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幸せの遺伝要因は30~40%!自分で幸せをつかもう

    幸せの遺伝

    幸せの遺伝って聞くと、ちょっと不思議に思うかもしれません。
    「幸せって自分の努力や考え方で変わるものじゃないの?」と思う人もいるでしょう。
    でも実は、科学の世界では「幸せの感じやすさには遺伝の影響がある」と言われています。

    この記事では、世界中の研究をまとめた論文『Genetics of Wellbeing and Its Components: Satisfaction with Life, Happiness, and Quality of Life』をもとに、幸せと遺伝の関係をわかりやすく紹介します。

    難しい言葉は使わず、高校生でも読める内容でまとめています。
    性格や気分のちがいが、どこまで親からの影響なのか?
    年齢や性別でどう変わるのか?
    そして、遺伝だけでは決まらない「自分でできる工夫」も紹介します。

    自分らしい幸せを見つけたい人に、きっとヒントになる内容です。

    今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
    ※以下のHEXACO-JP診断は個人向けになります。サンブレイズテストは法人向けになります。

    HEXACO性格診断
    サンブレイズテスト

    幸せの遺伝は本当にあるのか?科学が示す証拠

    幸せに関する研究が増えている理由

    近年、幸せの研究が急増しています。

    これは心の健康が社会全体にとって大事だからです。

    たとえば、幸せな人は長生きしやすいことがわかっています。

    さらに、幸せは体の病気にも良い影響を与えることがあります。

    そのため、研究者たちは「どうすれば人はもっと幸せになるのか」と考えるようになりました。

    具体的には、こんな理由で注目されています。

    • 幸せは体と心の健康に関係がある
    • 社会全体の働き方や暮らしにも影響を与える
    • 国や政府も政策づくりに役立てようとしている

    たとえば、国連では「幸せと人生の質」について話し合う会議が開かれました。

    世界保健機関も、幸せは健康の一部として大切だと考えています。

    こうした動きが研究を進める大きな力になっています。

    幸せの研究は、個人の生活だけでなく、国や社会全体にも影響を与える重要な分野です。

    世界各国で使われる「幸せ」の定義とは

    幸せにはさまざまな意味があります。

    どの国でも「幸せ」は大切なこととして考えられています。

    しかし、その言葉のとらえ方は国や人によって違います。

    たとえば、ある国では「心が落ち着いていること」が幸せとされます。

    また別の国では「笑って過ごすこと」が幸せの印かもしれません。

    研究では、次のような形で幸せをとらえています。

    • 「楽しい気持ち」のような感情的な幸せ
    • 「自分の人生に満足している」という気持ち
    • 「意味のある毎日を送っている」という実感

    このように、幸せは1つの形だけではありません。

    また、研究者はこれをわかりやすくまとめるために、感情と考えの両方を見るようにしています。

    世界中で共通するのは、幸せが健康や人間関係と深く結びついていることです。

    幸福感と生活満足度の違い

    幸福感と生活満足度は少し意味が違います。

    どちらも「幸せ」をあらわしますが、見る角度が違います。

    まず、「幸福感」とはその時の気分や気持ちのことです。

    一方、「生活満足度」は自分の人生をどう思っているかを聞きます。

    つまり、次のように分けられます。

    • 幸福感:楽しい、うれしい、気持ちが明るい
    • 生活満足度:今の生活にどれくらい満足しているか

    たとえば、テストに合格してうれしい気持ちは幸福感です。

    でも、学校生活が全体として良いと感じるのは生活満足度です。

    研究では、どちらも大切な「幸せ」の形として調べられています。

    気分のよさだけでなく、人生全体への評価も、幸せをはかるうえで欠かせないのです。

    幸せを測るいろんな方法

    研究では、いろいろな方法で幸せを調べます。

    その中でも一番多く使われているのがアンケートです。

    質問に答えることで、心の状態を数字で表すことができます。

    よく使われる方法には、次のようなものがあります。

    • 1つの質問で答える簡単な方法
    • 5つ以上の質問で、生活の満足度や気分を聞く方法
    • 感情、行動、人間関係など広く調べる方法

    たとえば「あなたは今の人生にどれくらい満足していますか」といった質問が使われます。

    また、「毎日が意味のあるものだと感じますか」と聞くこともあります。

    さらに、信頼性の高い質問紙では答えのブレが少なくなります。

    このような工夫によって、幸せの感じ方を正しく調べることができるのです。

    どんな人が調査に参加しているのか

    幸せの研究では、さまざまな人が対象になっています。

    とくに「双子の研究」が中心になっています。

    双子を使うと、遺伝と環境のちがいを比べることができるからです。

    また、以下のように幅広い人が調査に参加しています。

    • 年齢は14歳から70代まで
    • 男性・女性どちらも対象
    • 家族やきょうだいも含まれることがある

    研究によっては、同じ人を何年も追いかけて調べるものもあります。

    また、親と子、兄弟姉妹の違いもくらべることで、新しい発見が生まれています。

    国ごとのちがいもあるため、複数の国で調べられた研究もあります。

    多くの人が関わることで、より信頼できる結果が出ているのです。

    幸せの遺伝はどれくらい影響するのか

    幸福感の遺伝率は約36%

    幸福感には約36%の遺伝の影響があります。

    これは多くの研究結果から導き出された平均的な数字です。

    双子などのデータをもとに、科学的に計算されています。

    つまり、親から受け継いだ体質や性格が、幸せの感じ方に関係しているのです。

    研究では、約5万6千人のデータが使われました。

    遺伝率とは、「違いのうちどれだけが遺伝で説明できるか」を表します。

    この場合、次のように理解できます。

    • 100人いれば約36人の違いが遺伝による
    • 残りは育った環境や生活の影響

    ただし、36%だからといって、幸せが決まっているわけではありません。

    人の幸せは、遺伝だけでなく、まわりの環境や経験にも左右されます。

    生活満足度の遺伝率は約32%

    生活満足度には約32%の遺伝的影響があります。

    これは幸福感とほぼ同じくらいの割合です。

    研究に使われたのは、約4万8千人分のデータでした。

    この数字も、複数の信頼できる研究から平均を出したものです。

    生活満足度は、自分の人生全体をどう感じているかを測ります。

    主に次のような質問が使われます。

    • 「今の生活に満足していますか?」
    • 「人生は自分の思った通りに進んでいますか?」

    回答を数値にして分析することで、遺伝の割合が計算されます。

    遺伝によって感じやすい傾向はありますが、生活環境が大きく影響することも事実です。

    生活満足度は、環境の力によって十分に変えられるものでもあります。

    幸せの感じ方に個人差が出る理由

    人によって幸せの感じ方が違うのは当たり前です。

    この違いは、いくつかの要素によって生まれます。

    まず、遺伝による違いが関係しています。

    また、育った環境やその人が経験したことも大きな要因です。

    研究からわかっている要素は以下の通りです。

    • 遺伝的な性格の傾向(例:誠実性)
    • 家庭や学校などの生活環境
    • 出会う人や社会との関わり

    たとえば、同じ兄弟でも性格や感じ方が違うことはよくあります。

    それは、遺伝だけでなく、周囲の人との関係や出来事のちがいがあるからです。

    幸せの感じ方には多くの要素がからみ合っていて、それぞれが人ごとの「幸せのかたち」をつくっています。

    遺伝と環境、どちらが強いのか

    遺伝と環境のどちらが大きく影響するかは、簡単には言えません。

    研究では、どちらも重要であることがわかっています。

    たとえば、ある研究では、幸福感の36%が遺伝で、残りの多くが環境とされました。

    つまり、「どちらか一方だけが大事」という考え方は正しくありません。

    実際には、次のような関係になっています。

    • 遺伝は土台となる「感じ方」のもとを作る
    • 環境はその土台の上にどんな人生を積み上げるかに影響する

    たとえば、もともと明るい性格の人でも、つらい環境にいれば幸せを感じにくくなります。

    反対に、落ちこみやすい性格でも、支えてくれる人がいれば前向きになれます。

    幸せは「遺伝だけ」でも「環境だけ」でもなく、その2つの組み合わせで形づくられているのです。

    研究によってバラつきが出る背景

    幸せの遺伝率は研究によって数字が違うことがあります。

    その理由は、いくつかの条件のちがいによって説明できます。

    まず、使われる質問紙や評価の方法が異なることがあります。

    また、調査に参加する人の年齢や国籍も影響を与えます。

    具体的な要因としては、次のようなものがあります。

    • 幸せの定義や測定のしかた
    • 質問の数や種類
    • 調査対象の年齢層や文化

    たとえば、若い人と高齢者では、幸せの感じ方に違いがあります。

    そのため、研究によっては遺伝の影響が大きく出たり、小さく出たりするのです。

    数字に違いがあっても、全体としては「幸せに遺伝が関わっている」という結論は変わりません。

    幸せの遺伝はどんな年齢に関係するのか

    若い人と大人で違いはある?

    若い人と大人では、幸せの感じ方に差があります。

    研究では10代から20代、そして30代以降の大人を対象に調べられています。

    若い人の場合、まだ生活経験が少ないため、環境の影響を受けやすいです。

    一方、大人になると自分で環境を選ぶことが増えます。

    それにより、遺伝の影響が見えやすくなることもあります。

    例えば、オランダの双子調査では次のような結果が出ています。

    • 10代後半の遺伝率は約33%
    • 30代以降の遺伝率も約33%

    つまり、年齢が変わっても遺伝の影響は大きく変わりませんでした。

    それでも環境の力は年齢とともに変わっていきます。

    若い人ほど環境に左右されやすく、大人は自分で幸せを作りやすくなります。

    高齢になるとどう変わるのか

    高齢になると、遺伝の影響が変化する場合があります。

    研究の中には、年を取ることで幸せに対する遺伝の影響が弱まるというものもあります。

    たとえば、スウェーデンの研究では次のような結果がありました。

    • 50代では遺伝の影響がほとんど見られなかった
    • 70代では遺伝率が48%に高まった

    このように、年代によって違う傾向が出るのです。

    理由の1つに、人生経験の積み重ねがあります。

    高齢者は多くの経験を通して、自分なりの幸せを見つけやすくなっているかもしれません。

    また、健康や家族との関係も強く影響します。

    高齢になっても、幸せは変わり続けるものであり、遺伝の影響も一定とは限らないのです。

    思春期や20代の研究データ

    思春期から20代にかけての幸せも、研究で詳しく調べられています。

    この年代は心の変化が大きく、自分を見つめる時期です。

    そのため、幸せをどう感じるかには個人差が出やすいです。

    オランダの若者を対象にした研究では、次のような結果が出ています。

    • 幸福感や生活満足度はやや低め
    • 遺伝の影響は33%前後と安定している

    また、複数の調査では、友人関係や学校生活の満足度が大きく関わっていることが示されました。

    思春期には感情がゆれやすいため、日々の出来事が気分に大きく影響します。

    つまり、次のような環境が重要になります。

    • 支えてくれる大人がいること
    • 自分のことを理解してくれる友達がいること

    この時期は環境が幸せに大きく関わるため、周囲の支えがとても大切です。

    中年期の人に多い傾向

    30代から50代の中年期にも、幸せの研究は行われています。

    この世代は、仕事や家庭、社会の中での役割が多くなる時期です。

    そのため、幸せの感じ方にも特徴があります。

    たとえば、アメリカの研究では次の傾向が見られました。

    • 遺伝の影響は男女ともに約35%前後
    • 生活の安定が幸せを高めている

    この世代では、自分で環境を選ぶ力が高まっていることも影響しています。

    また、人生の目標をどうとらえるかが満足感につながります。

    特に以下のような要素が、幸せの感じ方に関係しています。

    • 仕事の充実度
    • 家庭とのバランス
    • 健康状態

    中年期は、人生の土台が整うことで、遺伝と環境のバランスがとれやすい時期です。

    年齢による遺伝の影響のまとめ

    年齢によって、遺伝の影響が変わることがあります。

    しかし、どの年代にも共通して言えることがあります。

    それは、遺伝は「幸せを感じやすい土台」であり、それだけで決まるわけではないということです。

    研究からわかったことをまとめると、次のようになります。

    • 若年層では環境の影響が大きい
    • 中年期ではバランスがとれやすい
    • 高齢期では経験が幸せの感じ方を左右する

    つまり、人生のどの時期にも、環境を工夫することで幸せは変えられます。

    どんな時でも、自分の選び方や行動が影響するのです。

    年齢に関係なく、幸せはいつでも高めることができる力をもっています。

    幸せの遺伝を理解して人生に活かすヒント

    遺伝だけでは決まらないという事実

    幸せは遺伝だけで決まるものではありません。

    たしかに、遺伝は幸福感に一定の影響を与えます。

    研究では約3〜4割が遺伝によって説明されるとされています。

    しかし、残りの6〜7割は環境や経験、考え方などによるものです。

    つまり、私たちは「自分の選び方」で幸せを高めることができるのです。

    重要なのは、以下のような要素です。

    • 周りの人との関係
    • 日々の過ごし方や習慣
    • 自分の気持ちの受けとめ方

    たとえ親がネガティブな性格でも、自分の工夫しだいでポジティブに変われます。

    遺伝は土台にすぎず、どう生きるかが幸せを左右します。

    自分でできる幸せの増やし方

    幸せは自分の行動によって育てることができます。

    研究では、性格や気質だけでなく、行動が大きなカギを握っていることがわかっています。

    たとえば、以下のようなことが効果的とされています。

    • 感謝の気持ちを持つ
    • 人とのつながりを大切にする
    • 毎日の中で小さな楽しみを見つける

    また、自分の目標に向かって進むことも、満足感を高める要素です。

    日記を書く、笑顔を意識する、誰かに優しくするなど、すぐにできることも多くあります。

    自分の行動が感情を変え、習慣が性格さえも少しずつ変えていきます。

    幸せは、自分でつくっていくことができる「力」なのです。

    幸せのために環境を整えるコツ

    良い環境は、幸せを引き出す大切な要素です。

    遺伝がある程度のベースになるとはいえ、環境の力はとても大きいです。

    そのため、自分に合った環境をつくることが重要です。

    たとえば、次のような工夫があります。

    • 安心できる人と一緒にいる
    • 無理のない生活リズムを守る
    • 自分の好きな場所や空間を大切にする

    また、ストレスの多い環境にいれば、どんな性格でも不安になりやすくなります。

    逆に、自分らしくいられる場所では、落ち着いて過ごせるようになります。

    毎日の「ちょっとした変化」でも、気持ちはぐっと軽くなります。

    環境は、心を支える大事な土台です。自分で選び、整えることができます。

    科学的に正しい幸せとの向き合い方

    幸せを考えるには、科学の視点も大切です。

    思い込みや流行の情報ではなく、データに基づいた知識が役立ちます。

    この論文のように、たくさんの人を対象にした研究は信頼性が高いです。

    科学的な知見を活用することで、次のような行動ができるようになります。

    • 自分に合った方法で幸せを増やす
    • 無理をせず気持ちに寄りそう
    • 長い目で幸せを育てる考え方を持つ

    科学は、「こうすれば必ず幸せになる」と言うわけではありません。

    でも、「どんなことが効果的か」を知るヒントになります。

    データに基づいた理解が、より現実的な幸せを見つける手助けになります。

    幸せの遺伝を知ることで得られる安心感

    「幸せの一部は遺伝」と知ることは、安心にもつながります。

    たとえば、落ちこみやすい自分を「弱い」と思う必要はありません。

    それは、もしかしたらもともとの気質かもしれません。

    でもそれだけで、未来が決まっているわけではありません。

    むしろ、それを知ることで、どう対処するかを考えやすくなります。

    • 自分の特性を知る
    • 無理に変えようとしない
    • 得意なことに目を向ける

    遺伝は変えられませんが、それを知ることで行動は変えられます。

    そして、自分なりの幸せのかたちを見つけることができます。

    幸せの遺伝を理解することは、自分を受け入れる第一歩になります。

    最後に

    「幸せは遺伝で決まる」と聞くと、少し怖く感じるかもしれません。
    でも実際は、遺伝が関わるのはほんの一部で、残りは自分の環境や行動しだいで変えられます。
    つまり、たとえ落ちこみやすい性格だったとしても、友だちとの関係や日々の習慣を工夫すれば、もっと幸せを感じられるようになるのです。

    今回紹介した研究では、幸せの約3〜4割は遺伝によるものとわかりました。
    でもそれは、「自分ではどうにもならない」という意味ではありません。
    むしろ、自分の性格や傾向を知ることで、どうすれば気持ちよく毎日を過ごせるか考えやすくなります。

    幸せは、生まれつきのものではなく「つくっていくもの」です。
    遺伝を知ることで、自分を責めるのではなく、大切にするきっかけにしてください。
    あなたの幸せは、あなたの中にある力で育てることができます。

    tokiwa eisuke

    ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
    株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。