誠実性のデメリットって本当にあるのでしょうか。
テスト前に計画を立て、締め切りを守り、約束もきちんと守る。
そんな「まじめでコツコツ型」の人は、周りから信頼されやすいですよね。
実際、学校やアルバイトでも「誠実な人=安心できる人」と思われがちです。
従来は、誠実性が高いほど成果も高まり、問題は起こりにくいと考えられてきました。
しかし近年の研究では、誠実性が「高すぎる」場合、逆に不利になる可能性が示されています。
いわゆる「行き過ぎ効果」と呼ばれる現象です。
良い性格でも、強まりすぎると負担やトラブルにつながることがあるのです。
このテーマを詳しく調べたのが、
「Exploring the Dark side of conscientiousness: The relationship between conscientiousness and its potential derailers: perfectionism and narcissism」という論文です。
Thomas InternationalとNorwegian Business School(BI Norwegian Business School)の研究者らが行い、
『Current Psychology』に2023年に掲載されました。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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目次
誠実性のデメリットは「高すぎると逆効果」になり得る
行き過ぎ効果とは「良い性格でも盛りすぎ注意」
いちばん大切なのは、良い性格も高すぎると逆効果になり得るという点です。
まず、行き過ぎ効果とは何でしょうか。
これは、良い特性でも強すぎると不利になる現象です。
たとえば、まじめさが極端に強い場合です。
研究では、誠実性と成果の相関は約0.20から0.30と示されています。
しかし、それは中くらいまでの話です。
もしあなたが常に100点を目指す人ならどうでしょう。
80点でも十分な場面で、さらに時間を使うかもしれません。
その結果、次の仕事が遅れる可能性があります。
- 中程度までは成果にプラス
- 極端に高いと効率が落ちる
- 周囲とのバランスも崩れやすい
つまり、誠実性は大切です。
しかし、強ければ強いほど良いとは限りません。
適度さが鍵になると考えられます。
まとめると、行き過ぎ効果とは、良い性格でもやりすぎると逆にマイナスになる可能性があるという考え方です。
業績は一直線じゃない「曲線的に頭打ち」
成果は一直線に伸びるわけではないという点が重要です。
誠実性と業績の関係は曲線的と報告されています。
曲線的とは、山の形のような関係です。
中くらいまでは上がります。
しかし、ある点で頭打ちになります。
さらに高まると下がる場合もあります。
もしあなたが部活の主将ならどうでしょう。
練習計画を完璧に立てます。
けれども細かく決めすぎると自由がなくなります。
その結果、部員のやる気が落ちるかもしれません。
研究では、組織市民行動や逆機能的行動とも関連するとされています。
逆機能的行動とは、職場に悪い影響を与える行動です。
- 中程度で最も安定
- 高すぎると周囲と摩擦
- 柔軟性が下がる恐れ
つまり、成果は一直線ではありません。
バランスが取れた状態が最も効果的と考えられます。
まとめると、誠実性は高いほど良いとは限らず、ほどほどが最も成果を生みやすい可能性があります。
やりすぎるほど「うまくいかない」場面がある
やりすぎが失敗につながる場面もあることが大切です。
誠実性が非常に高い人は細部にこだわります。
それ自体は長所です。
しかし、状況次第では問題になります。
たとえば、急ぎの課題が3つあるとします。
もしあなたが全部を完璧に仕上げようとしたらどうでしょう。
締め切りに間に合わない可能性があります。
研究では、極端な誠実性が逆機能的行動と関連する場合もあると示されています。
逆機能的行動とは、欠勤や対人トラブルなどです。
まじめな人でも、強いストレスで崩れることがあります。
- 完璧を求めすぎる
- 他人にも同じ水準を求める
- 自分を追い込みすぎる
このような傾向が重なると、うまくいかない場面が生まれます。
強みが弱みに変わる瞬間があるのです。
まとめると、誠実性は状況によっては裏目に出ることがあり、場面ごとの使い分けが大切です。
誠実性を”やる気の代わり”にすると見落とす点
誠実性をやる気そのものと考えるのは注意が必要です。
研究では、誠実性はやる気の代わりに使われることがあります。
しかし、これは単純化しすぎです。
もしあなたが面接官ならどうでしょう。
まじめそうな人を選びたくなるかもしれません。
けれども、やる気や創造性は別の要素です。
誠実性が高すぎると学習が阻害される場合もあります。
自己欺瞞という現象が関わります。
自己欺瞞とは、自分を過大評価することです。
その結果、成長の機会を逃すことがあります。
- 誠実性は重要
- しかし他の性格も大切
- 環境との相性も考える
つまり、誠実性だけでやる気を判断すると見落としが出ます。
多面的な視点が必要です。
まとめると、誠実性は大切ですが、それだけで人の力を測ると誤解が生まれる可能性があります。
誠実性だけで人を選ぶリスク
誠実性だけを基準に人を選ぶのは危険です。
研究では、716人の社会人を対象に分析が行われました。
その結果、誠実性だけでは説明できない点が示されました。
もしあなたが会社の採用担当ならどうでしょう。
まじめさだけを重視するとします。
しかし、外向性や上司との関係も重要です。
それらが低い場合、不適応な完璧主義が強まる可能性があります。
また、失業時には人生満足度が下がりやすいとも報告されています。
仕事への価値が強いほど影響が大きいのです。
- 性格は組み合わせが大切
- 環境との相互作用がある
- 単独評価は偏りやすい
このように、誠実性は強みです。
しかし、単独で判断するのは不十分です。
まとめると、誠実性だけを重視した選抜は、見えないリスクを抱える可能性があり、総合的な評価が求められます。
誠実性のデメリットは「組織にとっての損」につながること
逆機能的行動(CWB)ってなに?(欠勤・攻撃・窃盗など)
まず重要なのは、誠実性が高くても組織に損が出る行動があり得るという点です。
逆機能的行動とは何でしょうか。
これは職場に悪い影響を与える行動のことです。
研究では、欠勤や努力をわざと減らす行為が含まれます。
さらに、対人攻撃や物を持ち出す行為も含まれます。
たとえば、あなたが文化祭の準備をしているとします。
強いストレスが続いたらどうでしょう。
急にやる気が落ちるかもしれません。
あるいは周囲にきつく当たるかもしれません。
- 欠勤や遅刻
- 協力しない態度
- 対人トラブル
これらが逆機能的行動です。
研究では、誠実性とこれらの行動は単純な関係ではないと示されています。
まとめると、逆機能的行動とは職場に害を与える行動であり、誠実性が高い人でも状況次第で起こり得ます。
誠実性が高いのにCWB?起こり得る理由
次に大切なのは、誠実な人でも崩れることがあるという現実です。
一見すると矛盾に思えます。
しかし、研究では曲線的な関係が示されています。
つまり、中くらいまでは良い影響です。
ところが、極端に高い場合は逆転することがあります。
もしあなたが毎日100点を求める人ならどうでしょう。
小さな失敗でも強く自分を責めるかもしれません。
その積み重ねが強いストレスになります。
その結果、突然やる気が切れる可能性があります。
- 完璧を求めすぎる
- 他人にも同じ基準を求める
- 柔軟に妥協できない
これらが重なると逆機能的行動につながる恐れがあります。
まとめると、誠実性が高い人でも、過度な負担や硬直性が重なると逆機能的行動が生じる可能性があります。
職場の成果・助け合い(OCB)とも”曲線”で関係する
成果や助け合いも、誠実性が高すぎると頭打ちになる点が重要です。
研究では、職務成果や助け合い行動とも曲線的関係が報告されています。
助け合い行動とは、自分の役割以上に周囲を助ける行動です。
もしあなたがクラスのまとめ役ならどうでしょう。
中くらいのまじめさなら皆を支えられます。
しかし、やりすぎると細かく指示しすぎるかもしれません。
その結果、仲間の自主性が下がることもあります。
- 中程度で最も安定
- 高すぎると干渉が増える
- 周囲の自由度が下がる
このように、成果も助け合いも直線ではありません。
まとめると、誠実性は適度な水準で最も効果を発揮し、過度になると逆に組織の力を弱める可能性があります。
がんばり屋ほど「我慢→爆発」にならないために
誠実な人ほど我慢をため込みやすい点に注意が必要です。
まじめな人は責任感が強いです。
そのため、不満を口に出しにくい傾向があります。
もしあなたがアルバイトで多くの仕事を任されたらどうでしょう。
断らずに全部引き受けるかもしれません。
しかし、限界を超えると急に疲れが出ます。
その結果、突然辞めてしまうこともあります。
研究では、仕事が人生の中心になりやすい人は、失業時に満足度が下がると示されています。
- 抱え込みすぎない
- 相談する習慣を持つ
- 完璧でなくても良いと考える
これらが予防になります。
まとめると、がんばり屋ほど限界を超えやすいため、早めの調整と対話が大切になります。
採用・評価で「誠実性だけ」を見ない工夫
最後に重要なのは、誠実性だけで人を評価しないことです。
研究では、誠実性は成果と約0.20から0.30の相関があると報告されています。
しかし、それだけでは十分ではありません。
もしあなたが部長ならどうでしょう。
まじめさだけで選ぶとします。
けれども、外向性や上司との関係も影響します。
それらが低いと、不適応な完璧主義が強まる可能性があります。
- 複数の性格を確認する
- 環境との相性を見る
- 定期的にフィードバックを行う
こうした工夫が必要です。
まとめると、誠実性は大切な資質ですが、単独評価では組織に思わぬ損を生む可能性があり、総合的な視点が求められます。
誠実性のデメリットは「学びにくさ・変化しづらさ」として出る
学習の阻害:自己欺瞞や自信のズレが学びを止める
大切なのは、誠実性が高すぎると学びが止まる可能性がある点です。
研究では、誠実性が強い人は自信も強くなりやすいと指摘されています。
しかし、その自信がズレることがあります。
これを自己欺瞞といいます。
自己欺瞞とは、自分を実際より高く見積もることです。
もしあなたがテストで80点を取ったとします。
本当は復習が必要なのに、十分だと思うかもしれません。
すると、次の準備をしなくなる可能性があります。
- 自分はもう十分と思う
- 他人の助言を聞きにくい
- 失敗を外のせいにする
こうした傾向が重なると、学びが止まります。
研究では、学習の妨げになる場合があると報告されています。
まとめると、強い誠実性が自信のズレを生み、結果として成長の機会を減らす可能性があります。
硬直化:まじめさが「融通の利かなさ」に変わる
重要な点は、誠実性が高すぎると柔軟性が失われる可能性があることです。
まじめな人はルールを守ります。
これは基本的に良いことです。
しかし、例外的な状況でも変更できない場合があります。
研究では、極端に高い誠実性が適応力を下げると報告されています。
もしあなたが委員会のリーダーならどうでしょう。
決めた計画を必ず守ろうとします。
けれども、天候が変わっても変更しないかもしれません。
その結果、全体がうまくいかない可能性があります。
- ルールに固執しすぎる
- 状況の変化に対応しにくい
- 創造的な解決法が思いつかない
このように、まじめさが融通の利かなさに変わることがあります。
研究では、変化への適応力が下がると指摘されています。
まとめると、高すぎる誠実性は硬直化を招き、新しい状況への対応力を弱める恐れがあります。
よくある質問(FAQ)
誠実性のデメリットとは具体的に何ですか?
誠実性のデメリットは「行き過ぎ効果」として現れます。高すぎると完璧主義になり、効率が下がったり、周囲との摩擦を生んだりする可能性があります。
誠実性が高いと必ず成果も上がりますか?
研究では、誠実性と成果の関係は曲線的であることが示されています。中程度までは成果が上がりますが、極端に高いと逆に頭打ちになることがあります。
まじめな人ほど逆機能的行動を取るのはなぜですか?
完璧を求めすぎて強いストレスを抱え、我慢の限界を超えると突然やる気が切れたり、周囲に当たったりする可能性があるためです。
誠実性が学習を阻害するとはどういう意味ですか?
自己欺瞞により、自分を実際より高く評価してしまい、改善の必要性を感じなくなることがあります。その結果、成長の機会を逃しやすくなります。
採用で誠実性だけを重視するのは危険ですか?
はい。外向性や環境との相性も重要です。誠実性だけで判断すると、不適応な完璧主義や硬直性を見落とす可能性があります。
誠実性の適度なレベルとはどの程度ですか?
研究では中程度が最も効果的とされています。責任感を持ちつつ、状況に応じて柔軟に対応できるバランスの取れた状態が理想的です。








