HSPという言葉を聞いたことがありますか?
「Highly Sensitive Person」の略で、「とても敏感な人」という意味です。人口の15~20%がHSPだと言われていて、あなたの周りにもいるかもしれません。
でも、彼ら彼女らにはどんな特徴があるのでしょうか? 最近の研究で、彼ら彼女らの正体が少しずつ明らかになってきました。
例えば、研究「Sensory-Processing Sensitivity and Its Relation to Introversion and Emotionality」では、HSPと内向性や感情の関係が調べられています。
他にも、研究は数多く行われていて、彼ら彼女らの特性が科学的に解明されつつあるのです。
この記事では、HSPの定義や特徴、メリット・デメリットなどを分かりやすく解説します。
あなたもHSPについて正しく理解し、自分や周りの人のことを見つめ直すきっかけにしてみませんか?
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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目次
HSPとは? 定義と特徴を理解しよう
HSPの定義 – 感覚処理感受性が高い人
感覚処理感受性(SPS)が高い人のことを指します。
つまり、外的刺激に敏感で、より深く情報を処理する傾向があります。
生まれつきの気質的な特性だと考えられています。
一般的に、人口の15~20%程度がHSPだと言われています。
HSPは男女問わず存在し、文化を越えて共通の特徴が見られます。
HSPの特性は、以下のようにまとめられます。
- 外的刺激に敏感で、細かいニュアンスまで察知する
- 感情の起伏が激しく、共感性が高い
- 思考が深く、物事を多角的に捉える
- 美的感性が豊かで、芸術的才能を持つことが多い
- 不公平や不正に敏感で、強い正義感を持つ
このように、HSPは独特の感受性と情報処理のスタイルを持つ人と言えるでしょう。
HSPとSPSの違い – 人を指す言葉と特性そのものの違い
この2つは密接に関連していますが、少し異なる概念です。
HSPが感覚処理感受性の高い「人」を指すのに対し、SPSはその「特性」そのものを表します。
言い換えれば、HSPという言葉は形容詞的に使われることが多いのです。
例えば「HSPの人」や「彼女はHSPだ」というように使います。
一方、SPSは「感覚処理感受性」という心理学的構成概念の名称です。
ただし、これらの2つの区別は曖昧なこともあります。
時にはHSPという言葉がSPSの同義語のように使われることもあるのです。
しかし、厳密にはHSPは人を、SPSは特性を指す言葉だと理解しておくとよいでしょう。
この2つの違いを踏まえることで、理解がより深まります。
HSPの主な特徴 – 外的刺激への高い感受性と深い認知的処理
HSPの最大の特徴は、外的刺激に対する高い感受性です。
些細な変化も見逃さず、常にアンテナを張っているかのようです。
それゆえ、強い刺激には疲れやすく、静かな環境を好む傾向があります。
また、HSPは情報をより深く処理することでも知られています。
物事の意味を深く考え、関連性を見出そうとします。
HSPの特徴は、以下のようなエピソードに表れます。
- 人ごみや騒音が苦手で、一人の時間を大切にする
- 他者の感情の機微を敏感に察知し、共感的に接する
- 意思決定に時間がかかるが、熟考した結果を出す
- 芸術作品に感銘を受けたり、自然の美しさに感動したりしやすい
- 世の中の問題に心を痛め、社会正義を重視する
つまり、HSPは繊細さゆえの困難を抱える一方で、深い洞察力や共感性、創造性といった強みも持ち合わせているのです。
HSPの学術的な研究と尺度
学術的な扱い – 1997年のAronらの提唱以来の研究
HSPは比較的新しい概念ですが、学術的な研究は着実に進んでいます。
初めて提唱されたのは、1997年のAronらの論文においてでした。
彼らは、感覚処理感受性(SPS)という特性を測定する尺度を開発しました。
以来、心理学、脳科学、遺伝学など様々な分野で研究が行われています。
特に近年では、精神的健康や脳機能の関連が注目されています。
HSPに関する主な研究成果は以下の通りです。
- 遺伝的な要因が強いが、環境要因も影響する
- 脳は、感情処理や自己認識に関わる部位の活動が高い
- 繊細さゆえにストレスを感じやすいが、ポジティブな体験の影響も受けやすい
- 子どもは、養育環境の質に左右されやすい
- 自己肯定感が低い傾向があるが、自己理解が深まると適応的になる
このように、HSPの研究は徐々に蓄積されつつあります。
学際的な視点から、HSPのメカニズムや特徴が明らかになってきたのです。
今後のさらなる研究の進展が期待されます。
測定方法:大人用のHSP尺度と子ども用のHSC尺度
HSPを測定するための代表的な尺度に、大人用のHSP尺度と子ども用のHSC尺度があります。
HSP尺度は、Aronらが1997年に開発した27項目の自己報告式尺度です。
一方、HSC尺度は、2018年にPlussらが作成した12項目の尺度で、子ども用に改変されています。
いずれも、感覚処理感受性(SPS)の高さを測定するための信頼性と妥当性が確認されています。
具体的な項目の例は以下の通りです。
- 騒音や強い光、不快な臭いを敏感に感じる(HSP尺度・HSC尺度共通)
- 芸術や音楽に感動しやすい(HSP尺度・HSC尺度共通)
- 空腹やちょっとした痛みにイライラしやすい(HSP尺度)
- たくさんのことが同時に起こると混乱する(HSC尺度)
これらの尺度は、HSPの感覚処理感受性の高さを多角的に評価するものです。
HSP尺度とHSC尺度は、研究を大きく前進させた重要なツールだと言えるでしょう。
今後も、これらの尺度を用いた研究成果が期待されます。
HSP尺度の3つの下位尺度 – EOE、AES、LST
HSP尺度は、EOE、AES、LSTの3つの下位尺度から成ります。
EOEは過敏性(Ease of Excitation)、AESは美的感受性(Aesthetic Sensitivity)、LSTは低い感覚閾値(Low Sensory Threshold)を表します。
それぞれの下位尺度は、HSPの異なる側面を捉えていると考えられています。
具体的には以下のような特徴があります。
- EOE:外的刺激に圧倒されやすく、心理的覚醒が高い
- AES:美的な刺激に感動しやすく、芸術的感性が豊か
- LST:感覚的な刺激に敏感で、不快な刺激に耐性が低い
これらの下位尺度は、HSP尺度の因子分析によって見出されたものです。
ただし、下位尺度間の相関は高く、SPSという1つの特性を反映していると考えられています。
つまり、EOE、AES、LSTは、HSPという特性を多面的に捉える尺度だと言えるでしょう。
研究では、これらの下位尺度に着目することも重要です。
彼ら彼女らの多様な特徴を理解するために、下位尺度ごとの検討が求められるのです。
下位尺度を手がかりに、HSPのメカニズムに迫る研究が期待されます。
性格特性の関係
HSPとビッグファイブの関係
ビッグファイブの関係は、複雑な様相を示しています。
ビッグファイブとは、外向性、協調性、誠実性、神経症傾向、開放性の5つの特性を指します。
これまでの研究では、これらの特性との関連が検討されてきました。
しかし、一貫した結果が得られているわけではありません。
HSPとビッグファイブの関係について、主な知見は以下の通りです。
- 神経症傾向と正の相関を示すことが多い
- 外向性の関連は、研究によってまちまちである
- 開放性は正の相関を示すことがある
- 協調性、誠実性の関連は見出されていない
つまり、HSPはビッグファイブの特性とある程度の重なりを持ちつつも、独自の特性であると考えられます。
彼ら彼女らの感受性の高さは、ビッグファイブでは十分に捉えきれない側面があるのです。
HSPとビッグファイブの関係は、今後さらなる検討が必要な領域だと言えるでしょう。
神経症傾向・行動抑制の関連
HSPと最も関連が深いのは、神経症傾向と行動抑制だと考えられています。
神経症傾向は、ストレスに脆弱で情動性が高い特性を指します。
一方、行動抑制は、新奇な刺激に対して慎重に反応する傾向を表します。
HSPは、これらの特性と重なる部分が大きいと言えるでしょう。
実際、多くの研究で以下のような結果が報告されています。
- 神経症傾向と中程度から強い正の相関を示す
- 行動抑制システム(BIS)の活性と正の相関を示す
- 不安や抑うつ傾向と関連することが多い
これらの結果は、HSPの感受性の高さが、ストレス脆弱性や行動抑制と密接に関わることを示唆しています。
彼ら彼女らは環境からの刺激に敏感に反応するがゆえに、ネガティブな影響を受けやすいのかもしれません。
ただし、彼ら彼女らが必ずしも不適応的だというわけではありません。
HSPの特性を理解し、適切に対処することが重要だと考えられます。
外向性・行動活性化の関連
HSPと外向性・行動活性化の関係は、一貫した結果が得られていません。
外向性は、社交的で刺激を求める特性を指します。
一方、行動活性化は、報酬や目標に向かって積極的に行動する傾向を表します。
これらの特性は、HSPの感受性の高さとは相反するように見えます。
実際、研究によっては以下のような結果も報告されています。
- 外向性と負の相関を示すことがある
- 行動活性化システム(BAS)との関連が見出されないことがある
しかし、HSPと外向性・行動活性化の関係は単純ではありません。
HSPの中にも、外向的で活動的な人がいることが指摘されているのです。
彼ら彼女らの感受性の高さは、必ずしも内向性や行動抑制を意味するわけではないのかもしれません。
HSPと外向性・行動活性化の関係は、さらなる検討が求められる領域だと言えるでしょう。
開放性の関連
HSPと開放性の関連は、比較的一貫した結果が得られています。
開放性は、知的好奇心や創造性、美的感受性の高さを表す特性です。
彼ら彼女らの感受性の高さは、開放性と重なる部分が大きいと考えられます。
特に、美的感受性(AES)は、開放性と密接に関わると言えるでしょう。
いくつかの研究では、以下のような結果が報告されています。
- 開放性と弱い~中程度の正の相関を示す
- HSPの下位尺度のうち、AESが開放性と最も強く関連する
これらの結果は、彼ら彼女らの感受性の高さが、開放性の一部の側面と重なることを示唆しています。
新しい経験に開かれ、美的な刺激に感動する傾向があるのかもしれません。
協調性・誠実性の関連
HSPと協調性・誠実性の関連は、ほとんど見出されていません。
協調性は、協調的で思いやりのある特性を指します。
一方、誠実性は、規律正しく責任感の強い特性を表します。
これらの特性は、彼ら彼女らの感受性の高さとは直接的な関係がないと考えられます。
実際、多くの研究で以下のような結果が報告されています。
- 協調性の関連は見出されない
- 誠実性の関連は見出されない
つまり、HSPは協調性や誠実性とは独立した特性だと考えられます。
彼ら彼女らの感受性の高さは、対人関係や責任感とは異なる次元の特性なのかもしれません。
ただし、HSPの中には、協調性や誠実性が高い人もいるでしょう。 HSPと協調性・誠実性の関係は、個人差が大きい領域だと言えます。
性格との関係は、複雑な様相を示しています。 HSPは、神経症傾向や行動抑制と重なる部分が大きい一方で、外向性や協調性とは独立した特性だと考えられます。
また、開放性とは一部の側面で重なりを見せています。 HSPの感受性の高さは、既存の性格特性では十分に捉えきれない側面があるのかもしれません。
HSPと感情の関係
ネガティブ感情の関係
HSPは、ネガティブ感情を感じやすい傾向があります。
ネガティブ感情には、不安、怒り、悲しみ、恐れなどが含まれます。 彼ら彼女らの感受性の高さは、ネガティブな刺激に敏感に反応することを意味します。
そのため、ストレスを感じやすく、ネガティブ感情を抱えやすいと考えられます。
実際、多くの研究で以下のような結果が報告されています。
- ネガティブ感情と中程度の正の相関を示す
- 不安や抑うつ傾向と関連することが多い
- 心理的ストレスを感じやすい
これらの結果は、彼ら彼女らの感受性の高さが、ネガティブ感情と密接に関わることを示唆しています。
HSPは環境からのネガティブな刺激に敏感に反応するがゆえに、情動的な困難を抱えやすいのかもしれません。
ただし、HSPが必ずしも不適応的だというわけではありません。
彼ら彼女らの特性を理解し、ネガティブ感情への適切な対処方法を身につけることが重要だと考えられます。
HSPとポジティブ感情の関係
HSPとポジティブ感情の関係は、ネガティブ感情ほど明確ではありません。
ポジティブ感情には、喜び、愛情、興味、満足感などが含まれます。 HSPの感受性の高さは、ポジティブな刺激にも敏感に反応することを意味します。
そのため、HSPはポジティブ感情を感じやすい可能性があります。
実際、いくつかの研究で以下のような結果が報告されています。
- ポジティブ感情と弱い正の相関を示すことがある
- 美的な刺激に感動しやすい
- 人との関わりに喜びを感じやすい
これらの結果は、HSPの感受性の高さが、ポジティブ感情とも関連することを示唆しています。
HSPは環境からのポジティブな刺激に敏感に反応するがゆえに、感動体験を得やすいのかもしれません。 ただし、HSPとポジティブ感情の関係は、ネガティブ感情ほど一貫した結果が得られていません。
HSPとポジティブ感情の関係は、さらなる検討が必要な領域だと言えるでしょう。
子どもと大人でのHSPと感情の関係の違い
HSPと感情の関係は、子どもと大人で異なる可能性があります。
子どもは発達途上にあるため、感情の調整能力がまだ未熟です。 そのため、HSPの子どもは、感情の起伏が激しくなりやすいと考えられます。
一方、大人は感情の調整能力が発達しているため、この特性を適応的に活用できる可能性があります。
実際、研究では以下のような結果が報告されています。
- HSPの子どもは、ネガティブ感情だけでなくポジティブ感情も感じやすい
- HSPの大人は、ネガティブ感情との関連が強いが、ポジティブ感情との関連は弱い
これらの結果は、感情との関係が、発達段階によって異なることを示唆しています。 子どもの頃は、感受性の高さが、感情の起伏に直結しやすいのかもしれません。
一方、大人になると、この特性を感情調整に活かせるようになるのかもしれません。 感情との関係は、発達的な視点からも検討する必要があるでしょう。
彼ら彼女らは、感情との関係が深い特性だと考えられます。特に、ネガティブ感情との関連が強いことが示唆されています。
一方で、ポジティブ感情との関連は、より複雑な様相を示しています。
また、HSPと感情の関係は、発達段階によって異なる可能性があります。 感受性の高さを、感情面での強みに変えていくことが重要だと言えるでしょう。
HSPの4つのタイプと性格の関連
内向型HSP (HSP) の特徴
内向型HSP(HSP)は、HSPの中でも最も典型的なタイプだと考えられています。
彼ら彼女らは、静かで慎重、控えめな性格を持つことが多いです。 人込みや騒音を避け、一人の時間を大切にする傾向があります。 また、内省的で自己分析を好み、自分の感情や思考を深く探求します。
特徴は、以下のようにまとめられます。
- 静かで控えめ、一人の時間を好む
- 内省的で自己分析的
- 感情の起伏が激しく、ストレスに弱い
- 芸術的感性が高く、美的なものに感動しやすい
内向型HSPは、HSPの感受性の高さと内向性が組み合わさったタイプだと言えます。
彼ら彼女らは、感受性の高さゆえの困難を抱えやすい一方で、深い洞察力や創造性といった強みも持っています。
内向型HSPが自分の特性を理解し、適切に活用していくことが重要だと考えられます。
外向型HSP (HSE) の特徴
外向型HSP(HSE)は、HSPの中でも社交的で活動的なタイプです。
彼ら彼女らは、人と交流することを楽しみ、新しい経験を求める傾向があります。 また、感受性が高いからこそ、他者の感情を敏感に察知し、共感的に接することができます。
外向型HSPは、HSPの感受性の高さを対人関係に活かしているとも言えるでしょう。
特徴は、以下のようにまとめられます。
- 社交的で活動的、新しい経験を求める
- 他者の感情を敏感に察知し、共感的に接する
- 感情表現が豊かで、人を巻き込む力がある
- ストレス耐性が高く、環境適応力が高い
外向型HSPは、HSPの感受性の高さと外向性が組み合わさったタイプだと言えます。
外向型HSPは、感受性の高さを対人関係に活かし、社会的に適応していく力を持っています。 ただし、外向型HSPも、感受性の高さゆえのストレスを感じやすいことに注意が必要です。
外向型HSPが自分の特性を理解し、ストレスマネジメントを行っていくことが重要だと考えられます。
刺激追求型HSP (HSS型HSP) の特徴
刺激追求型HSP(HSS型HSP)は、HSPの中でも刺激を求める傾向が強いタイプです。
HSS型HSPは、新奇性や変化を好み、常に新しい刺激を求めて行動します。
また、感受性が高いからこそ、環境からの刺激を鋭敏に察知し、それを楽しむことができます。
HSS型HSPは、HSPの感受性の高さを刺激追求に活かしているとも言えるでしょう。
特徴は、以下のようにまとめられます。
- 新奇性や変化を好み、常に新しい刺激を求める
- 環境からの刺激を鋭敏に察知し、それを楽しむ
- 好奇心が強く、探究心が旺盛
- ストレス耐性が高く、刺激への適応力が高い
HSS型HSPは、HSPの感受性の高さと刺激追求傾向が組み合わさったタイプだと言えます。
HSS型HSPは、感受性の高さを刺激追求に活かし、環境からの刺激を豊かに体験していく力を持っています。
ただし、HSS型HSPも、感受性の高さゆえのストレスを感じやすいことに注意が必要です。
HSS型HSPが自分の特性を理解し、ストレスマネジメントを行っていくことが重要だと考えられます。
刺激追求型・外向型HSP (HSS型HSE) の特徴
刺激追求型・外向型HSP(HSS型HSE)は、HSPの中でも最も活動的で刺激を求めるタイプです。
HSS型HSEは、社交的で新しい刺激を求める外向型HSPの特徴と、刺激追求傾向が強いHSS型HSPの特徴を併せ持っています。
つまり、HSS型HSEは、人との交流を楽しみながら、常に新しい刺激を求めて行動するのです。
HSS型HSEは、HSPの感受性の高さを、対人関係と刺激追求の両方に活かしているとも言えるでしょう。
特徴は、以下のようにまとめられます。
- 社交的で活動的、新しい刺激を求める
- 人との交流を楽しみながら、環境からの刺激を体験する
- 好奇心が強く、冒険心が旺盛
- ストレス耐性が高く、環境適応力が非常に高い
HSS型HSEは、HSPの感受性の高さと、外向性および刺激追求傾向が組み合わさったタイプだと言えます。
HSS型HSEは、感受性の高さを対人関係と刺激追求の両方に活かし、環境からの刺激を豊かに体験していく力を持っています。
ただし、HSS型HSEも、感受性の高さゆえのストレスを感じやすいことに注意が必要です。 HSS型HSEが自分の特性を理解し、ストレスマネジメントを行っていくことが重要だと考えられます。
HSPの4タイプと性格特性の関連の仮説
HSPの4タイプは、性格特性と関連がある可能性が考えられます。
特に、この4タイプは、ビッグファイブの外向性と開放性と関連が深いと推測されます。
外向型HSP(HSE)と刺激追求型・外向型HSP(HSS型HSE)は、外向性が高いタイプだと考えられます。
一方、刺激追求型HSP(HSS型HSP)は、開放性が高いタイプだと考えられます。
この4タイプと性格特性の関連について、以下のような仮説が立てられます。
- 内向型HSP(HSP):外向性が低く、開放性は中程度
- 外向型HSP(HSE):外向性が高く、開放性は中程度
- 刺激追求型HSP(HSS型HSP):外向性は中程度、開放性が高い
- 刺激追求型・外向型HSP(HSS型HSE):外向性が高く、開放性も高い
ただし、これらの仮説は実証的な研究によって検証される必要があります。
この4タイプと性格特性の関連は、まだ研究の蓄積が少ない領域だと言えます。
今後、この4タイプと性格特性の関連を明らかにする研究が期待されます。
そのような研究は、彼ら彼女らの多様性を理解する上で重要な示唆を与えてくれるでしょう。
HSPであることのメリットとデメリット
感受性の高さがもたらすメリット
彼ら彼女らの感受性の高さは、様々なメリットをもたらします。
HSPは、環境からの刺激を鋭敏に察知し、深く処理することができます。このような特性は、以下のような点で強みとなります。
- 芸術的感性が高く、創造性が豊か
- 共感性が高く、他者の感情を敏感に察知できる
- 直感力が鋭く、物事の本質を見抜く力がある
- 思慮深く、物事を多角的に捉えることができる
HSPの感受性の高さは、芸術的才能や対人関係スキル、問題解決能力などに活かすことができるのです。
自分の感受性の高さを強みとして認識し、それを生かしていくことが重要だと言えるでしょう。
HSPの感受性の高さは、適切に活用されれば、大きな可能性を秘めているのです。
感受性の高さがもたらすデメリット
その一方で、HSPの感受性の高さは、デメリットともなり得ます。 HSPは、環境からの刺激に敏感に反応するがゆえに、ストレスを感じやすい傾向があります。 このような特性は、以下のような点で弱みとなることがあります。
- 感情の起伏が激しく、ネガティブ感情を感じやすい
- 不安や抑うつ傾向が高くなりやすい
- 人込みや騒音に疲れやすい
- 変化や予期せぬ出来事に適応しにくい
HSPの感受性の高さは、ストレス脆弱性と関連することがあるのです。
自分の感受性の高さを理解し、ストレスマネジメントを行っていくことが重要です。
HSPの感受性の高さは、適切にコントロールされなければ、困難を引き起こす可能性があるのです。
HSPが日常生活で感じる困難とストレス
彼ら彼女らは日常生活の中で、様々な困難やストレスを感じることがあります。
HSPの感受性の高さは、日常的な刺激にも敏感に反応することを意味します。 そのため、HSPは以下のような場面で困難を感じやすいと言えるでしょう。
- 雑音や人込みなど、感覚的な刺激が多い環境
- 複数のタスクを同時にこなさなければならない状況
- 予定の変更や不測の事態が起こった時
- 対人関係でのストレス(批判、拒絶、無理解など)
HSPにとって、このような日常的な刺激やストレスが、大きな負担となることがあります。
自分に合った環境を整え、ストレス対処法を身につけていくことが重要です。 また、周囲の人が彼ら彼女らの特性を理解し、サポートしていくことも必要だと言えるでしょう。
HSPが自分らしく生きていくためには、自身と周囲の人の両方の理解と協力が不可欠なのです。
まとめ:HSPを正しく理解し、活かす方法
HSPは、感覚処理感受性が高い人を指す言葉です。
外的刺激に敏感で、深い情報処理を行う特性を持っています。 このような特性は、ビッグファイブの神経症傾向や開放性と関連があると考えられています。
また、HSPは感情との関連が深く、特にネガティブ感情を感じやすい傾向があります。
彼ら彼女らにはいくつかのタイプがあり、外向性や刺激追求傾向の高さによって特徴が異なります。
感受性の高さは、メリットとデメリットの両面を持っています。 感受性の高さは、創造性や共感性、直感力の源となる一方で、ストレス脆弱性とも関連します。
HSPは日常生活の中で、様々な困難やストレスを感じやすいと言えるでしょう。
自分らしく生きていくためには、HSPの特性を正しく理解し、活かしていくことが重要です。
HSP自身が自分の感受性の高さを理解し、それを強みとして活用していくことが必要です。 同時に、周囲の人がHSPの特性を理解し、サポートしていくことも求められます。
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ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究しており、社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。