喫煙は、健康に悪影響を及ぼすことが知られていますが、なぜ多くの人が喫煙をするのでしょうか。
実は、喫煙と性格には関係があることが、長期にわたる研究で明らかになっています。
イギリスで約5千人を対象に、喫煙と性格の関係を調べる大規模な研究が行われました。
この研究は、「Personality and Smoking Status: A Longitudinal Analysis」というタイトルで発表されています。
性格だけでなく、家庭環境や教育レベル、友人の影響など、様々な要因が関係しています。
喫煙自体を予防したり、禁煙を成功させたりするためには、個人の性格に合わせたアプローチが重要だと考えられています。
この記事では、喫煙と性格の関係について、長期的な研究の結果をもとに詳しく解説します。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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目次
喫煙と性格の関係を探る長期研究
研究の目的と方法
この研究の目的は、思春期の性格と成人期の喫煙行動の関連を明らかにすることです。
研究では、1946年に英国で生まれた5,362人を対象に、長期的な追跡調査を行いました。
具体的には、以下のような方法で調査が行われました。
- 16歳時に性格検査を実施
- 成人期(20~53歳)に喫煙状況を調査
- 統計分析で性格と喫煙の関連を検討
つまり、思春期の性格が、その後の習慣にどのような影響を与えるのかを探ったのです。
この研究の特徴は、同じ人を長期間にわたって追跡した点にあります。
研究の結果は、禁煙支援に役立てられることが期待されています。
16歳時の性格を測定
研究では、まず16歳時の性格を測定しました。
性格の測定には、以下の尺度が用いられました。
- Maudsley Personality Inventory (MPI)
- 外向性と神経症傾向の2つの次元を測定
外向性は、社交的で刺激を求める傾向を表します。
一方、神経症傾向は、不安やストレスを感じやすい傾向を意味します。
これらの性格特性は、その人の行動や感情に大きな影響を与えると考えられています。
16歳という多感な時期の性格が、その後の喫煙行動とどのように関わるのか。
この研究では、そうした問題に迫ることを目指したのです。
成人期の喫煙状況を追跡調査
研究では、16歳時の性格測定に加え、成人期の状況も追跡調査しました。
具体的には、以下の時点での状況を確認しています。
- 20歳、25歳、31歳、36歳、43歳、53歳
各時点で、対象者は以下のいずれかに分類されました。
- 現在の喫煙者
- 元喫煙者
- 非喫煙者
こうした追跡調査により、思春期の性格が成人期の習慣とどう関連するのかを検討できます。
また、年齢によってどう変化するのかも明らかになります。
外向的な人は喫煙者になりやすい?
外向性と喫煙の関係
研究の結果、外向的な人は喫煙者になりやすいことが分かりました。
16歳時に外向性が高かった人は、その後の人生で喫煙者である可能性が高まったのです。
この結果から、以下のような仮説が考えられます。
- 社交的な人はたばこに触れる機会が多い
- 刺激を求める傾向が喫煙につながる
外向的な人は、パーティーなど人が集まる場に参加することが多いでしょう。
そうした場では、たばこを吸う人も多く、つられて吸ってしまうことがあるのかもしれません。
また、外向的な人は刺激を求める傾向が強いと言われています。
たばこを吸うことによるニコチンの刺激が、外向的な人を引き付けるのかもしれません。
こうした傾向が、外向性と喫煙の関係を生んでいると推測されます。
社交的な人は喫煙する機会が多い?
外向的な人が喫煙者になりやすい理由の一つに、社交的な場面でたばこに触れる機会が多いことが挙げられます。
外向的な人は、パーティーや飲み会など、人が集まる場に参加することが多いでしょう。
そうした場では、以下のような状況が見られます。
- 多くの人がたばこを吸ってる
- 他の吸ってる人から勧められる
- 雰囲気に流されて吸ってしまう
社交的な場面では、喫煙が一種のコミュニケーションツールとなることもあります。
たばこを勧め合ったり、一緒に吸ったりすることで、仲間意識が生まれるのです。
外向的な人は、そうした雰囲気に流されやすいのかもしれません。
また、喫煙者から勧められると、断りづらいと感じる人もいるでしょう。
こうした社会的な压力が、外向的な人を喫煙へと向かわせているのかもしれません。
喫煙の快楽を求める傾向が強い?
外向的な人が喫煙者になりやすいもう一つの理由は、喫煙の快楽を求める傾向が強いことです。
外向的な人は、刺激を求める傾向が高いと言われています。
たばこによるニコチンの作用は、まさに脳に刺激を与えるものです。
具体的には、以下のような効果があります。
- 多幸感や満足感をもたらす
- ストレスを緩和する
- 集中力を高める
こうしたたばこの快楽的な効果は、外向的な人を引き付けるのかもしれません。
喫煙によって得られる刺激が、外向的な人にとって魅力的に感じられるのです。
一方で、たばこの健康リスクについては軽視されがちです。
目先の快楽を求める余り、長期的な影響が見過ごされてしまうのです。
神経質な人も喫煙リスクが高い
神経症傾向と喫煙の関係
研究の結果、神経症傾向が高い人も喫煙者になりやすいことが明らかになりました。
16歳時に神経症傾向が強かった人は、その後の人生で喫煙者である可能性が高まったのです。
この結果から、以下のような仮説が考えられます。
- ストレスや不安を紛らわすためにたばこを吸う
- ニコチンの効果を求める傾向が強い
神経症傾向が高い人は、ストレスや不安を感じやすいと言われています。
喫煙には、ストレスを緩和する効果があると考えられています。
また、ニコチンには不安を和らげる作用もあると言われています。
神経質な人は、ニコチンのそうした効果を無意識のうちに求めているのかもしれません。
こうした心理的な要因が、神経症傾向と喫煙の関係につながっていると推測されます。
ストレスや不安を紛らわすために喫煙?
神経質な人が喫煙者になりやすい理由の一つに、ストレスや不安を紛らわすことが挙げられます。
神経質な人は、ストレスを感じやすく、不安に陥りやすいと言われています。
以下のようなストレス緩和効果があると考えられています。
- 一時的にリラックスできる
- 気分転換になる
- ストレスから逃避できる
神経質な人は、こうした効果を求めて、始めるのかもしれません。
たばこを吸うことで、一時的にストレスから解放されると感じられるのです。
ただし、喫煙はストレスの根本的な解決にはなりません。
一時的な効果しかなく、長期的には健康を損なう可能性があります。
ニコチンの効果を求める傾向が強い?
神経質な人が喫煙者になりやすいもう一つの理由は、ニコチンの効果を求める傾向が強いことです。
ニコチンには、以下のような効果があると言われています。
- 不安を和らげる
- 集中力を高める
- 覚醒度を上げる
神経質な人は、こうしたニコチンの効果を無意識のうちに求めているのかもしれません。
不安を感じた時、ニコチンによって不安が和らぐことを期待するのです。
また、集中力が必要な場面では、ニコチンの効果を頼りにするのかもしれません。
こうしたニコチンへの依存が、神経質な人を喫煙へと向かわせているのです。
ただし、ニコチンの効果は一時的なものです。
長期的に見れば、かえって不安やストレスを増大させる可能性があります。
神経質な人は、喫煙によって一時的な安らぎを得ようとするあまり、ニコチン依存に陥ってしまうのかもしれません。
男性と女性で喫煙傾向に違いが
男性は女性より喫煙者が多い
研究の結果、男性は女性よりも喫煙者が多いことが明らかになりました。
この傾向は、以下のような要因によると考えられます。
- 男性の方が喫煙を始めやすく、続けやすい
- 社会的な要因が影響している
従来、喫煙は男性的なイメージがありました。
そのため、男性の方が始めるハードルが低かったと考えられます。
また、一旦始めると、男性の方が続けやすい傾向があります。
これは、ニコチン依存に陥りやすいことが関係しているのかもしれません。
さらに、職場や社交の場など、社会的な要因も影響していると考えられます。
加齢とともに喫煙率は低下
研究では、年齢が上がるにつれて、喫煙率が低下することが明らかになりました。
この傾向は、以下のような要因によると考えられます。
- 健康への意識が高まる
- 禁煙の機会が増える
- 社会的な喫煙への圧力が弱まる
年齢が上がるにつれて、健康への意識が高まります。
健康リスクを認識し、禁煙を決意する人が増えるのです。
また、結婚や出産、健康診断など、禁煙のきっかけとなる出来事も増えてきます。
さらに、近年では規制が強化され、社会的な圧力も強まってきています。
こうした要因が複合的に作用し、加齢とともに喫煙率が低下すると考えられます。
ただし、喫煙率の低下は一様ではありません。
個人差も大きく、性格などの要因も影響していると考えられます。
性別による禁煙成功率の違い
研究の結果、男性の方が禁煙に成功しやすいことが明らかになりました。
この傾向は、以下のような要因によると考えられます。
- ニコチン依存の程度が関係している
- 禁煙の動機づけが異なる
- 社会的な支援の差が影響する
一般的に、男性の方が喫煙量が多く、ニコチン依存の程度が強いと言われています。
そのため、禁煙の難易度は男性の方が高いと考えられます。
しかし、禁煙に成功した場合、男性の方が喫煙を再開しにくい傾向があります。
これは、男性の方が禁煙の動機づけが明確であることが関係しているのかもしれません。
また、男性の方が禁煙時の社会的な支援を得やすいことも影響していると考えられます。
こうした要因が、男性の禁煙成功率を高めているのでしょう。
ただし、性別による差は年々縮小してきています。
女性の社会進出が進み、喫煙習慣も変化してきているためです。
ヘビースモーカーになる要因は?
神経質な人はヘビースモーカーになりやすい
研究の結果、神経質な人はヘビースモーカーになりやすいことが明らかになりました。
神経質な人がヘビースモーカーになりやすい理由は、以下のように考えられます。
- ニコチンの効果を強く求める
- ストレスや不安を紛らわす
- 喫煙量をコントロールできない
神経質な人は、ニコチンの効果を強く求める傾向があります。
不安を和らげたり、集中力を高めたりするためにニコチンを必要とするのです。
また、神経質な人は、ストレスや不安を感じやすいと言われています。
ストレスを紛らわそうとするあまり、たばこを吸う量が増えていくのです。
こうした複合的な要因が、神経質な人のヘビースモーキングにつながっていると考えられます。
ただし、喫煙量が多いほど、健康リスクも高まります。
神経質な人は、喫煙による一時的な安らぎを求めるあまり、健康を損なってしまう可能性があるのです。
外向的な人の喫煙量は年齢とともに減少
研究の結果、外向的な人の喫煙量は年齢とともに減少することが明らかになりました。
この傾向は、以下のような要因によると考えられます。
- 社交的な場面での喫煙が減る
- 健康への意識が高まる
- ニコチンへの依存が弱まる
外向的な人は、若い頃は社交的な場面での喫煙が多いと考えられます。
しかし、年齢とともに社交的な場面自体が減っていくため、喫煙量も自然と減少するのです。
また、年齢とともに健康への意識が高まり、健康リスクを意識するようになります。
その結果、禁煙を試みたりするのかもしれません。
こうした複合的な要因が、外向的な人の喫煙量の減少につながっていると考えられます。
ただし、個人差も大きく、必ずしもすべての外向的な人に当てはまるわけではありません。
1日のたばこの本数が多いほど禁煙は困難
研究の結果、1日のたばこの本数が多いほど、禁煙が困難になることが明らかになりました。
これは、ニコチン依存の程度と直接的に関係していると考えられます。
1日に20本以上たばこを吸うヘビースモーカーの場合、体内のニコチン濃度が常に高い状態にあります。
そのため、たばこを止めようとすると、強い離脱症状が現れるのです。
離脱症状には、イライラ、不安、集中力の低下、睡眠障害などがあります。
こうした症状の辛さから、多くの人が禁煙を挫折してしまいます。
ただし、ヘビースモーカーでも、適切な支援を受けることで禁煙は可能です。
ニコチン置換療法や医療機関での治療など、様々な方法があります。
性格を活かした禁煙アプローチ
この研究から明らかになった性格と喫煙の関係は、個人に合わせた禁煙支援に活用できます。
外向的な人への禁煙支援では、社交的な場面での対処法が重要になります。
- 喫煙者との付き合い方を見直す
- 代替となる刺激的な活動を見つける
- グループでの禁煙チャレンジ
神経質な人への禁煙支援では、ストレス管理が鍵となります。
- リラクゼーション技法の習得
- ストレス源の特定と対処法の確立
- 医療機関でのサポート活用
性格に合わせたアプローチによって、禁煙成功率の向上が期待できます。
よくある質問(FAQ)
なぜ外向的な人は喫煙を始めやすいのですか?
外向的な人は社交的な場に参加する機会が多く、そこで喫煙者と接触する機会が増えるためです。また、刺激を求める傾向があり、ニコチンの効果に惹かれやすいという要因も考えられます。
神経質な人が禁煙するために最も重要なことは何ですか?
ストレス管理技術の習得が最も重要です。神経質な人は喫煙をストレス解消手段として使うため、代替となるリラクゼーション法や運動などの健康的な対処法を身につけることが成功の鍵となります。
喫煙と性格の関係は遺伝的なものですか?
性格特性には遺伝的要因が関与していますが、喫煙行動は環境要因も大きく影響します。16歳時の性格が成人期の喫煙に影響するという研究結果は、遺伝と環境の複合的な作用を示しています。
性格によって禁煙の成功率に差はありますか?
はい、性格によって禁煙成功率に差があります。外向的な人は年齢とともに喫煙量が減少しやすく、神経質な人はニコチン依存が強くなりがちで禁煙が困難になる傾向があります。
内向的な人は喫煙リスクが低いのですか?
研究では外向的な人の喫煙リスクが高いことが示されており、相対的に内向的な人のリスクは低い傾向があります。社交的な場面での喫煙機会が少ないことや、刺激追求傾向が低いことが理由と考えられます。
思春期の性格は変えることができますか?
基本的な性格特性は比較的安定していますが、行動パターンや対処法は学習によって変えることができます。喫煙リスクの高い性格特性を持っていても、適切な知識と対策によってリスクを軽減することが可能です。






