タバコを吸う人には、外向的・神経質という共通した性格の傾向があることが、長期研究で明らかになっています。
イギリスで約5,362人を対象に行われた大規模な追跡調査があります。
16歳時の性格を測定し、20歳から53歳まで喫煙状況を追い続けた研究です。
その結果、タバコを吸う人の性格には、明確な傾向があることがわかりました。
この研究は、「Personality and Smoking Status: A Longitudinal Analysis」として発表されています。
性格だけでなく、家庭環境・教育レベル・友人の影響なども関係しています。
この記事では、タバコを吸う人の性格の特徴と、禁煙に役立つ知見を詳しく解説します。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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目次
喫煙と性格の関係を調べた長期研究
研究の目的と方法
この研究の目的は、思春期の性格と成人期の喫煙行動の関連を明らかにすることです。
イギリスで1946年生まれの5,362人を対象に、長期的な追跡調査を行いました。
具体的には、以下の方法で調査が進められました。
- 16歳時に性格検査を実施
- 成人期(20〜53歳)に喫煙状況を調査
- 統計分析で性格と喫煙の関連を検討
つまり、10代の性格がその後の喫煙習慣にどう影響するかを探った研究です。
同じ人を長期間追跡した点が、この研究の大きな特徴です。
得られた結果は、禁煙支援や予防策に役立てられることが期待されています。
16歳時の性格を測定
研究では、まず16歳時の性格を測定しました。
測定には「Maudsley Personality Inventory(MPI)」という尺度が使われました。
この尺度では、以下の2つの次元を測定します。
- 外向性:社交的で刺激を求める傾向
- 情動性:不安やストレスを感じやすい傾向
これらの性格特性は、行動や感情に大きな影響を与えるとされています。
16歳という多感な時期の性格が、その後の喫煙行動とどう関わるのかを探ったのです。
成人期の喫煙状況を追跡調査
性格の測定後、成人期の喫煙状況を6つの時点で追跡しました。
具体的には、以下の年齢で状況を確認しています。
- 20歳・25歳・31歳・36歳・43歳・53歳
各時点で、対象者は以下の3つに分類されました。
- 現在の喫煙者
- 元喫煙者
- 非喫煙者
この追跡調査により、10代の性格と成人後の喫煙習慣の関係を詳しく分析できました。
さらに、年齢によって喫煙傾向がどう変わるかも明らかになっています。
外向的な人はタバコを吸いやすい?
外向性と喫煙の関係
研究の結果、外向的な性格の人はタバコを吸う人になりやすい傾向があることがわかりました。
16歳時に外向性が高かった人ほど、その後の人生で喫煙者になる可能性が高まったのです。
この結果から、以下のような仮説が考えられています。
- 社交的な人はタバコに触れる機会が多い
- 刺激を求める傾向が喫煙につながりやすい
外向的な人は人が集まる場に参加することが多く、タバコとの接触機会も自然と増えます。
また、ニコチンの刺激が外向的な人を引き付ける可能性もあります。
こうした要因が重なり、外向性と喫煙の関係が生まれると推測されます。
社交的な人は喫煙する機会が多い?
外向的な人がタバコを吸いやすい理由の1つは、社交的な場面で喫煙に触れる機会が多いことです。
外向的な人は、パーティーや飲み会など人が集まる場に積極的に参加する傾向があります。
そうした場では、以下のような状況が生まれやすいとされています。
- 周りの多くの人がタバコを吸っている
- 喫煙者から勧められる場面が増える
- 雰囲気に流されて吸ってしまう
社交的な場では、タバコが一種のコミュニケーション手段になることもあります。
一緒に吸うことで仲間意識が生まれ、断りにくい雰囲気が生まれることもあるでしょう。
こうした社会的なプレッシャーが、外向的な人を喫煙へと向かわせる可能性があります。
喫煙の快楽を求める傾向が強い?
外向的な人がタバコを吸いやすいもう1つの理由は、喫煙の快楽を求める傾向が強いことです。
外向的な人は刺激を求める傾向が高いとされており、ニコチンはまさに脳に刺激を与える物質です。
具体的には、以下のような効果があると言われています。
- 多幸感や満足感をもたらす
- ストレスを一時的に緩和する
- 集中力を高める
こうした効果が、刺激を求める外向的な人を引き付ける可能性があります。
一方で、目先の快楽を求めるあまり、長期的な健康リスクが見過ごされがちです。
タバコを吸う人の性格として、こうした快楽追求の傾向は重要な要素の1つとされています。
神経質な人も喫煙リスクが高い
情動性と喫煙の関係
研究の結果、情動性(不安やストレスを感じやすい傾向)が高い人も、タバコを吸いやすい傾向があることがわかりました。
16歳時に情動性が高かった人ほど、その後の人生で喫煙者になる可能性が高まっています。
この結果から、以下のような仮説が考えられています。
- ストレスや不安を紛らわすためにタバコを吸う
- ニコチンの鎮静効果を無意識に求める
情動性が高い人は、ストレスや不安を感じやすいとされています。
喫煙にはストレスを和らげる効果があると感じられやすく、ニコチンへの依存につながりやすいのです。
こうした心理的な要因が、情動性と喫煙の関係を生んでいると推測されます。
ストレスや不安を紛らわすために喫煙?
神経質な人がタバコを吸いやすい理由の1つは、ストレスや不安を紛らわすためです。
情動性が高い人は、ストレスを感じやすく、不安に陥りやすい傾向があります。
喫煙には、以下のようなストレス緩和効果があると感じられやすいとされています。
- 一時的にリラックスできる
- 気分転換になる
- ストレスから一時的に距離を置ける
神経質な人は、こうした効果を求めてタバコを吸い始める可能性があります。
ただし、喫煙はストレスの根本的な解決にはなりません。
一時的な効果しかなく、長期的には健康を損なうリスクがあります。
ニコチンの効果を求める傾向が強い?
神経質な人がタバコを吸いやすいもう1つの理由は、ニコチンの効果を求める傾向が強いことです。
ニコチンには、以下のような効果があると言われています。
- 不安を和らげる
- 集中力を高める
- 覚醒度を上げる
情動性が高い人は、不安を感じたときにニコチンの効果を無意識に求める傾向があります。
また、集中が必要な場面でもニコチンに頼りやすいとされています。
ただし、ニコチンの効果は一時的なものです。
長期的に見ると、かえって不安やストレスを増大させる可能性があります。
神経質な人は、一時的な安らぎを求めるあまり、ニコチン依存に陥りやすいと考えられます。
男性と女性で喫煙傾向に違いが
男性は女性より喫煙者が多い
研究の結果、男性は女性よりも喫煙者が多い傾向があることが明らかになりました。
この傾向は、以下のような要因によると考えられています。
- 男性の方が喫煙を始めやすく、続けやすい傾向がある
- 社会的・文化的な要因が影響している
従来、喫煙は男性的なイメージが強く、始めるハードルが低かったと考えられます。
さらに、職場や社交の場など、社会的な環境も喫煙率に影響していると推測されます。
ニコチン依存に陥りやすい点も、男性の喫煙率が高い要因の1つと見られています。
加齢とともに喫煙率は低下
研究では、年齢が上がるにつれて喫煙率が低下する傾向があることも明らかになりました。
この傾向は、以下のような要因が複合的に作用していると考えられます。
- 健康への意識が高まる
- 結婚・出産・健康診断など禁煙のきっかけが増える
- 社会的な喫煙規制が強まっている
年齢を重ねるほど健康リスクへの意識が高まり、禁煙を決意する人が増える傾向があります。
ただし、喫煙率の低下には個人差も大きく、性格などの要因も影響していると考えられます。
性別による禁煙成功率の違い
研究の結果、男性の方が禁煙に成功しやすい傾向があることも示されました。
この傾向は、以下のような要因によると考えられています。
- ニコチン依存の程度が関係している
- 禁煙の動機づけの違い
- 社会的な支援環境の差
一般的に男性は喫煙量が多く、ニコチン依存の程度が強い傾向があります。
そのため、禁煙の難易度は男性の方が高いとも言われています。
しかし、いったん禁煙に成功した場合、男性の方が再喫煙しにくい傾向があります。
これは、男性の方が禁煙の動機づけが強く維持されやすいことが関係していると推測されます。






