夫婦の性格が似ていると、結婚生活が上手くいきやすいって知っていましたか?
でも、どんな性格が似ていると良いのでしょうか?また、性格以外にも、価値観や考え方が似ていると、夫婦仲が良くなるのでしょうか?
実は、イスラエルの心理学者ルース・ガーント博士が、この疑問を研究で明らかにしようとしました。
この研究は、「Couple Similarity and Marital Satisfaction: Are Similar Spouses Happier?」というタイトルで発表されています。
夫婦の関係を良好に保つためには、お互いの性格や価値観を理解し、尊重し合うことが大切なのかもしれません。でも、全く同じである必要はなさそうです。
今回は、この研究を詳しく見ていきながら、夫婦の類似性と結婚満足度の関係について考えていきましょう。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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はじめに
夫婦の性格の類似性と結婚満足度の関係
夫婦の類似性が高いほど、結婚生活の満足度が高くなる傾向があります。
つまり、性格や価値観、態度などが似ている夫婦ほど、幸せな結婚生活を送っている可能性が高いのです。
一方で、類似性が低い夫婦は、結婚生活に不満を抱えている傾向があります。
ただし、すべての領域で類似性が高ければいいというわけではありません。
研究によると、特に以下の領域での類似性が重要だと考えられています。
- 性格特性
- 価値観
- 家族の役割に対する態度
- 宗教性
これらの領域で夫婦の類似性が高いと、お互いの考え方や行動を理解しやすく、円滑なコミュニケーションが取れるようになります。その結果、結婚生活の満足度が高まるのです。
夫婦の類似性と結婚満足度の関係は、近年注目を集めている研究テーマです。
個人の性格や価値観が、パートナーとの関係性にどのように影響するのか、その仕組みの解明が期待されています。
夫婦の性格の研究:目的と方法
この研究の目的は、夫婦の性格の類似性と結婚満足度の関係を明らかにすることです。
具体的には、以下の点について調べました。
- 性格特性の類似性と結婚満足度の関連
- 価値観の類似性と結婚満足度の関連
- 家族の役割に対する態度の類似性と結婚満足度の関連
- 宗教性の類似性と結婚満足度の関連
研究の方法は、質問紙調査を用いた量的研究です。
参加者は248組の既婚カップルで、以下のような特徴があります。
- 妻の年齢:20〜45歳(平均30歳)
- 夫の年齢:22〜59歳(平均32歳)
- 子供の数:1〜5人(平均1.78人)
- 教育レベル:大学レベルが妻78%、夫71%
夫婦それぞれに、性格特性、価値観、態度、宗教性などに関する質問に回答してもらいました。
そして、それらの類似性と、結婚満足度との関連を統計的に分析したのです。
この研究は、夫婦の類似性と結婚満足度の関係を多角的に調べた点で意義があります。
結果は、幸せな結婚生活を送るためのヒントを提供してくれるでしょう。
夫婦の性格の類似性と結婚満足度
夫婦の性格特性の測定方法
性格特性の測定には、Bem Sex-Role Inventory(BSRI)という心理尺度が用いられました。
これは、個人の性格を男性的特徴、女性的特徴、中性的特徴の3つに分類するものです。
※心理尺度とは科学的に開発された心理テストのようなものです。
BSRIは60項目から成り、以下のように構成されています。
- 男性的特徴を表す項目:20項目(例:自立的、分析的)
- 女性的特徴を表す項目:20項目(例:思いやりがある、優しい)
- 中性的特徴を表す項目:20項目(例:フレンドリー、誠実)
参加者は、各項目が自分をどの程度表しているかを7段階で評価します。
そして、各カテゴリーの項目の平均スコアが算出されます。
BSRIは、一般の人々が男性的、女性的、中性的だと認識している特性を測定する心理尺度です。
つまり、社会的に見た性別役割の観点から、個人の性格特性を捉えようとするものです。
この心理尺度を用いることで、夫婦の性格特性の類似性を数値化し、結婚満足度との関連を調べることができます。
BSRIは性格研究でよく用いられる心理尺度の1つで、信頼性と妥当性が確認されています。
男性的特徴と女性的特徴
BSRIでは、男性的特徴と女性的特徴が対になって測定されます。
これは、社会的に見て、男性らしいとされる特徴と女性らしいとされる特徴を反映しています。
男性的特徴として測定される項目には、以下のようなものがあります。
- 自立的
- 分析的
- リーダーシップがある
- 競争心が強い
- 野心的
一方、女性的特徴として測定される項目には、以下のようなものがあります。
- 思いやりがある
- 優しい
- 協調性がある
- 感受性が豊か
- 同情心がある
これらの特徴は、伝統的な性別役割観に基づいています。
つまり、男性は独立心が強く、論理的で、リーダーシップを発揮するのに対し、女性は思いやりがあり、協調性が高く、感情的だと考えられています。
ただし、現代社会では性別役割観が変化しつつあり、必ずしもこの枠組みに当てはまらない人も多くいます。
BSRIは、あくまでも一般的なイメージに基づいた性格特性の分類であることに注意が必要です。
中性的特徴とは
BSRIでは、男性的特徴と女性的特徴に加えて、中性的特徴も測定されます。
中性的特徴とは、男女どちらの性別にも当てはまる、一般的な性格特性のことです。
中性的特徴として測定される項目には、以下のようなものがあります。
- フレンドリー
- 誠実
- 適応力がある
- 信頼できる
- 几帳面
これらの特徴は、性別に関係なく、社会生活を送る上で重要だと考えられています。
例えば、友好的で誠実な人は、職場や地域社会で信頼を得やすいでしょう。
BSRIでは、男性的特徴、女性的特徴、中性的特徴のバランスを見ることで、個人の性格の全体像を捉えようとしています。
つまり、男性的特徴と女性的特徴のどちらが強いかだけでなく、中性的特徴をどの程度持ち合わせているかも重要だと考えられているのです。
夫婦の類似性を考える際も、男性的・女性的特徴だけでなく、中性的特徴の類似性に注目することが大切かもしれません。
性別役割にとらわれない、バランスの取れた性格の組み合わせが、良好な夫婦関係につながる可能性があります。
夫婦の性格の類似性と結婚満足度の関連
この研究では、夫婦の性格類似性と結婚満足度の間に、正の相関があることが示されました。
つまり、性格特性が似ている夫婦ほど、結婚生活に満足している傾向があるのです。
具体的には、以下のような結果が得られました。
- 夫の結婚満足度は、性格特性の類似性が高いほど高くなる
- 妻の結婚満足度も、性格特性の類似性が高いほど高くなる
- 特に、男性的特徴と女性的特徴の類似性が、結婚満足度と強く関連する
これらの結果から、夫婦の性格類似性は、結婚生活の質に重要な影響を与えていると考えられます。
似た性格の夫婦は、お互いの考え方や行動を理解しやすく、コミュニケーションがスムーズにいくのでしょう。
ただし、性格が全く同じだと、かえって刺激がなくなってしまう可能性もあります。
ある程度の共通点を持ちつつ、互いの個性を尊重し合うことが大切だと言えるかもしれません。
夫婦の性格類似性と結婚満足度の関連は、これまでも多くの研究で示唆されてきました。
今回の研究は、そうした知見を支持する結果だと言えるでしょう。
性格の類似性を手がかりに、夫婦関係を見直してみるのも一案かもしれません。
夫婦の性格:「相補性」の概念
相補性とは、正反対の特徴を持つ者同士が引き合うという考え方です。
性格研究では、「似た者同士が引き合う」という類似性の概念と並んで、重要な概念の1つとされています。
例えば、以下のようなイメージが相補性に当てはまります。
- 男性的な夫と女性的な妻
- 社交的な夫と内向的な妻
- 感情的な夫と理性的な妻
相補性の考え方では、互いに欠けている部分を補い合うことで、バランスの取れた関係が築けると考えます。
つまり、類似した者同士よりも、むしろ違いがあるからこそ、惹かれ合うのだと言うのです。
しかし、今回の研究では、相補性よりも類似性の方が、結婚満足度と強く関連することが示されました。
正反対の性格の組み合わせは、必ずしも良好な夫婦関係につながらないようです。
ただし、相補性の効果が全くないわけではありません。
状況によっては、互いの違いを活かし合うことで、良い結果が得られる可能性もあります。
相補性と類似性、どちらが夫婦関係に適しているかは、一概に決められない問題だと言えるでしょう。
大切なのは、お互いの性格特性を理解し、尊重し合うことではないでしょうか。
価値観の類似性と結婚満足度
改めて価値観とは何か
価値観とは、人生において何を重要だと考えるかを表すものです。
つまり、人生の目標や生き方の指針となる信念のことを指します。
価値観は、以下のような側面を含んでいます。
- 人生で達成したいこと
- 大切にしたい人間関係
- 理想とする社会のあり方
- 正しいと考える行動規範
人によって価値観は異なります。
ある人は金銭的な成功を重視し、ある人は家族との時間を大切にします。
また、ある人は個人の自由を尊重し、ある人は社会の調和を重んじます。
価値観は、文化や教育、個人的な経験などを通して形成されます。
そして、一度形成された価値観は、なかなか変わりにくいものだと言われています。
夫婦の価値観が似ていれば、人生の目標や生活スタイルを共有しやすくなります。
反対に、価値観が大きく異なれば、考え方の相違から衝突が生じやすくなるでしょう。
価値観は目に見えないものですが、夫婦関係に大きな影響を与える要因の1つだと考えられています。
お互いの価値観を理解し、尊重し合うことが、円満な夫婦関係を築く上で重要だと言えるでしょう。
シュワルツの価値理論とは
シュワルツの価値理論は、人間の普遍的な価値観の構造を明らかにした理論です。
イスラエルの心理学者シャロム・シュワルツによって提唱されました。
この理論では、価値観は以下の10の基本的なタイプに分類されます。
- 自己決定・自立
- 刺激
- 快楽主義
- 達成
- 権力・力
- 安全
- 適合(調和・従順)
- 伝統
- 慈善(博愛・慈悲)
- 普遍主義
シュワルツは、これらの価値観が円環状に配置されると考えました。
隣り合う価値観は互いに似ており、対極に位置する価値観は相反するのです。
例えば、自己決定と刺激は似た価値観ですが、伝統
よくある質問
夫婦の性格が似ていると本当に結婚生活はうまくいくの?
研究結果によると、性格の類似性が高い夫婦ほど結婚満足度が高い傾向があります。特に男性的・女性的特徴の類似性が重要で、互いを理解しやすくなることが円満な関係につながると考えられています。
相手と性格が正反対でも夫婦関係を良好に保てる?
正反対の性格でも夫婦関係を良好に保つことは可能です。相補性により互いの違いを活かし合えることもあります。ただし、研究では類似性の方が結婚満足度と強く関連していることが示されています。
価値観の違いが夫婦関係に与える影響は?
価値観の違いは夫婦関係に大きな影響を与えます。価値観が似ていれば人生の目標や生活スタイルを共有しやすくなりますが、違いが大きいと考え方の相違から衝突が生じやすくなる可能性があります。
BSRIという心理尺度はどんなことを測定するの?
BSRIは個人の性格を男性的特徴、女性的特徴、中性的特徴の3つに分類する心理尺度です。60項目の質問で構成され、社会的な性別役割の観点から性格特性を測定し、夫婦の類似性分析に活用されています。
夫婦の性格の類似性以外で重要な要素はある?
性格の類似性以外にも、価値観、家族の役割に対する態度、宗教性の類似性が結婚満足度と関連しています。これらの領域での類似性が高いとコミュニケーションが円滑になり、結婚生活の満足度が向上する傾向があります。
性格が似すぎていると刺激がなくて退屈にならない?
性格が似すぎていると刺激が減る可能性は確かにあります。研究では類似性が重要とされていますが、ある程度の共通点を保ちつつ互いの個性を尊重し合うバランスが、長期的な夫婦関係には大切だと考えられます。



