自己肯定感は、自分自身を価値ある存在だと感じることです。
でも、最近の研究では、子どもの自己肯定感が低下傾向にあることが明らかになっています。
これが低いと、ストレスを感じやすくなったり、学習意欲が下がったりと、様々な問題が生じるんです。
そんな中、運動が子どもの自己肯定感を高める効果があることが、次々と研究で示されています。
「Exercise to improve self-esteem in children and young people」という研究では「運動」が向上させることが報告されています。
私たち大人には、子供が運動の楽しさを味わいながら高められるよう支援することが求められているんだね。
子供の個性に合わせて、適切な運動プログラムを提供していくことが大切だと思います。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
※MBTIより科学的な性格診断はこちらのHEXACO-JP性格診断!(短縮版、24問2-3分)
※より精度の高い60問版のHEXACO-JPはアカウント作成が必要になります(こちらから)。
目次
自己肯定感とは何か
自己肯定感の定義
自分自身を価値ある存在だと感じることです。
言い換えると、自分の良い点を認め、自分を肯定的に評価することを指します。
これは心理学の分野でよく研究されている概念で、人格形成や精神的健康に大きな影響を与えます。
自分に自信を持ち、自分の能力を信じることがこの基盤となります。
一方、これが低いと自分を否定的に捉え、自信を持てなくなってしまいます。
これは生まれつき決まっているのではなく、周囲の環境や経験によって変化します。
自分らしさを大切にし、自分の長所に目を向けることが育む鍵になるでしょう。
自己肯定感が重要な理由
これが高いと、困難な状況でも前向きに挑戦できます。
自分の力を信じて行動できるため、ストレスにも上手く対処できるようになります。
また、これが高い人は他者とのコミュニケーションも円滑です。
自分に自信があるので、相手の意見を素直に受け止められます。
さらに、学習意欲とも深く関わります。自分の可能性を信じ、向上心を持って学ぶことができるのです。
つまり、自己肯定感は以下のような点で重要だと言えます。
- ストレス対処能力が向上する
- 人間関係が良好になる
- 学習意欲が高まる
- 目標に向かって前向きに取り組める
これは生きていく上で欠かせない心の力です。
子供の自己肯定感の現状
子供の自己肯定感が低下している
近年、子供の自己肯定感が低下傾向にあると指摘されています。
社会の変化やストレスの増加が影響を与えているようです。
例えば、学力重視の風潮や過度な競争意識が、子供の自信を奪っているのかもしれません。
また、SNSの普及で他者との比較が増え、自分に自信が持てなくなる子供もいるでしょう。
家庭環境の変化も影響を及ぼします。核家族化が進み、子供が家族と過ごす時間が減っているのです。
十分な愛情や支えを得られず、自己肯定感が育ちにくくなっているのかもしれません。
自己肯定感の低さが引き起こす問題
自己肯定感が低いと、様々な問題が生じます。
例えば、これが低い子供は、ストレスを感じやすく、不安になりがちです。
自分に自信がないため、些細なことでも悩んでしまうのです。
また、この低さは、学習意欲の低下にもつながります。勉強が苦手だと感じ、努力することを避けてしまうかもしれません。
対人関係でも、自己肯定感の低さが影を落とします。自分に自信がないと、他者とのコミュニケーションが苦手になるのです。
さらに、これが低いと、将来の夢や目標を持ちにくくなるでしょう。自分の可能性を信じられず、挑戦することを恐れてしまうのです。
運動が自己肯定感に与える効果
運動と自己肯定感の関係
この2つには密接な関係があることが分かっています。
運動をすることで、自己肯定感が高まると考えられているのです。
例えば、運動によって体力や運動能力が向上すると、自分の身体に自信が持てるようになります。
また、運動での成功体験が、自己肯定感を高める効果も期待できるでしょう。
運動は心身のストレス解消にも役立ちます。
ストレスが軽減されることで、自分を肯定的に捉えやすくなるのです。
さらに、運動は他者とのコミュニケーションの機会にもなります。
仲間と協力したり、励まし合ったりする経験が、自己肯定感を育むと言えるでしょう。
運動を通して、心と体の健康を促進し、自分を肯定的に捉える力を育むことができると期待されています。
運動が自己肯定感を高めるメカニズム
自己肯定感を運動によって高めるメカニズムには、いくつかの要因があります。
まず、運動によって体力や運動能力が向上することが挙げられます。
自分の身体の力強さを実感することで、自信が生まれるのです。
また、運動は脳内の神経伝達物質にも影響を与えます。運動によって、セロトニンやドーパミンの分泌が促進されるのです。
これらの物質は、気分を向上させ、ポジティブな感情を生み出します。その結果、自己肯定感が高まると考えられています。
運動はストレス解消にも効果的です。ストレスが軽減されることで、心が安定し、自分を肯定的に捉えやすくなるのです。
運動は身体的・生理的・心理的な側面から自己肯定感を高めるメカニズムを持っています。
この効果を活用し、自分を肯定的に捉える力を育むことが期待できるでしょう。
運動の種類と自己肯定感への効果の違い
運動の種類によって、自己肯定感への効果に違いがあることが分かっています。
例えば、有酸素運動は心肺機能を高め、ストレス解消に役立ちます。
一方、無酸素運動は筋力アップに効果的で、自分の身体の力強さを実感できるでしょう。
また、チームスポーツは協調性やコミュニケーション能力を育みます。
仲間と協力する経験が、自己肯定感を高める可能性があるのです。
個人競技は自分との向き合いの機会になります。
自分の限界に挑戦し、達成感を味わうことで、自己肯定感が高まるかもしれません。
ダンスやヨガのような芸術的な運動は、自己表現の手段になります。
自分の内面を表現することで、自分らしさを肯定する力が身につくでしょう。
運動の頻度や期間と自己肯定感への影響
運動の頻度や期間も、自己肯定感に影響を与えます。
一般的に、運動の頻度が高いほど、効果も大きくなると考えられています。
例えば、週に3回以上運動することで、高まる可能性があるでしょう。
また、運動を長期的に続けることも大切です。高める効果は運動を継続することで徐々に現れるのです。
子供の自己肯定感を高める運動プログラムの研究結果
運動のみのプログラムの効果
子供の自己肯定感を高めるために、運動のみのプログラムの効果が研究されています。
その結果、運動だけでも向上させる可能性が示唆されています。
例えば、ある研究では、週3回の有酸素運動を8週間続けることで高まったことが報告されています。
また、別の研究では、毎日の体育の授業に力を入れることで向上したという結果も得られています。
運動のみのプログラムは、子供の体力向上やストレス解消に直接的に働きかけます。
その結果、子供が自分の身体に自信を持ち、前向きな気持ちを育めるのかもしれません。
運動とカウンセリングの組み合わせプログラムの効果
運動とカウンセリングを組み合わせたプログラムも、子供の自己肯定感を高める効果が期待できます。
身体面に運動が働きかける一方で、カウンセリングは心理面のサポートを提供します。
両者を組み合わせることで、より効果的に高められるのです。
例えば、ある研究では、週2回の運動と月1回のカウンセリングを3ヶ月間続けたところ、子供の自己肯定感が大きく向上したことが報告されています。
カウンセリングでは、子供の悩みに寄り添い、自分の良さを見つめ直す機会を提供します。
運動で得た達成感や自信を、カウンセリングで言語化することで、より強化されるのかもしれません。
運動とスキルトレーニングの組み合わせプログラムの効果
運動とスキルトレーニングを組み合わせたプログラムも、子供の自己肯定感を高める効果が期待できます。
スキルトレーニングとは、運動の技術を向上させるための練習方法のことです。
運動とスキルトレーニングを組み合わせることで、子供の運動能力を効果的に高められます。
その結果、子供が自分の成長を実感し、自己肯定感を高められるのです。
例えば、サッカーの練習にドリブルやシュートの技術トレーニングを取り入れることで、子供のサッカー能力が向上します。
運動と社会性向上プログラムの組み合わせの効果
この2つを組み合わせることで、子供の自己肯定感を高める効果も期待できます。
社会性向上プログラムとは、コミュニケーション能力や協調性を育むための活動のことです。
運動と社会性向上プログラムを組み合わせることで、子供の社会性を効果的に伸ばせます。
その結果、子供が他者との関わりの中で自分の存在価値を感じ、自己肯定感を高められるのです。
例えば、チームスポーツの練習にグループワークや対話の時間を取り入れることで、子供のコミュニケーション能力を育めます。
チームメイトと協力する中で、子供は自分の役割の大切さを実感できるでしょう。
年齢による運動プログラムの効果の違い
子供の年齢によって、運動プログラムの自己肯定感への効果にも違いがあります。
幼児期は、運動遊びを通して自己肯定感の基盤を形成する大切な時期です。
遊びの中で体を動かす楽しさを味わうことで、自分の身体に対する肯定感を育めるでしょう。
児童期は、運動能力の向上が自己肯定感に大きな影響を与えます。
青年期は、スポーツを通して自己実現を果たすことが自己肯定感につながります。
子供の発達段階に応じて、運動プログラムの内容や目的を適切に設定することが大切です。
性別による運動プログラムの効果の違い
子供の性別によっても、運動プログラムの自己肯定感への効果に違いが見られます。
男の子は、一般的に競争心が強く、運動能力の向上が自己肯定感に直結しやすい傾向があります。
一方、女の子は、他者との関係性の中で自己肯定感を育む傾向が強いと言われています。
男の子には、個人の運動能力を伸ばすプログラムが効果的かもしれません。
女の子には、協調性を重視したプログラムがおすすめです。
仲間と助け合いながら運動に取り組むことで、自分の存在価値を実感できるはずです。
子供の自己肯定感を高める運動のポイント
楽しさを重視する
子供が運動に取り組む上で、楽しさを重視することが大切です。
運動が楽しいと感じられれば、子供は自発的に体を動かすようになります。
楽しみながら運動に打ち込む中で、子供は自分の身体の可能性に気づくでしょう。
子供が楽しめる運動プログラムを提供するためには、以下のような工夫が効果的です。
- 子供の興味や関心を取り入れる
- ゲーム性を加える
- 音楽やリズムを活用する
- 友達と一緒に取り組める活動を取り入れる
運動の楽しさを味わえるようサポートすることが、子供の自己肯定感を高めるための第一歩になります。
子供の笑顔を引き出せるような、魅力的な運動プログラムを提供していくことが求められるでしょう。
達成感を味わえるようにする
子供が運動に取り組む中で、達成感を味わえるようにすることも重要なポイントです。
達成感とは、自分の力で目標を達成したときに感じる充実感や満足感のことを指します。
子供が達成感を得られるよう、以下のような工夫が大切です。
- 子供の能力に合った目標を設定する
- 目標達成までの過程を小さなステップに分ける
- 努力のプロセスを評価する
- 達成したときには、しっかりと褒める
自分の力で目標を達成する経験は、自己肯定感を育む上で欠かせません。
子供の挑戦を温かく見守り、達成感を味わえるよう支えることが、私たち大人の役割だと言えるでしょう。
徐々に難易度を上げていく
子供の運動能力や自信を無理なく伸ばしていくためには、徐々に難易度を上げていくことが大切です。
子供の現在の力に合わせて、少しずつレベルアップしていくことで、子供は自分の成長を実感できます。
難易度を上げる際には、以下のようなステップを踏むと良いでしょう。
- まずは子供ができることから始める
- 少しずつ難しい課題に挑戦させる
- つまずいても、あきらめずに取り組むよう励ます
- 努力の成果を認め、褒める
子供の成長に合わせて、運動の難易度を調整していくことが重要です。
仲間との協力や交流の機会を作る
運動の中で、仲間との協力や交流の機会を作ることも、子供の自己肯定感を高めるために大切です。
他者と一緒に運動に取り組むことで、子供は自分の存在価値を実感できます。
仲間と助け合い、認め合う経験は、自己肯定感を育む上で大きな意味を持つのです。
仲間との協力や交流を促すためには、以下のような工夫が効果的でしょう。
- チームで取り組むゲームや活動を取り入れる
- 仲間の良いところを見つけ、伝え合う機会を作る
- 一人ひとりの役割を明確にする
- 互いの個性を尊重し合える雰囲気を作る
運動を通した仲間との関わりは、子供の社会性や自己肯定感を育む上で欠かせない経験です。
一人ひとりの存在を大切にしながら、協力し合える関係性を築いていくことが求められるでしょう。
適度な頻度と時間で継続する
子供の自己肯定感を高めるためには、運動を適度な頻度と時間で継続することが重要です。
運動の効果は、継続することで徐々に現れてきます。
子供が無理なく、楽しみながら運動を続けられるよう、頻度と時間を調整することが大切です。
具体的には、以下のような点に気をつけると良いでしょう。
- 子供の体力や興味に合わせて、無理のない計画を立てる
- 短時間でも、毎日続けられるプログラムを提供する
- 子供のペースを尊重し、柔軟に対応する
- 継続のモチベーションを保てるよう、工夫を凝らす
運動を習慣化し、長期的に取り組むことが、子供の自己肯定感を高めるカギになります。子供の生活リズムや興味に合わせて、無理なく続けられる運動プログラムを提供していくことが求められるでしょう。
子供の興味や特性に合わせて運動を選ぶ
彼ら彼女らの自己肯定感を効果的に高めるためには、子供の興味や特性に合わせて運動を選ぶことが大切です。
一人一人、好きな運動や得意な運動は異なります。
一人ひとりの個性を理解し、その子に合った運動を提供することが重要なのです。
子供の興味や特性に合わせて運動を選ぶためには、以下のようなアプローチが効果的でしょう。
- 子供の話に耳を傾け、興味のあることを把握する
- 様々な運動を体験できる機会を作る
- 子供の反応を観察し、得意なことを見極める
- 子供の意見を尊重し、選択肢を与える
一人一人の個性に寄り添い、その子らしさを活かせる運動を見つけることが、自己肯定感を育む上で欠かせません。子供の可能性を広げ、自分に自信が持てるよう、きめ細やかなサポートを心がけたいものです。
まとめ:運動で子供の自己肯定感を育てるために
子供の自己肯定感は運動により向上できる
運動は子供の自己肯定感を高めるための、効果的な手段の一つだと言えます。
運動を通して、子供は自分の身体の可能性に気づき、自信を持てるようになります。
また、運動での成功体験は、自己肯定感を育む上で大きな意味を持ちます。
運動が子供の心身の健康を促進し、前向きな自己意識を培うことは、多くの研究で示されています。
子供の自己肯定感を高めるために、運動の力を活用することが大切だと言えるでしょう。
運動の楽しさを味わえる機会を作り、子供の挑戦を応援していくことが求められています。
運動プログラムの内容によって効果に違いがある
子供の自己肯定感を高めるためには、運動プログラムの内容を工夫することが重要です。
運動のみのプログラムでも、向上させる効果は期待できますが、他の要素と組み合わせることで、より大きな効果が得られると考えられています。
例えば、運動とカウンセリングを組み合わせたプログラムや、運動と社会性向上プログラムを組み合わせたプログラムは、子供の自己肯定感を効果的に高められることが明らかになっています。
子供の自己肯定感を育むためには、運動プログラムの内容を吟味し、子供の発達段階や個性に合わせて最適なものを提供していくことが求められるでしょう。
運動だけでなく心理面のサポートも重要
子供の自己肯定感を高めるためには、運動だけでなく、心理面のサポートも欠かせません。
運動は子供の身体的な自信を育む上で大きな役割を果たしますが、それだけでは十分とは言えません。
子供の内面に寄り添い、自分の良さを見出せるよう支えることが、自己肯定感を育む上で重要なのです。
子供の悩みに耳を傾け、共感的に理解することが、心理面のサポートの第一歩になるでしょう。
また、子供の長所や可能性を認め、言葉で伝えていくことも大切です。
運動と心理面のサポートを両輪として、子供の自己肯定感を育んでいくことが求められています。
子供の心に寄り添いながら、温かく見守り、支えていくことが私たち大人の役割だと言えるでしょう。
子供が自発的に取り組める工夫が大切
彼ら彼女らの自己肯定感を高めるためには、子供が自発的に運動に取り組める工夫が大切です。
自分の意思で運動を選び、主体的に取り組むことで、自己肯定感はより強く育まれるのです。
子供が自発的に運動に取り組めるよう、以下のような工夫が効果的でしょう。
- 子供の興味や関心を引き出す
- 子供が選択できる機会を作る
- 子供のアイデアを取り入れる
- 子供の自主性を尊重する
自分の意思で運動に打ち込める環境を整えることが、自己肯定感を育む上で欠かせません。子供の主体性を大切にしながら、運動の楽しさを味わえるよう、きめ細やかなサポートを心がけたいものです。
最後に
さて、ここまで運動が子供の自己肯定感に与える効果について見てきましたが、改めてポイントを整理しておきましょう。
運動は、子供の自己肯定感を高めるための効果的な方法の一つです。
体を動かすことで、自分の身体の可能性に気づき、自信を持てるようになります。
ただし、運動の効果を最大限に引き出すためには、プログラムの内容を工夫することが大切です。
子供の発達段階や興味に合わせて、適切な運動を選ぶことが求められます。
また、運動だけでなく、心理面のサポートも欠かせません。
子供の気持ちに寄り添い、良いところを認めてあげることで、自己肯定感はさらに育まれていくでしょう。
何より大切なのは、子供が自発的に運動に取り組める環境を整えることです。
子供の主体性を尊重し、運動の楽しさを味わえるよう支援することが、私たち大人の役割だと言えます。
※本記事は以下の本に掲載されている論文をもとに作成しています。ぜひご覧ください。
最後に、組織のCXOや管理職、後継者などのハイクラス人材の採用におけるハラスメント傾向のある人を検知するためのサービス「ハラスメント検査」の事前登録も開始しました!興味のある方はこちらよりご登録ください。
ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。