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愛着の遺伝要因は大人になると約40%!論文を解説

    愛着の遺伝

    「愛着の遺伝」って聞いたことがありますか?

    私たちが人とどう関わるか、そのパターンは生まれつき決まっている部分もあります。

    たとえば、「見捨てられたくない」と不安になったり、「ひとりが楽」と思ったりする気持ち。それは性格だけでなく、遺伝や育ち方の影響を受けているのです。

    今回紹介する論文『Genetics of adult attachment』では、愛着と遺伝の関係が詳しく調べられています。

    「愛着って生まれつき?」「親の育て方で変わる?」「友だちや恋人の影響は?」そんな疑問に答えるため、最新の研究とデータをもとに、わかりやすくまとめました。

    愛着について知ることは、自分自身を理解するヒントにもなります。ぜひ読み進めてみてください。

    今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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    愛着の遺伝が注目される理由

    愛着スタイルとは何か?不安型・回避型の違い

    人は幼いころから特定の人と強い絆を結びます。 この関係の形を「愛着スタイル」といいます。

    代表的なスタイルには次の3つがあります。

    • 安全型:人と親しくなるのが得意
    • 不安型:相手に捨てられる不安が強い
    • 回避型:人と距離を置きたがる

    不安型はいつも相手に気をつかいすぎます。 回避型は助けを求めることが苦手です。

    どのスタイルも生き方や人づきあいに影響します。

    特に不安型と回避型は、心の健康にも関係します。 このため、研究者たちはその仕組みに注目しています。

    愛着スタイルの違いは性格だけでなく、 子どものころの経験や体質にも関係しています。

    それぞれのスタイルがどのようにできるのかを知ることは、 自分や他人との関係を理解するうえで大切です。

    愛着スタイルは生まれつきだけでなく、経験でも変わります。

    愛着は子ども時代の経験だけで決まる?

    まず愛着は子ども時代の親との関係で育まれます。 しかし、大人になるまでに変化することもあります。

    これまで「親の育て方」が一番の要因だと思われてきました。 たとえば、

    • よく話を聞いてくれる親なら安全型
    • 怒りっぽい親だと不安型や回避型になりやすい

    ところが、最近の研究ではそれだけで説明できません。

    たとえば、仲の良い友だちとの関係や、 学校の先生との交流も影響を与えるのです。

    さらに、大人になってからの恋愛や仕事の人間関係でも、 愛着スタイルが変わることがあると分かっています。

    つまり、子ども時代の影響は大きいですが、 その後の経験でも愛着は変化します。

    愛着は育ちだけでなく、その後の人生経験でも形が変わります。

    なぜ今「愛着の遺伝」が研究されているのか

    愛着が遺伝でどれだけ決まるのかが注目されています。

    きっかけは、双子の研究や遺伝子の違いが関係してきたからです。

    以前は、愛着は育てられ方や家庭の環境によると考えられていました。 しかし、同じ家で育った双子でも、 違う愛着スタイルになることがあります。

    そこで、研究者たちは遺伝の影響を調べるようになりました。

    とくに大人になってからの愛着スタイルは、 子ども時代よりも遺伝の影響が大きいとわかってきたのです。

    たとえば、不安型愛着は最大で45%、 回避型愛着は最大で39%が遺伝で説明できるとされています。

    そのため、愛着の遺伝は心理学と生物学の両方から注目されています。

    安全な愛着がもたらす心理的な安定とは

    安全型の愛着は心の安定にとても役立ちます。

    このタイプの人は他人を信じやすく、 困ったときにも助けを求めやすいのが特徴です。

    また、ストレスに強く、落ち込みにくい傾向があります。 いわば「心の回復力」が高いタイプです。

    次のような良い影響が知られています。

    • 人間関係が長続きしやすい
    • 自分の気持ちをうまく伝えられる
    • 不安や怒りをコントロールしやすい

    安全型の人は、相手との距離を上手にとることができます。 それが信頼関係を育て、さらに心を安定させるのです。

    逆に、不安型や回避型の人は、 こうした心の安定を得にくい傾向があります。

    だからこそ、安全型の愛着を育むことが大切なのです。

    不安定な愛着と心の不調のつながり

    不安型や回避型の愛着は心の不調と関係があります。

    たとえば、うつや不安、怒り、孤独などが起きやすくなります。

    特に、不安型の人は、 相手に見捨てられる不安をいつも抱えてしまいます。

    また、回避型の人は、 自分の気持ちを隠してしまうことが多く、 結果として人と深い関係を築けません。

    こうした愛着の特徴は、次のような問題と関係します。

    • 自己評価が低くなる
    • 他人への信頼が持てなくなる
    • 恋愛や友人関係での衝突が増える

    研究では、こうしたスタイルの人が、 心の病気になりやすいことも示されています。

    つまり、不安定な愛着は心の健康に大きな影響を与えるのです。

    愛着の遺伝と性格特性の関係

    性格と愛着のつながりはあるの?

    性格特性と愛着スタイルには関係があります。

    まず性格特性とは、ふだんの考え方や感じ方の傾向です。

    たとえば、情動性が高い人は心配しやすいです。 誠実性が高い人はまじめでコツコツと行動します。

    研究では、不安型愛着と情動性に共通の遺伝的な影響があり、 その重なりは63%にもなると報告されています。

    これは、性格も愛着も共通の体質からできていることを示します。

    また、誠実性と回避型愛着との関係も指摘されています。 誠実性が高い人は、感情をコントロールしやすく、 回避型になりにくい可能性があります。

    このように、性格特性と愛着スタイルは別のものですが、 重なる部分も多く、どちらも生まれ持った傾向が影響しています。

    つまり、性格と愛着は似た部分があり、遺伝がかかわっています。

    情動性が高い人は不安型愛着になりやすい?

    情動性が高いと、不安型の愛着になりやすいです。

    この特性は、感情のゆれが大きく、 不安や怒りなどを感じやすい性格のことです。

    この性格特性は、気持ちの安定に関わるため、 愛着スタイルとも深くつながっています。

    とくに、不安型愛着では次のような特徴があります。

    • 相手に嫌われるのがこわい
    • つい相手に合わせすぎる
    • 離れることに強いストレスを感じる

    研究によると、不安型の愛着と情動性の関係は、 かなり強く、63%が同じ遺伝的な影響だとされています。

    つまり、気持ちが不安定になりやすい体質が、 そのまま愛着の不安にもつながっているのです。

    もちろん、育った環境や人間関係も影響しますが、 もともとの感情の動きやすさも大切な要素です。

    情動性が高い人ほど、不安型の愛着になりやすいと考えられます。

    誠実性と回避型愛着の意外な関係

    誠実性が高い人は回避型になりにくいかもしれません。

    この特性は、まじめで責任感があり、 コツコツと物事をやりとげる性格のことです。

    このような人は、自分の気持ちを落ち着けたり、 まわりの人と良い関係を築いたりする力があります。

    一方、回避型愛着の人は、

    • 人と距離をとりたがる
    • 自分の気持ちを伝えにくい
    • 助けを求めるのが苦手 などの特徴があります。

    研究では、誠実性が高い人ほど、 回避型の傾向が少ないことが示されています。

    その理由として、誠実な人はストレスに強く、 他人に対して信頼を持ちやすいことが関係していると考えられます。

    つまり、誠実性の高さは、愛着の不安や回避をやわらげる力になります。

    誠実な性格がある人ほど、人との関係を避けにくい傾向があるのです。

    同じ家庭でも性格や愛着が違う理由

    兄弟でも性格や愛着が違うのはよくあります。

    たとえ同じ親に育てられていても、 その子どもたちの性格や愛着スタイルは異なることがあります。

    この違いは「非共有環境」と「遺伝」が関係しています。

    非共有環境とは、

    • 友だち関係
    • 学校での経験
    • 親からの接し方のちょっとした違い など、兄弟でも異なる体験をすることです。

    また、それぞれが持つ体質や遺伝の違いも影響します。

    たとえば、同じように怒られても、 落ち込みやすい子と気にしない子がいます。

    こうした個性は、生まれつきの気質のちがいからくるものです。

    つまり、親の育て方だけではなく、 本人がもつ気質や環境も性格や愛着に影響するのです。

    だからこそ、家庭が同じでも、愛着の形は人それぞれなのです。

    性格と愛着に共通する遺伝的な土台

    性格と愛着は、共通の体質からできている部分があります。

    研究によると、不安型愛着と情動性のあいだには、 約6割以上の共通した遺伝的な影響があります。

    このような重なりは、他の性格特性にも見られます。

    つまり、人との関係に対する考え方や感じ方は、 生まれ持った傾向がもとになっている部分があるのです。

    また、遺伝子の違いによって、 気持ちの安定のしやすさや、助けを求める行動にも違いが出ます。

    ただし、こうした体質だけで愛着が決まるわけではありません。

    子ども時代の経験や、大人になってからの恋愛など、 人生の中でいろいろなことが愛着スタイルに影響を与えます。

    それでも、性格と愛着には共通の遺伝的な土台があるとわかっています。

    愛着の遺伝が示された双子研究の結果

    双子研究ってどんなことを調べてるの?

    双子研究は、遺伝と環境の影響を調べる方法です。

    同じ遺伝子を持つ一卵性双子と、 半分だけ遺伝子が同じ二卵性双子を比べます。

    もし一卵性の方が似ている点が多ければ、 遺伝の影響が強いと考えられます。

    逆に、両方の双子で似ていれば、 環境の影響が強いことを意味します。

    この方法は、性格や病気の研究にも使われてきました。

    最近では、愛着スタイルの研究にも活用されています。

    FAQ:愛着の遺伝に関してよくある質問

    愛着スタイルは遺伝で完全に決まってしまうの?

    愛着スタイルは遺伝だけで決まりません。大人の愛着は約40%が遺伝要因ですが、残り60%は環境や経験の影響です。つまり、生まれ持った傾向があっても、人生の経験や関係によって変化することが可能です。

    親の愛着スタイルが子どもにそのまま受け継がれるの?

    親子で同じ愛着スタイルになりやすい傾向はありますが、必ずしも同じになるわけではありません。遺伝の影響もありますが、親の接し方、友人関係、学校での経験なども愛着形成に大きく関わってきます。

    不安型愛着は治せるの?遺伝だから仕方ない?

    不安型愛着は改善できます。遺伝的な傾向があっても、カウンセリングや安定した人間関係の経験を通じて、より安全な愛着スタイルに変化することが可能です。遺伝は運命ではありません。

    子どもの愛着と大人の愛着で遺伝の影響は違うの?

    はい、大きく違います。子どもの愛着は主に親との関係によって形成されるため遺伝の影響は小さめですが、大人になると経験や性格特性の影響が増し、遺伝要因は約40%まで高くなります。

    兄弟姉妹で愛着スタイルが違うのはなぜ?

    同じ家庭でも兄弟姉妹の愛着が違うのは、それぞれの遺伝的個性、生まれた順番、親の接し方の違い、友人関係、学校での体験など、個別の環境要因が異なるためです。

    愛着の遺伝要因を調べる検査はあるの?

    現在のところ、愛着スタイルを直接予測できる遺伝子検査はありません。愛着は複数の遺伝子と環境の複雑な相互作用で決まるため、遺伝子だけから愛着スタイルを正確に判断することは困難です。