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政治的不満は選挙で解決できるのか?原因を最新研究で解説

    政治的不満

    政治的不満を感じたことはありませんか。

    ニュースを見て「どうせ変わらない」と思ったり、選挙に行っても何も変わらない気がしたりすることは、若い世代にも少なくありません。友達との会話で政治の話題が出ても、「難しそう」「自分には関係ない」と感じる人もいるでしょう。

    従来は、政治的不満が高まるのは民主主義が弱い国だと考えられてきました。
    しかし、実際には民主主義と評価される国でも不満は広がっています。世界の民主主義指数は2006年の5.52から2024年には5.17へと下がり、多くの国で改善が見られません。

    こうした動きを整理したのが、ブルネイ・ダルサラーム大学(University of Brunei Darussalam)のアクム・アハサン・ウラ氏による論文「Trends in Political Science Research: Democratic Dissatisfaction」(International Political Science Abstracts、2025年)です。

    本記事では、この研究をもとに、政治的不満の原因とその意味をやさしく解説します。

    今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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    政治的不満とは何か

    政治的不満の意味をやさしく整理

    まず政治的不満とは、政治への強いがっかり感です。
    まず、政治的不満とは何かです。
    それは政治への失望や怒りです。
    特に制度が期待に応えない時に生まれます。
    たとえば約束が守られない場合です。
    また、声が届かないと感じる時です。
    さらに、説明が足りない時もです。

    もしあなたが生徒会長を選んだのに、
    意見が無視されたらどう思いますか。
    きっと不満を感じるはずです。
    国でも同じことが起きています。

    研究では信頼の低下が指摘されています。
    つまり、政治を信じにくくなっています。

    まとめると次の通りです。
    ・期待と現実の差が原因です。
    ・声が届かない感覚が広がります。
    ・信頼がゆっくり下がります。

    最後に言えるのは、不満は突然ではなく、少しずつ積み重なる感情だということです。

    民主主義の後退とはどんな現象か

    民主主義の後退は、少しずつ弱まる現象です。
    いきなり壊れるわけではありません。
    むしろ、ゆっくり進みます。
    たとえば次のような変化です。

    ・選挙の公平さが弱まる
    ・裁判所の独立が揺らぐ
    ・報道の自由が制限される

    一見すると形は残ります。
    しかし中身が薄くなります。
    この状態を後退と呼びます。

    もしあなたの学校で、
    投票はあるけれど結果が決まっていたら。
    それは本当の選挙でしょうか。
    形だけ残る状態に近いです。

    研究ではこの後退が世界で広がると示されます。
    167か国中130か国で改善が見られません。

    つまり、後退は一部の国だけではないのです。

    世界の民主主義指数が下がっている

    世界全体で数値が下がっています。
    民主主義指数という指標があります。
    これは政治の質を数値化したものです。
    2006年は5.52でした。
    ところが2024年は5.17です。
    約0.35下がっています。

    大きな差ではないと思うかもしれません。
    しかし、長い目で見ると深刻です。
    多くの国で点数が下がりました。

    もしテストの平均点が毎年少し下がれば、
    数年後には大きな差になります。
    政治でも同じです。

    この低下は自由や参加の弱まりを示します。
    つまり、世界的な傾向です。

    まとめると、数字は静かな警告と言えるかもしれません。

    不満が増えると何が起きるのか

    不満は行動を変える力があります。
    まず、投票行動が変わります。
    既存の政党から離れます。
    その結果、新しい勢力が伸びます。

    さらに、抗議活動が増えます。
    一方で、政治から離れる人も出ます。

    もしあなたが何度意見を出しても、
    何も変わらなければどうしますか。
    声を上げ続けますか。
    それとも諦めますか。

    研究では両方が起きると示されます。
    危機の後、政治参加が増えた例もあります。

    つまり、不満は行動を止めることも、
    動かすこともあるのです。

    結局、不満は社会を揺らす力を持っています。

    不満は「民主主義の終わり」なのか

    不満は必ずしも終わりではありません。
    むしろ改善のきっかけになることもあります。
    たとえば国民投票の活用です。
    市民が直接意見を示します。

    また、制度の見直しも起きます。
    透明性を高める動きもあります。

    もしあなたの学校で不満が出たら、
    話し合いの場を増やすかもしれません。
    それと似ています。

    研究でも、不満が改革を促すと述べられます。
    ただし、放置すれば悪化します。

    ・改善に向かう場合
    ・分断が深まる場合

    どちらになるかは対応次第です。

    したがって、不満は危機であり、同時に変化の種でもあると言えます。

    政治的不満が増える主な原因

    民主主義への信頼低下が進む

    政治への信頼が下がることが出発点です。
    まず、多くの国で信頼が弱まっています。
    制度を信じにくい空気があります。
    特に若い世代で顕著とされます。

    世界では167か国が評価されました。
    そのうち130か国で改善が見られません。
    これは広い範囲の変化です。

    もしあなたが約束を何度も破られたら、
    相手を信じ続けられますか。
    信頼は少しずつ減ります。
    政治でも同じです。

    信頼とは、任せても大丈夫という感覚です。
    この感覚が揺らいでいます。

    ・約束が守られない
    ・説明が十分でない
    ・不正が疑われる

    以上が信頼低下の背景です。
    結局、信頼が下がると不満は自然に広がります。

    制度がうまく機能しないと感じる

    また制度が動かないと不満は強まります。
    制度とは政治の仕組みのことです。
    たとえば議会や裁判所です。

    米国では評価が7.85あります。
    それでも強い分断が続きます。
    話し合いが進まない状況です。

    もしクラスで話し合いが止まれば、
    決めるべきことが決まりません。
    その状態が続けば不満は増えます。

    制度の非効率とは、
    決定が遅れることです。
    また、声が反映されないことです。

    ・政策が前に進まない
    ・対立が固定する
    ・責任があいまい

    こうした感覚が広がります。
    つまり、制度が止まると不満も広がるのです。

    格差と生活不安が不満を押し上げる

    経済の不安定さは不満を生みます。
    2008年の金融危機が転機でした。
    多くの人が将来に不安を持ちました。

    格差とは、収入の差のことです。
    一部が豊かになり、
    他が苦しくなる状態です。

    もし友達の半分だけが特別待遇なら、
    あなたはどう感じますか。
    不公平に思うかもしれません。

    研究では主観的な不公平感が重要とされます。
    実際の数字以上に、
    「損をしている感覚」が影響します。

    ・生活費の上昇
    ・雇用の不安
    ・将来の見通しの悪化

    これらが不満を後押しします。
    したがって、経済の不安は政治的不満と結びつきやすいのです。

    ネオリベ政策が不満を深める

    市場重視の政策も一因とされます。
    市場重視とは競争を優先する考えです。
    規制を減らし民営化を進めます。

    しかし、弱い立場の人は不安を感じます。
    公共サービスが縮小する場合があります。

    もし学校の図書室が有料になったら、
    利用しにくくなります。
    それと似た感覚です。

    研究ではこの政策が
    民主主義の価値を弱めたと指摘されます。
    特に社会保障の縮小が影響します。

    ・競争の強調
    ・公共性の後退
    ・個人責任の強調

    これが不満を積み上げます。
    つまり、政策の方向性も不満の背景になります。

    ポピュリズムが支持されやすくなる

    既存政党への不満が新勢力を伸ばします。
    ポピュリズムとは、
    「民衆対エリート」の構図を強調する考えです。

    中道勢力が弱まった地域があります。
    そこに新しい勢力が広がりました。

    もしあなたが部活の方針に不満なら、
    新しい代表を選びたくなるでしょう。
    その心理に近いです。

    研究では経済不安と文化的不安が重なると、
    支持が強まりやすいとされます。

    ・既存政党への怒り
    ・変化への期待
    ・単純な解決策の提示

    こうした要素が重なります。
    結果として、政治の地図が変わるのです。

    政治的不満が生む行動と社会の変化

    分断が強まり対立が深くなる

    政治的不満は社会の分断を強めます。
    分断とは意見が大きく割れることです。
    対話が難しくなる状態です。

    たとえば米国では強い分極が続きます。
    分極とは立場が極端に離れることです。
    歩み寄りが減る現象です。

    もしクラスが2つに割れたら、
    話し合いは難しくなります。
    相手を敵のように見るかもしれません。

    研究ではこの対立が信頼を弱めるとされます。
    制度への不信も広がります。

    ・相手の主張を聞かない
    ・妥協を裏切りと感じる
    ・選挙結果を疑う

    こうした状況が生まれます。
    結果として、政治的不満は対立を深めやすいのです。

    直接民主主義を求める声が増える

    政治的不満は参加を求める声も生みます。
    直接民主主義とは、
    市民が直接決める仕組みです。
    国民投票が例です。

    研究では不満が強い人ほど、
    直接参加を支持しやすいと示されます。

    もしあなたが代表を信じられないなら、
    自分で決めたいと思いませんか。
    その感覚に近いです。

    ただし、全員が同じ方向ではありません。
    補完として使う人もいます。
    代わりにしたい人もいます。

    ・代表を助ける仕組み
    ・代表を置き換える仕組み

    両方の考えがあります。
    つまり、不満は参加の形を変える力を持ちます。

    知識が少ないほど利害取引を許しやすい

    政治の知識が少ないと影響を受けやすいです。
    政治知識とは制度の理解のことです。
    仕組みを知っているかどうかです。

    ある研究では、
    不満が強く知識が低い人ほど、
    利益の約束を受け入れやすいとされます。

    もしあなたが制度を知らなければ、
    目の前の特典を選ぶかもしれません。
    長期的な影響は見えにくいです。

    一方で、知識が高い人は、
    制度全体を重視します。

    ・短期的な利益を選ぶ
    ・長期的な改革を選ぶ

    対応が分かれます。
    したがって、知識の差は不満の表れ方を変えるのです。

    「もっと参加」か「専門家に任せる」かが割れる

    不満は2つの方向に分かれます。
    1つは参加を増やす考えです。
    もう1つは専門家に任せる考えです。

    専門家に任せる考えは、
    政治家より技術者を信じる姿勢です。

    もしクラスが混乱したら、
    全員で決める方法もあります。
    一方で、先生に任せる方法もあります。

    研究では両方が確認されています。
    同じ不満でも答えは違います。

    ・民衆主導を強める
    ・専門家主導を支持する

    背景には制度不信があります。
    つまり、不満は単一の行動を生むわけではありません。

    危機が不満を政治行動に変えることがある

    危機は不満を動きに変えます。
    2008年の金融危機があります。
    2014年の難民問題も例です。

    危機の後、政治参加が増えた地域があります。
    投票率の差も広がりました。

    もしあなたが突然のトラブルに直面したら、
    黙っていられないかもしれません。
    行動を起こす可能性があります。

    研究では不満な人ほど、
    危機後に活発になる傾向が示されます。

    ・抗議活動の増加
    ・新しい運動の誕生
    ・既存政党からの離脱

    こうした変化が起きます。
    結論として、危機は政治的不満を可視化する装置とも言えます。

    政治的不満を「改善」に変える道

    女性や周縁化された人の声が見えにくい

    政治的不満は全員同じ形ではありません。
    特に女性や少数の立場の人は、
    不満を表しにくい傾向があります。

    研究では、
    女性は政治参加の自信が低く出やすいとされます。
    これを自己効力感の差と呼びます。
    自己効力感とは、自分はできるという感覚です。

    もしあなたが会議で発言しても、
    真剣に聞いてもらえないと感じたら、
    次は黙るかもしれません。

    その結果、不満は見えにくくなります。
    しかし消えたわけではありません。

    ・発言の機会が少ない
    ・評価が偏る
    ・参加の負担が大きい

    こうした壁があります。
    つまり、不満を正しく理解するには、
    見えない声に目を向ける必要があります。

    デジタル空間が不満を悪化させる場合がある

    情報の広がり方も影響します。
    今は多くの人がネットで情報を得ます。
    しかし同じ意見だけを見る場合があります。

    これを情報の囲い込みと呼びます。
    似た考えの中だけで交流する状態です。

    もしあなたが好きな意見だけを見れば、
    反対意見は遠ざかります。
    対話は減ります。

    研究では、
    ネット空間が分断を強めると指摘されます。
    一方で、参加を広げる面もあります。

    ・意見の偏りが強まる
    ・怒りが拡散する
    ・運動が広がる

    両面があります。
    結局、使い方次第で不満は強まることも、
    解消に向かうこともあります。

    国際政治でも不満は広がっている

    政治的不満は国内だけではありません。
    国と国の関係でも見られます。

    インドやブラジルなどは、
    国際機関の改革を求めています。
    しかし影響力には限界があります。

    もしあなたの意見が、
    大きな会議で聞かれなければ、
    不満を持つでしょう。

    同じ構図が国際社会にもあります。
    経済や安全保障の不安定さも影響します。

    ・発言権の偏り
    ・構造的な不平等
    ・競争の激化

    これらが重なります。
    つまり、不満は国境を越えて広がっているのです。

    不満は改革のきっかけにもなりうる

    政治的不満は必ずしも破壊ではありません。
    時には改善を促します。

    たとえば国民投票の活用があります。
    市民が直接意見を示しました。
    参加の機会が増えました。

    もしあなたの提案が形になれば、
    不満は希望に変わるでしょう。

    研究では、
    不満が制度改革につながる例が示されます。
    ただし自動的ではありません。

    ・透明性を高める
    ・説明責任を強める
    ・参加の場を増やす

    こうした対応が必要です。
    したがって、不満は改善の出発点にもなります。

    必要なのは包摂的で応答的な制度づくり

    鍵は制度の応答性です。
    応答性とは、
    市民の声に応える力のことです。

    また包摂とは、
    誰も排除しない姿勢です。

    もしクラス全員の意見を聞けば、
    納得感は高まります。
    政治でも同じです。

    研究では、
    包括的な仕組みが信頼を高めるとされます。
    逆に無視が続けば不満は広がります。

    ・説明を丁寧にする
    ・少数の声を尊重する
    ・参加の機会を広げる

    こうした工夫が求められます。
    結論として、政治的不満を減らすには、
    開かれた制度づくりが欠かせません。

    最後に

    政治的不満は、ただの怒りやあきらめではありません。世界では167か国中130か国で民主主義の改善が見られず、指数も2006年の5.52から2024年には5.17へ下がっています。しかし、不満は必ずしも「終わり」を意味するわけではありません。

    制度がうまく動かない、格差が広がる、声が届かないと感じるとき、人は変化を求めます。その結果、直接参加の仕組みが広がったり、制度改革の議論が進んだりすることもあります。

    大切なのは、不満を無関心に変えるのではなく、よりよい社会をつくる力に変えることです。政治は遠いものではなく、私たちの毎日の選択とつながっています。

    補足

    分類原因詳細・引用
    制度的要因① 民主的制度の非効率・応答性の欠如政治制度が市民の声を反映できず、立法の停滞や官僚主義が進行(例:米国の議会停滞)
    ② 選挙の不正操作・司法の独立性低下ハンガリー、ポーランドなどで選挙制度や司法制度が形骸化(Levitsky & Ziblatt, 2018)
    ③ 政治的腐敗・不透明な政策決定中国やラテンアメリカで特に顕著(Ma, Guo & Yu, 2022)
    経済的要因④ 所得格差の拡大と経済的不安2008年金融危機以降、富の集中と中間層の没落が顕在化(Milanovic, 2019;Tooze, 2018)
    ⑤ ネオリベラリズム政策の影響民営化・規制緩和が社会的セーフティネットを破壊(Brown, 2019)
    社会文化的要因⑥ アイデンティティ不安・文化的摩擦EU補助金の受給者ですら、伝統喪失の象徴として反発(Bilewicz et al., 2022)
    ⑦ マイノリティや女性の政治的周縁化ジェンダーによる自己効力感の格差(Goenaga & Hansen, 2022)
    情報環境⑧ SNS・デジタルメディアの分断効果情報の過剰・エコーチェンバー化で対話不能に(Zuboff, 2019)
    ⑨ 陰謀論・選挙不信の拡大米国大統領選での「選挙の不正」信仰と制度不信(Mongrain, 2023)
    政治構造・リーダーシップ⑩ ポピュリズムの台頭既存政党が空白を生む中、エリートへの怒りを利用(Rooduijn, 2020;Berman, 2019)
    ⑪ ステルス・デモクラシー志向の増加「政治家は専門家がやるべき」などの脱政治的態度(Esteban & Stiers, 2024)
    心理・認知的要因⑫ 主観的な不公平感客観的経済状態より「他者と比較して損している感覚」が不満を強化(Ramaekers et al., 2023)
    ⑬ 政治知識の不足クライエンテリズム容認など非制度的参加への傾斜(Gherghina et al., 2022)
    地政学的要因⑭ 国際制度への不信国際機関(例:国連、IMF)における先進国の支配構造への反発(Hodzi, 2019)
    ⑮ 移民・難民政策への不満EUの難民対応や国境管理が国内政治の分断を悪化(Ejrnæs & Harrebye, 2022)
    常盤瑛祐、トキワエイスケ、ときわえいすけ、Tokiwa Eisuke

    ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
    株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究し、論文4本執筆(うち2本ジャーナル掲載)。社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。