性格と能力って、生まれつきでほぼ決まるものだと思っていませんか。
テストの点が高い人を見ると「頭がいいからだ」と感じたり、コツコツ続けられる友だちを見て「才能がある」と思ったりしますよね。自分には向いていない、とあきらめた経験がある人もいるかもしれません。
従来は、能力は主に知能で決まり、性格はおまけのようなものだと考えられてきました。
しかし近年の研究では、誠実性や協調性などの性格特性が、学業成績や仕事の成果、さらには健康や幸福感とも関連することが示されています。
OECDが行った研究『Social and Emotional Skills for Student Success and Well-being: Conceptual Framework for the OECD Study on Social and Emotional Skills』では、社会情動的な力が人生のさまざまな結果に関わることがまとめられました。
今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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性格と能力を説明する「ビッグファイブ」とは
性格を5つに分ける考え方
性格と能力は、5つのまとまりで整理できます。
まず性格とは、考え方や行動のくせです。
研究では性格を5つに分けます。
- 誠実性
- 協調性
- 外向性
- 情動性
- 開放性
これは多くの国で確かめられました。
例えば何千人もの回答を分析しました。
すると似た5つのかたまりが出ました。
もしあなたが自己紹介を書くなら?
真面目か社交的かを考えますよね。
それが5つの分類のもとです。
さらにこの分類は学業とも関係します。
したがって能力理解にも役立ちます。
5つの視点で見ると、自分の強みと伸ばせる点が見えやすくなります。
誠実性が表す「やり抜く力」
誠実性は、最後までやり抜く力です。
誠実性とは計画し続ける力です。
具体的には次のような力です。
- 自己管理
- 約束を守る
- 目標に集中する
研究では成績との関係が見られました。
相関は約0.3前後でした。
これは弱すぎない関係です。
もしあなたが毎日10分勉強するなら?
少しずつ差が開くでしょう。
一方で誠実性は固定ではありません。
教育で伸びる可能性があります。
そのため学校でも注目されています。
誠実性は学力だけでなく、将来の安定にもつながる可能性があります。
協調性が表す「人と進める力」
協調性は、人と力を合わせる土台です。
協調性とは思いやりの傾向です。
他人の立場を考える力です。
主な特徴は次の通りです。
- 共感する
- 助け合う
- 信頼する
研究では集団活動との関連が示されました。
仕事の評価とも関係しました。
もしあなたが文化祭の班長なら?
対立をまとめる力が必要です。
そのとき協調性が役立ちます。
しかし高すぎても疲れることがあります。
したがってバランスが大切です。
協調性は人間関係を支え、安心して力を発揮する土台になります。
外向性が表す「関わりに行く力」
外向性は、前に出て関わる力です。
外向性とは人に近づく傾向です。
声をかける勇気も含みます。
具体的には次の面があります。
- 社交的
- 活動的
- 自己主張できる
研究では指導的立場との関係がありました。
仕事の評価との相関も報告されました。
もしあなたが発表者なら?
堂々と話す姿を想像してください。
外向性はその助けになります。
ただし静かな人が劣るわけではありません。
役割によって強みは変わります。
外向性は場面によって能力を引き出すきっかけになります。
情動性が表す「気持ちを整える力」
情動性は、気持ちの安定度を示します。
情動性とは不安や怒りの出やすさです。
安定していると落ち着きます。
主な特徴は次の通りです。
- 不安の少なさ
- 楽観性
- 感情の安定
研究では健康との関係がありました。
抑うつの確率とも関連しました。
例えば自己評価が高い群では、
25歳時の抑うつが低い傾向でした。
もしあなたが試験前なら?
深呼吸できるかどうかが差になります。
さらに情動性も変化し得ます。
情動性は能力を安定して発揮する土台と考えられます。
性格と能力が学びの結果にどうつながるか
学力だけでなく性格も成績に関係する
学力は知識だけで決まらない可能性があります。
研究では性格と成績を比べました。
その結果、誠実性と成績の相関は約0.3でした。
これは中くらいの関係です。
一方で知能との関係も大きいです。
しかし性格も無視できません。
もしあなたが同じ点数の2人なら?
毎日復習する人が伸びやすいでしょう。
つまり行動の差が影響します。
さらに性格は学習態度に関わります。
したがって能力は一つではありません。
学力は知識と性格の組み合わせで伸びると考えられます。
誠実性と「提出・準備・継続」の関係
誠実性は日々の積み重ねを支えます。
誠実性とは計画的な行動の傾向です。
提出期限を守る力も含みます。
- 宿題を忘れない
- 早めに準備する
- 目標を立てる
研究では誠実性が高い群ほど、
平均成績が高い傾向でした。
もしあなたが1日10分続けるなら?
1か月で300分になります。
この差は小さくありません。
さらに大学進学率との関連も示されました。
したがって誠実性は土台になります。
誠実性は小さな行動を重ね、結果を変える力です。
好奇心や新しい発想と学びの関係
好奇心は学びを広げる原動力です。
開放性とは新しいことへの関心です。
本を読む楽しさも含みます。
- 新しい考えに触れる
- 芸術に関心を持つ
- 疑問を持つ
研究では開放性と知識量に、
約0.3前後の相関が見られました。
もしあなたが疑問を1つ調べたら?
理解が深まる経験がありますよね。
この積み重ねが能力を広げます。
ただし好奇心だけでは足りません。
行動と結びついて力になります。
好奇心は能力の広がりを後押しする重要な力です。
情動性とテストや発表の場面の関係
情動性は本番での力に影響します。
情動性とは不安の出やすさです。
不安が強いと集中が乱れます。
研究では不安と成績に負の関係がありました。
相関は約−0.2前後でした。
もしあなたが強い緊張を感じたら?
頭が真っ白になることがあります。
一方で安定していれば実力が出ます。
さらに感情は練習で整えられます。
したがって対策は可能です。
情動性は能力を発揮する場面で大きな意味を持ちます。
性格と能力はお互いに影響し合う
性格と能力は一方通行ではありません。
知識が増えると自信が育ちます。
自信は挑戦を後押しします。
- 挑戦が増える
- 経験が広がる
- 能力が伸びる
研究ではこの循環が示唆されました。
もしあなたが成功体験を重ねたら?
次も挑戦したくなりますよね。
この流れが能力を育てます。
つまり性格は固定ではありません。
能力もまた影響を受けます。
性格と能力は支え合いながら成長していくと考えられます。
性格と能力は育つのか(変わるのか)
子どものころの気質と性格のつながり
子どもの気質は大人の性格と関係します。
気質とは生まれつきの反応の傾向です。
例えば泣きやすさや活発さです。
研究では幼少期の特徴と、
大人の性格に関連が見られました。
完全に同じではありません。
しかし一定のつながりがありました。
もしあなたが人見知りの子どもなら?
成長後も慎重な傾向が残るかもしれません。
ただし環境も大きく影響します。
家庭や学校で変化します。
気質は出発点ですが、その後の経験で性格は形作られます。
成長の中での変化のしかた
性格は年齢とともに少しずつ変わります。
研究では生涯の変化が調べられました。
誠実性は成人期に上がる傾向でした。
情動性は年齢とともに安定しやすいです。
変化は急ではありません。
少しずつ積み重なります。
もしあなたが高校生なら?
今の性格はまだ途中段階です。
将来も伸びる可能性があります。
つまり固定されたものではありません。
環境や役割が影響します。
性格はゆるやかに変わり続ける特徴を持っています。
学校や家庭の経験で伸びるポイント
経験は性格の発達に関わります。
例えば協力する活動です。
班活動や部活動が例です。
- 役割を持つ
- 目標を共有する
- 振り返る
こうした経験は誠実性や協調性に関係します。
もしあなたが文化祭を運営したら?
計画力と協力が必要です。
この経験が力になります。
さらに支援的な大人の存在も重要です。
したがって環境づくりが鍵です。
日々の経験が性格と能力を形づくると考えられます。
取り組み次第で変わりうるという考え方
性格は変えられないという見方は限定的です。
一部では固定的と考えられてきました。
しかし研究は違う可能性を示しました。
教育的な取り組みで変化が見られました。
例えば就学前の支援です。
数年後に行動や成果の差が出ました。
もしあなたが小さな目標を立てたら?
達成体験が自信を育てます。
この積み重ねが変化につながります。
急な変化ではありません。
少しずつ伸びます。
性格は努力と支援で変わる可能性が示されています。
「何を伸ばすか」を細かく見る重要性
大きな性格より具体的な力を見ることが大切です。
誠実性といっても中身は様々です。
- 自己管理
- 計画力
- 粘り強さ
研究では細かい力の方が、
成果との関係が強い場合がありました。
もしあなたが計画だけ苦手なら?
そこを意識すれば改善できます。
大きなくくりでは分かりません。
具体的に見ることで対策が立てやすいです。
そのため細かな分析が行われました。
どの力を伸ばすかを具体化することが成長の近道です。
性格と能力をどう測り、何を選ぶのか(調査の考え方)
社会情動の力を調べる理由
性格と能力は人生の多くに関わります。
学業や仕事だけではありません。
健康や幸福感とも関連しました。
研究では複数の国で調査が行われました。
その結果、共通する傾向が見られました。
もしあなたが将来を考えるなら?
勉強だけで十分か悩むでしょう。
そこで社会情動の力が注目されました。
これは心や行動の傾向です。
単なる気分ではありません。
性格と能力を広く見ることで人生理解が深まります。
10歳と15歳を測るねらい
成長の途中を知ることが目的です。
調査では10歳と15歳が対象でした。
2つの時期を比べます。
この差で発達を見ます。
もしあなたが15歳なら?
5年前と比べて変化があります。
その変化を数値で見ます。
環境との関係も調べます。
家庭や学校の影響です。
したがって単なる順位付けではありません。
発達の流れを知るための調査設計が行われました。
広い性格より具体的な力を重視する理由
大まかな分類だけでは不十分です。
広い性格は分かりやすいです。
しかし中身が多様です。
研究では細かな力の方が、
予測力が高い場合がありました。
例えば自己管理の力です。
もしあなたが目標を細分化したら?
行動が変わりやすいです。
同様に測定も細かくします。
これが調査の特徴です。
具体的な力を測ることで現実に役立つ知見が得られます。
国や文化が違っても比べられるかを見る視点
性格と能力は国を超えて共通する面があります。
複数の国で似た5つの分類が出ました。
これは偶然ではないと考えられます。
もしあなたが別の国に行っても?
誠実な人は誠実と感じます。
ただし細かな違いもあります。
文化による差です。
そのため慎重に比較します。
同じ質問で測ります。
信頼性も確認します。
共通性と違いの両方を見ることが大切です。
仕事・健康・幸福などとのつながりを見る
性格と能力は人生の広い結果に関わります。
研究では収入との関連も見られました。
また健康行動とも関係しました。
例えば誠実性と健康習慣です。
相関は約0.2から0.3でした。
もしあなたが規則正しく生活すれば?
体調は安定しやすいです。
同様に満足感とも関連します。
幸福度との関係も示されました。
ただし強すぎる断定はできません。
性格と能力は多方面に影響する可能性が示されています。
最後に
ここまで見てきたように、性格と能力は別々のものではありません。誠実性や協調性、好奇心、情動性といった性格の特徴は、学業や仕事、健康や幸福感ともゆるやかに関わっていることが研究で示されています。相関は0.2〜0.3ほどと強すぎるわけではありませんが、決して小さくもありません。
大切なのは、「才能があるかどうか」だけで自分を決めつけないことです。もし今うまくいっていなくても、行動の習慣や感情の整え方を少しずつ変えることで、将来の能力の伸び方も変わる可能性があります。性格は固定されたラベルではなく、経験の中で育っていく特徴です。
だからこそ、今日の小さな選択が未来をつくります。10分の勉強、1回の挑戦、1つの振り返り。その積み重ねが、あなたの性格と能力を同時に育てていくのです。

ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究し、論文4本執筆(うち2本ジャーナル掲載)。社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。







