みなさんは将来、どんなキャリアを歩みたいと思いますか?
夢に向かってまっすぐ進む人もいれば、紆余曲折を経ながらも目標を見つける人もいるでしょう。
実は、キャリアの歩み方には、性格特性が大きく影響していることをご存知ですか?
アメリカの研究チームが、731人を対象に10年間に渡って追跡調査を行ったところ、性格特性とキャリアの成功の関係性が明らかになったのです。
この研究結果は、「Personality and Career Success: Concurrent and longitudinal relations」という論文で発表されました。
性格特性によって、収入や仕事満足度が大きく変わってくるという興味深い発見があったようですよ。
みなさんの性格は、将来のキャリアにどんな影響を与えるのでしょうか?
今回は、この研究で明らかになった性格特性とキャリアの関係性を、詳しく解説していきたいと思います。
自分の性格を知ることで、将来のキャリア形成に役立てていただければ幸いです。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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目次
キャリアの成功と性格特性の関係
キャリアの成功には客観的指標と主観的指標がある
この指標には、客観的なものと主観的なものがあります。
客観的な指標は、外から見て分かるものです。
一方、主観的な指標は、本人の内面的な満足感に関わるものです。
キャリアの成功を多面的に捉えるためには、この両方の指標を見ることが大切だと言えるでしょう。
キャリアの成功を測定する際は、以下のような点に注目します。
- 職業的な地位や威信の高さ
- 収入の多さ
- 仕事に対する満足度
これらを総合的に判断することで、そのキャリアの成功度合いがより客観的に評価できるのです。
この記事では、性格特性との関連で、キャリアの成功を読み解いていきましょう。
客観的キャリアの成功の指標には職業的威信と収入がある
客観的なキャリアの成功指標の代表は、職業的威信と収入の高さです。
職業的威信とは、その職業に対する社会的な評価の高さを表します。
一方、収入の多さは、言葉の通り、どれだけ稼いでいるかを示します。
この2つの指標は、外から見たキャリアの成功を測る上で重要な要素と言えるでしょう。
具体的には次のようなことが挙げられます。
- 医師や弁護士など、高度な専門性が求められる職業は威信が高い
- 管理職など、組織内での地位が高い職業も威信が高い
- 一般的に、年収が高いほど、客観的成功度が高いと評価される
このように、職業的威信と収入は密接に関係していると言えます。
客観的なキャリアの成功を知る上で、重要な指標だと覚えておきましょう。
主観的キャリアの成功の指標には仕事満足度がある
主観的なキャリアの成功指標としては、仕事満足度が代表的です。
これは、本人が仕事にどれだけやりがいを感じているかという、主観的な評価です。
客観的な指標とは異なり、外からは見えにくい部分ですが、とても大切な要素です。
仕事満足度が高いと、以下のようなメリットがあると言われています。
- ストレスが少なく、メンタルヘルスが保ちやすい
- モチベーションが高く、パフォーマンスが上がる
- 離職率が下がり、組織への定着度が高まる
反対に、仕事満足度が低いと、バーンアウト(燃え尽き症候群)のリスクも高くなります。
キャリアの成功において、本人の主観的な満足度は、見逃せない要素だと言えるでしょう。
キャリアの成功と性格特性の関係を調べた研究とは
ある研究で、キャリアの成功と性格特性の関係性が調査されました。
この研究では、731人を対象に、10年間に渡って追跡調査が行われました。
具体的には、以下のようなデータが収集されました。
- 5つの性格特性(神経症傾向、外向性、開放性、協調性、誠実性)
- 職業威信、収入、仕事満足度というキャリアの成功指標
そして、これらのデータを用いて、性格特性とキャリアの成功の関係性が分析されたのです。
この研究の特徴は次の通りです。
- 大規模な調査対象者数
- 長期間の追跡調査
- 複数のキャリア成功指標を用いた多角的な分析
この研究は、性格特性がキャリアの成功に与える影響を知る上で、貴重な知見を提供してくれています。
詳しい結果は、これから見ていきましょう。
神経症傾向が低い人ほど収入と仕事満足度が高い
神経症傾向が低い人ほど、収入と仕事満足度が高いことが分かりました。
この神経症傾向とは、不安やストレスを感じやすい性格特性です。
調査の結果、神経症傾向が低い人は、高い人に比べて、以下の特徴があることが明らかになりました。
- 平均的に年収が高い
- 仕事に対する満足度が高い
- 抑うつ傾向が低い
神経症傾向の高さは、情緒不安定さとも関連します。
感情の浮き沈みが激しく、ネガティブな感情を抱えこみやすい傾向があるのです。
これらの結果から、神経症傾向の低さは、キャリアの成功に好影響を与えると考えられます。
ストレス耐性が高く、冷静さを保てる人は、高収入と高い仕事満足度を得やすいと言えそうです。
性格特性の中でも、神経症傾向の低さは、キャリア成功の重要な要因の1つだと言えるでしょう。
誠実性が高い人ほど収入と仕事満足度が高い
誠実性が高い人ほど、収入と仕事満足度が高いという結果も出ています。
これは、勤勉さや几帳面さ、規律正しさなどを表す性格特性です。
この研究で、誠実性の高い人は、以下のような特徴を持つことが分かりました。
- 年収が高い傾向にある
- 仕事満足度が高い傾向にある
- 達成意欲が高い
- 自己規律が高い
誠実性の高い人は、物事に対して真面目に取り組む傾向が強いと言えます。
目標達成のために努力を惜しまず、確実に物事を進めていく性格だと言えるでしょう。
こうした特徴が、高い収入と仕事満足度につながっているのかもしれません。
一方で、誠実性の低い人は、怠惰になりがちで、目標達成への意欲も低くなりがちです。
これでは、高いパフォーマンスを発揮するのは難しいでしょう。
誠実性は、キャリアの成功を左右する重要な性格特性の1つだと考えられます。
外向性はキャリアの初期に収入アップに影響する
外向性の高さは、特にキャリア初期の収入アップに影響することが示唆されました。
これは、社交的で活動的、積極的な性格特性を表します。
この研究では、以下のような外向性の効果が明らかになりました。
- 若いうちに外向性が高いと、10年後の収入が高くなる傾向がある
- ただし、この効果はキャリア中期以降では見られない
外向性の高い人は、人脈を広げるのが得意です。
また、自己主張が強く、積極的に発言できる特徴もあります。
こうした特性は、キャリアの初期段階で役立つのかもしれません。
人脈を生かして良い仕事に就いたり、上司にアピールして昇進したりしやすいのでしょう。
ただし、ある程度キャリアが安定してくると、外向性の効果は弱まるようです。
むしろ、キャリア中期以降は、誠実性など他の性格特性の方が重要になるのかもしれません。
キャリアステージによって、成功に必要な性格特性は変化すると考えられます。
職業的威信の高さと関係する性格特性
抑うつ傾向が低い人ほど威信の高い職業に就きやすい
抑うつ傾向が低い人ほど、威信の高い職業に就きやすいことが分かりました。
これは、気分の落ち込みや喜びの感じにくさを表す性格特性です。
この研究で、抑うつ傾向の低い人は、以下のような特徴があることが示されました。
- 医師や弁護士など、威信の高い職業に就いている割合が高い
- 管理職など、組織内の地位が高いポストに就きやすい
抑うつ傾向が低い人は、前向きな姿勢を保ちやすいと考えられます。
困難な状況でも諦めずに取り組み、高い目標に挑戦し続けられるのでしょう。
こうした特性が、高い職業的威信の獲得につながっているのかもしれません。
また、抑うつ傾向の高い人は、自信を持ちにくく、消極的になりやすいとも言われています。
これでは、高い職業的威信を得るのは難しいと考えられます。
抑うつ傾向の低さは、高い職業的威信の獲得に重要な性格特性だと言えそうです。
ただし、職業的威信は収入ほど性格特性との関連が強くないことも、この研究は示唆しています。
他者への信頼感が高い人ほど威信の高い職業に就きやすい
他者への信頼感が高い人ほど、威信の高い職業に就く傾向があることも分かりました。
この研究で、他者への信頼感が高い人は、以下のような特徴を持つことが示されました。
- 医師や弁護士など、専門性の高い職業に就きやすい
- 管理職など、組織の中核を担う仕事に就きやすい
他者への信頼感は、人と良好な関係を築くのに役立つ性格特性だと考えられます。
相手を信頼し、尊重することで、円滑なコミュニケーションが可能になるのでしょう。
例えば、以下のような効果が期待できます。
- 上司や同僚との良好な関係構築
- 顧客や取引先との信頼関係の構築
- チームワークの向上
こうした人間関係のスキルは、高い職業的威信を得る上で重要だと考えられます。
他者への信頼感の高さは、キャリアアップに欠かせない性格特性の1つと言えるでしょう。
自分の能力への自信が高い人ほど威信の高い職業に就きやすい
自分の能力への自信が高い人ほど、威信の高い職業に就きやすいことも明らかになりました。
自信の高さは、自分の能力を信じ、積極的に行動できる特性だと言えます。
この研究で、自信の高い人は、以下のような特徴を持つことが分かりました。
- 高度な専門スキルを必要とする職業に就きやすい
- 組織のリーダー的立場に就きやすい
自信の高い人は、困難な仕事にも果敢に取り組めるのかもしれません。
失敗を恐れずにチャレンジできる強さが、高い職業的威信の獲得につながるのでしょう。
一方、自信の低い人は、以下のような傾向があると考えられます。
- 失敗を恐れて、難しい仕事に挑戦できない
- 自分の能力を過小評価しがち
- 消極的な態度が目立つ
これでは、高い職業的威信を得るのは難しいですね。
自分の能力への自信の高さは、キャリアアップに重要な性格特性だと言えそうです。
収入の高さと関係する性格特性
神経症傾向が低いほど年収が高い
神経症傾向が低いほど、年収が高くなる傾向があることが分かりました。
これは、ストレスに弱く、不安を感じやすい性格特性です。
この研究で、神経症傾向の低い人は、以下のような特徴があることが示されました。
- 平均的に年収が高い
- 高収入の仕事に就きやすい
神経症傾向が低い人は、冷静さを保ちやすく、ストレス耐性が高いと考えられます。
これらの特性は、以下のようなメリットにつながるのかもしれません。
- 困難な仕事でも動じずに取り組める
- 高い目標を設定でき、粘り強く取り組める
- 交渉ごとでも冷静に対応できる
また、神経症傾向の高い人は、ストレスで思考力が低下しやすいとも言われています。
判断力の低下は、ビジネスチャンスを逃すリスクにもつながりかねません。
神経症傾向の低さは、高年収の獲得に重要な性格特性だと言えるでしょう。
不安や抑うつ、傷つきやすさが低いほど年収アップ
神経症傾向の中でも、不安、抑うつ、傷つきやすさの低さは、年収アップと関連していました。
不安は、先行きの不透明さから生じる心配や恐れを表します。 抑うつは、気分の落ち込みや喜びの感じにくさを意味します。 そして、傷つきやすさは、ストレスに脆弱で、打たれ弱い特性だと言えるでしょう。 これらの特性が低いほど、以下のような効果があると考えられます。
- ストレスに負けない強さ
- 困難からすぐに立ち直れる回復力
- 感情的になりすぎない冷静さ
感情をコントロールでき、常に安定した仕事ぶりを見せられる人は、高年収を得やすいのかもしれません。 不安、抑うつ、傷つきやすさは、年収アップを阻む要因だと言えそうです。 これらの特性を改善することが、収入増加につながる可能性があります。
意欲的で自己主張が強いほど年収アップ
意欲的で自己主張が強いほど、年収が高くなる傾向も明らかになりました。以下のような特徴を持つと考えられます。
- 高い目標を掲げ、積極的に取り組む
- 自分の意見を明確に伝えられる
- リーダーシップを発揮しやすい
こうした特性は、キャリアアップに役立つと考えられます。 例えば、以下のような効果が期待できるでしょう。
- 上司に認められ、昇進しやすい
- プロジェクトの中心メンバーになれる
- 交渉で好条件を引き出せる
意欲的で自己主張が強い人は、高年収の仕事を勝ち取りやすいのかもしれません。 ただし、自己主張が強すぎると、独りよがりな印象を与えるリスクもあります。
バランス感覚を持つことも大切だと言えそうです。 意欲と自己主張力を高めつつ、周りの意見にも耳を傾ける柔軟性を持つことが理想的だと考えられます。
活動的で忙しいことを好む人ほど年収アップ
活動的で忙しいことを好む人ほど、年収が高い傾向にあることも分かりました。 以下のような特徴があると考えられます。
- 常に新しいことにチャレンジする
- 同時に複数の仕事をこなせる
- 体力的にタフで、長時間働ける
こうした特性は、高年収の獲得に役立つのかもしれません。 活動的な人は、以下のようなメリットを得やすいと考えられます。
- 多くの仕事を任される
- 重要なプロジェクトに関われる
- 成果を上げやすく、評価されやすい
忙しいことを厭わない人は、仕事の量をこなせるだけでなく、質も高められると期待できます。 一方、おとなしく、のんびりした性格の人は、高年収を得にくいのかもしれません。
ただし、活動的すぎると、バーンアウトのリスクもあります。 適度な休息を取ることも大切だと言えるでしょう。 活動的な特性を生かしつつ、オン・オフのメリハリを付けることが理想的だと考えられます。
義務感が強く有能感が高いほど年収アップ
義務感が強く、有能感が高い人ほど、年収が高くなる傾向も示されました。
有能感は、自分の能力への自信の高さを表します。
そして、義務感は、仕事上の責任を真摯に果たそうとする意識の強さだと言えるでしょう。 これらの特性は、以下のようなメリットににつながると考えられます。
- 難しい仕事でも自信を持って取り組める
- 責任感が高く、仕事を最後までやり遂げられる
- 上司や同僚からの信頼が厚い
有能感と義務感の高さは、高い成果を生み出す土台になるのかもしれません。 その結果、高年収を得られるチャンスが増えるのでしょう。 一方、有能感が低く、義務感の薄い人は、以下のようなリスクがあります。
- 難しい仕事を避けがち
- 途中で投げ出してしまう
- 周りから信用されにくい これでは、高年収を得るのは難しいと言えそうです。 有能感と義務感を高く持つことが、収入アップのカギを握っているのかもしれません。
高い目標を持ち達成努力する人ほど年収アップ
高い目標を掲げ、達成に向けて努力する人ほど、年収が高くなることも明らかになりました。
以下のようなメリットににつながると考えられます。
- モチベーションが高く維持できる
- 能力の限界に挑戦できる
- 成長意欲が高まる
そして、目標達成のために努力を惜しまないことで、以下の効果が期待できるでしょう。
- 着実に力がつき、成果が上がる
- 周りから認められ、評価が高まる
- より難易度の高い仕事を任される
高い目標を持ち、努力を重ねる人は、高年収を得るチャンスに恵まれやすいと言えそうです。
一方、目標が低く、努力を怠る人は、以下のようなデメリットがあると考えられます。
- 安定志向に陥りやすい
- 現状に満足してしまう
- 成長のチャンスを逃す
これでは、年収アップは望めないかもしれません。 高い目標を持ち、コツコツと努力を重ねることが、高年収の獲得につながると考えられます。 年収アップを目指すなら、壮大な目標を掲げ、全力で取り組むことが大切だと言えるでしょう。
仕事満足度の高さと関係する性格特性
抑うつ傾向や自意識過剰が低いほど仕事満足度アップ
抑うつ傾向や自意識過剰が低いほど、仕事満足度が高まることが分かりました。
この抑うつ傾向は、気分の落ち込みや意欲の低下を表します
一方、自意識過剰は、他者からの評価を気にしすぎる特性だと言えるでしょう。 これらの特性が低いほど、以下のようなメリットが考えられます。
- ポジティブな態度で仕事に臨める
- 失敗を恐れずチャレンジできる
- 他者の評価にとらわれない
抑うつ傾向が低い人は、仕事でも前向きな姿勢を保ちやすいと考えられます。 また、自意識過剰が低い人は、周りの目を気にせず、のびのびと働けるのかもしれません。
その結果、仕事へのやりがいや充実感を感じやすくなるのでしょう。 一方、抑うつ傾向や自意識過剰が高い人は、以下のようなリスクがあります。
- ネガティブな感情に支配されがち
- 失敗を恐れて、消極的になる
- 他者からの評価に一喜一憂する
こうした特性は、仕事満足度を下げる要因になりかねません。 抑うつ傾向と自意識過剰の低さは、仕事満足度の向上に役立つ性格特性だと考えられます。
自己規律や有能感が高いほど仕事満足度アップ
自己規律や有能感が高いほど、仕事満足度が高まる傾向も明らかになりました。
有能感は、自分の能力への自信の高さを意味します。
そして、自己規律は、自分を律し、計画的に行動する特性だと言えるでしょう。 これらの特性が高いほど、以下のようなメリットが考えられます。
- 高い目標を掲げ、着実に成果を上げられる
- スケジュール管理が上手く、効率的に働ける
- 自分の力で困難を乗り越えられる
有能感の高い人は、仕事で成功体験を積みやすいと考えられます。 また、自己規律の高い人は、計画的に仕事を進められるので、ストレスを感じにくいのかもしれません。
こうした特性は、仕事へのやりがいにつながると考えられます。 一方、有能感や自己規律が低い人は、以下のようなリスクがあるでしょう。
- 自分の能力を発揮できない
- だらだらと非効率に働く
- 小さな困難で挫折感を感じる
これでは、仕事から満足感を得るのは難しいと言えそうです。 有能感と自己規律の高さは、仕事満足度を高める重要な性格特性だと考えられます。
自信を持ち、規律正しく働くことが、充実した仕事人生につながるのかもしれません。
若いうちの性格特性とキャリアの関係
若いうちは性格特性もキャリアも変化しやすい時期
性格特性もキャリアも変化しやすい時期が若い時です。
20代や30代前半は、人生の中でも特に変化の大きい時期だと言えるでしょう。
アイデンティティの確立や、社会人としてのスキル習得が進む時期だからです。 この時期の性格特性やキャリアの変化は、以下のような特徴があると考えられます。
- 経験による学びが多く、急速に成長する
- 失敗も多いが、それが糧になる
- 将来の方向性が固まっていく
若いうちの経験は、性格特性やキャリア形成に大きな影響を与えると言えそうです。 例えば、以下のようなことが考えられます。
- 仕事で成功体験を積むと、自信がつく
- 厳しい上司に鍛えられると、忍耐力が身につく
- 良い上司に出会えると、仕事への情熱が芽生える
こうした経験の積み重ねが、性格特性やキャリアを形作っていくのでしょう。 若いうちは、可塑性が高いからこそ、良い影響も悪い影響も受けやすいと言えます。 だからこそ、充実した経験を積むことが大切だと考えられるのです。
若い時の収入の高さが10年後の神経症傾向の低さに影響
若いうちに高い収入を得ていると、10年後の神経症傾向が低くなることが分かりました。
神経症傾向は、ストレスに弱く、不安を感じやすい性格特性です。 若い時の収入の高さが、将来の神経症傾向の低さにつながるメカニズムは以下のように考えられます。
- 経済的な安定が得られ、ストレスが減る
- 自信がつき、前向きな態度が身につく
- 良い環境で働け、充実感を得られる
若いうちから高収入を得られれば、将来への見通しが明るくなるでしょう。 不安が和らぎ、自信を持って前進できるようになると考えられます。 高収入であれば、以下のようなメリットも期待できます。
- ストレス解消につながる趣味に時間とお金を使える
- 良い住環境を得られ、リラックスできる
- 自己投資がしやすく、スキルアップにつながる
若い時の経済的な充実は、心身の健康や人間的な成長の土台になるのかもしれません。 ただし、お金だけが全てではありません。
収入の高さに関わらず、前向きな姿勢を忘れないことが大切だと言えるでしょう。
若いうちの外向性の高さが10年後の収入アップに影響
若いうちに外向性が高いと、10年後の収入アップににつながることも明らかになりました。 外向性は、社交的で活動的な性格特性を表します。 若い時の外向性の高さが、将来の高収入に結び付くメカニズムは以下のように考えられます。
- 人脈が広がり、良い仕事の機会に恵まれる
- 積極性が高く、チャンスを逃さずつかめる
- コミュニケーション力が高く、交渉で良い条件を引き出せる
外向的な若者は、社交の場に積極的に出て行くでしょう。 そこで多くの出会いがあれば、将来の仕事につながる可能性が高まります。
人脈は、キャリアアップの大きな武器になると言えそうです。 また、外向的な人は、以下のような特徴も持つと考えられます。
- 自己アピール力が高く、能力を認めてもらいやすい
- 積極的に仕事を引き受け、経験を積める
- 上司や同僚と良好な関係を築ける
これらの特性は、将来のキャリアアップに役立つと考えられます。 若いうちの外向性の高さは、将来の高収入に影響を与える可能性があるのです。
最後にキャリアまとめ
以上、性格特性とキャリアの成功の関係性について見てきましたが、いかがでしたか?
性格特性は、収入や仕事満足度など、キャリアの様々な側面に影響を及ぼすことが分かりました。
特に、神経症傾向の低さと誠実性の高さは、キャリアを成功に導く鍵となるようです。
また、若いうちの性格特性やキャリアの経験が、将来に大きな影響を与えることも明らかになりました。
ただし、性格特性がすべてを決定づけるわけではありません。
努力次第で、誰もがキャリアを切り拓いていくことができるはずです。
自分の性格の強みを生かしつつ、弱みを克服する努力を重ねることが大切だと言えるでしょう。
みなさんには、自分らしいキャリアを歩んでいってほしいと思います。
時には困難に直面するかもしれませんが、諦めずに前を向いて進んでいってください。
みなさんの個性が、社会で大きく花開くことを心から願っています。
※この記事は以下の本に掲載された論文を参考に執筆しています。
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ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。