性格の遺伝について考えたことはありますか?
私たちの性格は生まれつきのものなのでしょうか、それとも育った環境で決まるのでしょうか。
実は、性格の個人差には、遺伝と環境の両方が関わっていることが明らかになってきました。
最近、世界中の研究者が協力して行ったメタ分析の研究では、性格の遺伝率は平均すると40%程度であることが示されました。
つまり、性格の個人差の40%は遺伝的な要因で説明でき、残りの60%は環境要因の影響だということです。
また、男女で平均的な性格は異なりますが、性格の遺伝率に大きな男女差はないようです。
ただし、遺伝と環境の影響のパターンは、男女で少し異なる可能性が指摘されています。
では、海外と日本の研究結果は一致しているのでしょうか?遺伝と環境の影響力は文化や国によって異なるのでしょうか?
双子や養子の研究から、私たちの性格がどのように形作られるのかを探ってみましょう。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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性格の遺伝と環境の影響
性格の個人差は何によって決まる?
個人差は、遺伝と環境の両方の影響を受けて形成されます。
つまり、私たちの性格は生まれつきの要因と育った環境の要因が組み合わさって決まるのです。
例えば、以下のような要因が性格の個人差に影響を与えると考えられています。
- 遺伝的な要因:親から受け継いだ性格の素質
- 家庭環境:親の養育態度や家庭の雰囲気
- 社会環境:学校や友人関係、文化的背景
これらの要因が複雑に絡み合って、一人一人の独特な性格が形成されていくのです。
また、遺伝と環境の影響力は性格特性によって異なることが分かっています。
例えば、外向性は遺伝の影響が比較的大きいのに対し、協調性は環境の影響を強く受けるという研究結果もあります。
このように、性格の個人差は遺伝と環境の相互作用によって生み出されています。私たちの性格は、生まれもった素質と育った環境が織りなす個性の表れなのです。
遺伝と環境の影響を調べる双生児研究
性格の遺伝と環境の影響力を調べる代表的な方法が、双生児研究です。
双生児研究では、一卵性双生児と二卵性双生児の性格の類似度を比較します。
- 一卵性双生児:受精卵が同じで、遺伝的に同一の双生児
- 二卵性双生児:受精卵が異なり、遺伝的に50%が同じ双生児
一卵性双生児の性格の類似度が二卵性双生児より高ければ、その性格特性には遺伝の影響が大きいと考えられます。
また、別々の環境で育てられた双生児の性格を比べることで、環境の影響力を詳しく調べることもできます。
このように、双生児研究は性格の遺伝と環境の影響力を分析するための強力な方法なのです。
双生児研究によって、私たちは性格の個人差が生まれる仕組みを理解することができるのです。
性格の遺伝率は平均40%程度
世界中の双生児研究を集めて分析したメタ分析によると、性格の遺伝率は平均して40%程度であることが分かっています。
遺伝率とは、ある集団における性格の個人差のうち、遺伝的な差異によって説明できる割合のことです。分かりづらい方は以下をご覧ください。
つまり、私たちの性格の個人差の40%は生まれつきの遺伝的な要因によるものであり、残りの60%は環境要因によるものだということです。
ただし、この遺伝率は性格特性によって異なります。
例えば、以下のような研究結果が報告されています。
- 外向性の遺伝率:40~60%
- 神経症傾向の遺伝率:40~50%
- 開放性の遺伝率:40~60%
このように、性格特性ごとに遺伝の影響力は異なるのです。
また、遺伝率は集団の環境条件によっても変化します。つまり、異なる文化や社会では性格の遺伝率が異なる可能性があるのです。
性格の遺伝率が40%程度であるという知見は、私たちの性格が生まれつきの要因と環境要因の両方に規定されていることを示しています。
遺伝と環境が織りなす個性の表れこそが、私たちの性格なのです。
日本人の性格の遺伝研究
日本人を対象とした双生児研究の結果
代表的な研究として、安藤寿康氏らによる研究があげられます。
この研究では、以下のような性格特性の遺伝率が報告されました。残りは共有環境はなく、非共有環境です。
- 神経症傾向:約45%
- 外向性:約45%
- 開放性:約52%
- 協調性:約35%
- 勤勉性:約52%
それではさらに具体的に解説していきます。
開放性は遺伝の影響が大きい
開放性は、遺伝による影響が半分以上を占めています。
新しい体験やアイデアに興味を持つ特性です。この性格特性の遺伝率は約52%と報告されています。
- 新しいことに挑戦する好奇心
- 芸術への関心や創造性
- 思考の柔軟性
次に、開放性が高い人は、色々な視点から物事を考えることができます。
また、異なる文化や意見に対しても受け入れやすいです。遺伝的要因として、脳の特定の領域が活発に働くことが関連しているとされます。
一方で、環境要因も無視できません。教育や旅行の経験も開放性を高める要素です。
まとめると、開放性は遺伝と環境の双方から影響を受けますが、遺伝の影響が特に大きいです。そのため、この特性は一部遺伝的に決まっていると言えるでしょう。
協調性は他の特性に比べて環境の影響が大きい
協調性は、環境による影響が特に強い性格特性です。
この特性は、他人との調和を重視し、共感や協力を大切にすることを指します。この性格特性の遺伝率は約35%と比較的低いです。
- 他人への配慮や理解
- グループ内での協力性
- 対人関係の調和を重んじる
こうした特性は、家庭環境や学校教育によって大きく形成されます。たとえば、親や教師からの協調を促す指導が影響を与える場合があります。
さらに、友人関係や社会活動も協調性を育む要素です。これらの環境は、個人の対人関係能力を高める役割を持っています。
最終的に、協調性は環境によって大きく左右される性格特性です。そのため、周囲の環境や教育が、この性格を形成する上で重要な役割を果たしています。
誠実性は共有環境の影響が大きい
日本人を対象とした双生児研究では、誠実性や勤勉性といった性格特性は、共有環境の影響が比較的大きいことが示されています。
安藤寿康氏らの研究では、誠実性の遺伝率は約20~30%と推定されました。
つまり、誠実性の個人差の大部分は、環境要因、特に共有環境の影響で説明されるということです。
誠実性は、以下のような特徴を持つ性格特性です。
- 勤勉性:粘り強く、コツコツと努力する
- 規律性:ルールを守り、時間を守る
- 慎重性:よく考えてから行動する
これらの特徴は、家庭や学校での教育、社会的な規範や価値観といった環境要因の影響を強く受けると考えられています。
遺伝的には、以下のような要因が関わっているようです。
- 衝動性の制御:欲求を抑制し、目標に向かって努力する能力
- ストレス耐性:ストレスに打ち勝ち、粘り強く取り組む力
このように、誠実性は環境要因と遺伝要因の両方の影響を受けて形成されるのです。
日本人の誠実性や勤勉性は、共有環境の影響を強く受けていることが明らかになっています。
これらの性格特性を育むには、家庭や学校、社会における教育や経験が重要な役割を果たすと考えられます。
デンマーク人の性格の遺伝研究
デンマークの双子の遺伝研究
この国では、全国規模のデータを用いて、性格の遺伝と環境の影響力が調べられています。
1870年代から現在に至るまでのデンマークの双生児のデータを収集している世界でも有数の大規模なレジストリーです。
このレジストリーを用いた研究では、以下のような手順で性格の遺伝と環境の影響力が分析されました。
- 双生児を対象に、NEO-FFIという性格検査を実施
- 一卵性双生児と二卵性双生児の性格の類似度を比較
- 構造方程式モデリングを用いて、遺伝と環境の影響力を推定
デンマークの双生児レジストリーを用いた研究では、ビッグファイブの各次元に中程度の遺伝率が示されました。
具体的には、以下のような遺伝率が報告されています。
女性の場合 | 遺伝 | 共有環境 | 非共有環境 |
開放性 | 41.9% | 9.7% | 48.4% |
誠実性 | 25.6% | 13.3% | 61.2% |
外向性 | 30.7% | 24.6% | 44.8% |
協調性 | 30.9% | 0% | 69.1% |
神経症傾向 | 14.4% | 26.0% | 59.6% |
男性の場合 | 遺伝 | 共有環境 | 非共有環境 |
開放性 | 49.0% | 0% | 51.0% |
誠実性 | 45.2% | 0% | 54.9% |
外向性 | 50.0% | 0% | 50.0% |
協調性 | 15.4% | 26.6% | 58.1% |
神経症傾向 | 55.8% | 0% | 44.2% |
それではさらに具体的な結果をそれぞれ見てみましょう。
外向性の遺伝率は30~50%
外向性の遺伝率は、研究によって30~50%程度と報告されています。
この特性を一言でいうと、社交的で活発、積極的といった特徴を表す性格特性です。
デンマークの双生児研究では、以下のような外向性の遺伝率が示されました。
- 女性の外向性の遺伝率:30.7%
- 男性の外向性の遺伝率:50.0%
外向性の個人差には、遺伝的な要因が比較的大きな役割を果たしているようです。
ただし、外向性の遺伝率は男女差があり、男性の方が女性よりも遺伝の影響を受けやすい可能性が示唆されています。
また、外向性の発現には環境要因も関与しています。
- 家庭環境:親の養育態度や家庭の雰囲気
- 社会環境:学校や職場、友人関係など
このように、外向性は遺伝と環境の両方の影響を受けて形成されるのです。
外向性の遺伝率は30~50%程度と推定されていますが、性別や文化、社会環境などによって異なる可能性があります。
協調性の遺伝率は15~30%
協調性の遺伝率は、研究によって15~30%程度と報告されています。
この特性を一言でいうと、他者への思いやりや協力的な態度、利他性といった特徴を表す性格特性です。
デンマークの双生児研究では、以下のような協調性の遺伝率が示されました。
- 女性の協調性の遺伝率:30.9%
- 男性の協調性の遺伝率:15.4%
協調性の個人差には、環境要因が比較的大きな役割を果たしているようです。
特に、以下のような環境要因が協調性の発達に影響すると考えられています。
- 家庭環境:親の養育態度や家族関係
- 社会環境:学校や地域社会での人間関係
- 文化的背景:集団主義vs個人主義の文化的価値観
このように、協調性は環境の影響を強く受けて形成されるのです。
ただし、協調性の遺伝率には男女差があり、女性の方が男性よりも遺伝の影響を受けやすい可能性が示唆されています。
協調性の遺伝率は15~30%程度と推定されていますが、性別や文化、社会環境などによって大きく異なる可能性があります。
誠実性の遺伝率は25~45%
誠実性の遺伝率は、研究によって25~45%程度と報告されています。
この特性を一言でいうと、勤勉で規律正しく、信頼できるといった特徴を表す性格特性です。
デンマークの双生児研究では、以下のような誠実性の遺伝率が示されました。
- 女性の誠実性の遺伝率:25.6%
- 男性の誠実性の遺伝率:45.2%
誠実性の個人差には、遺伝と環境の両方が関与しているようです。
特に、以下のような環境要因が誠実性の発達に影響すると考えられています。
- 家庭環境:親の養育態度や教育方針
- 学校環境:学業達成度や教師との関係
- 社会規範:文化や社会における規範意識
このように、誠実性は遺伝と環境の相互作用によって形成されるのです。
また、誠実性の遺伝率には男女差があり、男性の方が女性よりも遺伝の影響を受けやすい可能性が示唆されています。
誠実性の遺伝率は25~45%程度と推定されていますが、性別や文化、社会環境などによって異なる可能性があります。
開放性の遺伝率は41~49%
開放性の遺伝率は、研究によって41~49%程度と報告されています。
この特性を一言でいうと、知的好奇心が強く、新しい経験に開放的といった特徴を表す性格特性です。
デンマークの双生児研究では、以下のような開放性の遺伝率が示されました。
- 女性の開放性の遺伝率:41.9%
- 男性の開放性の遺伝率:49.0%
開放性の個人差には、遺伝的な要因が比較的大きな役割を果たしているようです。
ただし、開放性の発現には環境要因も関与しています。
- 教育環境:学習機会の豊富さや教育方針
- 文化的背景:創造性や独自性を重視する文化か否か
- 社会経済的地位:教育水準や職業、収入など
このように、開放性は遺伝と環境の両方の影響を受けて形成されるのです。
また、開放性の遺伝率には男女差があり、男性の方が女性よりも遺伝の影響を受けやすい可能性が示唆されています。
開放性の遺伝率は41~49%程度と推定されていますが、教育環境や文化、社会経済的地位などによって異なる可能性があります。
神経症傾向の遺伝率は14~56%
神経症傾向の遺伝率は、研究によって14~56%程度と報告されています。
この特性を一言でいうと、不安や抑うつ、情緒不安定といった特徴を表す性格特性です。
デンマークの双生児研究では、以下のような神経症傾向の遺伝率が示されました。
- 女性の神経症傾向の遺伝率:14.4%
- 男性の神経症傾向の遺伝率:55.8%
神経症傾向の個人差には、遺伝と環境の両方が複雑に関与しているようです。
特に、以下のような環境要因が神経症傾向の発現に影響すると考えられています。
- ストレスフルな生活環境:過度のストレスや心理的圧力
- 対人関係:対人葛藤やサポートの欠如
- トラウマ体験:虐待や事故、災害などの心理的外傷
このように、神経症傾向は遺伝素因と環境要因の相互作用によって形成されるのです。
また、神経症傾向の遺伝率には大きな男女差があり、男性の方が女性よりも遺伝の影響を受けやすい可能性が示唆されています。
神経症傾向の遺伝率は14~56%と幅広く推定されていますが、性別やストレス環境、文化などによって大きく異なる可能性があります。
性格の遺伝における男女差
性格の平均値は男女で異なる
つまり、男性と女性では、ある特定の性格特性の強さが平均的に異なるのです。
デンマークの双生児研究では、以下のような性格特性の男女差が報告されました。
- 女性の方が高い特性:協調性
- 男性の方が高い特性:外向性、誠実性、神経症傾向、開放性
ただし、これらの男女差は平均値の差であり、個人差は大きいことに注意が必要です。
性格の男女差は、以下のような要因によって生み出されている可能性があります。
- 生物学的要因:ホルモンや脳の構造・機能の違い
- 社会的要因:ジェンダー・ロールや社会的期待の違い
- 文化的要因:男女の役割や価値観の文化差
このように、性格の男女差は生物学的要因と社会文化的要因が複雑に絡み合って生み出されているのです。
男女の差は一般に小さく、個人差の方が大きいことに留意する必要があります。
これは、生物学的要因と社会文化的要因の複雑な相互作用によって生み出されていると考えられます。
性格の遺伝と環境の影響は男女で異なるパターンを示す
性格の遺伝と環境の影響力は、男女で異なるパターンを示すことがあります。
つまり、ある性格特性の個人差に対する遺伝と環境の相対的な重要性が、男性と女性で異なる可能性があるのです。
デンマークの双生児研究では、以下のような性格の遺伝と環境の影響力の男女差が報告されました。
- 女性のみで共有環境の影響が有意:外向性、誠実性、神経症傾向、開放性
- 男性のみで共有環境の影響が有意:協調性
※共有環境:厳密には違いますが、共有環境はひとまず「家庭環境」だと考えてください。
つまり、外向性、誠実性、神経症傾向、開放性の個人差には、女性では共有環境が重要な役割を果たすのに対し、男性では遺伝の影響が大きいようです。
一方、協調性の個人差には、男性では共有環境が重要な役割を果たすのに対し、女性では遺伝の影響が大きいようです。
このように、性格の遺伝と環境の影響力のパターンには、性別による違いがみられるのです。
ただし、これらの男女差がなぜ生じるのかについては、まだ明らかではありません。
このように、性格の遺伝と環境の影響力のパターンには男女差がみられることがあります。その原因については、さらなる研究が必要とされています。
性格の遺伝と環境の複雑な関係
性格の遺伝率は特性によって異なる
全体で平均すると40%程度であることが明らかになっています。
つまり、性格の個人差の40%は遺伝的要因で説明され、残りの60%は環境要因で説明されるということです。
ただし、この遺伝率は、性格特性によって大きく異なることが示されています。
また、同じ性格特性でも、日本とデンマークで比較したように、国や地域によって遺伝率の推定値には幅があることがわかります。
この背景には、以下のような要因が考えられます。
- 測定尺度の違い:性格特性の測定方法によって、遺伝率の推定値が異なる可能性
- サンプルの特性:年齢や文化的背景などが異なるサンプルでは、遺伝率が異なる可能性
- 環境要因の影響力:遺伝率は、環境要因の影響力の大きさによって変化しうる
したがって、性格の遺伝率は、あくまでも平均的な傾向を表すものであり、個人差や状況差が大きいことに留意が必要です。
それでも、性格の個人差の40%程度が遺伝的要因で説明されるという知見は、性格の理解に重要な示唆を与えてくれます。
性格の遺伝率は平均すると40%程度ですが、特性によって大きく異なることが明らかになっています。
性格の遺伝と環境の影響は文化や国によっても異なる
性格の遺伝と環境の影響力は、文化や国によっても異なる可能性があります。
今回は、多くの研究のメタ分析と、デンマークと日本の性格の遺伝と環境の影響力を紹介しました。
しかし、これらの知見が、他の文化圏や国々にも当てはまるかどうかは、まだ明らかではありません。
文化や国によって、以下のような要因が異なる可能性があるからです。
- 遺伝的背景:人種や民族によって、遺伝的な多様性が異なる
- 環境要因の影響力:教育制度や社会制度、価値観などが異なる
- 性格特性の意味合い:性格特性の捉え方や価値づけが異なる
例えば、集団主義的な文化圏と個人主義的な文化圏では、重視される性格が違うでしょう。
このように、性格の遺伝と環境の影響力を理解するには、文化的な文脈を考慮することが重要です。
ただし、これらの可能性については、まだ十分な研究の蓄積がありません。
性格の遺伝と環境の影響力が文化や国によって異なるかどうかを明らかにするには、さらなる比較文化研究が必要とされています。
性格の個人差を理解するには、遺伝と環境の相互作用を考慮することが重要
性格の個人差を理解するには、遺伝と環境の相互作用を考慮することが重要です。
これまでの研究から、性格の個人差には、遺伝的要因と環境要因の両方が関与していることが明らかになっています。
しかし、遺伝と環境は、独立に影響を及ぼしているわけではありません。
むしろ、遺伝と環境は複雑に絡み合いながら、性格の個人差を生み出しているのです。
例えば、以下のような相互作用が考えられます。
- 遺伝子と環境の相関:特定の遺伝的素因を持つ人は、特定の環境を求める傾向がある
- 遺伝子と環境の交互作用:環境要因の影響力は、遺伝的素因によって異なる
つまり、同じ環境に置かれても、遺伝的素因が異なれば、性格特性の現れ方は異なるのです。
また、同じ遺伝的素因を持っていても、置かれた環境が異なれば、性格特性の現れ方は異なるのです。
このような遺伝と環境の相互作用は、双生児研究や分子遺伝学研究などによって、徐々に明らかになってきています。
しかし、まだ解明されていない部分も多く残されています。
性格の個人差を理解するには、遺伝と環境の影響力を別々に考えるのではなく、その相互作用に目を向けることが重要なのです。
そのためには、心理学、遺伝学、社会科学など、さまざまな分野の知見を統合していく必要があります。
最後に
性格の個人差がどのように生まれるのか、私たちは遺伝と環境の複雑な関係について探ってきました。
遺伝と環境の影響力は、外向性や協調性など、性格の側面によって異なることが明らかになりました。
また、日本とデンマークの研究からは、文化や国によって性格の遺伝と環境の影響力が異なる可能性も示唆されています。
しかし、私たちの性格は、遺伝と環境が別々に影響を及ぼしているわけではありません。
遺伝子と環境の相関や交互作用を通じて、両者は複雑に絡み合いながら、一人一人の個性を作り上げているのです。
だからこそ、性格の個人差を理解するには、遺伝と環境の相互作用に目を向けることが重要なのです。
性格は、生まれもった素質と育った環境が織りなす、かけがえのない個性の表れです。
遺伝と環境の複雑な関係を探求することで、私たち一人一人の個性を理解する手がかりが得られるかもしれません。
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ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。