性格に合う職業って本当にあるのかな、と進路サイトを見ながら迷ったことはありませんか。
文化祭の準備で人前に立つのが好きな人もいれば、裏方でコツコツ作業するのが落ち着く人もいます。
アルバイトで「なんだか合わない」と感じた経験がある人も多いでしょう。
従来は「努力すればどんな仕事にも慣れる」と考えられてきました。
しかし最近の大規模研究では、性格と職業の相性が仕事の満足度に関係する可能性が示されています。
つまり、がんばりだけでは説明できない部分があるのです。
たとえば、ヘルシンキ大学(University of Helsinki)などの研究者が行った論文「The Relationship Between Personality and Job Satisfaction Across Occupations」(Hanken School of Economics、University of Helsinki、Personality and Individual Differences、2019年)では、約22787人を調査しました。
その結果、職業ごとに性格の平均が少しずつ異なり、自分の性格がその職業の平均に近いほど満足度が高まる傾向があると報告されています。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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目次
性格に合う職業は本当に存在するのか
研究でわかった「職業には性格の偏りがある」
重要なのは、職業ごとに性格の平均が少しずつ違ったことです。
この研究では約22787人が調べられました。
対象は25の職業グループです。
まず研究者は性格を5つに分けました。
性格とは行動や感じ方のくせです。
たとえば次の5つです。
- 神経症傾向
- 外向性
- 誠実性
- 協調性
- 開放性
すると、どの性格も職業ごとに差がありました。
とくに開放性の差が大きめでした。
ただし差は1割前後と控えめです。
それでも統計的には意味がありました。
つまり職業には性格のかたよりが少しあるのです。
完全に同じではありませんが、傾向は見られました。
まとめると、性格の違いは職業ごとに少し現れていました。
仕事の満足度は何で決まるのか
重要なのは、性格だけで満足度が決まるわけではない点です。
仕事満足度とは仕事への満足感です。
調査では1から7で答えてもらいました。
平均は5.30でした。
では何が影響するのでしょうか。
研究では性格との関係を見ました。
すると神経症傾向はマイナスでした。
値は約−0.14でした。
一方で誠実性や協調性はプラスでした。
しかしそれだけでは足りません。
なぜなら職業ごとの差もあったからです。
たとえば周りと性格が合うかです。
これが「合う合わない」の意味です。
満足度は個人と環境の組み合わせで変わると考えられます。
結局のところ、満足度は性格と環境の両方で左右されます。
性格は5つの要素で見るとわかりやすい
重要なのは、性格は5つの軸で整理できることです。
研究では5つの性格を使いました。
それぞれ簡単に説明します。
- 神経症傾向:不安になりやすさ
- 外向性:人と関わる元気さ
- 誠実性:まじめさ
- 協調性:思いやり
- 開放性:新しいことへの好奇心
もしあなたが好奇心旺盛ならどうでしょう。
刺激が少ない環境は退屈かもしれません。
逆に落ち着きを好むならどうでしょう。
変化が多い環境は疲れるかもしれません。
このように性格は行動の土台です。
5つに分けると考えやすくなります。
つまり5つの軸で見ると職業との相性が想像しやすくなります。
データはどれくらい大きい調査なのか
重要なのは、約22787人という大規模調査である点です。
これはかなり大きな人数です。
25の職業に分けて分析しました。
最大の職業は約2520人でした。
最小は156人でした。
これだけ人数が多いと平均が安定します。
そのため職業平均との差も測れました。
ただし職業内でも個人差はあります。
実際、職業で説明できる割合は1〜4%ほどでした。
つまり職業だけで性格は決まりません。
しかし全く無関係でもありません。
規模が大きいからこそ小さな差も見えました。
まとめると、大規模調査だから信頼性は高めと言えます。
ここで言う「性格に合う」の意味
重要なのは「合う」とは周りの平均に近いことです。
合うとはどういうことでしょうか。
研究では次の考え方でした。
- 自分の性格
- その職業の平均的な性格
この2つの近さを見ました。
もしあなたが不安になりやすいならどうでしょう。
周りも似ていれば安心かもしれません。
しかし周りが冷静な人ばかりならどうでしょう。
自分だけ浮く感覚になるかもしれません。
これがズレです。
研究ではこのズレが満足度に影響しました。
特に神経症傾向と開放性でした。
つまり合うとは平均に近い状態を指します。
まとめると、性格に合うとは環境との近さを意味します。
性格に合う職業は職業の平均性格で見えてくる
神経症傾向が高めの職業と低めの職業
重要なのは、神経症傾向は職業で少し差があったことです。
神経症傾向とは不安になりやすさです。
| 職業:神経症傾向が高い(-T) | 平均 |
|---|---|
| 文化・メディア・スポーツ | 7.96 |
| 行政職 | 7.95 |
| 教育・研究職 | 7.90 |
| パーソナルケア | 7.82 |
| 基礎的事務・サービス職 | 7.80 |
もしあなたが不安を感じやすいならどうでしょう。
周りも同じなら理解されやすいかもしれません。
しかし周囲が落ち着いていれば孤立感もあり得ます。
| 職業:神経症傾向が低い(-A) | 平均 |
|---|---|
| 熟練建設・建築 | 7.08 |
| 医療専門職 | 7.15 |
| 企業管理職 | 7.19 |
| 保健福祉準専門職 | 7.24 |
| 熟練金属・電気 | 7.24 |
実際、ズレが大きいと満足度は下がりやすい傾向でした。
数値では傾きの62.5%が説明されました。
つまり神経症傾向は環境との相性が影響します。
まとめると、不安の強さは職業平均との差が鍵になります。
外向性が高めの職業と低めの職業
重要なのは、外向性も職業でわずかな違いがあった点です。
外向性とは人と関わる元気さです。
もしあなたが人と話すのが好きならどうでしょう。
人と関わる仕事は楽しいかもしれません。
| 職業:外向性が高い(E) | 平均 |
|---|---|
| 農業・サービス管理職 | 11.24 |
| 企業管理職 | 11.04 |
| ビジネス準専門職 | 11.05 |
| 保安職 | 11.08 |
| 熟練建設 | 11.02 |
逆に静かな環境が好きならどうでしょう。
にぎやかな場は疲れる可能性もあります。
| 職業:外向性が低い(I) | 平均 |
|---|---|
| 科学技術専門職 | 10.09 |
| 科学技術準専門職 | 10.14 |
| 医療専門職 | 10.36 |
| 熟練農業 | 10.40 |
| 行政職 | 10.51 |
ただし外向性では強い交互作用は出ませんでした。
つまりズレの影響は限定的でした。
それでも平均差は存在しました。
まとめると、外向性は差はあるが影響は中程度です。
誠実性が高めの職業と低めの職業
重要なのは、誠実性は全体的に高めで差は小さめでした。
誠実性とはまじめさです。
もしあなたがまじめならどうでしょう。
多くの職業で活かせる可能性があります。
| 職業:誠実性が高い(J) | 平均 |
|---|---|
| 熟練建設 | 14.07 |
| 熟練金属・電気 | 13.82 |
| 企業管理職 | 13.67 |
| 医療専門職 | 13.62 |
| 保安職 | 13.62 |
| 職業:誠実性が低い(P) | 平均 |
|---|---|
| 販売職 | 13.06 |
| 基礎的事務・サービス職 | 13.19 |
| カスタマーサービス | 13.16 |
| 文化・メディア | 13.27 |
| 科学技術専門職 | 13.26 |
そのためズレによる大きな影響は出ませんでした。
研究でも交互作用は確認されませんでした。
つまり誠実性は広く求められる特性です。
まとめると、誠実性は多くの職業で安定的です。
協調性が高めの職業と低めの職業
重要なのは、協調性も差はあるが小さめでした。
協調性とは思いやりです。
もしあなたが人を助けたいならどうでしょう。
支援職は満足しやすいかもしれません。
| 職業:協調性が高い(F) | 平均 |
|---|---|
| パーソナルケア | 14.12 |
| 教育・研究職 | 13.72 |
| レジャー・個人サービス | 13.75 |
| 保健福祉準専門職 | 13.69 |
| カスタマーサービス | 13.69 |
| 職業:協調性が低い(T) | 平均 |
|---|---|
| 工場オペレーター | 13.33 |
| 企業管理職 | 13.35 |
| 科学技術専門職 | 13.42 |
| 保安職 | 13.42 |
| 金属電気職 | 13.53 |
しかし研究では強い相互作用は出ませんでした。
つまり周囲平均との差の影響は限定的でした。
それでも職業による傾向はありました。
まとめると、協調性は職業で多少の差が見られます。
開放性が高めの職業と低めの職業
重要なのは、開放性は職業差が最も大きかった点です。
開放性とは新しいものへの好奇心です。
| 職業:開放性が高い(N) | 平均 |
|---|---|
| 文化・メディア・スポーツ | 13.18 |
| 教育・研究職 | 12.42 |
| 科学技術専門職 | 11.35 |
| 農業・サービス管理職 | 11.27 |
| 企業管理職 | 11.19 |
もしあなたが新しい挑戦を好むならどうでしょう。
変化の少ない職業では退屈かもしれません。
実際、平均が低い職業では満足度が下がりました。
| 職業:開放性が低い(S) | 平均 |
|---|---|
| 運輸・機械ドライバー | 9.55 |
| 基礎的倉庫・物流職 | 9.73 |
| 工場オペレーター | 9.93 |
| 基礎的事務・サービス | 10.06 |
| 熟練建設 | 10.35 |
一方、平均が高い職業では影響が弱まりました。
傾き分散の72.7%が説明されました。
つまり開放性は相性が強く出ます。
まとめると、開放性は職業選びで特に重要です。
性格に合う職業は神経症傾向の「合う合わない」が効く
神経症傾向が高いほど満足度が下がりやすい
重要なのは、神経症傾向が高いと満足度がやや下がる傾向があった点です。
神経症傾向とは不安になりやすさです。
研究では数値が約−0.14でした。
これはややマイナスの関係です。
つまり不安が強いほど満足度は低めでした。
しかしこれは平均的な話です。
すべての人に当てはまるとは限りません。
もしあなたが心配性ならどうでしょう。
ミスが多い職場では緊張が強まるかもしれません。
一方で慎重さが評価される場もあります。
そのため性格そのものが悪いとは言えません。
まとめると、神経症傾向は満足度とやや逆の関係でした。
でも「周りも同じ傾向」だと落ち込みにくい
重要なのは、周囲の平均と近いと影響が弱まることです。
研究では交互作用が確認されました。
数値は約0.12でした。
これは「組み合わせ効果」です。
もしあなたが不安になりやすいならどうでしょう。
周りも似ていれば共感されやすいです。
しかし周囲が冷静な人ばかりならどうでしょう。
自分だけ浮いている感覚が出るかもしれません。
実際、平均との差が小さいと満足度は保たれました。
傾きの約62.5%が説明されました。
つまり環境との近さが大事です。
まとめると、周囲と似ていることが安心感につながります。
神経症傾向が低い人は「低めの職業」で満足しやすい
重要なのは、神経症傾向が低い人も相性の影響を受ける点です。
不安が少ない人は安定志向かもしれません。
もしあなたが落ち着いているならどうでしょう。
周囲も同じなら居心地は良いでしょう。
しかし周りが感情の波が大きいならどうでしょう。
調整に疲れる可能性があります。
研究では平均との差が小さい方が良い結果でした。
つまり低い人も低めの環境で満足しやすいです。
ただし差は絶対的ではありません。
あくまで傾向です。
まとめると、神経症傾向は高低どちらも相性が関係します。
合わない環境だと不満が強く出やすい
重要なのは、ズレが大きいと不満が強まる傾向です。
ズレとは自分と平均の差です。
差が広がると違和感が生まれます。
もしあなたが心配性なのに周囲が楽観的ならどうでしょう。
気持ちを共有しにくいかもしれません。
逆の場合も同じです。
研究ではこの差が満足度に影響しました。
ただし職業だけで全ては決まりません。
説明できる割合は一部でした。
それでも無視できない効果でした。
まとめると、ズレが大きいほど不満は出やすい傾向です。
神経症傾向は「合う職業選び」で差が出る
重要なのは、神経症傾向は職業選びで考慮する価値がある点です。
すべての性格で強い効果が出たわけではありません。
しかし神経症傾向でははっきり確認されました。
約22787人の大規模調査です。
その中で安定した傾向が出ました。
もし進路を考えているならどうでしょう。
自分の不安の強さを知ることが手がかりになります。
そして職業の雰囲気も考えるとよいです。
これが「性格に合う職業」の視点です。
まとめると、神経症傾向は相性を考える上で重要です。
性格に合う職業は開放性の「ズレ」が不満を生む
開放性が高い人がつらいのは「刺激が少ない職業」
重要なのは、開放性が高い人は刺激の少なさに弱い点です。
開放性とは好奇心の強さです。
研究では差が最も大きい特性でした。
文化系は約13以上でした。
運輸系は約9台でした。
差は約3です。
もしあなたが新しいことが好きならどうでしょう。
変化が少ない仕事は退屈かもしれません。
実際、平均が低い職業では満足度が下がりました。
ただし全員が不満になるわけではありません。
まとめると、開放性が高い人は刺激の有無が重要です。
開放性が低い職業では満足度が下がりやすい
重要なのは、開放性の平均が低い環境で差が出たことです。
研究では平均が低い場合に影響が出ました。
数値では交互作用が約0.15でした。
これは比較的はっきりした効果です。
もしあなたが創造的ならどうでしょう。
決まりきった作業は物足りないかもしれません。
その結果、満足度が下がる傾向でした。
しかし平均が高い環境では影響は弱まりました。
つまり環境の特徴が鍵です。
まとめると、開放性は環境次第で満足度が変わります。
開放性が高い職業だと悪影響が消える
重要なのは、平均が高いとマイナスが弱まる点です。
研究では高い環境では有意でなくなりました。
つまり悪い影響が消えました。
もしあなたが挑戦好きならどうでしょう。
周囲も挑戦的なら安心できます。
自分だけ浮く感覚は減ります。
傾き分散の約72.7%が説明されました。
これは大きな割合です。
つまり相性効果が強いことを示します。
まとめると、開放性は一致すると満足が保たれます。
開放性は職業差が大きい性格だった
重要なのは、5つの中で差が最大だった点です。
職業間の違いは約4%ほど説明されました。
他の性格より高めでした。
つまり職業ごとの色が出やすい特性です。
もしあなたが進路を考えるならどうでしょう。
好奇心の強さを基準に見るのも一つです。
特に文化や研究系は高めでした。
一方、運輸や単純作業は低めでした。
これは平均の話です。
個人差はあります。
まとめると、開放性は職業の色を映す指標です。
開放性は「新しさ」への欲求として考えると簡単
重要なのは、難しい言葉でなく欲求として考えることです。
開放性とは新しい経験を求める力です。
もしあなたが同じ作業を続けるならどうでしょう。
退屈に感じるかもしれません。
逆に安定が好きならどうでしょう。
変化は負担になるかもしれません。
研究はこの違いを示しました。
約22787人の中で傾向が出ました。
つまり自分の欲求を知ることが大切です。
まとめると、開放性は新しさへの欲求の強さです。
最後に
ここまで見てきたように、性格に合う職業は「気合い」だけでは決まりません。
約22787人を調べた研究では、職業ごとに性格の平均が少しずつ違い、自分の性格がその環境に近いほど仕事の満足度が高まりやすい傾向が示されました。
とくに、不安になりやすさを表す神経症傾向や、新しいことへの好奇心を表す開放性では、その「合う・合わない」がはっきり出ました。
つまり、大切なのは「向いているかどうか」を根性で乗り越えることではなく、自分の特徴を知り、環境との相性を考えることです。
進路に迷ったときは、「何が得意か」だけでなく、「どんな人に囲まれていると安心できるか」を考えてみてください。
それが、あなたらしく働ける道を見つけるヒントになるはずです。

ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究し、論文4本執筆(うち2本ジャーナル掲載)。社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。








