職場の繋がりって正直めんどうだと感じたことはありませんか。
毎日顔を合わせるのに、本音は話せない。
昼休みもなんとなくスマホを見て終わる。
そんな「あるある」を経験している人も多いはずです。
従来は「仕事は成果がすべてで、人間関係は二の次」と考えられてきました。
しかし、最新の研究はまったく逆の事実を示しています。
職場の繋がりは、気分の問題ではなく、健康や寿命、生産性にまで関わる可能性があるのです。
その代表的な研究が、Julianne Holt-Lunstadによる「Fostering Social Connection in the Workplace」です。
米国ブリガムヤング大学(Brigham Young University)の研究者が執筆し、『American Journal of Health Promotion』に2018年に掲載されました。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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職場の繋がりが大事な理由を先に整理
社会的つながりは健康・認知・寿命に影響する
最も重要なのは、つながりは命に関わるという点です。
まず、社会的つながりとは人との関係全体です。
家族や友人だけを指しません。
研究では、多くの人を長く追いました。
その結果、つながりが強い人は長生きでした。
さらに、考える力の低下もゆるやかでした。
傷の治りも早いという報告もあります。
一方で、孤立が強い人は死亡の危険が高まりました。
もしあなたが毎日誰とも話さないならどうでしょう。
例えるなら、充電しない携帯のようです。
心も体も少しずつ弱ります。
- 幸福感が下がる
- 抑うつが増える
- 不安が強まる
これらも確認されています。
つまり、つながりは気分の問題ではありません。
健康と寿命に関わる大事な土台です。
つながりは見えにくいですが、体と心を支える力になります。
職場の繋がりは「強い関係」だけでなく「ゆるいつながり」も含む
重要なのは、親友だけが大事なのではない点です。
まず、強い関係とは深い信頼関係です。
家族や親友がこれにあたります。
しかし、研究は別の事実も示します。
それは、ゆるいつながりも役立つことです。
ゆるいつながりとは顔見知りの関係です。
例えば、あいさつを交わす同僚です。
また、たまに話す取引先も含まれます。
もしあなたが新しい学校に入ったらどうでしょう。
毎日少し話す人がいるだけで安心します。
それと同じことが職場でも起きます。
弱い関係でも広がりは力になります。
- 情報が入りやすい
- 気分が安定しやすい
- 孤立感が減りやすい
このような影響が示されています。
したがって、深さだけでなく広さも大切です。
強い関係とゆるいつながりの両方が心身を支えます。
職場の繋がりは3つの要素でできている
職場の繋がりは量・支え・質の3つで成り立ちます。
まず、量とは人との接触の多さです。
同僚の人数や話す回数が含まれます。
次に、支えとは助けてもらえる感覚です。
困った時に相談できる安心感です。
最後に、質とは関係の心地よさです。
尊重や信頼があるかどうかです。
もしあなたが人に囲まれても孤独ならどうでしょう。
これは量はあるが支えが弱い状態です。
逆に、少人数でも安心できれば安定します。
例えるなら、数よりも栄養の質です。
- 量は人数や頻度
- 支えは安心感
- 質は信頼や尊重
この3つがそろうと守られます。
どれかが欠けると不安定になります。
つまり、数だけ増やしても十分とは言えません。
3つの要素を意識することが鍵になります。
職場の繋がりが少ない状態は一つではない
孤立と孤独は同じではない点が重要です。
まず、孤立とは人との接触が少ない状態です。
一人で働く時間が長い場合です。
一方で、孤独は心の感覚です。
人が周りにいても寂しい状態です。
研究ではこの違いを区別しています。
さらに、関係の悪さも別の問題です。
衝突や無礼が続く状態です。
もしあなたがクラスにいるのに話せないならどうでしょう。
それは孤立ではなく孤独に近いです。
また、毎日けんかがあれば質が低い状態です。
- 孤立は量の不足
- 孤独は支えの不足
- 衝突は質の不足
このように種類が違います。
対策もそれぞれ変わります。
少ない状態は一つではありません。
違いを知ることが改善の第一歩です。
職場の繋がり不足の健康リスクは他の有名リスクに匹敵する
つながり不足の危険は想像以上に大きいです。
研究では、孤立の死亡リスクを比べました。
その大きさは肥満や大気汚染に近いとされます。
一部ではそれ以上の可能性も示されました。
つまり、生活習慣の問題と同程度です。
また、孤立や孤独の広がりも問題です。
その割合は、喫煙や運動不足と同じくらいです。
もしあなたが毎日煙の中で暮らすならどうでしょう。
体に悪いと感じるはずです。
孤立もそれに近い影響を持ちます。
- 心拍や緊張が高まりやすい
- 不安や落ち込みが増えやすい
- 健康の悪化が進みやすい
こうした報告があります。
したがって、軽く見てはいけません。
つながり不足は重大な健康課題です。
職場での対策は予防につながると考えられます。
職場の繋がりが弱いと起きやすい問題
職場は家族より長く過ごしやすい場所
まず最も重要なのは、職場は生活の中心になりやすい点です。
多くの大人は平日の大半を働いて過ごします。
1日8時間以上職場にいる人も少なくありません。
さらに、通勤時間も加わります。
すると、家族より長く過ごすこともあります。
もしあなたが毎日同じ教室に8時間いるならどうでしょう。
その教室の空気は心に影響します。
職場もそれと同じです。
良い雰囲気なら安心できます。
しかし、冷たい雰囲気なら疲れます。
- 長時間接する
- 役割や評価がある
- 失敗の緊張もある
こうした条件が重なります。
したがって、職場の繋がりは小さな問題ではありません。
過ごす時間が長いからこそ影響も大きくなります。
職場の関係は、日常の土台を形づくる力を持ちます。
職場の繋がりが薄いと「孤独」を感じやすい
重要なのは、人に囲まれても孤独は起こる点です。
孤独とは、心の中の寂しさです。
人数の問題ではありません。
研究では、経営者の約50%が孤独を感じていました。
さらに、その61%が仕事に悪影響と答えました。
もしあなたがクラスで一人だけ話せないならどうでしょう。
周囲に人がいても心は一人です。
職場でも同じことが起きます。
特に立場が高いほど孤立しやすいです。
また、医療の仕事でも孤独は報告されています。
- 誰にも相談できない
- 自分だけが違うと感じる
- 助けを求めにくい
この状態が続くと消耗します。
つまり、孤独は見えにくい問題です。
人数が多い環境でも起こります。
職場の繋がりが薄いと心の負担が増えます。
職場の繋がりが薄いとストレス反応が強まりやすい
重要なのは、孤独は体の反応も強める点です。
ストレス反応とは体の緊張です。
心拍が上がる状態などを指します。
研究では、孤独な人は緊張反応が強まりました。
特に、他人に評価される場面で強くなります。
もしあなたが一人で発表するならどうでしょう。
支えてくれる友達がいれば安心します。
しかし、誰も味方がいないと感じたら不安が増します。
その不安が体に表れます。
また、孤独な人は否定的に考えやすい傾向もあります。
- 他人の意図を悪く受け取る
- 自分を低く評価する
- 危険を強く感じる
このような傾向が報告されています。
したがって、繋がりの不足は心身に影響します。
小さな不安が積み重なる可能性があります。
職場の繋がりが悪いと無礼・いじめが起きやすい
重要なのは、関係の質が悪いと傷つきが増える点です。
職場では無礼な態度が問題になります。
無礼とは、相手を軽く扱う言動です。
調査では、約8.3%がいじめを経験していました。
これは少ない数字とは言えません。
いじめの形はさまざまです。
- 過度な監視
- 無理な締め切り
- 侮辱や排除
もしあなたが毎日悪口を言われたらどうでしょう。
心は確実に疲れます。
さらに、仕事の意欲も下がります。
関係の悪化は孤立とも結びつきます。
そして、全体の雰囲気も悪くなります。
つまり、質の低い繋がりは害になります。
安心できる関係が土台になります。
職場の繋がりの悪化は広い社会問題とも結びつく
重要なのは、職場だけの問題ではない点です。
孤立や衝突は社会全体に広がります。
仕事の疲れは家庭にも持ち込まれます。
これを波及と呼ぶことがあります。
例えば、長時間労働は交流の時間を減らします。
もしあなたが毎日帰宅が夜遅いならどうでしょう。
友人や家族と会う時間は減ります。
その結果、外の繋がりも弱まります。
さらに、国ごとの比較もあります。
労働時間が長い国ほど、生産性が低い傾向がありました。
- 交流の時間が減る
- 余裕がなくなる
- 社会参加が減る
こうした影響が考えられます。
つまり、職場の繋がりは社会にも関わります。
小さな関係の悪化が広がる可能性があります。
職場の繋がりは実は生産性にも効く
職場の繋がりが薄いと仕事のパフォーマンスが落ちやすい
重要なのは、孤独は仕事の成果にも影響する点です。
経営者の61%が孤独は業績に悪影響と答えました。
特に初めての経営者では70%でした。
孤立感は判断を鈍らせます。
もしあなたが相談できない状態で決断するならどうでしょう。
不安が増え、迷いも増えます。
また、孤独な人は職場への帰属感が低くなります。
帰属感とは、自分はここに必要だという感覚です。
それが弱まると努力も減ります。
- 意欲が下がる
- 集中力が続かない
- 協力が減る
こうした影響が出やすいです。
したがって、繋がりの不足は成果に関係します。
仕事の力は関係性に支えられています。
職場の繋がりがある人は「親友がいる」と答える割合がある
重要なのは、親しい存在がいる人は約30%いる点です。
調査では、30%が職場に親友がいると答えました。
親友とは深く信頼できる相手です。
もしあなたが部活に親友がいたらどうでしょう。
活動が楽しくなります。
同じことが職場でも起きます。
親友がいる人は幸福感が高い傾向がありました。
また、仕事の質も高いと報告されています。
- 支え合える
- 本音を言える
- 安心できる
これらが影響します。
もちろん全員に親友が必要とは言えません。
しかし、信頼できる人の存在は大きいです。
関係の深さが働く力を支えます。
職場の繋がりがあると仕事への熱量が大きく上がる
重要なのは、繋がりは熱量を何倍にも高める点です。
親友がいる人は仕事への熱量が7倍高いとされました。
7倍という数字は大きいです。
熱量とは、前向きな気持ちです。
もしあなたが文化祭で仲間と協力するならどうでしょう。
やる気が自然に高まります。
一方で、孤立していれば力は出にくいです。
繋がりは内側からの動機を強めます。
- 自主的に動く
- 失敗しても立ち直る
- 仲間の成功を喜ぶ
こうした行動が増えます。
したがって、関係は感情だけの問題ではありません。
熱量は成果にもつながります。
職場の繋がりがあると仕事の質や安全面にも良い影響が出る
重要なのは、安全や質にも影響がある点です。
親友がいる人はけがをしにくいと報告されました。
仕事の質も高い傾向でした。
もしあなたが危険な作業を一人で行うならどうでしょう。
注意力は落ちやすいです。
しかし、仲間がいれば声をかけ合えます。
ミスの防止につながります。
さらに、助け合いが起きます。
- 協力が増える
- 情報共有が進む
- 問題を早く発見できる
こうした効果があります。
繋がりは安全装置の役割を果たします。
職場の安心感は質を高めます。
職場の繋がりは「短い雑談」でも効率を上げうる
重要なのは、短い会話も無駄ではない点です。
研究では、わずかな交流増加で効率が上がりました。
秒単位で行動を測る調査もありました。
小さな結束の変化が成果に影響しました。
もしあなたが休み時間に少し笑ったらどうでしょう。
その後の勉強がはかどることがあります。
雑談は気持ちを整えます。
そして、信頼を積み重ねます。
- 気分転換になる
- 心理的な距離が縮まる
- 協力がしやすくなる
こうした作用があります。
したがって、短い交流も意味があります。
雑談は効率の土台をつくります。
職場の繋がりを育てるために企業ができること
職場の繋がりを増やす「きっかけ」を用意する
最も大切なのは、出会いのきっかけをつくることです。
繋がりは自然には生まれにくいです。
そこで、企業が場を整える必要があります。
例えば、共有スペースを設ける方法があります。
休憩時間に集まれる場所です。
また、交流会を開く方法もあります。
もしあなたが新しい学校に入ったらどうでしょう。
最初の話しかける場があれば安心します。
職場でも同じです。
- 休憩場所の工夫
- 定期的な交流会
- 気軽な集まりの場
こうした取り組みが入口になります。
ただし、無理に参加させるのは逆効果です。
自然に話せる環境が望まれます。
きっかけづくりは第一歩です。
小さな接点が安心の土台になります。
職場の繋がりは「量」だけ増やしても孤独は減らないことがある
重要なのは、人数を増やすだけでは十分でない点です。
人と会う回数を増やす工夫はあります。
しかし、それだけでは孤独は減らない場合があります。
孤独とは心の感覚です。
数ではなく満足感が関係します。
もしあなたが大勢の中で一人ぼっちならどうでしょう。
にぎやかでも寂しさは消えません。
研究では、質の低い交流は効果が弱いと示されました。
- 表面的な会話だけ
- 本音を話せない
- 尊重が感じられない
こうした状態では支えになりません。
したがって、量と質は別です。
数を増やすだけでは不十分です。
心が通う仕組みが必要になります。
職場の繋がりは「質」を上げる工夫が重要
最も重要なのは、信頼と尊重を育てることです。
質とは関係の心地よさです。
安心して話せる状態を指します。
研究では、対立や無礼が健康に悪影響を及ぼしました。
約8.3%がいじめを経験していました。
もしあなたが毎日否定され続けたらどうでしょう。
心も体も疲れてしまいます。
そこで、質を高める工夫が求められます。
- 丁寧な対話の促進
- 上司との信頼関係
- 協力を評価する仕組み
こうした取り組みが役立ちます。
さらに、尊重されている感覚が大切です。
質の向上は孤独の予防になります。
温かい関係が健康を支えます。
職場の繋がりのために働き方を整える(長時間労働の見直し)
重要なのは、時間の余裕が繋がりを守る点です。
長時間労働は交流の時間を減らします。
家族や友人との時間も削られます。
研究では、労働時間が長い国ほど生産性が低い傾向がありました。
つまり、長く働けば良いとは限りません。
もしあなたが毎日夜遅く帰宅したらどうでしょう。
誰かと話す気力も減ります。
余裕がなければ関係は育ちません。
- 柔軟な働き方
- 適切な労働時間
- 休暇の確保
こうした工夫が支えになります。
時間の余白が心の余裕を生みます。
繋がりは働き方とも深く関係します。
働き方の見直しは土台づくりです。
職場の繋がりを健康施策や退職準備にも組み込む
重要なのは、繋がりを健康対策の一部と考えることです。
企業は健康診断や運動支援を行います。
しかし、関係性も同じくらい重要です。
研究では、孤立の危険は肥満に匹敵しました。
また、孤立の広がりは喫煙と同程度でした。
もしあなたが退職後に急に交流を失ったらどうでしょう。
孤立が強まる可能性があります。
そこで、準備段階から支援が必要です。
- 交流の機会を組み込む
- 退職後のつながり支援
- 仲間づくりの学び
こうした取り組みが役立ちます。
繋がりは予防の一部です。
健康と同じように計画的に守るべき資源です。
最後に
ここまで見てきたように、職場の繋がりは「気まずさ」や「めんどうさ」の問題ではありません。
研究では、繋がりの弱さは健康や寿命にまで関わる可能性が示されています。
さらに、職場に信頼できる人がいると、仕事への熱量が大きく高まり、成果や安全面にも良い影響が出ると報告されています。
つまり、人間関係はおまけではなく土台です。
若いうちから「どんな会社に入るか」だけでなく、「どんな繋がりがある環境か」を考えることが大切です。
小さなあいさつや短い雑談も無駄ではありません。
それが安心感をつくり、未来の自分を支える力になります。

ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究し、論文4本執筆(うち2本ジャーナル掲載)。社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。








