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感染対策する人としない人の性格の違いを科学的に解説

    感染対策

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの中で、感染対策の徹底が求められています。

    マスクの着用や手洗い、ソーシャルディスタンスの確保など、一人一人の行動が感染拡大防止に大きな影響を与えます。

    しかし、これらの対策を実践するのは、なかなか難しいものです。そこで注目されているのが、性格特性と感染対策の関連性です。

    ブラジルの研究チームは、性格特性と感染対策の実践状況について調査を行い、論文「Personality differences and COVID-19」を発表しました。

    この研究結果は、感染対策の徹底には、性格特性への配慮が重要であることを示唆しています。

    感染対策は、私たち一人一人が取り組むべき課題です。自分の性格特性を理解し、それに合わせた対策を実践することが大切だといえるでしょう。

    この記事では、上記の研究結果を詳しく解説しながら、性格特性と感染対策の関連性について考えていきます。

    今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。

    ※MBTI診断よりも科学的な性格診断は、こちらのHEXACO(ヘキサコ)診断!ビッグファイブに新しく1つの指標を追加して、性格のダークさ(サイコパスなど)がわかるようになりました。

    目次

    性格特性が感染対策の実践に与える影響

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年末から世界的に流行しています。
    このウイルスは、感染力が非常に強く、世界中で多くの感染者と死者を出しています。
    WHOは、2020年3月にパンデミック(世界的大流行)を宣言しました。
    COVID-19は、主に飛沫感染や接触感染によって広がります。
    感染すると、発熱や咳、呼吸困難などの症状が現れます。
    重症化すると、肺炎や呼吸不全などを引き起こし、死に至ることもあります。
    高齢者や基礎疾患のある人は、特に重症化のリスクが高いとされています。
    現在、ワクチンや特効薬の開発が進められていますが、まだ十分に普及していません。
    そのため、感染予防のための対策が非常に重要となっています。
    個人の行動が、感染拡大防止に大きな影響を与えるのです。

    感染拡大防止のための主な感染対策

    感染拡大を防ぐためには、以下のような対策が有効とされています。

    • マスクの着用
    • 手洗いや手指消毒の徹底
    • 人との距離を保つ(ソーシャルディスタンス)
    • 不要不急の外出を控える
    • 換気を行う
    • 体調管理に気を付ける

    これらの対策を組み合わせることで、感染リスクを大幅に下げることができます。
    特に、マスクの着用と手洗い、ソーシャルディスタンスは、感染予防の基本として重要視されています。
    一人一人が意識を高く持ち、できる対策を確実に実行することが求められています。
    ただし、これらの対策は、生活様式の大幅な変更を伴うものばかりです。
    人との交流を制限したり、外出を控えたりすることは、ストレスを感じる人も多いでしょう。
    そのため、対策の実践には、個人の意識や性格特性が影響を与える可能性があります。
    性格特性に応じて、対策への取り組みやすさが異なるのではないでしょうか。

    感染対策:社会的距離の確保の重要性

    社会的距離の確保は、感染拡大防止に非常に効果的な対策です。
    これは、人と人との物理的な距離を保つことを意味します。
    具体的には、以下のような行動が該当します。

    • 人混みを避ける
    • 密集した場所に行かない
    • 不要不急の外出を控える
    • 対面での会話を減らす
    • オンラインでのコミュニケーションを活用する

    近距離での会話や、密集した環境での接触は、感染リスクを高めます。
    そのため、可能な限り人との距離を保ち、接触の機会を減らすことが重要なのです。
    特に、不特定多数の人が集まる場所への外出は、できるだけ控えるべきでしょう。
    また、どうしても外出が必要な場合は、人との距離を十分に取ることを心がけましょう。
    社会的距離の確保は、一人一人の心がけから始まります。
    自分だけでなく、周囲の人の健康も守るという意識を持つことが大切です。
    一方で、人との交流を制限することは、ストレスを感じる原因にもなります。
    外向的な人にとっては、特に実践が難しい対策なのかもしれません。

    感染対策:手洗いの徹底の重要性

    手洗いは、感染予防の基本中の基本です。
    COVID-19は、ウイルスが付着した手から、口や鼻、目などの粘膜に入ることで感染します。
    そのため、こまめな手洗いによって、手に付着したウイルスを洗い流すことが重要なのです。
    手洗いのポイントは、以下の通りです。

    • 流水と石けんを使う
    • 30秒以上かけて丁寧に洗う
    • 手のひら、手の甲、指の間、指先、親指、爪の間を洗う
    • 洗い終わったら、清潔なタオルやペーパータオルでよく拭く

    外出先からの帰宅時や、調理の前後、食事の前などは、特に念入りに手を洗いましょう。
    石けんと流水が使えない場合は、アルコールを含んだ手指消毒剤を使うのも効果的です。
    手洗いは、誰でも簡単に実践できる対策です。
    一回一回の手洗いを丁寧に行うことで、感染リスクを大きく下げることができるのです。
    ただし、手洗いの徹底には、一人一人の意識が大きく影響します。
    面倒くさがらずに、こまめに手を洗う習慣を身に付けることが大切だといえるでしょう。
    性格特性によっては、手洗いの実践に違いが出てくるのかもしれません。

    性格特性と感染対策の関連を調べた心理学研究

    ブラジルで行われた715人を対象とした調査

    ブラジルでは、715人の成人を対象に、性格特性と感染対策の関連を調べる調査が行われました。
    この調査は、2020年3月18日から19日にかけて、オンラインで実施されました。
    参加者の年齢は18歳から78歳で、平均年齢は34.6歳でした。
    性別は、女性が77.3%、男性が22.7%でした。
    学歴は、大学院卒が40%、大学卒が28.8%、高校卒が7.6%などでした。
    人種は、白人が69.5%、褐色人種が22.5%、黒人が6.6%などでした。
    婚姻状況は、独身が52.2%、既婚が41.5%、離婚が4.5%などでした。
    調査では、性格特性と感染対策の実践状況について、オンラインで質問に回答してもらいました。
    質問項目は、性格特性を測定する尺度と、感染対策の実践状況を尋ねる項目で構成されていました。
    この調査は、性格心理学と感染症予防の分野で注目されている研究の一つです。
    COVID-19のパンデミックにおいて、個人の性格特性が感染対策の実践に与える影響を探る試みとして、興味深い調査だといえるでしょう。

    外向性と誠実性に着目した分析

    この研究では、性格特性のうち、外向性と誠実性に着目して分析が行われました。
    外向性は、社交的で活発な性格傾向を示す特性です。
    外向的な人は、人との交流を好み、パーティーなどの社交的な場を楽しむ傾向があります。
    一方、誠実性は、まじめで几帳面な性格傾向を示す特性です。
    誠実な人は、規則や約束を守り、物事を丁寧に行う傾向があります。
    研究者たちは、外向性と誠実性が、感染対策の実践状況とどのように関連しているのかを調べました。
    具体的には、以下の2つの感染対策に着目しました。

    • 社会的距離の確保(ソーシャルディスタンス)
    • 手洗いの徹底

    外向的な人は、社交的な活動を好むため、社会的距離の確保が難しいのではないか。
    一方、誠実な人は、規則を守る傾向があるため、感染対策を実践しやすいのではないか。
    このような仮説のもと、性格特性と感染対策の関連が分析されました。
    性格特性が感染対策の実践に与える影響を明らかにすることで、より効果的な感染拡大防止策を考えるヒントが得られるかもしれません。

    感染対策の実践姿勢によって参加者を4つのグループに分類

    研究では、感染対策の実践姿勢によって、参加者を4つのグループに分類しました。
    分類の基準となったのは、以下の2つの質問への回答です。

    1. 社会的距離の確保は必要だと思いますか?
    2. 手洗いの徹底は必要だと思いますか?

    この2つの質問に対して、「はい」か「いいえ」で回答してもらいました。
    回答のパターンによって、参加者は以下の4つのグループに分けられました。

    • 両方の対策が不要だと考えるグループ(6名)
    • 社会的距離の確保は必要だが、手洗いは不要だと考えるグループ(17名)
    • 手洗いは必要だが、社会的距離の確保は不要だと考えるグループ(23名)
    • 両方の対策が必要だと考えるグループ(669名)

    グループごとに、性格特性の得点を比較することで、感染対策の実践姿勢と性格特性の関連が分析されました。
    ただし、グループによって人数に大きな偏りがあったため、統計的な分析には注意が必要です。
    また、感染対策の実践姿勢を尋ねる質問は、あくまで主観的な回答に基づいています。
    実際の行動と、回答した内容が一致しているかどうかは不明です。
    それでも、この分類は、性格特性と感染対策の関連を探るための興味深い試みだといえるでしょう。

    健康的な性格特性の測定にビッグファイブを使用

    健康的な性格特性の測定には、Big Five Inventory-2 Short(BFI-2-S)が使用されました。
    BFI-2-Sは、ビッグファイブ(Big Five)と呼ばれる性格特性の5因子モデルに基づいた尺度です。
    ビッグファイブとは、以下の5つの性格特性を指します。

    1. 外向性(Extraversion)
    2. 協調性(Agreeableness)
    3. 誠実性(Conscientiousness)
    4. 神経症傾向(Neuroticism)
    5. 開放性(Openness)

    BFI-2-Sは、これらの5つの性格特性を、それぞれ6つの質問項目で測定します。
    つまり、合計30個の質問項目から構成されています。
    各質問項目は、5件法のリッカート尺度で回答してもらいます。
    BFI-2-Sは、ビッグファイブの性格特性を簡便に測定できる尺度として、世界的に広く使われています。
    信頼性と妥当性が確認されており、研究や実践の場面で活用されています。
    この研究では、BFI-2-Sを使って、参加者の外向性と誠実性の得点を測定しました。
    健康的な性格特性と感染対策の関連を調べるために、適切な尺度が選ばれたといえるでしょう。

    極端な性格特性の測定にDimensional Clinical Personality Inventory 2の一部を使用

    極端な性格特性の測定には、Dimensional Clinical Personality Inventory 2(IDCP-2)の一部が使用されました。

    IDCP-2は、性格障害などの臨床的な問題と関連する性格特性を多面的に測定できる尺度です。

    この研究では、IDCP-2の中から、以下の4つの下位尺度が使用されました。

    • 注目欲求(Need for attention)
    • 親密性の回避(Intimacy avoidance)
    • 几帳面さ(Thoroughness)
    • 詳細へのこだわり(Concern with details)

    注目欲求と親密性の回避は、外向性に関連する極端な性格特性を測定します。
    一方、几帳面さと詳細へのこだわりは、誠実性に関連する極端な性格特性を測定します。
    これらの下位尺度を使うことで、健康的な性格特性だけでなく、極端な性格特性と感染対策の関連も調べられました。
    ただし、IDCP-2の一部の下位尺度のみを使用しているため、結果の解釈には注意が必要です。
    それでも、この研究は、性格特性の多面的な測定を試みた点で、意義のある取り組みだといえるでしょう。

    外向性が高い人は社会的距離の確保が苦手な傾向

    社会的距離の確保を重視しないグループで外向性が高かった

    分析の結果、社会的距離の確保を重視しないグループでは、外向性の得点が高い傾向がみられました。

    つまり、社会的距離の確保をあまり重要だと考えていない人は、外向的な性格特性を持っている可能性が高いということです。 具体的には、以下のような結果が得られました。

    • 社会的距離の確保を重視しないグループの外向性得点は、他のグループに比べて有意に高かった(p < .001)
    • 社会的距離の確保を重視するグループの外向性得点は、他のグループに比べて有意に低かった(p < .001)

    この結果は、外向性が高い人ほど、社会的距離の確保を実践しにくい傾向があることを示唆しています。

    外向的な人は、人との交流を好む傾向があるため、人との距離を保つことに抵抗を感じるのかもしれません。

    一方、外向性が低い人は、もともと人付き合いが少ない傾向があるため、社会的距離の確保を比較的容易に実践できるのかもしれません。

    ただし、この結果は、あくまで参加者の主観的な回答に基づいています。 実際の行動を観察したわけではないため、結果の解釈には注意が必要です。

    それでも、外向性と社会的距離の確保の関連を示唆する興味深い結果だといえるでしょう。

    外向的な人は社交的で人との接触を好む傾向がある

    外向的な人は、社交的で活発な性格を持ち、人との接触を好む傾向があります。 外向性の高い人は、以下のような特徴を持っていることが知られています。

    • パーティーなどの社交的な場を楽しむ
    • 新しい人との出会いを好む
    • 人前で話すことを得意とする
    • 注目されることを好む
    • 刺激的な経験を求める

    このような特徴を持つ外向的な人にとって、社会的距離の確保は、自然な行動スタイルに反する行為なのかもしれません。

    人との接触を制限することで、ストレスを感じやすくなる可能性があります。 また、外向的な人は、人との交流を通じてエネルギーを得る傾向があります。

    社会的距離の確保によって、そのエネルギー源が失われることで、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。

    ただし、外向性はあくまで性格特性の一つに過ぎません。 外向的な人の中にも、感染対策の重要性を理解し、実践している人は多いはずです。

    性格特性と感染対策の関連は、あくまで傾向を示すものであり、個人差も大きいと考えられます。

    外向性の病理的な変異である注目欲求の高さも影響か

    外向性の病理的な変異である注目欲求の高さも、社会的距離の確保に影響を与えている可能性があります。

    注目欲求とは、他者からの注目を過剰に求める傾向を指します。 この研究では、以下のような結果が得られました。

    • 社会的距離の確保を重視しないグループの注目欲求得点は、他のグループに比べて高い傾向がみられた。

    注目欲求が高い人は、他者からの注目を得るために、人との接触を求める傾向があります。

    そのため、社会的距離の確保によって、注目を得る機会が減ってしまうことを恐れるのかもしれません。

    また、注目欲求が高い人は、他者からの評価を過剰に気にする傾向があります。 感染対策を実践しないことで、周囲から批判されることを恐れ、社会的距離の確保を避けるのかもしれません。

    ただし、注目欲求の高さは、必ずしも外向性の高さと同じではありません。 外向性が高くても、注目欲求が低い人もいれば、その逆もありえます。

    注目欲求の高さは、外向性の病理的な変異の一つに過ぎないのです。

    それでも、注目欲求の高さが、社会的距離の確保に影響を与えている可能性は興味深い発見だといえるでしょう。

    外向性の病理的な変異である親密性の回避も影響か

    外向性の病理的な変異である親密性の回避も、社会的距離の確保に影響を与えている可能性があります。

    親密性の回避とは、他者との親密な関係を避ける傾向を指します。 この研究では、以下のような結果が得られました。

    • 社会的距離の確保を重視するグループの親密性の回避得点は、他のグループに比べて高い傾向がみられた。

    親密性の回避が高い人は、人との親密な関係を築くことを苦手としています。 そのため、社会的距離の確保によって、人との接触を制限することに抵抗を感じないのかもしれません。

    むしろ、人との距離を保つことで、親密な関係を築く必要がなくなることを歓迎する可能性もあります。

    ただし、親密性の回避は、外向性の低さとは必ずしも同じではありません。

    外向性が低くても、親密な関係を築くことを苦手としない人もいます。 親密性の回避は、外向性の病理的な変異の一つに過ぎないのです。

    それでも、親密性の回避の高さが、社会的距離の確保に影響を与えている可能性は興味深い発見だといえるでしょう。

    外向性の病理的な変異である注目欲求の高さと親密性の回避の高さは、社会的距離の確保に対して、逆方向の影響を与えている可能性があります。

    注目欲求の高さは社会的距離の確保を妨げ、親密性の回避の高さは社会的距離の確保を促進するのかもしれません。

    このような複雑な関連性を明らかにするためには、さらなる研究が必要です。

    誠実性が高い人は感染対策を実践しやすい傾向

    両方の対策を重視するグループで誠実性が高かった

    分析の結果、社会的距離の確保と手洗いの両方を重視するグループでは、誠実性の得点が高い傾向がみられました。 つまり、感染対策を重視する人は、誠実で几帳面な性格特性を持っている可能性が高いということです。 具体的には、以下のような結果が得られました。

    • 両方の対策を重視するグループの誠実性得点は、他のグループに比べて有意に高かった。
    • どちらの対策も重視しないグループの誠実性得点は、他のグループに比べて有意に低かった。

    この結果は、誠実性が高い人ほど、感染対策を実践しやすい傾向があることを示唆しています。

    誠実な人は、規則や約束を守ることを重視する傾向があるため、感染対策のガイドラインに従いやすいのかもしれません。

    また、誠実な人は、物事を丁寧に行うことを好む傾向があるため、手洗いなどの感染対策を徹底して実践しやすいのかもしれません。

    一方、誠実性が低い人は、規則や約束を軽視する傾向があるため、感染対策のガイドラインを守ることが難しいのかもしれません。

    ただし、この結果は、あくまで参加者の主観的な回答に基づいています。 実際の行動を観察したわけではないため、結果の解釈には注意が必要です。

    それでも、誠実性と感染対策の関連を示唆する興味深い結果だといえるでしょう。

    誠実な人は几帳面で規則を守りやすい特徴がある

    誠実な人は、几帳面で規則正しい性格を持ち、ルールや約束を守りやすい特徴があります。 誠実性の高い人は、以下のような特徴を持っていることが知られています。

    • 計画を立てて物事を進める
    • 期日を守り、時間を守る
    • 言行が一致している
    • 嘘をつかない
    • 自制心が強い

    このような特徴を持つ誠実な人にとって、感染対策のガイドラインを守ることは、比較的容易なのかもしれません。

    感染対策は、一人一人が規則を守ることで成り立つものです。 誠実な人は、自分だけでなく、周囲の人の健康を守るためにも、ルールを守ることを重視するのでしょう。

    また、誠実な人は、物事を丁寧に行うことを好む傾向があります。 手洗いなどの感染対策を、手順通りに徹底して実践することが、誠実な人にとっては自然な行動なのかもしれません。

    ただし、誠実性はあくまで性格特性の一つに過ぎません。 誠実な人の中にも、感染対策を実践しない人はいるでしょう。

    性格特性と感染対策の関連は、あくまで傾向を示すものであり、個人差も大きいと考えられます。

    それでも、誠実な人が感染対策を実践しやすい傾向があることは、感染拡大防止を考える上で重要な示唆を与えてくれます。

    誠実性の病理的な変異である詳細へのこだわりも影響か

    誠実性の病理的な変異である詳細へのこだわりも、感染対策の実践に影響を与えている可能性があります。 詳細へのこだわりとは、些細なことにも過剰にこだわる傾向を指します。 この研究では、以下のような結果が得られました。

    • 両方の対策を重視するグループの詳細へのこだわり得点は、他のグループに比べて高い傾向がみられた。

    詳細へのこだわりが強い人は、感染対策のガイドラインに細かく従おうとするのかもしれません。

    手洗いの手順や、マスクの着用方法など、細かい点にまでこだわって実践することで、感染リスクを最小限に抑えようとするのかもしれません。

    また、詳細へのこだわりが強い人は、他者の行動にも敏感な傾向があります。

    周囲の人が感染対策を怠っていることに気づきやすく、それを指摘したり、注意したりすることで、感染拡大を防ごうとするのかもしれません。

    感染対策の徹底には性格特性への配慮が重要

    外向的な人への戦略的な働きかけが必要

    外向的な人が感染対策を実践しやすくするためには、戦略的な働きかけが必要です。

    彼ら彼女らは、社交的な活動を好む傾向があるため、社会的距離の確保を苦手としがちです。 そのため、外向的な人に対しては、以下のような働きかけが効果的かもしれません。

    • オンラインでの交流の機会を提供する
    • 感染対策を実践しながら、安全に交流できる方法を提案する
    • 感染対策の重要性を丁寧に説明し、理解を促す
    • 感染対策を実践することが、周囲の人への思いやりにつながることを伝える

    外向的な人は、人との交流を通じてエネルギーを得る傾向があります。 オンラインでの交流の機会を提供することで、社会的距離の確保による孤独感を和らげることができるかもしれません。

    また、感染対策を実践しながらも、安全に交流できる方法を提案することで、外向的な人のニーズに応えることができるかもしれません。

    さらに、感染対策の重要性を丁寧に説明し、理解を促すことで、外向的な人の協力を得やすくなるかもしれません。

    感染対策を実践することが、周囲の人への思いやりにつながることを伝えることで、外向的な人の共感を得ることができるかもしれません。

    誠実性を発揮しやすい環境づくりが有効か

    誠実性の高い人が感染対策を実践しやすくするためには、誠実性を発揮しやすい環境づくりが有効かもしれません。

    誠実な人は、規則や約束を守ることを重視する傾向があります。 そのため、感染対策のガイドラインを明確に示し、遵守することを促す環境づくりが大切です。 具体的には、以下のような取り組みが考えられます。

    • 感染対策のガイドラインを詳細に説明する
    • 感染対策の実践状況を可視化する
    • 感染対策を実践している人を称賛する
    • 感染対策の実践を習慣化するための支援を行う

    感染対策のガイドラインを詳細に説明することで、誠実な人が実践しやすくなるかもしれません。

    また、感染対策の実践状況を可視化することで、誠実な人の実践意欲を高めることができるかもしれません。

    感染対策を実践している人を称賛することで、誠実な人の誇りを刺激することができるかもしれません。

    さらに、感染対策の実践を習慣化するための支援を行うことで、誠実な人の実践を後押しすることができるかもしれません。

    性格特性を考慮したコミュニケーション戦略の検討を

    感染対策の徹底には、性格特性を考慮したコミュニケーション戦略の検討が欠かせません。

    外向性や誠実性といった性格特性は、感染対策の実践に影響を与える可能性があります。

    そのため、感染対策の啓発活動や情報発信においては、性格特性を考慮したアプローチが必要です。 例えば、以下のような取り組みが考えられます。

    • 外向的な人向けのメッセージと誠実な人向けのメッセージを使い分ける
    • 性格特性に合わせた情報の伝え方を工夫する
    • 性格特性に応じた感染対策の実践方法を提案する
    • 性格特性を考慮したキャンペーンや啓発活動を展開する

    外向的な人向けのメッセージでは、感染対策を実践しながらも交流を楽しむ方法を提案するなど、外向性のニーズに配慮することが大切です。

    一方、誠実な人向けのメッセージでは、感染対策の重要性や実践方法を詳細に説明するなど、誠実性の特徴に合わせた情報提供が効果的かもしれません。

    また、性格特性に合わせた情報の伝え方を工夫することで、メッセージの説得力を高めることができるかもしれません。

    外向的な人には対面での説明が、誠実な人には文書での説明が効果的な場合もあるでしょう。

    今後のパンデミック対策に心理学の知見を活用

    今回の研究結果は、今後のパンデミック対策に心理学の知見を活用することの重要性を示唆しています。

    感染対策の徹底には、人々の行動変容が欠かせません。 そのためには、人々の心理的な特性を理解し、それに応じたアプローチを行うことが求められます。

    心理学の知見は、以下のような点で、パンデミック対策に貢献できるかもしれません。

    • 人々の行動変容を促す要因を明らかにする
    • 効果的な情報発信の方法を探る
    • 感染対策の実践を阻害する心理的な障壁を特定する
    • メンタルヘルスの維持・向上を図る

    心理学の研究では、人々の行動変容を促す要因が数多く明らかにされています。

    そのような知見を活用することで、感染対策の徹底に向けた効果的な介入方法を開発することができるかもしれません。

    また、心理学の知見を活用することで、人々の心理的な特性に合わせた情報発信の方法を探ることができるかもしれません。

    感染対策の実践を阻害する心理的な障壁を特定し、それを克服するための方法を検討することも可能でしょう。

    最後に

    性格特性と感染対策の関連性について、ブラジルの研究チームの調査結果を紹介してきました。

    外向的な人は社会的距離の確保が苦手な一方で、誠実な人は感染対策を実践しやすい傾向があることが明らかになりました。

    この結果は、感染対策の徹底には、性格特性への配慮が重要であることを示唆しています。

    感染対策は、私たち一人一人が取り組むべき課題です。自分の性格特性を理解し、それに合わせた対策を実践することが大切です。

    外向的な人は、オンラインでの交流を活用するなど、社会的距離の確保と交流のバランスを取ることが求められます。一方、誠実な人は、感染対策のガイドラインを詳細に理解し、実践することが期待されます。

    また、感染対策の啓発活動や情報発信においては、性格特性を考慮したアプローチが必要です。

    ※この記事は以下の本に掲載された論文を参考に執筆しています。

    tokiwa eisuke

    ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
    株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。