは、組織の信頼関係を損なう深刻な問題となります。
情動性が高いリーダーの特徴
情動性の高さは破壊型リーダーの典型的な特徴です。
主な特徴として:
- 感情的な言動
- 気分の変化が激しい
- ストレス耐性が低い
- 衝動的な決定
- 怒りの制御が苦手
気分で判断します。怒りを爆発させます。部下を萎縮させます。
雰囲気を悪化させます。冷静さを欠きます。合理的な判断ができません。
周囲を混乱させます。安定感がありません。
情動性の高さは、組織の安定性と生産性を損なう重要な要因です。
破壊型リーダーシップとナルシシスト傾向の関連
自己愛的な傾向は破壊型リーダーに多く見られます。
具体的な特徴:
- 過度な自信
- 批判への過剰反応
- 称賛への強い欲求
- 特権意識の強さ
- 他者への無関心
自分を過大評価します。批判を受け入れません。賞賛を求めます。
特別扱いを要求します。他人に無関心です。部下を道具視します。
組織を私物化します。独断的な行動をします。
自己愛的な傾向は、健全な組織運営を妨げる重大な障害となります。
自己中心的な行動パターン
自己中心的な行動は破壊型リーダーの代表的な特徴です。
特徴的な行動として:
- 独断的な決定
- 部下の意見無視
- 成果の独占
- 責任の回避
- 都合の良い解釈
一人で決めてしまいます。他人の意見を聞きません。手柄を独り占めします。
失敗を認めません。自分に都合よく解釈します。部下を軽視します。
チームワークを壊します。組織の成長を妨げます。
自己中心的な行動は、組織の健全な発展を阻害する深刻な問題です。
破壊型リーダーシップへの対処法
部下ができる対策
破壊型リーダーに対して、部下にもできる対策があります。
具体的な対処法として:
- 記録を残す
- 味方を作る
- 感情的にならない
- 相談窓口を活用
- 健康管理を徹底
まず、事実を記録します。日時や内容を書き留めます。同僚と情報を共有します。
信頼できる上司に相談します。冷静な対応を心がけます。
必要に応じて専門家に相談します。自分の健康を守ります。ストレス解消法を見つけます。
適切な対策を講じることで、自分を守りながら状況改善を目指せます。
組織としての予防策
組織全体で破壊型リーダーを防ぐ取り組みが重要です。
効果的な予防策:
- 定期的な研修実施
- 評価制度の見直し
- 相談体制の整備
- 監督体制の強化
- 組織文化の改革
まず研修を充実させます。評価基準を明確にします。相談窓口を設置します。
定期的な面談を実施します。監督機能を強化します。透明性を高めます。
風通しを良くします。健全な文化を育てます。
組織全体での取り組みが、破壊型リーダーの予防に重要な役割を果たします。
人事評価での見分け方
破壊型リーダーは人事評価で見分けることができます。
主なチェックポイント:
- 部下の離職率
- チームの業績推移
- 360度評価の結果
- コミュニケーション能力
- メンタルヘルスの状況
部下の定着率を確認します。チームの成果を分析します。多角的な評価を行います。
対話の質を見ます。職場の雰囲気を観察します。部下の成長度を確認します。
協調性を評価します。組織への貢献度を測ります。
適切な評価基準で破壊型リーダーを早期に発見し、対策を講じることが大切です。
研修やトレーニングの重要性
適切な研修は破壊型リーダーの予防に効果的です。
重要な研修内容:
- リーダーシップ基礎
- コミュニケーション技術
- ストレス管理
- 部下育成方法
- ハラスメント防止
基礎知識を学びます。実践的なスキルを身につけます。事例研究を行います。
ロールプレイを実施します。グループワークも取り入れます。定期的に振り返ります。
継続的に学習します。成長機会を提供します。
効果的な研修プログラムが、良きリーダーの育成につながります。
健全な組織文化の作り方
健全な組織文化が破壊型リーダーを防ぎます。
重要な要素:
- オープンな対話
- 相互理解の促進
- 公平な評価制度
- 明確な価値観
- 協力的な雰囲気
自由な発言を促します。多様性を認めます。公平性を重視します。
目標を共有します。協力を奨励します。信頼関係を築きます。
成長を支援します。良い取り組みを評価します。
健全な組織文化の構築が、破壊型リーダーシップの予防に最も効果的です。
最後に
ここまで、破壊型リーダーシップについて詳しく見てきました。
このようなリーダーは、部下の仕事の満足度を下げ、メンタルヘルスを悪化させ、組織全体にも悪影響を及ぼします。
でも、決して諦める必要はありません。
まず大切なのは、破壊型リーダーの特徴を知ることです。
そして、もしそのような状況に遭遇したら、具体的な対策を取ることができます。
事実を記録に残す、信頼できる人に相談する、相談窓口を活用するなど、自分を守る方法はたくさんあります。
また、組織全体でも予防策を講じることができます。
研修の実施、評価制度の見直し、健全な組織文化の構築など、様々な取り組みが効果的です。
職場の問題に悩んでいる方は、一人で抱え込まず、ぜひこの記事で紹介した対策を試してみてください。
より良い職場環境づくりのために、私たち一人一人にできることがあるのです。

ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。