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EQの遺伝は約40%!親の教育からは影響なし!論文を解説

    EQの遺伝

    EQの遺伝について考えたことはありますか?

    EQとは「感情をうまく扱う力」のことで、 人間関係や気持ちの整理に関わるとても大事な力です。

    よく「EQは育てられる」と聞きますが、 本当に努力だけで身につくものなのでしょうか?

    この記事では、「A Behavioral Genetic Study of Trait Emotional Intelligence」という研究論文をもとに、 EQがどれくらい遺伝によって決まるのかをわかりやすく紹介します。

    高校生やその親、双子などを対象にした科学的な調査で、 EQと性格のつながりや、家族の中での似かたなどが明らかになっています。

    「EQは生まれつきなのか、それとも育てられるのか?」 そのヒントがこの研究にはつまっています。

    むずかしい言葉は使わず、若い人でも読みやすいようにまとめているので、 気軽に読んでみてください。

    今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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    EQの遺伝はどれくらい影響するのか?

    EQと性格特性はどんな関係があるの?

    まずEQは性格特性の一つと考えられています。

    つまり、心のやわらかさや人との関わり方などが関係します。

    もともとEQは感情をうまく使う力とされていました。

    ですが最近では、性格の中の一部と見る考え方が主流です。

    研究では、EQと外向性・誠実性・協調性・開放性が関連しています。

    たとえば、他人の気持ちに気づきやすい人は共感力が高いです。

    こうした力は性格と深く関係しています。

    また、EQは頭の良さとは別のものです。

    心の動きを感じる力や、自分を落ち着かせる力が中心です。

    これは知識や学力ではなく、日常でのふるまいに表れます。

    このように、EQは性格の中にある複数の特性が合わさった力です。

    • 他人への共感
    • 自分の感情のコントロール
    • 前向きな気持ちの保ち方

    まとめると、EQは性格と深く結びついた力であり、 気持ちの動きや人との関係をつくる土台になっています。

    EQの得点は親と似ているの?

    親のEQと子どものEQにはある程度の似た傾向があります。

    研究では、親子のEQの点数に弱い相関が見られました。

    とくに母親との間で少し高い相関があったようです。

    これは家族で過ごす時間や話す機会が関係しているかもしれません。

    ただし、その影響はそこまで強くありませんでした。

    相関とは、ある数字の動きが似ていることを表す言葉です。

    たとえば、母親の点が高ければ子どもも高い、というような関係です。

    この研究では、親子のEQの相関は最大でも0.22程度でした。

    つまり、親の影響はあるけれども、 それだけでEQの高さが決まるわけではありません。

    • お母さんとの相関:約0.22
    • お父さんとの相関:約0.14
    • 両親の平均から子への予測:約0.32

    まとめると、親子の間でEQの点はやや似ていますが、 それは一部にすぎず、他の要因も大きく関わっています。

    EQの高さはどのくらい遺伝で決まる?

    EQの約4割は遺伝で説明できることがわかりました。

    これは双子の研究から得られた結果です。

    同じ顔を持つ一卵性双生と、普通の兄弟に近い二卵性双子の違いを見ました。

    その結果、一卵性の方がずっとEQが似ていました。

    この違いから、遺伝がどれくらい影響しているかを調べたのです。

    具体的には、次のような数字が出ました。

    • 下位の要素ごとの遺伝率:約0.42
    • 大きな因子での遺伝率:約0.44
    • EQ全体の遺伝率:約0.42

    この数字は、誠実性や情動性などの性格特性と近い値です。

    つまり、EQは「性格の一部」として自然に考えられるのです。

    まとめると、EQの約半分近くは生まれつき決まっていると考えられます。

    家族の中でEQが似る理由とは?

    家族のEQが似るのは、主に遺伝と環境の影響です。

    とくに親と同じ家に住んでいる子どもは、日々の関わり方からも影響を受けます。

    ですが、研究では「共有環境≒家庭環境」はあまり関係ないとされました。

    つまり、家族全員が同じように暮らしていても、EQは同じになりません。

    その代わり、「個人が経験する特別なこと」(非共有環境)が大きく影響します。

    たとえば、

    • 学校での友人関係
    • 自分だけの成功体験や失敗体験
    • 他人との感情的なやりとり

    こうした一人ひとりの出来事が、EQの成長に関わっているのです。

    まとめると、家族のEQが似るのは一部が遺伝のためであり、 それ以外はその人だけの体験が大きな意味を持っています。

    遺伝の影響はどの年代でも同じ?

    EQに対する遺伝の影響は年代によって変わる可能性があります。

    今回の研究では、若者や大人が対象でした。

    特に高校生や成人が多く含まれていました。

    年齢によって感情の扱い方は変化するため、 遺伝の影響がどの年代にも同じとは限りません。

    また、親と子では成長段階が違います。

    そのため、親子のEQを比べたとき、影響がうまく見えないこともあります。

    それに比べて、同じ年齢の双子で比べると正確な違いが見えやすいです。

    今後は子どもや高齢者など、幅広い年代での研究も必要です。

    まとめると、今のところ遺伝の影響は成人を中心に明らかになっており、 他の年代でも同じかどうかは、今後の研究に期待がかかります。

    EQの遺伝を家族研究から読み解く

    高校生と親のEQを比べた研究とは?

    親と高校生のEQを比べる研究が行われました。

    この研究では、133人の高校生とその親が対象でした。

    対象となった高校生は15歳から19歳で、 そのうち母親122人、父親70人のデータが集まりました。

    参加者は、EQを測るための質問紙に答えました。

    この質問紙は、EQを15の要素と4つの大きな分類、 そして全体の得点に分けて評価するものでした。

    親と子が同じ質問紙に答え、 その結果をもとに似ているかどうかを調べました。

    親子間でどのくらい得点が似ているか、 統計的な方法で比較されました。

    とくに、両親の平均的な得点と子どもの得点を見比べる方法が使われました。

    まとめると、この研究は実際の家族を使って、 EQがどれくらい親から子に似るのかを科学的に調べたものでした。

    親のEQが高いと子も高くなる?

    親のEQが高いと、子どものEQも高くなる傾向があります。

    ただし、その関係は思ったよりも強くありません。

    たとえば、親のEQがとても高い家庭でも、 子どもが必ずしも同じように高いとは限りません。

    研究では、親と子の間のEQの相関は中くらいか、それ以下でした。

    とくに、お父さんと子どもでは相関が0.14、 お母さんと子どもでは0.22と報告されています。

    両親の平均得点を使った場合でも、子どものEQの予測は0.32でした。

    つまり、EQが親からそのまま引き継がれるとは限らないのです。

    このことから、家庭の環境や親のふるまいよりも、 子ども自身の体験や感じ方が大きな影響を持っていると考えられます。

    まとめると、親がEQが高くても、それだけで子のEQも高くなるとは限りません。

    お父さんと子どものEQの関係

    お父さんと子どものEQの関係は弱めでした。

    研究では、父親と子どもの間にあるEQの相関は約0.14でした。

    これは、数字で見るとあまり強いつながりではありません。

    とくに、EQの中でも「感情のコントロール」や「人間関係の力」などで、 父と子の得点があまり一致しない傾向がありました。

    父親のEQが子に与える影響は一部には見られますが、 すべての面で影響があるわけではありません。

    また、父親自身のEQのばらつきも、 子どもとの比較を難しくしている要因の一つです。

    まとめると、お父さんと子どものEQの関係は弱く、 特定の場面でしか似ていない可能性があります。

    お母さんと子どものEQの関係

    お母さんと子どものEQは比較的強くつながっていました。

    この研究では、母親と子どものEQの相関は約0.22と報告されました。

    これは父親よりもやや高い数字です。

    とくに「共感性」や「人間関係の力」の項目で、 母と子の得点が似ている傾向が見られました。

    共有環境(≒家庭環境)の影響は少なく、遺伝の影響と考えると、父親より母親からの遺伝の影響が強いのかもしれません。

    ただし、それでも強い影響とはいえず、 他の要因も大きく関わっていると考えられます。

    まとめると、お母さんと子どものEQには中くらいの関係があり、 特定の感情に関わる力で似やすい傾向があります。

    親子で似やすいEQの特徴とは?

    親子で特に似やすいEQの特徴もいくつかあります。

    この研究では、EQの中でも「自己評価」や「楽観性」などが、 親子で比較的似ていたことがわかりました。

    たとえば、次のような要素です。

    • 自分をどう思っているか(自己肯定感)
    • 前向きな気持ちを持てるか(楽観性)
    • 幸せを感じやすいか(幸福感)

    これらの要素では、母親や父親の得点が高ければ、 子どもも同じように高い場合が多く見られました。

    反対に、「人間関係」や「感情の表現」などは、 あまり親と一致しない傾向がありました。

    つまり、外に向けた行動よりも、 内面の感じ方の方が親に影響されやすいようです。

    まとめると、EQの中でも心の中に関わる力は、 親子で似やすい特徴だといえます。

    EQの遺伝を双子研究で見てみよう

    一卵性双子と二卵性双子の違いは?

    EQの遺伝を調べるには双子の比較がとても役立ちます。

    一卵性双子はまったく同じ遺伝子を持っています。

    一方で、二卵性双子はふつうの兄弟と同じで、遺伝子の半分だけが同じです。

    この違いを利用して、性格や感情の力にどのくらい遺伝が関係しているかを調べられます。

    よくある質問

    EQが低い人でも努力で高めることは可能ですか?

    はい、可能です。EQの約6割は環境や個人の経験によって決まるため、感情の認識練習や他者との関わりを通じてスキルを身につけることでEQを向上させることができます。

    遺伝でEQが決まるなら、親の育て方は関係ないのですか?

    家庭環境の共有要因は影響が小さいことが分かっていますが、個人が経験する具体的な体験や感情的なやりとりはEQ発達に重要な役割を果たしています。

    EQと知能指数(IQ)は関係がありますか?

    EQとIQは別の能力です。EQは感情を扱う力や人間関係のスキルを示し、IQは論理的思考や記憶力を測るため、どちらも大切ですが異なる特性です。

    子どものEQを高めるために親ができることはありますか?

    子どもが様々な感情体験をできる環境作りや、感情を言葉で表現する機会を増やすこと、他者との協調性を育む活動への参加などが効果的です。

    一卵性双子のEQは必ず同じになるのですか?

    一卵性双子でも完全に同じEQにはなりません。遺伝の影響は約4割で、残りの6割は個人の経験や環境によって決まるため、それぞれ異なる発達をします。

    EQの測定方法にはどのようなものがありますか?

    主に質問紙形式のテストが使われ、感情認識、感情調節、共感性、対人関係スキルなどの項目を通じて総合的なEQスコアを算出します。