精神疾患は、私たちの心の健康に大きな影響を与えます。
うつ病や不安障害、物質使用障害など、さまざまな精神疾患がありますが、これらの疾患には共通する特徴があることが分かってきました。
それは、性格特性との関連です。
性格特性とは、私たちの行動や思考、感情のパターンを表す、比較的安定した特徴のことを指します。
例えば、神経症傾向が高い人は、不安や悩みを感じやすい傾向があります。
では、性格特性と精神疾患には、どのような関係があるのでしょうか。
最近発表された大規模なメタ分析「Linking “Big” Personality Traits to Anxiety, Depressive, and Substance Use Disorders: A Meta-Analysis」では、この問題に迫る重要な知見が得られました。
この記事では、そのメタ分析の結果を中心に、性格特性と精神疾患の関連について詳しく解説していきます。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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目次
精神疾患と性格特性の関係を探る大規模メタ分析
一般的な精神疾患とは?
精神疾患は、心の健康に問題が生じた状態を指します。
代表的な精神疾患には以下のようなものがあります。
- うつ病性障害:気分の落ち込みや興味の喪失が特徴
- 不安障害:過度な不安や恐怖を感じる
- 物質使用障害:アルコールや薬物への依存が見られる
これらの疾患は、日常生活に支障をきたし、本人だけでなく周囲の人々にも影響を与えます。
また、精神疾患は身体的な健康問題とも密接に関係しています。
適切な治療を受けることで、症状を緩和し、充実した生活を送ることができます。
精神疾患の理解を深め、適切な支援や対処法を見出すことが重要です。
性格特性「ビッグファイブ」と「行動の抑制のなさ」について
性格特性は、個人の行動や思考、感情のパターンを表します。
「ビッグファイブ」は、以下の5つの性格特性を指します。
- 神経症傾向:不安や悩みを感じやすい
- 外向性:社交的で積極的である
- 開放性:新しい経験に対して開かれている
- 協調性:他者に対して親切で協力的である
- 誠実性:規律正しく、責任感が強い
一方、「行動の抑制のなさ」は、衝動的で危険な行動をとりやすい傾向を表します。
これらの性格特性は、遺伝と環境の両方の影響を受けて形成されると考えられています。
また、性格特性は精神的健康と密接に関連しており、特定の特性が精神疾患のリスクを高める可能性があります。
性格特性と精神疾患の関係を理解することは、予防や治療において重要な意味を持ちます。
メタ分析のデータと手法
今回のメタ分析では、1980年から2007年までに発表された175の研究から851のデータが集められました。
研究数は3から63まで幅があり、サンプルサイズは1,076人から75,229人の範囲でした。
メタ分析とは、複数の研究結果を統合して、全体的な傾向を明らかにする手法です。
今回は、以下の手順で分析が行われました。
- 関連研究の収集
- データの抽出と効果量の計算
- 統計的手法を用いた分析
- 結果の解釈と考察
メタ分析により、個々の研究では見えにくい全体像を把握することができます。
また、研究間の違いを考慮したうえで、信頼性の高い結論を導き出すことが可能です。
精神疾患と性格特性の関係を探るうえで、メタ分析は強力なツールとなります。
精神疾患に共通する性格特性とは
メタ分析の結果、すべての精神疾患で神経症傾向が高く、誠実性が低いことが示されました。
神経症傾向の効果量は平均1.65、誠実性は平均-1.01でした。
効果量とは、2つの変数の関連の強さを表す指標です。
また、外向性の低さも多くの疾患で見られ、特に気分変調性障害と社交不安障害で顕著でした。
一方、行動の抑制のなさは物質使用障害など一部の疾患とのみ関連が見られました。
協調性と開放性は、分析対象の診断とほとんど関連がありませんでした。
これらの結果から、精神疾患に共通する性格特性として、神経症傾向の高さと誠実性の低さが浮かび上がります。
ただし、疾患ごとに関連の強い特性は異なり、一様ではないことも明らかになりました。
精神疾患ごとの性格特性の違い
うつ病性障害に見られる性格特性
うつ病性障害では、神経症傾向が高く、外向性と誠実性が低いことが示されました。
特に、大うつ病性障害と持続性抑うつ障害(気分変調性障害)で顕著な傾向が見られました。
気分変調性障害は、長期にわたる抑うつ症状が特徴です。
また、これらの障害では、開放性も低い傾向にあることが分かりました。
うつ病性障害の人は、以下のような性格特性を持つ傾向があります。
- ネガティブな感情を抱えやすい
- 社交的な活動を避ける
- 新しいことへの関心が低い
- 規則正しい生活を送ることが難しい
ただし、これらの特性はうつ病の症状そのものである可能性もあり、因果関係は明確ではありません。
うつ病性障害の予防や治療において、性格特性への理解と配慮が重要だと考えられます。
不安障害に見られる性格特性
不安障害でも、神経症傾向の高さが共通して見られました。
特に、全般性不安障害と社交不安障害で顕著でした。
また、パニック障害と広場恐怖症では、外向性の低さも特徴的でした。
不安障害の人は、以下のような性格特性を持つ傾向があります。
- 不安や心配が強い
- 人付き合いや新しい場所への適応が苦手
- リスクを避ける傾向が強い
一方、特定の恐怖症では、性格特性との関連は比較的弱いことが分かりました。
恐怖症は特定の対象や状況に対する恐怖が中心であり、性格特性とは異なる要因が関与している可能性があります。
不安障害の治療では、性格特性を考慮したアプローチが有効だと考えられます。
例えば、外向性の低い人には、少しずつ社交的な活動に取り組むことを勧めるなどの工夫が必要でしょう。
物質使用障害に見られる性格特性
物質使用障害では、行動の抑制のなさと非協調性が高いことが示されました。
一方、神経症傾向との関連は比較的弱いことが分かりました。
物質使用障害の人は、以下のような性格特性を持つ傾向があります。
- 衝動的で危険な行動をとりやすい
- 他者への配慮が少ない
- 規則や社会的規範を守ることが難しい
また、物質の種類によって、性格特性との関連に違いが見られました。
アルコール依存症では、行動の抑制のなさと非誠実性が特に高い一方、薬物依存症では非協調性が顕著でした。
物質使用障害の治療では、性格特性に応じたアプローチが重要だと考えられます。
衝動性のコントロールや対人関係スキルの向上などに焦点を当てた介入が効果的でしょう。
特定の恐怖症の特徴的なプロファイル
特定の恐怖症では、性格特性との関連が全体的に弱いことが示されました。
例えば、高所、ネズミ、注射など、特定の対象や状況に対する過度な恐怖が特徴です。
この障害では、以下のような傾向が見られます。
- 他の精神疾患と比べて、性格特性との関連が弱い
- 神経症傾向がやや高いが、他の特性との関連は明確でない
- 恐怖の対象は個人差が大きく、性格特性だけでは説明できない
特定の恐怖症の背景には、トラウマ体験や学習など、性格以外の要因が大きく影響していると考えられます。
また、恐怖の対象が限定的であるため、日常生活への影響も他の精神疾患と比べて小さい傾向にあります。
特定の恐怖症の治療では、恐怖の対象に直接アプローチすることが重要であり、性格特性への介入は副次的な位置づけになるでしょう。
性格特性と精神疾患の関連性
神経症傾向 – 全ての精神疾患と最も強く関連
メタ分析の結果、神経症傾向は全ての精神疾患と最も強く関連していることが明らかになりました。
神経症傾向が高い人は、以下のような特徴があります。
- ネガティブな感情を感じやすい
- ストレスへの耐性が低い
- 不安や心配が強い
- 自信が持ちにくい
これらの特性は、精神疾患の症状とも重なる部分が多いと考えられます。
また、神経症傾向の高さは、精神疾患の発症リスクを高める可能性があります。
ストレスフルな状況に適切に対処できず、心理的な問題を抱えやすくなるためです。
一方、精神疾患が神経症傾向を高める可能性もあり、因果関係は複雑だと考えられます。
神経症傾向に対するアプローチは、精神疾患の予防と治療において重要な意味を持ちます。
ストレス管理やリラクゼーション技法の習得、認知の歪みの修正などが有効だと考えられます。
外向性の低さ – 特に気分変調性障害と社交不安障害で顕著
この特性の低さは、特に気分変調性障害と社交不安障害で顕著に見られました。
外向性が低い人は、以下のような特徴があります。
- 人付き合いや社交的な活動を避ける傾向がある
- 一人の時間を好む
- 慎重で控えめな傾向がある
これらの特性は、うつ病や社交不安の症状とも関連が深いと考えられます。
外向性の低さが、これらの障害の発症リスクを高める可能性があります。
一方、うつ病や社交不安が外向性を低下させる可能性もあり、双方向の関係が示唆されます。
外向性の低さへのアプローチは、特に気分変調性障害と社交不安障害の治療において重要だと考えられます。
対人関係スキルの向上や、段階的な社会参加の促進などが有効でしょう。
ただし、外向性の低さがパーソナリティの一部である場合も多く、個人の特性に合わせた現実的な目標設定が必要です。
誠実性の低さ – 多くの精神疾患に共通
この特性の低さは、多くの精神疾患に共通して見られる特徴でした。
誠実性が低い人は、以下のような傾向があります。
- 規則正しい生活を送ることが苦手
- 計画性や忍耐力に欠ける
- 衝動的で短絡的な行動をとりやすい
これらの特性は、うつ病、不安障害、物質使用障害など、さまざまな精神疾患と関連が深いと考えられます。
誠実性の低さが、治療の継続や健康的な生活習慣の維持を難しくする可能性があります。
また、誠実性の低さは、精神疾患の症状によって引き起こされる場合もあります。
例えば、うつ病によって集中力や意欲が低下し、規則正しい生活が送りにくくなるなどです。
誠実性の向上は、精神疾患の治療において重要な目標の一つだと考えられます。
スケジュール管理や目標設定のスキル、セルフコントロールの強化などが有効でしょう。
行動の抑制のなさ – 物質使用障害などの一部の疾患と関連
物質使用障害など、一部の精神疾患と関連が見られました。
行動の抑制のなさが高い人は、以下のような特徴があります。
- 衝動的で危険な行動をとりやすい
- 刺激を求める傾向が強い
- 長期的な結果を考えずに行動する
これらの特性は、物質使用障害の発症や維持と関連が深いと考えられます。
また、他の衝動制御の問題とも関連がある可能性があります。
行動の抑制のなさは、遺伝的な影響を受けやすい特性だと考えられています。
また、脳の報酬系の機能とも関連が深いことが示唆されています。
行動の抑制のなさへのアプローチは、物質使用障害の治療において特に重要だと考えられます。
衝動性のコントロールや、健康的な代替行動の獲得などが有効でしょう。
開放性と協調性 – 精神疾患との関連は弱い
開放性と協調性は、メタ分析の結果、精神疾患との関連が弱いことが示されました。
協調性が低い人は、以下のような特徴があります。
- 他者への関心や思いやりが少ない
- 競争的で自己中心的な傾向がある
- チームワークが苦手
開放性が低い人は、以下のような特徴があります。
- 新しい経験や変化を好まない
- 伝統的な価値観を重視する
- 想像力や創造性が乏しい
これらの特性は、一部の精神疾患と関連がある可能性がありますが、全体的な影響は小さいと考えられます。
ただし、物質使用障害では、協調性の低さがある程度関連している可能性が示唆されました。
協調性と開放性は、精神疾患の主要な原因とは考えにくいですが、治療プロセスに影響を与える可能性があります。
例えば、協調性の低い人は、治療者との協力関係を築きにくいかもしれません。
また、開放性の低い人は、新しい治療法を受け入れることが難しいかもしれません。
個人の特性に合わせた柔軟な対応が求められます。
調整変数が結果に与える影響
患者サンプルと疫学サンプルの違い
メタ分析の結果、患者サンプルと疫学サンプルでは、性格特性と精神疾患の関連の強さが異なることが示されました。
具体的には、以下のような違いが見られました。
- 患者サンプルでは、性格特性と精神疾患の関連がより強く現れる傾向がある
- 疫学サンプルでは、関連の強さが相対的に弱くなる
この違いは、以下のような理由によって生じると考えられます。
- 患者サンプルは、より重症な症状を持つ人が多く含まれている
- 疫学サンプルは、健康な人も多く含まれており、症状の程度が軽い
- 治療を受けている患者は、性格特性の評価に影響を受けやすい
メタ分析では、これらの違いを考慮に入れて、結果の解釈を行う必要があります。
患者サンプルと疫学サンプルの両方を含めることで、より一般化可能な結論を導き出すことができます。
ただし、サンプルの特性を十分に理解し、結果の適用範囲を慎重に検討することが重要です。
人格目録の種類による効果量の差
メタ分析の結果、性格特性の評価に用いる人格目録の種類によって、効果量に差が見られることが示されました。
具体的には、以下のような傾向が見られました。
- NEO人格目録を使用した研究では、より強い関連が報告される傾向がある
- アイゼンクの人格目録を使用した研究では、関連の強さが相対的に弱くなる
この違いは、以下のような理由によって生じると考えられます。
- NEO人格目録は、より詳細で包括的な評価が可能
- アイゼンクの人格目録は、質問項目数が少なく、評価の範囲が限定的
- 人格目録の理論的背景や尺度構成が、結果に影響を与える可能性がある
メタ分析では、使用された人格目録の種類を考慮に入れて、結果の解釈を行う必要があります。
異なる人格目録を用いた研究結果を比較する際には、測定尺度の特性を十分に理解することが重要です。
また、研究間の比較可能性を高めるために、標準化された人格目録を使用することが望ましいと考えられます。
研究の意義と今後の展望
性格特性に着目することの重要性
今回のメタ分析は、精神疾患と性格特性の関連を包括的に検討した点で意義があります。
性格特性は、精神疾患の発症や経過、治療反応性に影響を与える重要な要因だと考えられます。
しかし、これまでの研究では、特定の疾患と性格特性の関連を個別に検討したものが多く、全体像を把握することが難しい状況でした。
メタ分析によって、以下のような点が明らかになりました。
- 多くの精神疾患に共通する性格特性がある
- 疾患ごとに、関連の強い性格特性が異なる
- 性格特性と精神疾患の関連は、調整変数によって影響を受ける
これらの知見は、精神疾患の予防や治療、リスク評価などに活用できる可能性があります。
また、性格特性に着目することで、精神疾患の病態理解が深まることが期待されます。
精神疾患と性格特性の関連をさらに詳細に検討していくことが、今後の研究課題だと言えるでしょう。
精神疾患の理解と臨床実践への貢献
性格特性と精神疾患の関連を理解することは、臨床実践においても重要な意味を持ちます。
性格特性は、以下のような点で、精神疾患の理解と治療に役立つと考えられます。
- 患者の個別性を理解するための手がかりになる
- 治療方針の決定や介入方法の選択に活用できる
- 治療反応性や予後の予測に役立つ可能性がある
例えば、神経症傾向が高い患者には、ストレス管理やリラクゼーション技法の指導が特に重要だと考えられます。
また、外向性の低い患者には、社会参加を促すような介入が効果的かもしれません。
性格特性を考慮することで、より個別化された治療が可能になると期待されます。
ただし、性格特性は複雑な構成概念であり、評価や解釈には注意が必要です。
また、性格特性はあくまでも一つの要因であり、他の遺伝・身体的要因、心理社会的要因との相互作用を考慮する必要があります。
性格特性を臨床実践に活用するためには、さらなる研究の蓄積と、慎重な適用が求められます。
今後の研究課題と可能性
メタ分析の結果は、性格特性と精神疾患の関連について、いくつかの重要な研究課題を示唆しています。
今後の研究では、以下のような点に焦点を当てることが期待されます。
- 性格特性と精神疾患の因果関係の解明
- 性格特性が症状の発現や経過に与える影響の詳細な検討
- 治療反応性や予後との関連の探索
- 下位次元の性格特性と精神疾患の関連の検討
- 他の要因との相互作用の解明
特に、縦断研究デザインを用いることで、性格特性と精神疾患の因果関係に迫ることができると考えられます。
また、性格特性の評価に加えて、 遺伝・身体的指標やライフイベントなどの他の要因を含めた包括的な検討が求められます。
さらに、性格特性に焦点を当てた予防的介入や治療法の開発も、重要な研究課題だと言えるでしょう。
性格特性と精神疾患の関連をさらに解明していくことで、精神疾患の予防と治療に新たな道が開かれることが期待されます。
メタ分析で得られた知見を足がかりに、さらなる研究の発展が望まれます。
まとめ:精神疾患と性格特性の密接な関係
メタ分析から明らかになったこと
今回のメタ分析では、精神疾患と性格特性の関連について、以下のような重要な知見が得られました。
- 多くの精神疾患に、神経症傾向の高さと誠実性の低さが共通して見られる
- 外向性の低さは、特に気分変調性障害と社交不安障害で顕著である
- 行動の抑制のなさは、物質使用障害と関連が強い
- 協調性と開放性は、精神疾患との関連が弱い
- 患者サンプルでは、性格特性と精神疾患の関連がより強く現れる傾向がある
- 人格目録の種類によって、効果量に差が見られる
これらの結果は、精神疾患の病態理解や治療アプローチを考える上で、重要な示唆を与えてくれます。
また、性格特性が精神疾患のリスク要因や予後規定因子となる可能性を示唆しています。
メタ分析は、個々の研究では見えにくい全体像を明らかにする強力な手法だと言えるでしょう。
今回の知見を基盤に、さらなる研究の発展が期待されます。
精神疾患を性格特性から理解する意義
性格特性は、精神疾患を理解する上で、非常に重要な視点を提供してくれます。
性格特性は、個人の行動や思考、感情のパターンを反映する比較的安定した特徴です。
精神疾患の症状は、これらの性格特性と複雑に絡み合っていると考えられます。
性格特性に着目することで、以下のような利点があります。
- 精神疾患の 異質性を理解する手がかりが得られる
- 症状の個人差を説明する一つの要因として位置づけられる
- 治療アプローチの個別化に役立つ可能性がある
ただし、性格特性はあくまでも一つの側面であり、生物学的、心理学的、社会的な他の要因との相互作用を考慮する必要があります。
また、性格特性の評価には、測定法の限界や、変化の可能性などの問題があることも念頭に置く必要があります。
それでも、性格特性という切り口は、精神疾患の理解を深める上で、非常に有用だと考えられます。
性格特性を手がかりに、精神疾患のメカニズムに迫る研究がさらに発展していくことが期待されます。
最後に
今回のメタ分析から、性格特性と精神疾患の間には密接な関係があることが明らかになりました。
特に、神経症傾向の高さと誠実性の低さは、多くの精神疾患に共通する特徴であることが分かりました。
また、外向性の低さは気分変調性障害や社交不安障害と、行動の抑制のなさは物質使用障害と、より強い関連がありました。
一方で、協調性と開放性は精神疾患との関連が弱いことも示されました。
これらの知見は、精神疾患の理解や治療を考える上で、重要な手がかりになるでしょう。
また、性格特性に応じたアプローチを取り入れることで、より効果的な治療につながる可能性があります。
ただし、性格特性はあくまでも一つの要因であり、他の要因との複雑な相互作用を考慮する必要があります。
今後さらなる研究が進むことで、性格特性を手がかりにした精神疾患の理解と治療がより発展していくことが期待されます。
※この記事は以下の本に掲載された論文を参考に執筆しています。
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ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。