職場の人間関係に悩む人は、全体の約7割にのぼるという調査結果があります。
あなたが感じる「なぜこの人とうまくいかないのか」という疑問は、性格の違いで説明できることが多いです。
性格心理学(ビッグファイブ・HEXACO・MBTI)の知見を使えば、対処法が具体的に見えてきます。
この記事では、職場の人間関係がうまくいかない理由と、性格タイプ別にできる科学的な対処法を紹介します。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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職場の人間関係が難しい理由
職場の人間関係が難しいのは、性格の異なる人が同じ空間で長時間を共にするからです。
友人関係なら気の合う人を選べますが、職場ではそれができません。
さらに、成果や評価が絡むため、感情的な摩擦が生まれやすい環境です。
性格心理学では、この摩擦の多くが「性格特性の違い」から生まれると考えられています。
- 価値観の違い:仕事への姿勢や優先順位が根本的に異なる
- コミュニケーションスタイルの違い:話す量・聞く姿勢・報告の仕方が合わない
- ストレス反応の違い:同じ出来事でも感じるプレッシャーの大きさが違う
- 意思決定スタイルの違い:論理優先か感情優先かで意見が衝突しやすい
職場の人間関係のトラブルは「相手が悪い」だけでなく、性格特性のズレが根本にある場合がほとんどです。
この視点を持つだけで、感情的にならずに対処できるようになります。
性格特性と職場の関係
ビッグファイブ理論では、人の性格を5つの特性で測ります。
この5つの特性は、職場でのふるまいや人間関係に深く関わっています。
たとえば、同じプロジェクトでも「誠実性」が高い人と低い人では、仕事への取り組み方がまったく異なります。
お互いの特性を知ることで、なぜすれ違うのかが理解しやすくなります。
| 特性 | 高い人の職場での傾向 | 低い人の職場での傾向 |
|---|---|---|
| 開放性 | 新しいアイデアを出すのが得意 | 安定・手順を重視する |
| 誠実性 | 締め切りや約束を必ず守る | 柔軟だが計画が後回しになりがち |
| 外向性 | 積極的に話し、チームを盛り上げる | 静かに集中して取り組む |
| 協調性 | 他者の意見を尊重し調整が得意 | 自分の主張を通すことを優先しがち |
| 情動性 | ストレスを感じやすく繊細 | 感情が安定していて動じにくい |
ビッグファイブの各特性は、職場での行動パターンに直結します。
自分と相手の特性の組み合わせを意識するだけで、対立の原因が見えやすくなります。
性格タイプ別の対処法4選
職場の人間関係をうまく保つには、相手の性格タイプに合わせたアプローチが有効です。
以下に、よく見られる4つのタイプとその対処法を紹介します。
どのタイプも「悪い性格」ではなく、特性のバランスの違いにすぎません。
① 誠実性が高いタイプへの対処
誠実性が高い人は、ルールや手順をとても大切にします。
このタイプとうまくやるには、報告・連絡・相談を丁寧に行うことが近道です。
- 約束した締め切りを必ず守る
- 変更がある場合は事前に伝える
- 作業の進捗を定期的に報告する
② 外向性が低いタイプへの対処
内向的な同僚は、大勢の前での発言や突然の雑談が苦手な傾向があります。
一対一でゆっくり話す機会を作ると、信頼関係が築きやすくなります。
- 意見を求めるときはメールやチャットを活用する
- 会議では事前にアジェンダを共有する
- 静かに集中できる環境を尊重する
③ 情動性が高いタイプへの対処
情動性が高い人は、ストレスや不安を感じやすい傾向があります。
否定的なフィードバックよりも、肯定的な言葉を先に伝える順番が大切です。
- 批判するときは「改善点」として伝える
- 良い点を具体的に言葉で伝える習慣をつける
- 急な変更は早めに知らせてあげる
④ 協調性が低いタイプへの対処
協調性が低い人は、自分の意見を率直に言う傾向があります。
感情的に対立せず、データや論理で話し合うと意見が通りやすいです。
- 感情論ではなく事実や数字で話す
- 相手の意見の「良い点」を最初に認める
- 共通の目標(チームの成果)を軸にする
4つの対処法はどれも、相手を変えようとするのではなく、自分のアプローチを変えることが出発点です。
性格特性の違いを「個性」として捉えることで、職場の人間関係が少し楽になります。
MBTIで見る職場の相性
MBTIは、16の性格タイプで人の行動パターンを説明するフレームワークです。
MBTIとは、「どこでエネルギーを得るか」「どう情報を処理するか」などの4軸で分類する性格タイプ指標です。
職場での相性を考えるうえで、参考になる視点を提供してくれます。
ただし、MBTIは「絶対的な相性」を決めるものではなく、あくまで傾向として捉えることが重要です。
- 思考型(T)×感情型(F):意思決定の根拠が違うため衝突しやすいが、補完関係になれる
- 判断型(J)×知覚型(P):計画vs柔軟性でズレが生じるが、役割分担で解消できる
- 外向型(E)×内向型(I):会議やチームワークのスタイルが異なる
- 感覚型(S)×直観型(N):具体vs抽象の話し合いで噛み合わないことがある
MBTIのタイプの違いは、職場でのコミュニケーションギャップの原因になりやすいです。
一方で、違うタイプの組み合わせがチームの多様性を生み出し、成果につながることもあります。
自分の性格特性を知ることが第一歩
職場の人間関係を改善するには、まず自分自身の性格特性を理解することが大切です。
研究では、自己認識が高い人ほど対人関係のトラブルが少ない傾向があると示されています。
自分が「協調性が低め」「情動性が高め」と知るだけで、反応の癖を意識できるようになります。
つまり、他者への理解の前に、自己理解が土台になります。
- 自分がストレスを感じるシーン3つを書き出してみる
- ビッグファイブの無料診断を試してみる
- 職場での自分の口癖・行動パターンを振り返る
- 信頼できる同僚に「自分の印象」を聞いてみる
自分の性格特性を知ることは、他者への共感の入り口にもなります。
「なぜ自分がこの人にイライラするのか」を性格の視点で分析すると、感情的な反応を減らせる可能性があります。
よくある質問
職場の人間関係が辛い原因は何ですか?
職場の人間関係が辛い主な原因は、性格特性の違いによるすれ違いです。
ビッグファイブ理論では、誠実性・外向性・協調性などの特性の差が、コミュニケーションギャップを生むと考えられています。
「相手が悪い」ではなく「特性が違う」という視点が、状況改善のヒントになります。
職場の苦手な人との付き合い方は?
苦手な人との付き合い方は、相手の性格タイプに合わせたアプローチが効果的です。
たとえば、誠実性が高い相手には報告・連絡・相談を丁寧に行い、内向的な相手にはメールでの連絡を増やすなど、小さな工夫で関係が改善しやすくなります。
MBTIは職場の相性に使えますか?
MBTIは職場の相性を考える参考として使えます。
思考型と感情型、判断型と知覚型など、軸の違いがコミュニケーションのズレを生みやすい傾向があります。
ただし、MBTIだけで「合う・合わない」を決めるのではなく、行動の傾向を理解するツールとして活用するのが適切です。
ビッグファイブと職場の人間関係の関係は?
ビッグファイブの5つの特性(開放性・誠実性・外向性・協調性・情動性)は、職場での行動パターンに直接影響します。
研究では、協調性と誠実性が高い人ほど職場の人間関係満足度が高い傾向があると示されています。
自分の特性を知ることが、対人関係の改善につながります。
職場の人間関係ストレスを減らすには?
職場の人間関係ストレスを減らすには、まず自己理解を深めることが有効です。
自分がどんな場面でストレスを感じるかを把握し、相手の性格特性を「違い」として受け入れる練習が助けになります。
また、すべての人間関係を良くしようとせず、最低限の協力関係を保つことを目標にするのも現実的な方法です。
内向的な人が職場でうまくやるコツは?
内向的な人が職場でうまくやるには、自分の強みを活かせる場面を増やすことが大切です。
大人数の会議より少人数の会話が得意なら、そちらで積極的に発言する機会を作りましょう。
メールやチャットでのコミュニケーションを活用することで、自分のペースで意見を伝えやすくなります。
上司との人間関係が悪い場合はどうする?
上司との関係が悪い場合、まず上司の性格特性を観察してみましょう。
誠実性が高い上司なら丁寧な報告が信頼につながり、外向性が高い上司なら積極的なコミュニケーションが効果的です。
感情的に対立するのではなく、相手のスタイルに合わせたアプローチを試みることで、関係が改善しやすくなります。

ライター兼監修者:トキワエイスケ
性格心理学研究者 / 株式会社SUNBLAZE 代表
子どもの頃、貧困・虐待家庭・いじめ・不登校・中退など社会問題の当事者として育つ。社会問題を10年間研究し、自由国民社より『悪者図鑑』を出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究し、査読付きジャーナル論文2本掲載(Frontiers in Psychology、IEEE Access)。社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。
専門:性格心理学 / ビッグファイブ / HEXACO / MBTI / 社会問題の予測
研究者プロフィール: ORCID / Google Scholar / ResearchGate
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