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オンライン学習で成果を出しやすい性格は?科学的に解説

    オンライン学習

    オンライン学習は、私たちにとって身近な存在になりつつあります。

    特に、新型コロナウイルスの影響で、多くの学校が一時的に休校となり、自宅でのオンライン学習が急速に広まりました。

    しかし、オンライン学習に対する満足度や効果は、人によって大きく異なるようです。

    実は、その違いには、性格が関係しているかもしれません。

    台湾の研究チームが行った「The impact of personality on students’ perceptions towards online learning」という研究では、性格特性がオンライン学習の認識に与える影響を調査しました。

    この研究では、外向性、協調性、誠実性、神経症傾向、開放性という5つの性格特性に着目し、それぞれがオンライン学習の様々な側面とどのように関連しているかを明らかにしています。

    この記事では、その研究結果を基に、性格特性とオンライン学習の関係について詳しく解説していきます。

    自分の性格を理解することで、より効果的に進められるかもしれません。

    また、性格特性に合わせた学習の設計や改善の方法についても考えていきたいと思います。

    オンライン学習と性格特性の関係

    研究の目的と方法

    この研究の目的は、性格特性がオンライン学習に対する学生の認識にどのような影響を与えるかを調査することです。
    研究には、台湾の大学生208名が参加しました。
    参加者の年齢は18歳から45歳で、平均年齢は25.45歳でした。
    学部生、修士課程、博士課程の学生が含まれていました。
    性格特性とオンライン学習の認識を測定するために、以下の2つの質問紙を使用しました。

    • Mini-International Personality Item Pool (Mini-IPIP)
    • Perception of Students Towards Online Learning (POSTOL)

    研究では、性格特性がオンライン学習の認識に与える影響を明らかにするために、階層的回帰分析を行いました。
    この分析により、各性格特性がオンライン学習の認識にどのように関連しているかを調べました。

    参加者の属性

    研究に参加したのは、台湾の大学生208名でした。
    男性は96名、女性は112名でした。
    参加者の年齢は18歳から45歳で、平均年齢は25.45歳でした。
    学年は以下の通りでした。

    • 学部生: 46.2%
    • 修士課程の学生: 45.7%
    • 博士課程の学生: 8.2%

    参加者は全員、過去にオンライン講座を受講した経験がありました。
    このように、研究には様々な属性の学生が含まれており、オンライン学習経験のある学生を対象としていました。
    参加者の多様性により、性格特性とオンライン学習の認識の関係を幅広く調査することができました。

    性格特性の測定方法

    性格特性を測定するために、Mini-International Personality Item Pool (Mini-IPIP)という質問紙を使用しました。
    Mini-IPIPは、以下の5つの性格特性を測定する20項目で構成されています。

    • 外向性
    • 協調性
    • 誠実性
    • 神経症傾向
    • 開放性

    参加者は、各項目について5段階のリッカート尺度で回答しました。
    尺度は、1(強く同意する)から5(強く同意しない)までの範囲でした。
    Mini-IPIPは、性格特性を簡潔かつ効果的に測定できる尺度として知られています。
    この尺度を使用することで、参加者の性格特性を的確に捉えることができました。
    Mini-IPIPにより、性格特性とオンライン学習の認識の関係を探るための基礎データが得られました。

    オンライン学習の認識の測定方法

    オンライン学習に対する学生の認識を測定するために、Perception of Students Towards Online Learning (POSTOL)という質問紙を使用しました。
    POSTOLは、以下の4つの次元から構成されています。

    • 教員の特性
    • 社会的存在感
    • 教育設計
    • 信頼

    参加者は、各項目について5段階のリッカート尺度で回答しました。
    POSTOLは、オンライン学習の重要な側面を捉えるために開発された尺度です。
    この尺度を使用することで、学生がオンライン学習をどのように認識しているかを多角的に評価することができました。

    性格特性がオンライン学習の認識に与える影響

    外向性の影響

    外向性は、社会的存在感と負の関連がありました。

    つまり、外向性が高い学生は、オンライン学習における社会的な側面をあまり重視しない傾向があります。

    外向性の高い学生は、対面でのコミュニケーションを好む傾向があるため、オンライン上での交流には消極的になる可能性があります。

    一方、外向性が低い学生は、オンライン学習での社会的な関わりを重視する傾向があります。

    外向性の影響は、オンライン学習の認識の中でも特に社会的存在感の側面に現れることが明らかになりました。

    外向性の高低により、オンライン学習での社会的な関わり方が異なることが示唆されました。

    協調性の影響

    協調性は、教員の特性、社会的存在感、教育設計と正の関連がありました。
    つまり、協調性が高い学生は、オンライン学習におけるこれらの側面を重視する傾向があります。
    協調性の高い学生は、以下のような傾向があると考えられます。

    • 教員からの支援や励ましを求める
    • オンライン上での他者との協力や交流を大切にする
    • 体系的で分かりやすい教育設計を好む

    この特性が高い学生は、オンライン学習においても他者との関わりを大切にし、サポートを求める傾向があるようです。
    協調性の影響は、オンライン学習の多様な側面に及ぶことが明らかになりました。

    誠実性の影響

    誠実性は、教員の特性、社会的存在感、教育設計と正の関連がありました。
    つまり、誠実性が高い学生は、オンライン学習におけるこれらの側面を重視する傾向があります。
    誠実性の高い学生は、以下のような特徴があると考えられます。

    • 教員の指導や助言を真剣に受け止める
    • オンライン上での対話や協働を大切にする
    • 整理された教材や明確な課題を好む

    この特性の高い学生は、真面目に取り組み、着実に学習を進めていく傾向があるようです。
    誠実性は、オンライン学習の様々な側面に好影響を与えることが示されました。

    神経症傾向の影響

    神経症傾向は、教員の特性と正の関連、信頼と負の関連がありました。
    つまり、神経症傾向が高い学生は、教員の特性を重視する一方、オンライン学習に対する信頼は低い傾向があります。
    神経症傾向の高い学生は、以下のような特徴があると考えられます。

    • 教員からの手厚いサポートを必要とする
    • オンライン学習に不安を感じやすい
    • オンライン学習の効果に疑問を持ちやすい

    神経症傾向の高い学生は、不安や懸念を抱きやすく、教員のサポートを強く求める傾向があるようです。

    開放性の影響

    開放性は、教員の特性、社会的存在感、教育設計、信頼のすべてと正の関連がありました。
    つまり、開放性が高い学生は、オンライン学習のあらゆる側面を重視する傾向があります。
    この特性の高い学生は、以下のような特徴があると考えられます。

    • 教員との積極的な交流を求める
    • オンライン上での多様な意見交換を楽しむ
    • 新しい学習方法や教材に興味を持つ
    • オンライン学習の可能性を信じている

    開放性の高い学生は、前向きに取り組み、様々な学びの機会を求める傾向があるようです。
    開放性は、オンライン学習の認識に幅広く好影響を与えることが示されました。

    オンライン学習の認識を構成する要素

    教員の特性

    教員の特性は、オンライン学習の認識において重要な要素の1つです。
    学生は、以下のような教員の特性を重視しています。

    • 学生に対する思いやりと助けになる態度
    • 学生のニーズに合わせた柔軟な対応
    • 十分な学習リソースの提供

    教員が学生に寄り添い、サポートを提供することは、学習の効果を高める上で不可欠です。
    また、教員自身がオンライン学習に積極的に関与することも重要だと考えられています。

    社会的存在感

    社会的存在感は、オンライン学習における学生の認識を形作る重要な要素です。
    以下のような側面を含んでいます。

    • オンライン上でのコミュニティ意識
    • 他の学生や教員との交流やつながり
    • オンライン学習環境への没入感

    オンライン学習では、対面での交流が限られるため、社会的存在感を高めることが重要だと考えられています。
    学生同士の知識共有や議論を促進することで、社会的存在感を高めることができます。

    教育設計

    教育設計は、オンライン学習の質を左右する重要な要素です。
    以下のような側面が含まれます。

    • 学習目標の明確化
    • 適切な教授戦略の選択
    • 学習教材やメディアの選定
    • 評価方法の設計

    学習者の特性や文化的背景を考慮した教育設計が求められます。
    体系的で分かりやすい教育設計は、学生の学習意欲や理解度を高める上で重要です。
    教育設計は、学習の効果や学生の認識に直接的な影響を与える要素であることが明らかになりました。

    信頼

    信頼は、オンライン学習に対する学生の認識を形成する上で重要な要素です。
    これには、以下のような側面が含まれます。

    • オンライン学習の効果や価値に対する信念
    • 学習環境の安全性や信頼性
    • 教員や他の学生に対する信頼感

    オンライン学習では、対面での交流が限られるため、信頼関係の構築が重要だと考えられています。
    信頼は、オンライン学習への参加や継続、学習成果に影響を与える可能性があります。

    性格特性に合わせたオンライン学習の設計

    学習者の性格特性の把握

    オンライン学習を効果的に設計するためには、学習者の性格特性を把握することが重要です。
    性格特性は、学習者の認識や行動に影響を与えるため、性格特性を理解することが不可欠です。
    性格特性を把握するために、以下のような方法が考えられます。

    • 標準化された性格検査の実施
    • 学習者へのアンケートやインタビュー
    • 学習行動や成果の分析

    学習者の性格特性を適切に把握することで、個々の学習者に合わせたオンライン学習の設計が可能になります。
    性格特性の理解は、オンライン学習の効果を高め、学習者の満足度を向上させる上で重要な役割を果たすことが明らかになりました。

    幅広い性格に対応するオンライン学習コース設計

    学習のコースは、幅広い性格の学習者に対応できるように設計することが重要です。
    学習者の性格特性は多様であるため、特定の性格特性に偏ったコース設計は避けるべきです。
    幅広い性格に対応するコース設計には、以下のような工夫が考えられます。

    • 多様な学習活動や教材の提供
    • 学習者の選択肢や自主性の尊重
    • 個別の学習支援やフィードバックの充実

    性格特性の違いを考慮し、柔軟で包括的なコース設計を行うことで、より多くの学習者のニーズに応えることができます。
    幅広い性格に対応するコース設計は、学習の効果を高め、学習者の満足度を向上させる上で重要な役割を果たすことが示されました。

    アダプティブな学習モデルの導入

    学習者の性格特性に合わせて、アダプティブな学習モデルを導入することが効果的です。
    アダプティブな学習モデルとは、学習者の特性や進捗状況に応じて、学習内容や方法を適応的に調整する仕組みです。
    アダプティブな学習モデルには、以下のような利点があります。

    • 学習者の個別ニーズに対応できる
    • 学習者の強みを生かし、弱点を補強できる
    • 学習者の動機づけや関与を高められる

    性格特性に基づいてアダプティブな学習モデルを設計することで、オンライン学習の効果をさらに高めることができます。

    アダプティブな学習モデルの導入は、オンライン学習における個別化と最適化を実現する上で重要な役割を果たすことが明らかになりました。

    オンライン学習の改善と学習者の満足度向上

    修了率の向上

    性格特性に合わせたオンライン学習の設計は、修了率の向上につながります。 学習者の性格特性を考慮したコース設計やアダプティブな学習モデルの導入により、以下のような効果が期待できます。

    • 学習者の学習意欲や動機づけの向上
    • 学習内容の理解度や定着率の向上
    • 学習の継続性や完遂率の向上

    修了率の向上は、オンライン学習の効果を示す重要な指標の1つです。

    性格特性に合わせたオンライン学習の設計は、修了率の向上を通じて、オンライン学習の価値を高める上で重要な役割を果たすことが示されました。

    中退率の低下

    性格特性に合わせたオンライン学習の設計は、中退率の低下にもつながります。 学習者の性格特性を考慮することで、以下のような効果が期待できます。

    • 学習者の不安や困難の軽減
    • 学習者のニーズや期待への対応
    • 学習者の満足度や達成感の向上

    中退率の低下は、オンライン化の効果や学習者の満足度を示す重要な指標の1つです。

    性格特性に合わせた学習の設計は、中退率の低下を通じて、学習の質を高める上で重要な役割を果たすことが明らかになりました。

    学習者の動機づけの高まり

    性格特性に合わせたオンライン学習の設計は、学習者の動機づけを高める上で効果的です。 学習者の性格特性を考慮することで、以下のような効果が期待できます。

    • 学習者の興味や関心の喚起
    • 学習者の自信や自己効力感の向上
    • 学習者の積極的な参加や貢献の促進

    学習者の動機づけは、オンライン学習の成功や継続に大きな影響を与えます。

    性格特性に合わせたオンライン学習の設計は、学習者の動機づけを高め、学習の効果を最大化する上で重要な役割を果たすことが示されました。

    今後の研究課題

    より詳細な関係性の探求

    性格特性とオンライン学習の認識の関係について、より詳細な研究が必要です。

    本研究では、性格特性とオンライン学習の認識の全般的な関係性を明らかにしましたが、以下のような点について、さらなる研究が求められます。

    • 特定の性格特性がオンライン学習の特定の側面に与える影響
    • 性格特性の組み合わせがオンライン学習に与える影響
    • オンライン学習の文脈や条件による関係性の変化

    詳細な関係性の探求により、性格特性とオンライン学習の認識の関係についての理解が深まり、より効果的なオンライン学習の設計に役立つことが期待されます。

    より詳細な関係性の探求は、オンライン学習研究の発展と実践の改善に重要な貢献をもたらすと考えられます。

    事前のオンライン学習経験の影響の考慮

    事前のオンライン学習経験が、性格特性とオンライン学習の認識の関係に与える影響を考慮する必要があります。

    本研究では、事前のオンライン学習経験の影響を統制していませんでしたが、以下のような点について、検討が必要です。

    • 事前の経験の有無や程度による関係性の違い
    • 事前の経験の質や内容による関係性の変化
    • 事前の経験と性格特性の交互作用の影響

    事前のオンライン学習経験を考慮することで、性格特性とオンライン学習の認識の関係についてのより正確な理解が得られると期待されます。

    事前のオンライン学習経験の影響の考慮は、オンライン学習研究の精緻化と実践の最適化に重要な役割を果たすと考えられます。

    オンライン学習と質的データの活用

    性格特性とオンライン学習の認識の関係について、質的データを活用した研究が求められます。

    本研究では、質問紙調査による量的データを用いて分析を行いましたが、以下のような質的データの活用が考えられます。

    • インタビューやフォーカスグループによる学習者の声の収集
    • 学習者の振り返りやリフレクションの分析
    • オンライン学習環境における学習者の行動や相互作用の観察

    質的データを活用することで、性格特性とオンライン学習の認識の関係についての深い洞察や具体的な理解が得られると期待されます。

    質的データの活用は、オンライン学習研究の多角化と実践の改善に重要な貢献をもたらすと考えられます。

    最後にオンライン学習と性格まとめ

    以上、性格特性とオンライン学習の関係について見てきました。

    研究結果から、性格特性がオンライン学習の様々な側面に影響を与えていることが明らかになりました。

    これらの結果は、オンライン学習の設計や改善に役立てることができます。

    学習者の性格特性を考慮し、幅広い性格に対応できるようなコース設計やアダプティブな学習モデルの導入が重要だと言えます。

    そうすることで、オンライン学習の修了率や満足度を高め、中退率を下げることができるかもしれません。

    また、自分の性格特性を理解することで、オンライン学習に対する自分の反応や傾向を知ることができます。

    そして、自分に合ったオンライン学習の方法を見つけ、効果的に学習を進めていくことができるでしょう。

    オンライン学習は、今後ますます重要になっていくと思います。

    ※この記事は以下の本に掲載された論文を参考に執筆しています。

    tokiwa eisuke

    ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
    株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。