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子ども時代の逆境ACE:虐待などで将来の薬物利用10倍に

    毒親、子ども時代の逆境、ACE

    子ども時代の逆境は、大人になれば関係ないと思っていませんか。

    従来は、子どものころのつらい経験は時間がたてば自然に薄れると考えられてきました。
    しかし、大規模な研究はそれとは違う結果を示しました。
    子ども時代の逆境は、大人になってからの健康や行動と深く関係している可能性があるのです。

    このテーマを明らかにしたのが、「Relationship of Childhood Abuse and Household Dysfunction to Many of the Leading Causes of Death in Adults」という研究です。
    米国カリフォルニア州のカイザー医療機関と米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention)が共同で行い、1998年に医学誌『American Journal of Preventive Medicine』に掲載されました。
    約1万7千人を対象にした調査で、子ども時代の逆境と大人の健康リスクの関係を詳しく分析しています。

    今回も、性格研究者で悪者図鑑著者のトキワ(@etokiwa999)が解説していきます。
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    子ども時代の逆境とは何かという出発点

    子ども時代の逆境の7つの種類

    まず子ども時代の逆境は7つに分けられています。
    これは子どものころのつらい体験のことです。
    研究では7つの種類に分けました。

    • 心理的な暴言やおどし
    • 身体的な暴力
    • 性的な被害
    • 家族の飲酒や薬物問題
    • 家族のこころの病気
    • 母への暴力
    • 家族の服役

    もしあなたが毎日おどされていたらどうでしょうか。
    それは心に大きな負担になります。
    つまり逆境とは家庭の中の強いストレスです。
    この7つを数えて合計したものを点数にしました。
    点数は0から7までです。
    まずは逆境の正体を知ることが大切です。

    半数以上が経験しているという事実

    実は約52%が1つ以上の逆境を経験していました。
    これはとても多い数字です。
    さらに25%ほどが2つ以上でした。
    4つ以上の人も約6%いました。

    もしクラスに40人いたらどうでしょうか。
    約20人は何かを経験しています。
    そのうち2人は4つ以上です。
    これは特別な話ではありません。
    逆境は珍しいものではないのです。
    したがって社会全体の問題といえます。
    まずは広く起きている事実を知ることが重要です。

    子ども時代の逆境はめずらしくない

    逆境は一部の人だけの話ではありません。
    たとえば家族の飲酒問題は25%でした。
    性的な被害も22%でした。
    母への暴力は12%でした。

    もしあなたの周りを見渡したらどうでしょう。
    見えないだけで存在するかもしれません。
    しかし外からは分かりにくいのです。
    だからこそ気づきにくい問題です。
    逆境は静かに広がっています。
    見えない現実を知ることが出発点です。

    逆境は重なることが多い

    1つ経験した人の多くは別の逆境も経験していました。
    つまり重なりやすいのです。
    1つだけで終わらない場合が多いです。

    もし家族に飲酒問題があればどうでしょう。
    そこに暴言や暴力が加わることもあります。
    研究では重複率が高いと示されました。
    逆境は連鎖しやすいのです。
    したがって合計の数が重要になります。
    重なりが後の健康に関係すると考えられました。

    子ども時代の逆境をどう数えるのか

    逆境は合計点で評価されました。
    7種類のうち当てはまる数を足します。
    たとえば2つなら2点です。
    最大は7点です。

    もしあなたが3つ経験していたらどうでしょう。
    点数は3になります。
    この点数と大人の健康を比べました。
    その結果、点が増えるほど問題も増えました。
    これを段階的な関係といいます。
    つまり量が増えると影響も増える傾向です。
    点数で見ることで全体像が分かります。

    子ども時代の逆境が大人の行動に影響する物語

    逆境が増えるほどリスクも増える

    逆境の数が増えるほど健康問題も増えました。
    これが最も重要な発見です。
    0点と4点以上では差が大きいです。
    段階的に上がる関係でした。

    もしあなたが4つ経験していたらどうでしょう。
    0の人より多くの問題を抱える可能性があります。
    数字ははっきり増えていました。
    この関係は統計的に強いものでした。
    逆境はあとから影響することがあります。

    自殺未遂が大きく増えるという結果

    自殺未遂は12倍以上に増えていました。
    0点では約1%でした。
    4点以上では18%でした。
    これは大きな差です。

    もし毎日強いストレスが続いたらどうでしょう。
    心が限界に近づくことがあります。
    もちろん全員ではありません。
    しかし割合は明らかに高くなりました。
    逆境とこころの危機は関係が示されました。

    アルコールや薬物との関係

    アルコール依存は7倍以上でした。
    0点では約3%です。
    4点以上では16%でした。
    注射薬物は10倍以上でした。

    もし強い不安を抱えたらどうでしょう。
    一時的に楽になる方法を探すかもしれません。
    それが飲酒や薬物になる場合があります。
    これは対処行動と考えられました。
    対処とはつらさを和らげる行動です。
    しかし長期的には健康に影響します。

    喫煙や肥満とのつながり

    喫煙は約2倍に増えました。
    重い肥満も1.6倍でした。
    0点より4点以上で高くなりました。

    もし気持ちを落ち着かせたいならどうしますか。
    たばこや食べ過ぎを選ぶ人もいます。
    短い安心が長い影響を生むことがあります。
    すぐの効果と将来の負担は違います。
    逆境は行動に影響を与える可能性があります。

    性感染症や性的行動との関連

    性交渉50人以上は3倍以上でした。
    性感染症は2.5倍でした。
    数が増えるほど割合も上がりました。

    もし自己肯定感が低ければどうでしょう。
    危険な行動を選ぶ場合があります。
    もちろん全員ではありません。
    しかし統計では増加が見られました。
    逆境は対人関係にも影響する可能性があります。

    子ども時代の逆境が病気につながる現実

    心臓病との関係

    心臓病は約2倍に増えていました。
    0点で約4%です。
    4点以上で約6%でした。

    もし長年ストレスが続いたらどうでしょう。
    体は緊張状態になります。
    それが血管に影響する可能性があります。
    段階的に増える傾向が見られました。
    逆境と体の病気の関係が示されました。

    慢性肺疾患との関係

    慢性肺疾患は約4倍でした。
    0点で約3%です。
    4点以上で約9%でした。

    喫煙が増えることも関係します。
    行動と病気がつながっています。
    逆境は間接的にも影響します。
    つまり行動を通じて病気が増えます。
    複数の経路が考えられました。

    がんとの関係

    がんも約2倍近くに増えました。
    差は小さく見えます。
    しかし統計的な関連がありました。

    もし長期的に健康行動が悪化すればどうでしょう。
    体への負担は積み重なります。
    逆境は生活習慣を通じて影響します。
    直接ではなく間接の可能性もあります。
    完全な原因とは断定できません。

    肝炎や骨折との関係

    肝炎は約2倍でした。
    骨折は1.6倍でした。
    どちらも増加傾向でした。

    肝炎は感染や飲酒と関係します。
    骨折は事故と関係します。
    行動の違いが病気に影響します。
    逆境は生活の安全にも関わります。
    多面的な影響が考えられます。

    自分の健康を悪いと感じやすくなる

    健康を悪いと答えた人は2倍以上でした。
    0点で16%です。
    4点以上で約29%でした。

    もし体調が同じでもどうでしょう。
    気持ちが重いと悪く感じやすいです。
    主観的健康とは自分の感じ方です。
    これは死亡率とも関係します。
    逆境は心身の両方に影響します。

    子ども時代の逆境を知ることが未来を変える

    問題行動は生き延びるための対処だった

    行動は生き延びる工夫だった可能性があります。
    飲酒や喫煙は一時的に楽になります。
    しかし長期では負担になります。

    もし強い恐怖の中で育てばどうでしょう。
    何かで気持ちを落ち着けたくなります。
    それが対処行動です。
    対処とはつらさを和らげる方法です。
    逆境の理解は見方を変えます。

    早く気づけば予防できる可能性

    早期支援が将来の病気を減らす可能性があります。
    逆境は幼少期に始まります。
    だから支援も早い方がよいです。

    もし保健の先生が気づいたらどうでしょう。
    家庭への支援が始まります。
    行動の悪化を防げるかもしれません。
    すべて防げるとは限りません。
    しかし可能性はあります。

    子ども時代の逆境は社会全体で減らせる

    家庭環境は社会で改善できます。
    研究は予防の重要性を示しました。
    家庭訪問などの取り組みもあります。

    もし地域で支え合えばどうでしょう。
    孤立は減ります。
    逆境の発生も減る可能性があります。
    個人だけの問題ではありません。
    社会全体の課題です。

    早期支援が将来の健康を守る

    幼少期の支援は長期の健康に関係します。
    研究はその可能性を示しました。
    早い介入が鍵です。

    もし3歳までに支援があればどうでしょう。
    家庭の負担が軽くなります。
    子どもの安心感も高まります。
    その積み重ねが将来に影響します。
    早期支援は未来への投資です。

    子ども時代の逆境を知ることが希望になる

    逆境は未来を決めるものではありません。
    関連はあっても確定ではありません。
    多くの人が乗り越えています。

    もし過去につらい経験があればどうでしょう。
    それを知ることが第一歩です。
    理解は予防につながります。
    研究は事実を示しました。
    だからこそ今から変える力もあります。

    最後に

    子ども時代の逆境は、決して「過去の出来事」だけではない可能性があります。
    研究では、逆境の数が増えるほど、喫煙や飲酒、うつ、自殺未遂、さらには心臓病や肺の病気などが増える傾向が示されました。
    とくに4つ以上の逆境を経験した人では、自殺未遂が約12倍に高まるという結果も出ています。

    しかし、ここで大切なのは「だから将来は決まってしまう」という話ではないことです。
    逆境と健康には関連がある、ということが分かっただけです。
    つまり、仕組みを知れば対策も考えられるということです。

    もしあなたがつらい経験をしてきたとしても、それは弱さの証ではありません。
    それは厳しい環境の中で生き延びてきた証でもあります。
    過去を理解することは、自分を責めることではなく、未来を守る第一歩です。

    子ども時代の逆境を知ることは、悲観するためではありません。
    むしろ、自分の心と体を大切にするきっかけになります。
    知識は不安を減らし、選択肢を増やしてくれます。
    だからこそ、過去を知ることは、未来を変える力になるのです。

    補足、逆境体験ごとのリスク

    リスク行動ACE0ACE4以上オッズ比
    自殺未遂1.2%18.3%12.2倍
    アルコール依存2.9%16.1%7.4倍
    注射薬物使用0.3%3.4%10.3倍
    違法薬物使用6.4%28.4%4.7倍
    抑うつ14.2%50.7%4.6倍
    喫煙6.8%16.5%2.2倍
    性感染症5.6%16.7%2.5倍
    性交渉50人以上3.0%6.8%3.2倍
    重度肥満5.4%12.0%1.6倍
    運動不足18.4%26.6%1.3倍
    疾患ACE0ACE4以上オッズ比
    慢性気管支炎/肺気腫2.8%8.7%3.9倍
    虚血性心疾患3.7%5.6%2.2倍
    脳卒中2.6%4.1%2.4倍
    肝炎/黄疸5.3%10.7%2.4倍
    自己評価健康不良16.3%28.7%2.2倍
    骨折3.6%4.8%1.6倍
    糖尿病4.3%5.8%1.6倍
    常盤瑛祐、トキワエイスケ、ときわえいすけ、Tokiwa Eisuke

    ライター 兼 編集長:トキワエイスケ @etokiwa999
    株式会社SUNBLAZE代表。子どもの頃、貧困・虐待家庭やいじめ、不登校、中退など社会問題当事者だったため、社会問題を10年間研究し自由国民社より「悪者図鑑」出版。その後も社会問題や悪者が生まれる決定要因(仕事・教育・健康・性格・遺伝・地域など)を在野で研究し、論文4本執筆(うち2本ジャーナル掲載)。社会問題の発生予測を目指している。凸凸凸凹(WAIS-Ⅳ)。